2.盗癖を治したいときの対応方法の例
1章では盗んでしまう理由別の、大まかな対処方法についてお話しました。
そこで何度か出てきた「理性を教える」
その具体的な方法を例として6つ、挙げていこうと思います。
2-1.罪悪感を教えることで盗癖を無くす
1章でお話したように、子どもが盗癖に至る理由はたくさんありますが、
理由があるから許される(中和 ↓の引用を参照)という逃げの心理メカニズムが働かないようにしましょう。
暴力と同じで、理由があったら殴っていいわけではありませんね。
理性的な振る舞いを教えるために、盗むことを正当化させないことが大切です。
こんな本も出ていて、加害者になってしまった理由を多くの事例と共に書いてあります。
親としては子どもを上から叱ったり、諭したりしがちですが、やってしまった子どもの視点に立つ大切さを教えてくれます。↓
さっきお話した中和の理論👇
人間とは子どもに限らず、自分の行為を正当化させる生き物です。
ドリフト理論の基礎となっているのは、マッツァがサイクスGresham Sykes(1922―2010)とともに1957年に提唱した「中和の技術」である。
中和の技術とは、非行少年は
(1)責任の否定the denial of responsibility、
(2)損害の否定the denial of injury、
(3)被害者の否定the denial of the victim、
(4)非難者への非難the condemnation of the condemners、
(5)より高度な忠誠心への訴えthe appeal to higher loyalties、
という五つの技術を用いて、非行へ向かったことを正当化するということである。
これらの技術によって非行の事実を中和することで、合法的な文化に戻ることが可能となる。たとえば、「非行を繰り返したが、だれも傷つけていない」(被害者の否定)などと非行の事実を正当化して、合法的な文化でも生きていけることを確認する。
コトバンク ドリフト理論とはより引用

2-2.取ったらすぐに注意する
盗みや物をとったのが見つかった子どもは、"すぐ返そうと思った"などの言い訳をしがち。
でも明らかにポケットに入れたとか、明らかに他の子のテリトリーのものを取ったなど、表面的な言い訳は通用しないとある程度厳しさをもって当たりましょう。

2-3.子どもに話して聞かせ、親が謝罪する
子ども自身に行わせるのに加え、親が謝っている姿を見せることでブレーキがかかるかもしれません。
悪いことと知らせるためにあらゆる手を使って、子どもの理性を育てることが大切です。
2-4.第三者に叱ってもらう
警察とか学校の先生とか、怖いお店の人とか、その子にとって効く人に頼みましょう。
同じ人から話して聞かせても効果が薄い場合、"人を変える"はあらゆる場面で有効な手段です。

2-5.原因ストレスに対処する
自分自身を認められている安心感があるか?(いつ叱られるかビクビクしているなどはないか)
必要以上な期待をかけられているとプレッシャーはないか?(一見優等生の子の盗癖は多い)
その他に日常でのストレスが必要以上に無いかどうかを考えてみましょう。
本人に聞くのも有効です。
一節で書いた7つの理由のどれに当てはまるかを、
- 本人に聞き
- 環境や関わりから推測し
分からなければ学校の担任、保育園の先生、学童クラブの職員など、普段の様子を客観的に見てくれる人の意見を聞くことで糸口が出てくることもあります。
期待しない子育てについて記事を書いているので、よかったら読んでみてくださいね
【子どもに期待をしない自然な関わり】勉強や成果は親の課題じゃない
いじめが原因の場合も年齢が上がるほど少なくないので、こちらの記事群を参考にしてください。
2-6.物置テクニック
海外の研究事例を紹介します。
①目立つところに子どもが取りそうなものを置いて置き、一日の終わりにチェックすることを子ども自身に知らせる。
②子どもが取らなかったらご褒美、取ってしまったら罰を与える。
③これを一ヶ月などある程度の期間続ける
このような行動療法的手法で行動の変容を図るとうう方法もあるようです。
参考にしてみてください。

3.子どもの盗癖まとめ
犯罪につながる問題行動は非行の始まりであり、放置しておくとエスカレートしてきます。
また年齢が上がるとそういう仲間で集まるようになり、ますます改善が難しくなってきます。
学童クラブにいるような小学校の低学年辺りの年齢はその初期の段階なので、特に適切な対応が必要です。
適切な対応とは
- 理性を育てること
- 罪悪感を知らせること
- ストレスに対処してあげること
の三つが主なものです。その手段については記事のなかでいくつか書いてきた通りです。
盗癖とともに、他の人の物を隠したり、取ったりしてしまうのも問題行動ですね。こちらの記事では取られてしまった子どもや保護者への対応、集団への働きかけについて書きましたので参考にして下さい↓
また悪いことを子どもが自分で学ぶことに任せてちゃんと教えていかないとどうなるか、についても記事を書いているので参考にしてください↓
文中で紹介したリンクです👇️
記事内で紹介した本です。本気で学びたいなら読むことをおすすめします。↓

学童クラブ支援員や保育士など、保育者の方向けプレゼント配布中↓

このサイトでは子育て情報や子ども心理などのほか、学童クラブ~保育園や小学校の子ども向けのおすすめの遊び/オススメ本をそれぞれ100以上紹介しています

見やすい記事一覧です
👉️地域・自治体別の学童クラブなど👈️
学童クラブに関するよくある疑問はこちら👇👇👇

はじめましてジャムと言います。
もともと私は東京大学の大学院で
理系の研究をしていたのですが、
子ども達との出会いにより、
全く畑違いの保育業界へ転身を決意。
以来20年以上、
主に学童クラブで小学生と関わり、
様々なことを学んできました。
そこで得たものを使い、
保育士はじめ保護者の方々、
子どもに関わる大人の
- 疑問
- 不安
- 分からない
を解決することでアナタが幸せになり、
子どもに良いものが帰ることを願い、
このブログを運営しています。
現在は今までの経験を元に、
主に講演・執筆活動を行っています。
家では2人の子どもを育ててますが、
とっても安定してますよ(笑)
ツイッターやってます(@jamgakudo)
インスタグラム(@jamgakudo)
