1.子ども指導時に教師と親権者に認められている懲戒権

教師の懲戒権

このブログは主に幼児~学童期の小学生の子どもを想定してます。

だけどよりヤンチャしやすくて大人も手こずる、もう少し年齢が高い中学生への指導について記載があります。

文部科学省から学校での懲戒についての通知👇️

学校教育法第11条に規定する児童生徒の懲戒・体罰等に関する参考事例:文部科学省

けっこう噛み砕いての概要

きれいごとではなく実際にいじめや施設および他の人への破壊行動、授業妨害などを起こす子がいること。

そういった事態には毅然と対応していくことの明言。

信頼関係をもとにして子どもを受け止めることは前提ですが、規範意識の明確化、警察介入の可能性についても書いています。

実際に"授業中に先生に暴力を振るった生徒が警察に連れていかれるようなこともある"とも書かれてる。

見せしめじゃないって書いてあるけど、どうなんだろうと個人的な疑問。まあそれは置いておこう。

話し合い

集団の中で問題が出てくるには前兆があるのでそれをとらえて対応し、改善なしなら段階的に出席停止、その他の懲戒があります。

出席停止は集団の秩序を回復する目的とのこと。

そして懲戒について。

本人への指導には懲罰ではなく"有形力の行使"って言葉で書いてある。

この通知でも"裁判所の判例でも線引きは難しい"としながらも許容範囲内で懲戒は認められています

体罰に当たらない例
  • 叱って席に戻す
  • 立たせる
  • 当番や作業をさせる
  • 部屋に残す
  • 不要な物を預かる

自分が暴力を振るわれた時の危険回避の行動

他の人への暴力行為を止めるための拘束

体罰に当たるかどうかは本人や保護者の主張によらず、客観的に判断される

"保護者の主張によらない"って文言に実際に指導にあたる側にとっては救いがあるように思えます。

中学生などがわざと教師を挑発したり暴力を振るったりに対して、過度に縮こまることもないってわけですね。

子どもに対して配慮をつくしたが、それでも叶わずに仕方なく行った行為かどうかが焦点になるみたいです。

ここまで、あくまでも学校教育法に定められた学校教員に認められた懲戒の範囲。

自治体ごとにも通知がよく出てます。例えば大阪のリンクを👇️

「体罰・暴力行為を許さない開かれた学校づくりのために」~体罰・暴力行為の防止及び発生時の対応に関する指針・児童生徒の問題行動への対応に関する指針

お出かけ

親権者の懲戒権

親権者の懲戒権民法で決まってます

・第820条(監護及び教育の権利義務)
親権を行う者は、子の利益のために子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負う。

・第822条(懲戒)
親権を行う者は、第820条の規定による監護及び教育に必要な範囲内でその子を懲戒することができる。

"子の利益のために"ってのが平成24年の改正で追加。

でも懲戒の範囲がどこまでか、まだ明確化が途中です。

民法注釈書である新版注釈民法(25)には👇️

「懲戒のためには、しかる・なぐる・ひねる・しばる・押入れに入れる・蔵に入れる・禁食せしめるなど適宣の手段を用いてよいであろう(後略)」

明治時代の民法が引き継がれてる様子。

明らかに時代にそぐわないですよね。

指ネコ
蔵に入れるって・・

民法がこんなんだから、児童虐待防止法などの方が先に改正されてきてます。

虐待の記事

2.学童クラブや保育士など一般には懲戒権はない

実は学童クラブや一般の人で、懲戒についての取り決めや根拠となる個別の法律はない。

ということは、懲戒とかお仕置きとかは刑法の暴行や監禁的な犯罪に当たるかもってこと。

子どものためにって言っても、学童クラブの職員とか保育士ができる範囲って実はすごく狭い。

保育者や支援員は教員でも親権者でもないからね。

まあ保護者のかわりに子どもを見てるってのは責任があるし、法的には監督代行者(親の代わり)として責任も。

預けてるときの責任の分配とか難しいので知りたい人はこちらへ。

代理監督者の責任をめぐる問題

まあ軽い事例なら親から依頼されたり合意がとれてれば、保護者からの物言いはほぼ来ないけど。(6章で)

家族の時間

一方で学童クラブの機能は、児童福祉法では児童の健全育成に必要な活動を行うと幅広い内容。

例えば1人の子どもが道義に反することをしてたとして、必要な指導はしなくちゃいけない。

懲戒じゃなくて指導する。

要はお仕置きみたいなのはダメってことです。

お仕置きをもっと平たく言うと、罰を与えるみたいな行為。

具体的には3章と4章で書いていきますね。

男の子
おやつなしだって!?

ついでに言えば、町の塾やスポーツクラブの大人に懲戒権があるはずないですね。

できるのは「こういった行為をする子どもは退会してもらいます」くらいの取り決め。

つまり親との合意です。

野球クラブで、言うこと聞かずにバットを振り回してる。回りの子も危ない。

らくだ
あなたは今日の練習はできません

と帰させる。

子どもにとっては罰かもしれないけど、そこを運営してる責任者としては当然の行為ですね。

罰や懲戒じゃなくて指導や管理ってのはこういうこと。

そこで怒鳴って伝えるとかは話が違ってくるけど(心理的虐待に当たる)。

ボールが取れないからって、子どもが怯えるくらいに怒鳴るのは懲戒ですらない脅迫罪かもしれません。

ダメなことをした学童クラブなんかで預かってる子には、罰を与える必要もなく、必要なことを教えていく

とれる方法に罰を与える、ましてや怒鳴るとかの要素はいらないですよね。

叱り方の記事

大人が自己コントロールできないのは、相手に期待してるから。

期待しない記事

アンガーマネジメントができてないから。

アンガーマネジメントの記事

特に保育士学童クラブとか、仕事で子どもを相手にする大人には自制心が必要ですね。

3.指導とは決定的に違う、体罰=暴力に当たるNGな行動

体罰は暴力とイコールね、今の時代。

体罰暴力の違いって、単に教育目的かどうかだけでやってることは同じ。

例えばビンタ、道端の人にやるのと、部活で生徒にやるのやってることは同じ。

もっとも、ビンタなんて分かりやすい暴行する人、今の教師にはいないと思うけど(笑)。

スクールウォーズ
今からおまえらを殴る!のシーン👇️

  • 怒鳴ったり、
  • 人前でひどく叱ったり、
  • 変なペナルティとか、
  • 身体的、精神的苦痛を与えるのが体罰。

体罰にあたらないかどうかは客観的に判断されると書きました。

ここでは言い逃れのできない、不適切対応についていくつか挙げてみます。

不適切指導(そもそも指導じゃない)
  • 叩く
  • 叩く真似をして脅す
  • おやつやご飯をあげない
  • 短絡的に外に出し、中に入れない
  • 短絡的に外に出さない
  • 遊ばせない
  • 長時間の正座や起立姿勢をとらせる
  • 見せしめのように罰を与えられている姿を他の子にわざと見せる
  • 威圧するように怒鳴る
  • 人格を否定する言葉をかける
  • 必要のない過度な拘束

要は体への暴力心理的な圧迫とか全般。

正当防衛や危険回避など、正当行為にあたらない、体(当然心も含みますね)に苦痛を与える行為です。

怒る

家庭では民法により、子どもの利益のためという前提である程度の懲戒が認められています。

けど将来の子どものためって殴ることはない。これらはNGで虐待にも当たるし通報もされる。

施設でも当然禁止事項となります。

心理的な暴力も含まれるから、単に叩いていないからセーフじゃない。

「大人に同じことをしたら犯罪となるもの」といえば分かりやすいですね。

犯罪
  • たたく→傷害罪
  • 威圧する→脅迫罪
  • 拘束→監禁
  • 無理やり何かをさせる→強要罪
  • 見せしめにする→名誉毀損

大人
だって大人は、
子どもがするような
ダメなことなんてしないよ。

なんて屁理屈は通らない。

相手が子どもだからといって、ダメなものはだめ。

施設職員は慎まないといけませんね。

まあ昔は上にかいたダメな行為もまかり通ってたのは事実。

自分自身や友達が学校で受けてた仕打ちは

  • 椅子投げられたり、
  • 先生に飛び蹴りされたり、
  • 怒鳴られるなんてしょっちゅうよ
  • チョーク投げたりしてましたね
  • なぜかお玉持ってきて頭をこずく先生も

ってのが昭和の教育現場でした。

強力な信頼関係があれば大丈夫、みたいな言い訳が飛び出てきそうだけど、

信頼関係があってもダメよね。

あったとしても信頼を失うし、
単なる上の立場の側のエゴ。

スポーツコーチが最近はよく訴えられててバカだなと思うの、今の時代では通用しない論理ね。

後追い

残念な世間の感覚

とても残念だったのが、飛び出した子どもをビンタする短い動画がツイッターに上がってました。

それを称賛する

  • 子どもが大事だって行動でわかる!とか
  • 私もこうされたから今があるとか

保育士や教師系の一部が虐待だと指摘しても、こっちは圧倒的なマイノリティ

ぶったりたたいたり、怒鳴ったりは美談じゃなくて
やろうとしてることは分かるけど、やり方が悪い!

よくないことをしてる友達を注意したいけど
言葉が出なくて友達をぶったり悪口を言っちゃった子どもに、

保育者
心意気は分かるけどやり方が悪いよ

って、子どもに話するだろうに。

子どもを大事にする方法は、犯罪行為の暴力じゃなくてもいいですよね。

こどもとのじかん

4.適切ではない子どもへのグレーな指導

体罰には当たらないけれど、子どもに良くない影響を残すものを挙げていきます。

マルトリートメントとも呼ばれ、広い意味での虐待に含まれます。

こちらは施設指導員や保護者など、子どもに健やかに育ってほしいと願う大人にとっては考えなきゃだめな項目。

自分はやっちゃダメなのはもちろん、どう保護者に伝えるかを考えるわけね。

っていうのも、多分もともとは発達障害じゃないのに問題行動が出てる子どもは、マルトリートメントを受けてるケースがほとんどだから。

子どもの仕事してたら、新人でも実感で分かる話だと思います。

マルトリートメントの例
  • 両親が協力してやっつけるようにして叱り、逃げ場がない
  • 本人に任せすぎている
  • 過度の圧力をかけて叱る
  • いつもなにか物のご褒美がある
  • 細かいことですぐに予告なく過剰に叱られる
  • 自分のためを思って叱られていると本人が感じない

家庭環境と発達障害の記事

列挙してて気づいたけど、なんか叱り方に偏ってますね。

あとは人としての認め方にも関係あって、条件をクリアしないと褒めないとかも似たようなものかな。

褒め方の記事

WHOのチャイルド・マルトリートメント(Child Maltreatment)の定義は、身体、精神、性虐待そしてネグレクトを含む児童虐待をより広く捉えた、虐待とは言い切れない大人から子どもへの発達を阻害する行為全般を含めた不適切な養育を意味します。

つまり、虐待とほぼ同義ですが、「子どものこころと身体の健全な成長・発達を阻む養育をすべて含んだ呼称」であり、大人の側に加害の意図があるか否かにかかわらず、また、子どもに目立った傷や精神疾患が見られなくても、行為そのものが不適切であれば、それは『マルトリートメント』と言えます

母子健康協会
台風

5.指導しないのは放任やネグレクトに近い

不適切な指導だって指摘されることを恐れて、なにもしない。

人の家の子どもだからいいやって、特に放っておく。

これは

悩み中
あーでもない

こーでもない

頭のなかでは大宇宙の真理が渦巻いているかも知れないけど、端から見たら子どもを目の前になにもしない人

こんなのは親ならネグレクトに当たるし、人の家の子どもって言っても預かってるなら、これはこれで不適切ね。

そう相手が子どもの場合、行動しないこと自体が不適切な対応になり得るのよね。

叱り方が分からないから放っておく、教えるべき事も教えず見て見ぬふりってのは器が小さいかなって思う。

子どもに根気よく向き合い、分かるまで何度も伝え続け、行動を正せたらほめたりする。

こんなのを何年も実践できて、子どもとちゃんと向き合ってると言えるかな。

この記事をここまで読んでくれたあなたには、どこからがダメってことも分かるし、子どもと関わることに情熱があるんだと思います。

子どものために、適切に関わって行けるのを期待してます。

子どもと過ごす

6.保護者の価値観により不適切指導とみなされないための情報先出し

私は学童クラブの職員と保護者の関係について、次のように感じています。

学童クラブは子どもをみてもらっている、預かっている、人間関係や職員に対しての信用などで成り立っている部分が大きいなって。

少しくらい職員の対応に疑問を持っても、我が子に原因があれば

保護者
すみませんウチの子が。

こうなる。

逆ギレしたみたいに、

保護者
私の子どもが悪いんだけど、
その対応はないんじゃない!?

責任者出して!

みたいな感じには、よほど職員側に不備がなきゃならない。

子どもが悪いことをしたら、ちゃんと叱ってほしいって親御さんがほとんどだから。

さすがに殴っちゃダメだけども、体罰に当たらない程度でなら、よくないことをした子を座らせて説教しても実際はほぼ問題にはならない。

怒られる

私が知ってる保護者は、

保護者
血が出るまで殴っていいですから~

みたいに冗談混じりに言ってきた保護者もいました(笑)

まあそれでも、

我が子かわいさを、怒りに任せてはき違えてしまう保護者もいるのは事実。

実際の法律に照らしたら、親が許してくれなきゃ学童職員がやれることってすごく少なくなる。

だからこそ、予防線を張っておく必要が出てきます。

好き嫌い

家庭によってはいろいろな価値観があって、

①施設や一般的には普通の対応
②でもこの保護者にとっては許せないみたい

捉え方が違う。

そんな②の保護者に限って法律に詳しかったりすると、

保護者
正座させてみんなの前で叱られた
って言ってるけど、
それって懲戒ですよね。

学童職員に懲戒権ないでしょ
指ネコ
返す言葉もにゃー。。

そんなんならないために、日常的に行う対応をちゃんと保護者に知らせておく。

例えば発達障害でなんかの拍子で暴れちゃう子は、物理的に拘束しなくちゃいけない。

手を引っ張って別室に連れていくとき、かすり傷ができようものなら、過敏な保護者は傷害罪だと騒ぐ。。

実際に聞いたことがあります。

そして被害届を出されたら、擦り傷程度の過失でもほぼ刑罰が下るって寸法ね、今の日本の法律は。

だからこそ章の冒頭に書いた、信用とか信義に訴える必要があるわけ。

悪く言われる

やってることを先に理解してもらい、別に書面じゃなくてもいいから同意をとっとく。

そして定期的な保護者会で毎回言う、おたよりにも定期的にのせる。

情報を先出ししとけば、被害届を出されるみたいなこじれかたはほぼなくなると思います。

反目している施設に、自分の子どもを預けたい親はいないからね。

らくだ
暴れたら危険防止のために
拘束する場合もあります。

みたいに、"こんなことが起きたらこうします"って、先に言っとけばいい。

だいたい来るクレームってのは、「期待と違う」ことが原因ね。

そして「期待と違う」ってのは「知らないこと」から発生する。

ジャム
世の中のクレームの
ほとんどがそうだと思います

どういう事かって、例えば・・

我が子が暴れたら押さえられる」って聞いてあらかじめ知ってると、職員がその通りの行動をしても期待とはズレない。

クレームにもなりにくいですね。

でも保護者の勝手なイメージで「我が子が暴れても、やさしくヨシヨシしてくれるんでしょ」みたいに思ってるとしたら?

子ども
引っ張られて別室行きになった

と我が子から聞く。

そして擦り傷さえもできてた場合、保護者の「ヨシヨシ」期待と大幅にズレる。

だからクレームになる。

メガホン

モンスターペアレントという言葉が流行ってますよね。

なぜか子どもを預かっている施設側が、"保護者の意見を聞かないといけない"みたいな流れ。

学校ですらその渦中にある。

学童クラブも同じこと。

でも、

らくだ
あなたの子どもを
預からせてください

って頼んで来てもらってる訳じゃないから、下手(したて)に出ることもないって私は思うんですよね。

そこで対等になるためには、経験とか人間性とかよく分からないものに頼らにゃいかん側面もあるんだけど、

保護者の"期待はずれ"、言ってみたら"知らない"をできるだけなくすシステム作りが大事

これによって保護者との信頼を作るのが、施設と保護者が対等になるための最適解だと考えています。

保護者との信頼関係

7.指導と体罰まがいの不適切指導の違いまとめ

対応は適切不適切か?、体罰と指導の違い懲戒権を絡めて話してきました。

学校の先生と親にだけ、民法的には認められてる懲戒権。(1章)

その辺の大人や、保育士学童クラブ職員には懲戒権ないって話もしました。(2章)

ただ民法的な懲戒ってのは、解釈が古くてよくわからない。

虐待防止法も考えて体罰=暴力に当たる行為は3章で具体的に挙げました。

4章ではそこまでではないけれど、マルトリートメントと言われる不適切な関わりも解説。

不適切な関わりを迷って、何もしないってのもネグレクトに当たるのでよくないって話も(5章)

まあネグレクトじゃないんだけど、保育者は通りすがりの無関係な人じゃないんだからちゃんと関わりましょうってこと。

気を付けないとダメなのは、保育者と保護者の価値観のずれ。

保育者からしてお仕置きのつもりなくても、保護者がダメって見たらアウト。

だからこそ保護者との日常的な関わりと、情報を出していくことが大事って話でした。

これであなたは対応に迷うことなく、やるべき事が分かったので、やっていい悪いのラインを越えずに子どもに関わってほしいと思います。

ジャム
ここまで読んでいただき、
ありがとうございました。

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