1.なぜ公立に比べて民間学童クラブは料金が大きく違うのか?
このサイト全体で、「学童クラブ」というのは、厚生労働省管轄の公的な「放課後児童健全育成事業」
放課後児童クラブとも呼ばれいて、運営形態は
①役所が設置して自治体が運営
②役所の施設を民間事業者が運営
③民間施設に役所が補助金を出してる
※③については幅広く一概に扱えない
一方で月額5万も6万もする塾や習い事の子ども預かりで、税金が一切使われていない施設は民間学童クラブと呼ぶことにします。
詳しくはこちらの記事の1章で分類を解説

1-1.公立と民間学童の料金の違いは税金にある
民間学童と公的な学童、利用料の違いはざっくりと・・
公設または民間が、税金を一部使って運営している学童クラブ
➔ 月謝は無料~高くても20000円くらい
(民間団体の学童クラブが補助金の形で税金を使っているところは多少上がるのと、自治体によっても大きく変わります)
民間が完全に自前でやっている民間学童クラブの場合
➔ 週5回の利用の月謝5万以上が相場
この差はなんなんだろう?と思いますね👇️

それは章題でばらしちゃいましたが、税金が使われているかどうかの違いです。
公的な学童クラブの場合は月謝で人件費や施設維持費などの経費を賄っているわけではなく、大部分を税金で賄っています。
公的学童クラブの月謝が全国的に安い東京23区は、だいたい5000円が中間帯。
子ども一人あたり5千円では、100人でも月50万円。正規職員2人くらいの給料にしかなりません。
受益者負担の観点から、経費のうちのほんの一部が徴収されているだけです。
実際に無料の自治体もあるくらいです。

自治体によって大きく違いますが、
父母会などの民間団体が役所から補助金をもらって運営してる公的学童クラブの場合は、👆️の図のように少し保護者負担分が高くなります。(補助金が足りないから)
一般的な学童クラブの運営にかかる経費は、
- 指導員の給料
- 児童募集に関する費用
- 研修費
- 電気、ガス、水道、電話代など
- セキュリティ費用
- 施設修繕費や維持費
- こどものおやつ代
- おもちゃや文房具など教材費
- 保険料など
ちなみにこれら経費の大半は人件費ですが、施設の規模が小さいほど施設維持費の割合が高くなります。

月あたりの必要経費を概算してみます。
子ども20名あたりで職員1人がだいたいの目安として、それにプラスしてアルバイトなどがつきます。
- 人件費が20~40万円くらい
- 電気ガス水道電話などが10万円くらい
- おやつ代が3万円
- 年間でかかる家賃や修繕費などの月割りが30万
・・いかがでしょうか?
簡単に計算しただけでも子ども20人で月あたり60~100万円弱、1人あたり3~5万円くらいになりそうですよね。
こんな感じで税金を使わず月謝で全て賄おうとすると、月に一人当たりから5万くらい徴収しないと足りない。

結構な額の税金が
使われてそうですよね
かかる経費は公立学童クラブ/民間学童クラブで大幅に変わりはしません。民間学童クラブのほうが、細かいニーズや講師を雇ってのプログラムにかかる費用が追加される程度。
そう、民間学童クラブも「カツカツ」なんです。
だから"民間学童クラブに月謝をたくさん払っているから、公設よりも細かいニーズに応えてもらって当然"とはなりません。
公的な学童クラブは毎年待機児童が出るほど、潰れる可能性はかなり低い。
一方で赤字になったら民間の学童クラブはつぶれる。
少子化で子どもを獲得する競争も激しいので、利用料はギリギリのラインを設定してると推測できるので、
民間学童クラブが5万・6万と料金設定していても、そう利益は出てないと思いますね、私は。

実際に2020年のコロナの影響で利用者が激減し、収入がなくなるけど施設維持費はかかるから赤字。
閉鎖となった民間学童はたくさんあります。
入会金という名目で徴収している金額や、細かい送迎料金や、スポット利用する子の家庭は割高に設定することなど、細かいところを積み重ねて経営してるんです。
なんで利用料に差があるのかのまとめ。
公設の学童の利用料を知っているから、民間学童クラブ料金が高いと思える。
でも公的な学童クラブも、週5で通えば月5万円くらいの費用が実はかかってるけど、税金で大部分がまかなわれてるだけ。
1-2.民間学童クラブ料金の例
民間学童クラブ料金の、だいたい中間あたりのモデルケースについてお話しておきます。
入会金・年会費 | 各15000円 |
初回の受付用の カード発行 | 2000円 |
平日レギュラー | |
週4 | 36000円 |
週5 | 45000円 |
夏休み | 56000円(週5) 53000円(週4) |
土曜日 | 1回3000円 |
送迎 | サービス |
延長 | 300円/15分 |
夕食 | 700円 |
スポット利用 | 1日6000円 半日3000円 |
👆これがだいたい中間です。
母体となる習い事によって大きく差があり、
- 1年生割り増し送迎有料
- 週1~週5まで細かく体系がある
- おやつは無料
- オプション習い事で追加など
- 入会金の二人目は半額サービス
ここまでがよくある料金体系です。
よくある習い事や相場についてはこちら👇️
1-3.いろんな形の民間学童クラブ
民間学童クラブと民設民営学童クラブ(税金投入)とは区別がつきづらいところ。
だけど税金投入の民設民営の方は習い事オプションがない代わりに、料金が1-2で書いたものより半額以下程度となります。
また公的な学童クラブは自治体のパンフレットにも載ってることで判断できます。
最近では私立小学校で、在校の保護者のための放課後預かりを行うところも増えてきています。
追加授業や遊びの時間や、おやつを設けるなどの取り組みが各学校単位で行われる模様。
こちらも、何も法的な位置付けがないと言う点では民間学童クラブです。

2.民間学童クラブのメリット
民間学童クラブのメリットは
- 利用方法が細かく設定できる
- スポット利用が充実/夏休みだけでも
- プログラム 習い事が多数
- 時間 が長い 22:00まで、朝も7:30~など
- サービス多数/送迎/食事
利用方法が細かく設定できる
公立学童クラブは在籍していれば、月に何日利用しても料金は同じです。
一方で民間学童クラブは週1利用でいくら、週5でいくらなど細かく決められているところが多いです。
利用面での細かい保護者側の求め(ニーズ)によってサービスが考えられているところ。
公立にはない大きな特徴の1つですね。

スポット利用が充実/夏休みだけでも
民間学童クラブでは細かい料金設定があり、週一などの利用もいやがられる心配はありません。
また夏休みだけ学童クラブを利用したいけれど、公立学童クラブは定員一杯で難しい場合も多くなります。
その場合の受け皿としても、民間学童クラブには価値があります。

民間学童はプログラムが充実している
多くの民間学童クラブは特定の習い事が母体なので、プログラムが充実しています。
公立学童クラブはプログラムがあるといっても遊びが中心で、あっても工作程度。
一方で民間学童クラブは専門の講師がいたり、設備が整っていたりと公立にはとても太刀打ちできないものが多くあります。
- 英語
- プール
- 科学教室
- スポーツ
- 学習
追加料金で特定のプログラムを受けられるとか、そもそも英語だけしか使わない塾+子ども預かりみたいな施設も珍しくありません。
民間学童クラブのメリットであり、利用者獲得のアピールポイントともなっています。

開所時間が長い
民間学童クラブは早い話、お金を払えばけっこう何でもやってもらえる感じです。
家庭によって事情は様々で、都市部で親戚がいない、正規職員で急に仕事に駆り出されるなど、学童クラブへの要望が多様化しています。
「お金を払えば安心を買えるなら・・」とそちらを選ぶ方もいます
(いるから民間学童クラブが成り立っています。塾がれっきとしたビジネスと同じく、習い事のオプションとして子ども預かるビジネスです)
長い開所時間・送迎サービス・帰りが遅いの子の夕食などがその最たるもの。

小1の壁の1つに、

公立学童クラブは
時間が短くて困った
というのも民間学童クラブ利用で解決できます。
また土日も公立学童クラブの穴となってます。
公的な学童が休みの日の穴をカバーできるだけでも、民間学童クラブの存在価値があります。
また高学年になると、公立学童クラブにはかなり入りにくい実情があります。
実のところ、高学年になってまで公立学童クラブにこだわる必要はないけれど、
それでもスポットでも安心したい家庭も多いのも事実なので、このあたりのニーズにも民間学童クラブは応えてくれます。
民間学童クラブはサービス多様
民間の場合は習い事のオプションのような形で、いろんなサービスがあります。
- 夜遅くまであずかってくれる
- 急な残業に対応してくれる
- 送迎がある
- 来所をネットでチェック可能
- 小六まで対応
- 夕食がある
習い事以外にも、保護者のニーズに細かく対応してくれるところも多くあります。
オプションをつけるにはそれなりの料金がかかりますが、逆にお金を払えばニーズに対応してくれるのは大きなメリットです。
民間業者からしたら、そうでもしないと競合もいるなかで利用者を確保できないからですが、利用者からしたらありがたい話です。
また週5フルに使うと月に何万円もかかりますが、週1などなら費用が安くなるなどの料金設定をしているところがほとんど。
大企業の場合は企業イメージをあげるための社会貢献事業として、学童クラブ部門を赤字経営同然にやっているところもあるようです。
プログラム主体のクラブも多く、それぞれの母体の企業の得意分野を生かしていますね。

3.料金高額など民間学童クラブのデメリット
民間学童は料金が高い
なんといっても費用が高いのが、民間学童クラブの大きなデメリットです。
基本的に学童クラブは公立でも民間でも「必要がなければ特にいかなくてもいい施設」
そこにお金をかけるよりも、他の使い道はいくらでもありますね。

お金が出てくから
意味分からないわ
👆こんな話もよく聞きます。
入ってみたら学童じゃなかった
民間学童クラブは、公立学童クラブとは名前だけ同じで内容はかなり違ったものとなります。
公立や補助金をもらっている民営学童は"福祉施設"ですが、民間学童クラブは営利団体です。
理念的に福祉寄りのものを掲げている施設もあります。
けれどそういうところも経営は必要で、赤字が続けばつぶれるので、営利団体と言えます。
商売のためにニーズにひたむきに応える民間学童クラブは悪いものではなく、機能をわかった上で使うことが大切です。
公的な学童クラブのつもりで、塾みたいな民間学童クラブに入って、「友達関係を何とかしてくれ」
仕事のうちじゃないから、対応してくれないでしょう。
高いお金を払うので足繁く説明会に通ったり、プログラムなどは説明書きをよく見ると思います。
その上で"説明会の内容と違う"場合は、施設側の問題となりますが、公的な学童クラブには「遊びを通した育成支援」というメリットがあります。
民間学童に公的な学童クラブへ同じ期待を、それこそ「高いお金払ってるから・・」という理由で期待するのは違います。
勝手に違うことを期待して使ってみたら違った、というのは施設ではなくリサーチが足りない利用者の方が良くないからです。

施設により大きな差がある
民間学童クラブは決まりが全く無いので、施設により大きな差があって、よく見極めないといけないのがデメリット。
民間学童クラブは、塾に毛が生えて、お金になるからついでに子ども預かるといったスタンスの施設もあります。
来るはずの送迎にも来ない、他の子とトラブルになってもそのまま、何とかしてくれと苦情を言えばクレーマー扱いされるなども聞きます。
それが入ってみないと分からない。。
ちゃんとしているところが大半、むしろいい加減な所は次第に廃れて淘汰されるのですが、あなたの家がそれを試すこともありません。
入る前の口コミや質問などのリサーチが大切です。

また施設とは別に、実際に働いている人をよく見ておくことが大切です。
学童クラブなどの対人サービスは詰まるところ「人」。
いくら説明を聞いても、我が子とそこにいる大人の相性が悪いなどは分かりません。
その辺りは施設の言ってることを鵜呑みにしないで、可能なら見学させてもらうのが大事です。
プログラムや内容についてはしっかりしていても、
公的な学童クラブに期待するような子どもどうしの関係まで十分対応できず、相談しても改善されず、
結局は長く預かってくれる習い事
と保護者が諦めてしまうことも珍しくないこと。
民間が助成も受けずに独自で運営していて、なおかつ人気があって待機が出ているようなところでは、うるさい保護者はやめてもらっても問題なし、かもしれません。
傾向としてあげられるのは、運営方針や入った場合の利点や、
"このサービスにはこの代金"など全て明確にしているため、施設選びの判断材料が公設よりは多い気がします。
本当に施設の宣伝の謳い文句の通りなのかは、そのときにいる子どもや職員によって大きく違ってくるため、入ってみないとわからない点もあるのは事実。
口コミや、他の家は不満が多いけど、うちの子は満足そうにしているなど相性も考えた施設選びが必要です。

4.料金低額など公立学童クラブのメリット
公的な学童クラブは民間学童よりかなり利用料が安い
公的な学童クラブの一番のメリットは費用です。
週1でも週5でも料金が一律な所がほとんどで、民間の学童クラブよりはかなりの低価格です。
各施設ごとの特色はありますが、運営についての制約もあるため、細かいニーズにはなかなか答えられないようです。
せいぜい、時間の延長を追加料金でできるところもある程度。
ただ各自治体で設置されているため数が多く、身近です。

育成支援という役割が明確な福祉施設
公設の学童クラブの主な仕事は、民間学童クラブのようにプログラムを回すことではなく、
日常的な子どもや保護者への育成支援が仕事です。
そのため子ども同士のトラブルや、家庭での育児相談などできるだけしてくれる。
特に公設で民間が委託を受けてやっているところは、その辺りはかなり対応してくれます。
行政サービスのモニタリングにも響いてくるし、民間が委託を受けて運営してると委託取り消しなどもあるためです。
クレームか怖いからやってくれるわけじゃなく、あくまでも福祉的な仕事という点が公的な学童クラブのメリットです。

5.公的な学童クラブのデメリット
施設や地域による差が大きい
実は公設といっても、民間が委託を受けて行っている施設が増えています。
市や区の直営はどんどん減っていて、ほとんどない地域もあります。
または厚生労働省の管轄で税金が投入されていても、民設民営の形で、父母会や法人が立ち上げた学童クラブが市の助成金を受けられる基準を満たしてやっているところもあります。

国としての学童クラブの基準(広さや職員の要件や人数)がありますが、必ず守らなければいけないものでもなく、ばらつきが出ている現状。
放課後児童クラブ運営指針 - 厚生労働省(PDF)
公的な学童クラブでは待機が出ている自治体も多い
定員一杯で、一年生は入れるけど、二三年生になると落ちることも自治体によってはあります。
希望しても入れないのはデメリットですが、だいたい入れないのは3年生〜高学年が主。
学童クラブ自体がいらない年齢になってくるため、本当のデメリットとは言えないかもしれません。
管理が甘い所も正直ある
公設学童クラブの環境としては、時代とともに良くなってはいます。
でも特に呼び込まなくても利用者が確保できるため、管理運営が甘い施設も多くあります。
すべてがアナログの、時代遅れの施設まである。
他方民間学童クラブは、適当なことしてたらすぐ潰れるシビアな経営をしているのでそんなことはありません。
(潰れる前の過渡期的な民間学童クラブもありますが(^^;))
悪く言えば「お役所仕事」と言われかねない施設も、公的な学童クラブには混ざっています。

6.放課後児童クラブ/民間学童クラブ職員の裏事情
学童クラブ職員について、民間でも公立でも正規常勤職員は4割いればいいほう。
なぜなら公立でも民間でも必要な人員数は変わらず、一番大きい人件費を抑えるためにはアルバイトやパート職員を増やさざるを得ないから。
短時間のパート職員を、例えば大学生など週に二回程度勤務の人を何人も雇って運営しているところが多いです。

子ども相手はマンパワーで行う面がどうしてもあります。
だから研修を積んだベテランが一人二人いても、安定した子ども対応は難しい。
(単に人を集めても、経験を積んだ細かいところに気づける目や、ほんの少しの声かけができるかどうかなど)
公的な学童も民間学童も似たようなもの。
公的学童クラブの場合は、児童福祉にかけられるお金が年々下がる一方なので、雇える人員も決まってきて人手がギリギリという点は改善される見込みはありません。
しかも人材難なのにお金もないから最低時給で募集をかける、当然人も集まらないというよく分からない状況になっています。
また公設の学童クラブでは「放課後児童支援員」という資格を持った職員が多くの施設で配置されています。
民間学童クラブには職員の要件などは皆無ですが、公的学童クラブには有資格者が配置されている(ことが多い)のが特徴。
資格があっても子どもを預ける保護者が安心できるか?は別問題ですが、ある程度の指標にはなります。

7.まとめとして、公立/民間学童クラブの違いを知っての賢い使い方
公立学童クラブと民間学童クラブのメリットとデメリットがわかった上で、どう使っていけばよいのか?
結論から言えば併用が良いと思います。
公立学童クラブは月謝が安い分、浮いたお金で他の習い事を併用し、学童クラブに行ってから習い事に行き、夕方家に帰るようにするなどが一般的。
習い事とは、つまり民間学童クラブです。
保育園や幼稚園の無償化が2019から始まりました。
週2程度の習い事と、公設学童クラブの併用では月2~3万くらいになります。
無償化が始まる前の保育園の保育料と同じくらいなので、こういった併用形式で利用している家庭も多いんです。

いかがでしょうか?
公設・民間学童にはそれぞれにメリットとデメリット双方あります。
そのため特定の学童クラブにあれこれ期待してやってもらうといったスタンスよりは、
その子に合ったクラブや、クラブに限らない過ごし方も模索し、使えるものを併用していくことが良いと思います。
参考になれば幸いです。

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