1.そもそも子どもは集団行動ができるのか?
人間は群れで生活する動物なんだけど、小さい子どもほど集団行動ってできないですよね。
- 一人遊び
- 傍観遊び
- 平行遊び
- 連合遊び
- 協同遊び
だんだん人と関わる経験が上がってきてできるようになる。
パーテンの遊びの段階説
①何もしない行動
②1人遊び 近くで遊んでいる子どもが使っているのとは異なるおもちゃで1人で遊んでいる。他の子に近づいたり、話しかけたりしない。
③傍観的行動 他の子の遊びをみている。声をかけたりはするが遊びそのものには入らない。
④平行遊び子どもは独立して遊んでいるが、他の子の用いるおもちゃに似たおもちゃで遊ぶ。おもちゃを用いて行う活動は他の子に影響されない。
⑤連合遊び他の子と遊ぶが、基本的に子どもは自分のやりたいようにやっており、自分の興味をグループに従属させることはしない。
⑥協同あるいは組織的遊び何らかの目的のもと組織化されたグループで遊ぶ。仕事や役割の分担がある
ウィキペディア
集団活動、つまり人との関わりは、生まれてからの環境で、自然にできるようになってくるだけ。
なんでできるようになるのか?を考えてみると経験の結果が無意識に刷り込まれるから。
集団から外れた場合の不利益の学習
- 大人や他の子から怒られるとか
- 自分だけ何かもらえないとか
やりたいことが1人じゃできない経験
- 鬼ごっこって1人じゃできない
- 一緒に遊ぶ経験の積み重ねとか
環境によってはめ込まれている
- 小学校で自分の机が決まっていて、時間になったらチャイムが鳴って、座らないと怒られる
- システム的に環境が作られていると、それでも集団行動ができる。
こんな感じで小学生低学年まで、集まることに意義を感じて集まってるわけじゃありません。
- 積極的にチームに貢献しようとか、
- 家族全体のために何かをしようとか、
- みんなの迷惑になるから集まろう、
- 人からどう思われるから
みたいな動機じゃないわけです。
人の欲求のうちで、最高位とされている最後に出てくる「組織への貢献」欲求。
特に学童クラブくらいの小学校3年生くらいまでの子どもにはまだない。
あったとしても誘導されてる匂いがします。
子どもが集団行動ができるってのは、自分でやろうと思ってやってる訳じゃなくて、ある意味条件反射ということ。
【マズロー欲求段階説】6段目まで理解して人も自分も動かすワザ
ただ経験よりも強いのが個人の中にある性格、生まれもって備えているもの。
人の欲求のうちで、快適性に関わるところ。
そこが性格とか、脳の機能とか、何かの理由で個人の事情が集団に合わせる学習より強いと、集団行動なんてできなくなる。
ストレスがかかってると、問題行動的な注目を集める行動なんかも出てくる。
"人からどう見られてるか"、なんてのは小学校3年生くらいまでは気にしないからね。
帰りの会でみんな集まってるのに、一人だけ机の上でピョンピョンしてる。👈別に発達障害じゃない活発だけの子が。
【学童の帰りの会は意味ない】それでも注目を集め必要事項を伝える方法
2.集団行動が苦手な子の特性と、必要な配慮
集団行動が苦手な子はいくつかパターンがありますね。
- マイペース
- 切り替えが難しい
- こだわりがある
- 精神年齢が幼い
- 注目を集める行動
- 感覚過敏など
マイペースで集団行動が苦手
マイペースや切り替えが難しい、こだわりがあるってのは「宿題が終わるまで動けない」みたいな感じ。
"何時になったら"じゃなくて、"これが終わってから"動ける。
こんな子と接してると、ある意味精神年齢が幼さを感じます。
目的に向かう集中力が高いとも言えるけど、少し頑固かもしれませんね。
行動がゆっくりめとか、おっとりしてるとか、そんな感じの子も含まれてきます。
注目を集める行動で集団を乱す
これは人に構ってほしいみたいな欲求が家で満たされない子に多いです。
"個別に対応してくれている"と、叱られてるのにご褒美をもらってる感じになる。
多動傾向の子は体が勝手に動いちゃうんですが、他の子が見て笑ってると、「場にそぐわない行動をすると人を楽しませられる」みたいに変に学習をしてる場合もあります。
【ADHD学童期の子どもへの関わり方】伸ばしつつ問題を減らす支援
感覚過敏で大勢の環境が無理
集団の環境が生理的に苦手なケースもあります。
耳がよくて、雑音が常にうるさい環境だと耳を塞ぎたくなる。
人がいっぱいいると、目からもいろんな刺激が入ってくる。
人の目玉って、本能的に注目してしまうので、そんな目がいっぱいあると不安になってくる。
こんな感じの感覚の気持ち悪さで人が大勢いる場所が苦手な場合。
発達障害があるとこれらほぼ全てが当てはまってくるので、ADHD系の子には個別の配慮が必要になってきます。
集団行動が苦手な子へ必要な配慮や対応
集団行動ができないのは、個別に色んな理由があります。
なので画一的に「集団に合わせる」「人を待たせないようにちゃんと集まりなさい」の指導は無理があるでしょう。
そこで出てくる個別対応ですが、集団に合わせるのが難しい子それぞれの
- 理由は何なのか?
- 隠れた欲求を知る
単にワガママで合わせないように見えても、細かく見ると「本人には制御できない、集団が苦手な感じ」が見えることも多いです。
感覚過敏なんかは、特にどうしようもないと思います。
例えばずっと座ってて足がビリビリしてるのを、「やめて」といってるのに理由をつけてズカズカ触ってくるみたいな。
ここでの対応のヒントは、
個人のために集団があること
チームスポーツをやってるわけじゃないから、集団を維持するための個人じゃないわけです。
集団に馴染めないなら許される限り個別対応をしてあげたいところ。
学童クラブなんかで人手が足りないとか、部屋が一室しかなくて個別配慮が許されないとかは別次元の問題です。
【学童クラブで障害児の対応どうなってる?】保護者の疑問に答えます
そしてどのケースも、叱っても解決はしません。
注目を集めたい子を人前で叱るのは特にダメで、
- 自己肯定感下がる
- 構ってもらってる
- あいつは馬鹿レッテルを貼られる
学校の休み時間や、時間が決まっている学童クラブの外遊びからみんなと一緒に戻れない。
- それは単に遊びたくてやってるのか
- 注目をしてほしくてやってるのか
- 切り替えができないのか
とる対応は違ってきますよね。
その前にその集団行動は必要なのか?をまず考えた方がいいかもしれません。
さっきサラッと例に挙げた帰りの会、私の勤めていた学童クラブでは、目的が他で果たせられる無意味な縛りだったため廃止しましたよ。
- その集団行動は必要なのか?
- 可能な個別配慮をする
- 叱ってはダメ
3.異年齢子ども集団のある種の理想形とは?
学童クラブでもどこでもいいけど、理想的な子ども集団(特に小学生)ってなんでしょうか?
●上の子が下の子を気遣える
●下の子は上の子を頼れる
●障害があったり配慮がいる相手を、子どもたち自身が理解してる
●発達に応じた健全な関係がある
●自分の事だけじゃなくて、他の人の事を考えて行動できる
●他のグループにも排他的じゃない
パッと思い付いたのを挙げたけど、こんな感じでしょうか。
まあ集団の属性にもよるでしょう。
子ども一人一人に大人がついているような集団だと、また違ってきます。
緩い感じで繋がっていて、一人がミスして全員が待たなくちゃいけないことあっても、「いいよいいよ、しょうがないよね」みたいな許せる集団もある種の理想形。
要は人との関わりについての規範意識を、それぞれの子が持ってる状態。
あなたはこんな集団、作れると思いますか?
大人の力量、それも個人じゃなくてチームの力によるとしか言えないけれど、結論から言えば可能です。
支援が必要で解決には時間がかかりすぎる、みたいな子がいたら難しいかもしれないけど、原理的には可能って意味。
子どもの生活は家庭や小学校と連続的なので、学童とかその集団に入ったら急に別人みたいになるってことはありませんよね。
個別の問題に、根気よく対処していけばできるかもしれません。
●理想形を考えること
●何に配慮が必要で、どこに問題があるのか?を正しく理解する
●大人として何ができるのか?考えて実行する
道筋は、まず理想形を考えること。
概念的な理想じゃなくて、具体的に、この◯◯君がリーダー的になってくれれば、△君も落ち着くんじゃないか?みたいな、そこにいる子どもでの理想。
そのためには、何に配慮が必要で、どこに問題があるのか?を正しく理解した上で、
じゃあそこにいる大人として、何ができるのか?
こんな順序で考えていってください。
理想形を思い描いて育成に当たるのと、目の前の問題にただ振り回されるように対応するのでは、まるで違う結果になるということです。
理想的な集団になる道を阻むものがいっぱいありますが、こんな記事たちを参考にしていただけたらうれしいです。
ひとつ、理想形を考えるってのは別に押し付けや過度な期待をかけろって意味じゃないです。
どこに問題があるのか分かりやすくする手段みたいな考え方です。
4.集団の中での個人支援と協同活動
グループワーク(Social group work)とはソーシャルワークにおける専門技法の一つであり、利用者がグループのプログラム活動に参加することで、メンバー間相互の影響を受け、個人が変化(成長、発達)する援助の過程をいう。
ウィキペディアより引用
学童クラブでは、個人への支援をその子だけ個別に配慮して何とかしようって考え方がひとつ。
自己肯定感が低いからその子へは叱らずに褒める回数を増やすとか、個別配慮ですよね。
それとともに、集団の場の力も借りるのがグループワーク。
プログラムをしてもしなくてもいいんだけど、とにかく集団の中での効果を使う。
単純なところだとみんなの前で褒めてみるとか、広い意味でのグループワークと言えます。
一対一のトラブルだと注意されても"相手が悪い"ってなるだけの頑固な子。
でもいろんな場面でいろんな子から同じことで注意されれば分かってくる。
👆みたいなこと。
うまく活用すれば、個人の問題がいい方へ向かうこともありますね。
集団のいい効果を狙うには、集団の雰囲気作りが大事。
悪い方向への集団心理を働かせないように、気を付けていきましょ。
【子どものいじめと集団心理】ギャングエイジや仲間意識を知っての対応
5.伝えたいことを伝えて集団を動かす
集団を動かす、というと語弊があるから「動いてもらう」には、一人一人との信頼関係がベースになります。
人が沢山いたとしても、一人一人に尊敬されてれば全員の前に立てば静かになるし、なにか話せば聞いてくれる状態になりやすい。
それとは別に、子どもを飽きさせないテクニック的なポイントがあります。
雰囲気作りの方法
✔ 一瞬の注目をさらう
✔ 静かになるまでただ待つ
✔ 一分遊びを導入
※静かになるまで待つ、は条件付きです。
雰囲気作り、前提として怒って静かにさせるのは下策。って、分かってますよね。
一旦収まっても慣れてきて、次はもっと怒らないといけないループへはまるから。
それに騒いでる一部の子のために、ちゃんとしてる子もついでに怒られなくてもいいからね。
次に伝え方、基本的には下の子に合わせていきましょう。
学年を分けてもいいけど、面倒ですよね。
●話し方はゆっくりめ
●何でもいいので抑揚をつける
●大袈裟に話して注目を集めながら
●動きに変化をつける
●話は手短に具体的に
●衝撃的な話をする
●伝えることは1つか2つ
詳しくはこちらの記事で👇️
6.物理的に集団を動かす場合の注意
集団に動いてもらうってのは、精神的な部分ばかりじゃなくて、「こっちの人から順番に来てくださーい」みたいな物理的に動かすのもあります。
大人数を動かす場合は、特に危険のないよう。
特に小学生くらいの子どもは、我先に一番に行こうとする子が多い。
物を配るみたいな早い方が得みたいな場面だと、子どもは殺到して怪我をします。
お祭りで景品を配るときに、「当たった人来てください」みたいに司会が言ったら殺到して、実際に怪我をして大問題になったケースを私は知ってます。
解放した後で走ってる子を見て「走らない!」って言っても遅いわけです。
スポーツや動くあそびでも、あまりに人数が多い場合は考えもの。
鬼ごっこで鬼を複数にしたり、ドッヂボールでボールを二個にするなど、たくさんの子どもがランダムにまうような仕掛けは単純に危険ですよね。
集団を自分が先導して動いてもらう場合には
殺到による怪我を注意
7.子どもの集団行動や苦手な子への配慮まとめ
子どもは学童クラブに来るくらいの小学校3年生くらいまでは、集団行動は学習の結果って話をしました。(1章)
集団行動が苦手な子は経験値より、個人的な事情が強いって話もしました。
その事情は集団に無理に馴染ませるよりは、できる範囲で個別配慮が必要な領域。(2章)
理想的な集団を考えて、それに寄るためのマインドは3章で
集団活動を通した個人の成長については4章で書きました。
大勢に伝えたいことを伝えて動いてもらうコツ、
大勢を動かすときの事故に注意を5章~
集団のために個人がいるわけではありません。
あなたは集団の持つプラスの効果をうまく引き出したいですか?
疑問に思ったことや現に困っていることなどあれば、是非聞かせてください。
文中で紹介したリンク
学童クラブ職員の悩みはだいたい
● 職場の人間関係で悩む
● 子ども対応のノウハウを知りたい
● 収入面や将来性に不満や不安あり👆これらを解決するには転職かスキルアップ。
転職に関しては、私も登録してみた信頼できる転職サイトがあるのでこちらから。
【はじめての学童指導員】登録した感想はかなり好印象、相談のみでもOK
スキルアップに関しては、
子ども心理/一般知識/事例/管理ポイント・・
個別にいくらでも学ぶことがあるので、それらを網羅して私ジャムがたくさん記事を書いています。
でも実は個別知識ばかり増やしても、根本的なものが足りないんです。
人間そのものを毎日相手にする学童クラブの仕事には、別次元のスキルや知識が必要、
というのが20年以上の経験と理系的思考による結論です。
・・では何が根本的に足りず、どうすればいいのか?
根本的に足りないもの
➔経営的な視点での基礎的な考え方、真の人間理解などのビジネススキル。
どうすればいいのか?
➔人に物を売るマーケティングを学ぶことで可能。
と思いましたか?(^^)
分野が全く違うように思えますがマーケティングを学ぶとは、人へ物を売ったり価値提供のために
✔ 人間を真面目に理解して読み解き、
✔ 発生した問題へどう対処すればいいか、
✔ お金/時間/情報/人材資源をどう使えばよいか?👆こんなのを学ぶ事になるので、結果的にあらゆる仕事に通じるスキルが身につきます。
これらが保育現場でも必要と言うのは、賢明なあなたには理解していただけるでしょう。
つまりマーケティングを学ぶと、どんな仕事にもつぶしが効く知識やスキルが身につくので、
保育に活用できるのはもちろん、ついでに副収入を得る程度は容易になり、収入面の不安もなくなってきます。
保育業界は価値観が偏りがちで、経験を積めば積むほど一般常識から離れてしまうジレンマがあります。
(経験が浅いと実感がないと思いますが、真面目に保育現場だけで経験を積むと必ずぶち当たる壁です)
特に現場リーダーや管理職になった時、一般的なビジネス知識やスキル有り無しは非常に大きな差となります。
良い主任や施設長は長い経験によって、自覚なしに身に着けているのですが、
あなたはその正体がマーケティングにより得られる知識やスキルということを知ったため、
それを学ぶことで、真面目に取り組めば1年ちょっとで10年以上の時間をショートカットして身につけられるわけです。
と言ったところで、私の学んだオンラインビジネススクールを紹介しておきますね。
名前は「次世代起業家育成セミナー」
●友達追加するだけで、20万円分の教材が無料でもらえ、巷に溢れている単発のビジネス動画でなく体系的に学べる。
●また私のウェブサイト(「学童クラブ指導員と保護者の部屋」または、「保育士の3大お悩み解決所」)経由で登録すると、私からも「保護者対応虎の巻」などを差し上げています。
「次世代起業家育成セミナー」のライン友達追加だけでかなりの特典が貰え、お金は最短2週間たたないと1円も払えないのでお試しのみで退会可能。
登録のみのデメリットはありません。
ここまで読むくらい熱心なあなたには、ぜひレベルアップして子どものために生かして欲しい(^^)
👇👇何が学べるか、どんな効果があるか👇👇
※以下「保育士の3大お悩み解決所」の記事が開きます。
試しに起業センス測定のススメ
次世代起業家育成セミナー自体の説明記事👇
👇無料教材が怪しいと思う方にはこちら(^^)
私からの無料プレゼント、さらっと「差し上げます」と話しただけですが実は大反響がありますよ。
学童クラブ支援員や保育士など、保育者の方向けプレゼント配布中↓
このサイトでは子育て情報や子ども心理などのほか、学童クラブ~保育園や小学校の子ども向けのおすすめの遊び/オススメ本をそれぞれ100以上紹介しています
見やすい記事一覧です
👉️地域・自治体別の学童クラブなど👈️
学童クラブに関するよくある疑問はこちら👇👇👇