1運動神経の発達って、体を動かす練習のこと。学童までの低年齢ほど大事

運動神経が育つとは
  • 筋力
  • 神経

運動機能って、この2つが育つこと

どちらもバランスよく動かして成長させていくのが理想。

運動というのは協調運動と言って

飛んできたボールを見て、タイミングよく腕を動かす

鉄棒の前回りやマット運動なんかだと、逆さまになってる感覚にたじろがずに体を動かす。

幼児もやるブランコだと、前後運動に合わせて体重を移動する

実際には「運動神経」と言う名の神経はなくて、

感覚と筋肉を動かす神経をつなげて、体を動かす練習によってイメージした思い通りに動かせるようになること。

運動

そこで出てくるのがスキャモンの発達曲線。

年齢によって、体のいろんな機能がどんな感じで発達していくかっていう超有名グラフですが、

筋力は「一般型」の成長。
加齢と共に、だんだん育っていく感じです。

✔それに比べて神経は、年齢が小さいうちに一気に育ってあとは緩やかに育つ形。

スキャモンの発達曲線
国立スポーツセンター

神経発達の早さが子どもの特徴なので、小さいうちにあんまり動かないと、体を動かす練習をしてないってことになります。

視覚や聴覚で外からの情報が入ってきても、

  • 「体を動かす司令を脳が出す神経」
  • 「実際に体を動かす神経」

ここが練習してないと育たないわけです。

ボールが飛んできて

子どもの脳
あっ、ボールが来た。

次はえーっと、
手を動かそう。

脳がモタモタ考えてる間に、ボールがすごいスピードで飛んできて顔に当たる。

途中からでも練習すればうまくなるけど、苦手意識が一旦出てくるとボールが飛んでくる場所に行かなくなるから練習できない。

入ってくる感覚にも慣れず、体を動かすイメージも育たない。

ますます動けなくなる負のループができます。

ループ

2.低学年までの子に運動させたいと思ってスポーツをさせるのは、苦手を増幅する逆効果

体を動かすとか運動っていうと、スポーツを思い浮かべる人も多いと思います。

でも実は、運動機能の発達にはスポーツが適しているとは言えないんです。

その理由2つは

スポーツが運動神経発達には適さない理由

① スポーツは特定の運動だけを練習するから、子どもに必要な全般的な運動神経は育ちにくい

② 勝ち負けがあるから得意不得意が分かりやすく、一旦苦手意識が芽生えると子どもは克服しようと思わず辞めてしまう

走る

2-1.スポーツは特定の運動だけをするから、全般的な運動は得意にならない

運動機能の発達にはいろんな動きをする経験が一番。

いろんな動きをする例
  • その場でくるくる回る
  • 小さいボールを投げる
  • 巨大ボールを体全体で放り投げる
  • その場でジャンプする
  • 高いところから飛び降りて着地
  • 棒にぶら下がって逆さになる
  • ボールを蹴る
  • 飛んできたボールを取る
  • 片足でたってバランスを取る
  • 手だけで体重を支える

👆他にも、いくらでも思いつきます。

縄跳び

それに対してスポーツは、

サッカー

  • やってきたボールを蹴る
  • 走る

野球のバッター

  • 棒を降って玉を打つ
  • 走る

ドッジボールだと

  • ボールを投げる
  • 来たボールを取るか避けるの判断する
  • 回りを見て走る
ドッジボール

世の中には数限りない動きがあるのに、スポーツって言うととっても少ない種類の動きを

「繰り返し同じ動作をやって」
「特定の動きだけを練習してうまくなる」

ことが目的で、特に競技スポーツは全部そう。

これを知ったところで、

疑問
野球だけやってたら

全般的な運動機能が
鍛えられるんでしょうか?

って聞かれたら、どう答えますか?

野球だけが好きで、野球だけをやりたいってなら、
やり続けたら多分うまくなります。

だけどボールを蹴る力とか、体を回転させたときの感覚とか、その他の運動能力は全く育たないわけです。

サッカー

特定のスポーツは、特に子どもに運動機能を高めて元気になってほしいって目的を果たしにくいわけです。

まあ運動はしてるわけだから、当たらずとも遠からずなんですが、

運動させて元気になってほしい!
   ➔ "じゃあスポーツやらせよう"

って固定観念はいらないってことです。

指ネコ
スポーツは言われてみると、

きまった筋肉しか使わないにゃ

2-2.勝ち負けや運動能力の差で、簡単にやる気をなくして戻ってこない

スポーツ庁がやった、こんなデータがあります。

運動を楽しいと感じるときはいつか?👇️

運動が楽しいとき

このデータから分かることは、とても当たり前だけど、とても大切なこと。

スポーツは、勝ったときが楽しいってこと。

裏を返せば勝たなきゃつまらんってことです。

実は大変なこと。

なぜなら苦手な子はそもそも勝てない。

苦手だって思っていて入り口から「つまらない」のに、勝てないからさらにつまらない。

うまくできたときが楽しいって項目もあるから、勝ち負けじゃだけじゃないとしても、やっぱり勝ち負けは大きいんです。

また子どもは、年齢が低いほど直感で行動するもの。

負け続けたら直感で「つまらん」って経験だけ積み重なって、苦手意識から敬遠するようになります。

たまに勝てればいいけど、負け続けたら興味の移り変わりが激しい子どもは嫌になって別のことをしだす。

敢えて苦手を克服しようとする子は、特に学童クラブに行くくらいの小学校低学年以下ではいません。

大人が

大人
嫌なことから逃げないで!

👆よく言いますが、低学年以下には無意味かつ悪影響だけを及ぼすな叱咤激励。

強制的に嫌なことをさせられる経験は、自己肯定感の育ちや、好奇心の育ちなどいろんな方面で、悪影響しか生みません。

つまらない

さてスポーツの話に戻しましょう。

勝敗や得意不得意、他の子との能力の差が分かりやすいのがスポーツです。

相手に勝ちたくて頑張る、チームと協力していくなど、学べることは実際に多いと思います。

でも入り口として、まずスポーツをやっている輪の中に入る必要があります。

そして苦手意識を持った子は、そもそもスポーツを進んでやろうなんて思いません。

苦手な子に親がスポーツをやらせようとしても、モチベーションが上がらないから単なる苦行。

やりたくない

ドッヂボールは子どもの中ではメジャーな遊び、避けたり逃げ回っているだけの子は楽しそうに見えます。

だけど苦手意識を持った子は、そのうち入ってこなくなくなります。

子どもの正直なところは、学年が上がって多少優位に立てるようになると、また入ってきたりするってところ。

他には女の子などは男の子がいると入ってこないけど、女の子だけの時間に喜んで入ってきたりします。

能力の差を子どもが敏感に感じとり、相手が強いからつまらないって、やる前から分かっちゃうから「やらない」ってなるのが子ども。

グループで過ごす

そこで次の節でお話しますが、厳しいコーチに怒られでもしたら、その競技だけ嫌になればまだマシで、運動すること全部が嫌になるかもしれません。

勝敗もあるので上手い子は楽しくて続きます。

あくまで「うまい子」は楽しい。

得意じゃない子は途中でやめちゃいます。

ジャム
負け続けて何回やってもうまくいかない。

うまくいかない原因は
「足が遅いから」だと

挑戦する気も
起きなくなります。

2-3.運動が好きになるか苦手意識を持つかは、関わる大人の態度も超大事

休日の子ども会か何かの野球で、たまにみる場面。

野球バカ
そんなミスするなよ、
ばか野郎


みたいな感じで檄を飛ばす。

見てる熱血指導のお父さんお母さん、自分も運動部で頑張ってきて、子どもにも同じことをやらせたいと思ってるような方は

「やってるなー」くらいにしか思わないかも。

私は違和感しか感じません。

怒られたくなくて

コーチか誰か知りませんが、怒鳴りながら子どもにやらせている。

それでもやる子はやるでしょう。

だけど、実は嫌いになってしまう方の子を量産してるだけ。

怒られたくなくてやる。

だけど「そもそも野球なんてやらなくてもいいんだ」って気づくと、単なる苦行

続けられない子に向かって、「根性がない」って思いますか?

いや、大人の教え方がくそ下手なだけです。

このケースに限らないけど、子どもの成長すべてにおいて、大人の関わりがとんでもなく影響します。

スポーツの指導だから厳しい方がいいんだ、みたいな考え方は誤り

まあ特定のスポーツが好きでうまくなると、体を動かすことが好きになって、運動自体が好きになるループが確かにできる。

だだ親としては「野球がうまくなってほしい」って考える人は少ない。

  • チームで人とか関わる喜びを感じてもらったり、
  • 有り余るエネルギーを発散させたい、
  • 好きなものに打ち込んで自信をつけてほしい、

👆みたいな競技を越えた大切なものを身に着けてほしい、という思いを持ってます。

その根源は、「子どもには元気に育ってほしい」

元気に育って

でもスポーツの指導に当たる人の中には、
「勝つことが全て」
「勝つことを目標に頑張ることに意味がある」

みたいな考え方をする人も少なくない。

そうなってくると、

✔ 勝つための厳しい指導
✔ やる気のない子は無理矢理でもやらせる

なんて事にもなりかねず、運動が楽しくなるわけがありません。

スポーツにこだわることもないって話と、スポーツだと教える人に大きく左右されるって話でした。

ひよこの子ども

3.運動は楽しければ子どもは好きになる~じゃあ楽しいときはいつ?

スポーツ庁のやった調査をもう2つ紹介しますね

運動が楽しいとき

「運動やスポーツを行って楽しいと感じたとき」の平均選択数が多いほど、

運動やスポーツをすることが運動やスポーツへの意識と運動やスポーツを行って 「好き」と回答する割合が高かった(図1-3)。

好きじゃないと楽しくないってこと。
ということは、楽しければ好きになるってこと。

楽しければ好き

どんな時が楽しいのか?
勝ち負けも楽しさの要素だけど、それ以外には

・うまく出来たとき
・できるようになった時

楽しいってデータがありました。

●コツを教えてできるようになったときが楽しい
●できるようになったときがけっこう楽しい


➔どのタイミングでできるようになるのか?
図1-5

じゃあ次に、できるようになった時っていつなの?って疑問

運動ができるようになったきっかけ

スポーツ庁の「令和元年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査報告書
2章テーマ 「運動が楽しいとき」から考える運動が苦手な児童生徒の特徴と、体育授業の取組についてより引用

データはスポーツに関してですが、運動全般に広げても問題ないでしょう。

運動の楽しさの要素

友達と関わってコツを教えてもらってできるようになったり、自分がちゃんと参加してる実感を持つこと。

4.子どもが運動を好きになるきっかけは?学童期までは鬼ごっこなどの昔遊びが優秀

スポーツは今まで話したようにハードルが高いので万人に当てはまらない。

だから子どもを運動に誘うには、手軽な動きのある遊びが理想的です。

動きのあるお手軽遊び
  • 鬼ごっこ
  • コマ回し
  • フラフープ
  • 縄跳びや大縄跳び
  • 竹馬
  • メンコ
  • お手玉

👆昔遊びって優秀ですよね。

楽しみながら体をいつの間にか使ってた!ってなる遊びばかり。

フラフープ

特に鬼ごっこは保育園だと「毎日でもやる方がいい」って言われるほどパーフェクトな遊び。

運動を通して瞬間的に回りを見る力や、判断力、理解力、体の使い方、体力増進、楽しさ、いろんな要素がつまってるからです。

体育が苦手な子でも、休み時間に友達とやるスポーツじゃない遊びは好きですよ。

こだわるような勝ち負けもあまりない。

かくれんぼ

あとは子どもにはメジャーじゃないけど、介護施設でやるようなレクレーションも穴場的運動遊び。

  • レジ袋を風船みたいにしてポンポン
  • ボールを転がしてパスし合う

子どもは目新しいのが好きだからけっこう食いついてきますよ。

楽しい

一人遊びの道具もいくらでも出てるし、日常的な道具を転用して遊んだりもできる。

歩数計をシェイクして、一分で何回カウントが進むか?とか。

  1. いろんな遊びに誘ってみて、
  2. それとなく運動してもらって、
  3. いつの間にか運動好きになってた!

ってのを目指しましょう。

運動が楽しいとき

2章で書いた「楽しいと感じるとき」

  • うまく出来たとき
  • できるようになったとき

勝ち負けのない遊びを繰り返し挑戦して、友達や大人にコツを教えてもらってできるようになる。

昔遊びや一人遊びのおもちゃの条件にピッタリだと思います。

友達

メンコとか、多少勝ち負けの要素はあるけど、

鬼ごっこも足の速さとかあるけど、

小学校2年生くらいまでなら、子どもはそこまで気にしてない様子。

昔遊びや一人遊びのおもちゃを用意しといて、家で友達がいない状況でも、大人がタイミングみて誘ってみれば、知らない間に運動するようになりますよ。

"相手しなくていいや"ってテレビばっかりつけてたら、そりゃ動かなくなるわけで、回りの環境次第

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学童クラブでは、特にいろんな遊びができますよ!

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座ってできる
帰りの会ネタ
机などで
やる遊び
輪や列で
やる遊び
ネイチャー
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鬼ごっこ30雨の日の室内
運動遊び
スポーツ
鬼ごっこ
新聞遊び
ドッジボール
アレンジルール
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