4.盗んだり靴隠した子をできる限り特定をすることが原則
もの隠しや盗難の犯人は特定する
盗んだり靴隠しをした子をなるべく特定しないと、「ストレスが原因」など分からなくて支援不可能な上、味をしめて繰り返すループにもなります。
本人も救われず、意地悪が原因でも仲直りもできないし、教育すらできない。
だからもの隠し・靴隠しの犯人探しを可能な限り行うが原則。
一回目で見つからなくても、繰り返してくれたら手がかりが増えてきますね。
当たりをつけて泳がせとくのも、やり方としてOKです。
当たり前だけど、犯人探しのやり方には十分に注意が必要ですよ。
荷物検査を職員が行うのも、子どもにはプライバシーの問題もあるから、
「確実にその子が持っている」というのが分かった上で見せてもらう位じゃないとダメ。
👆ダメですね。。
残念ながら、クレーム案件です。
特定の方法
どうしても全員の検査をしたいなら、
全員に納得してもらって、全員の荷物を順番に見せてもらう。
もし出てきても、誰の荷物から出てきたのか他の子には分からないよう配慮する。
くらいの方法を取ります。
途中で出てきたからって、残りの子のを見せてもらわなくなったら、最後の子の荷物から出てきたって分かるよね。
出てきても来なくても、全員に見せてもらうとか、時にカマかけも必要です。
「持っていたのを見た子がいる」「見た子が何人かいる」とかね。
「みんなの見せてもらってるから、一応見せてね。」
よほど確実な情報があれば
で、何があったんですか?
と伝えてもいいでしょう。
私が遭遇した案件は、
消しゴムがない!
本人に聞いても
泳がせておいて、帰った後に◯◯保護者へ連絡。
なくなって、
周りの子が言うには、
◯◯君が直前まで
触ってたらしいんです。
一応何か知ってるか、
確認していただけませんか?
こんな感じで言われた保護者は、普通なら荷物を確認してくれますよね。
実際に保護者が荷物を見てくれたらしく、◯◯の筆箱から消しゴム出てきたって連絡がすぐ来ました。
保護者、周りの子ども、協力してくれそうな人にはうまく話して力を貸してもらいましょ。
5.隠した加害者を特定できない場合
隠す子がうまくて特定できない場合もありますが、そういった場合は二つの方法がとれます。
全員の問題としてしまうこと
全員で探すのは、個人へ注目が行かないようにする方法です。
よくあるのが、隠した子が真っ先に見つけるあるある。
当たりがつけられると、次回からは見る子を絞れるかもしれません。
情に訴えてみる
とられた子は悲しい、とった子も言い出せなくて悩んでいる。
黙っていれば分からないと、それが積み重なって悪い大人になってしまう。
かわいそうだから助けてあげたい、みんなにも手伝ってほしい。
言いつけたとかではなく、その子を助けるつもりで教えてほしい
こんなことを伝えていくと起きた一件は解決できなくても、次への予防策となります。
また密告する子も、その子を助けるつもりで言ってくれる可能性が高くなります。
集団心理は悪い方向に進むこともありますが、雰囲気をうまく作ることで、意図する方向に進めることもできます。
全員面談をする
時間が一番かかる番外編は、一人ずつ面談していく方法。
そこでは犯人探しとして、呼び出した子を疑う方向の話ではなく、
「みんなのところだと言いにくいことも今なら言える、困っている人を助けたい」と、やはり情に訴えていく方向の話をします。
ついでに、日常的な困っていることを聞く機会を落ち着いた環境で設けることは、
聞いたことに対してちゃんと対応ができる前提なら、信頼関係を築く上でとてもよい取り組みと言えます。
6.盗難・靴隠しの加害者を特定できた場合の支援~責任追求は✕
犯人探しが功を奏して、特定できたとしましょう。
そんな時、
責任追求型の問い詰めなんて、一番やっちゃダメな行為。
まずは気持ちに寄り添い、子どもの話を聞いていきます。
大人の側から指導とか教育とかの話は、一番の最後。
話をするにしても、怒らず静かに伝えること。
「力になりたい」を前面に押し出して、出てきた訴えなどには誠意をもって対応をしていきます。
1章で書いたような原因が必ずあるから、そこを何とかしてあげたいですよね。
本人が分からないなら、気づいてもらうような問いかけをしたり。
家でいつも怒られるとか、
話聞いて欲しいのに
聞いてくれないとか、
いつも頑張ってるからさ、力になりたいのよ。
親には伝えないといけないから、そこは納得してもらう必要はありますが。(次の章)
その子との普段の関わりが効いてくる場面です。
もっと勉強したい方へおすすめの本があります。応用行動分析から、子どもの心理をとても分かりやすく解説している一冊です。↓
7.靴隠しや盗難が起きたときの保護者への対応
被害者側の保護者対応
忘れてはいけないのは物がなくなった子の、保護者への対応です。
これは冒頭で引用した先生のための教育事典のサイトでも述べられています。
鉄則6 保護者への連絡も欠かせない。誠心誠意、指導の経過とともにお話すれば、かえって信頼関係も増すというものだ。
先生のための教育事典より引用
保護者は自分の子どもが心配だけど、
- 日数だけが過ぎて物も出てこない、
- 対応をしてるのかも分からない、
- 連絡もない
怒って言ってくるのは仕方なく、クレームのように聞こえても常識的な意見の範囲内。
「探したけどなかった、あったら連絡します」
と言ったきり、なにも連絡がないとなれば当然でしょう。
アクションを内部で起こしていても、後手に回るとこうなるので、
保護者に対しては、なくなったものに対してどういう取り組みをしているのかを随時知らせていきましょう。
また対応可能だけど、その家庭の了承を得る必要がある場合。
例えば「全家庭に知らせたり、お便りにのせるなどもできますがどうしますか?」
誠意をもって対応しようとすれば、これくらいの提案を伝えていくこともできますね。
加害者側の保護者への対応
加害者が特定できた場合は、本人との話をすると同時に、分かった事実は、保護者にも伝えざるを得ません。
子どもに責任があるのは親だから。
だけど本人との話の中で、
話聞いてくれないの
こんな感じの本人の訴えが出てきたら、それも保護者に伝えることも必要です。
「隠したのは、寂しかったのかもしれませんね」みたいな感じで。
そして親にも、
みたいな責任追求型の対応を、家でしないように予防しておく。
まあ意図して伝えても、学童や担任は外野なので思い通りにならないことも多いけど、やらないよりはマシです。
保護者に対しては、入れ込みすぎずに、子どものためにやれることをやってあげましょう。
本人のストレスが家庭にある場合はうまく伝えてそれが軽減できればいいですね。
そうしないと、家で怒られて、物隠しは解決しても違う問題が出てくるだけです。
加害/被害の保護者双方の仲介
対応する家庭は両方あるので、施設として関わった場合には仲介も必要です。
とは言っても双方の意向を確認して、連絡先の仲介するだけです。
謝りに行く、謝罪を受け入れるなどはその家庭同士の関係の問題だから。
それ以上のことをしようとするのは学童クラブでも学校でも仕事の範囲を越えるから、わきまえておきましょう。
変に介入して巻き込まれたら、職員個人として精神的なダメージも負うかもしれません。
仲介がまずかったことが、その家庭同士の関係悪化につながるきっかけになるのは避けたいところ、
「連絡を怠った」場合だけが、それに該当します。
逆に言えば、連絡を取り合ってもらってどうなろうが、先生や職員の責任からは外れます。
【連絡ミスによってトラブルになった事例】学童保育~子ども施設で
8.もの隠し、靴隠しまとめ
いかがでしょうか。
もの隠し・靴隠し・盗難は駄目なことですが、
子どもの側の心理を知った上で、一辺倒に「いけないことだ」と断定してもいいことはありません。
責任追及して断罪しても、子どもとの信頼関係を損なうだけでしょう。
やってしまった子、やられた子の両方に寄り添っていく姿勢が大切です。保護者への対応も忘れないようにしましょう。
こちらの記事では個人的な問題としての盗癖について書きました。参考にして下さい↓
↑の記事で紹介しているおすすめの本です。犯人がわかったとしたらどうしたらいいか。反省させるではなく。。
ありがとうございました。
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