1.被害者意識・被害妄想の原因、低学年までは自意識過剰ではなく自分の欲求不満だけ
自意識とは
自意識、つまり他の人から見られている感覚。
自分の行動を自制するためにも必要で、「空気を読む」にも大切な能力です。
自意識過剰とは、早い話が"未知のものへの不安や期待"です。
未知ってのは人の心、実際に他人がどう思っているのかはわかりませんね。
自意識
自分自身についての意識。周囲と区別された自分についての意識。自己意識。「自意識が強い」
goo辞典より
本当のところがわからないのに、
- 「他人は自分に対してこう思っているに違いない」
- 「もしかして、私が笑われてる?」
と不安になったりします。
👆経験ありませんか?
プラスに振れている場合は「こっちを見て笑っていた。きっと俺が面白いんだな、変な顔をしてやろう」みたいに困ることは少ないですね。
でもこれが育つのは高学年〜思春期にかけて。
高学年以降では獲得済なので「どう思われているか」、「見た目がどうか」など自分を人と比べる意識、
自意識が過剰になると不安をかきたてられて、被害妄想や被害者意識の原因にもなります。
被害者意識
必ずしも被害を受ける立場にあるわけではないのに、自分は被害を受けている、受けるに違いないと思い込むこと。
また、自分の誤った行為を正当化するために、責任を他者や生育環境などに転嫁し、自分こそ被害者だと思い込むこと。
goo辞典より
低学年くらいまでの子には、自意識は育っていない
低学年くらいまでの子どもは人は人、自分は自分という感覚はまだ育ってません。(自己同一性獲得以前)
怒られている人を見ると自分も怒られているような気になったり、泣いている人を見ると悲しくなって自分も泣いたり、精神がひっついています。
つまり"人からの見た自分を気にする"段階まで行ってない。
そもそも幼児とか小学生低学年では、人の目を気にして行動することはほとんどありません。
だから人と比べて自分がどうみたいな自意識が、"悪く思われている気がする"の原因ではなく、
自分が何かで満たされてないなど、コンディションだけが原因
満たされない欲求を問題行動として出すメカニズムと同じです。
人と比べて足りない自分に不安になる、ような複雑さはなくて、
不安だから先に攻撃するとか、不安だから恐れて閉じこもるなどの単純なものです。
2.自己肯定感が低くて人を信頼できないのは被害妄想原因の1つ
イメージで作った他人は自分が作り出したもので、キーワードとなるのは「投影」という心理的な働き。
子どもの被害妄想の原因は、
- 自分で自分を悪者にする場合
- 自分で他人を悪者にする場合(次の3章)
この二通り
自分のことを自分で悪く思っているケース
「自分はダメな人間だ」、みたいな発言を、怒られたり注意されたりする場面でする子どもがたまにいます。
だいたい30人に1人くらいかな。
子どもの施設でいろいろな子を見てきた方なら、経験があるかもしれません。
自分で自分をダメだと思っているから、"他の人も自分をダメだと思っているに違いない"、と無意識に考えます。
その結果、自分の方を見て笑っている人を見ようものなら、「自分をバカにして笑っている」(に違いない)となるわけ。
普段無関係の人にそう言った感情を抱く場合は、この自信のなさが原因の可能性が高くなります。
こんな風になっちゃう理由は、"よくない経験の積み重ね"
- ありのままを受け入れてもらえない
- 否定から入られる経験の蓄積
- おとしめる言葉かけの堆積
- 厳しいしつけ
- ちゃんとしないとダメって刷り込み
- できてないことを叱られる
- 甘えたい、褒めて認めてほしいけど満たされない。
- 人と比較される
おとしめる言葉かけとは
- 嘘でしょ、
- 意地悪ね、
- 口ばっかりね、
- ダメね、
- だからダメなのよ
👆️こんな感じの人格を否定される言葉です。
こんな風に言える子はいません。
人との比較とは、主に兄弟。
「お兄ちゃんなんだからちゃんとしなさい」みたいな感じ。
ちゃんとするのに人を引き合いに出すこともないのに、つい言っちゃいますね。
兄は誉められていいなあ、自分はダメなんだみたいな自己卑下に繋がってきます。
直接自分に言われなくても人を褒めるときに「弟はダメだけどあなたは良いね」それを弟がたまたま聞いても同じです。
要は大事にされてない感じがするのを、無意識に感じ取っている繊細な子と言えます。
大事にされないと人も信頼できない。
疑心暗鬼のなかで、いつ不当に扱われないか?を無意識に恐れてる感じ。
ちょっと見てきた ➔ 次はなんか言われるんじゃないか?
「思い込みだよ」と言われても、
人を信頼できなくて、何を言われても安心できない。
けっこうかわいそうですよね。
3.特定の人に悪い感情がある場合も被害者意識を持ちやすい
特定の人に対して自分が良い感情を持っていないとき、
それを投影して、"私が嫌いだから相手も嫌いだろう"となるもの。
自分の頭の中に想像した相手のイメージが住んでいて、現実世界の相手が何をしてもイメージの相手が優先されます。
脳で直接イメージして思い込んでいる。
攻撃を同時に行うこともあります。
なかなか厄介ですね。
私が学童クラブで働いていたときに、相手の子をずーっと気にしてチラチラ見てるけど、相手の子は気にしてない。
だけどある瞬間にちらっと相手が自分を見ると
相手も見られてると気になってくるから、そこからは負のループ
仲が悪いと、ここから下らないケンカに発展。
見えないように職員の私が視線を遮るように真ん中に入っても、わざわざ覗き込むようにして見る。(けっこう距離が離れてるんですよ)
後ろを向かせるのが手っ取り早いんだけど、こんなトラブルが頻繁だと面倒くさくなってきます。
相手の事をよく思ってないから、
「あいつが私を悪く思ってるんだ!」
先に考えて攻撃することで、自分じゃなくて相手が悪いと思い込む。
そうすると、悪いのは自分じゃなくて相手になりますね。
低学年の子どもの被害者意識、一番の原因はこれ。
もちろん自己肯定感が低ければその頻度も上がります。
普段は特に問題がない子でも、けんかしていて相手に対して怒っている場合はこの「投影」が出てきます。
4.保育園ルールを引きずっていると被害者意識を持ちやすい
被害者意識のうちでも、学童クラブで多いのが
- 仲間に入れてくれない
- 貸してくれない
- 謝ったのに許してくれない
👆こんなのです。
学童クラブの1年生や、子どもによっては3年生でも言ってくるけど、これは「言えばその通りになる」という価値観や経験が邪魔をしている感じ。
言っても思い通りにならないことなんて、いくらでもありますよね。
保育園では"みんなと仲良くしてほしい"という願いから
「入れてあげてね、みんなと仲良くしましょう」
と端的に伝える。
保育園にいる間は、"この場合は入れてくれるけど、この場合はダメ"みたいな場合わけは理解もできない。
そして発達的にも、その場の雰囲気で誰とでも遊べる段階です。
だけど小学校とか学童クラブに行った途端、そういうわけには行かない。
高学年までいる学童クラブなら6年の差がある。
高学年は決まった友達や仲間と深める段階、保育園とは人間付き合いの質が全然違います。
意地悪をされれば覚えてるし、始めは好意で入れてあげるけどその度に引っ掻き回す子は入れなくなる。
当たり前の話です。
その辺りを理解できない子が「入れてくれない」とか、「貸してくれない」系の訴えを大人にしてきます。
謝ったのに許してくれないってのは、全然理解が追い付いてないですね。
被害妄想、妄想じゃなくて実際に入れてもらえないけど、自分の考え方じゃなくて普段の行いに原因がある感じです。
「後で遊ぼうね」って言って相手からの返事もないのに"自分では約束したつもり"
相手は覚えてない、というより聞いた覚えもないことも多い。
でも「約束破られた!」
~されたっていう訴えのうち、いくつかはこんな感じの理解力の低さが原因です。
5.自己肯定感の低い子の被害者意識への対応
自己肯定感低い子
対応は簡単で、言葉かけを変えて時間を待つだけ。
自分が親で我が子のことなら、自己肯定感を高める働きかけをして、自己肯定感を低くしない対応を長期に渡って意識すること。
【子どもの自己肯定感と自己効力感】違いを知って両方とも高めよう
だけど困ってる現場が学童クラブで、叱られてる場面が家でお父さんやお母さんから毎日のように言われてる場合、とたんにやれることが少なくなります。
本人へは受容と共感による傾聴とその場その場での対応だけ。
「気のせいでしょ」みたいに余計なことは言いません。
●普段の様子を伝え続ける
●家で「私だけやられた」って訴えには、お互いにやった状況をちゃんと伝える
●「小さなことで叱られてると子どもはダメになる」という親への啓発を、あらゆる手段を使って行う
●見にきた心理士の言葉として伝える
●保護者との信頼関係を作って直接伝える
ちゃんと見ていて「自分もしてる」を伝えないと、「悪いのは相手、我が子は悪くない」という保護者の価値観を強めるだけで、解決はできません。
また、伝え方が悪いと「思い込みだよ」みたいに親に言われて終わる。
ちゃんと見てないと伝えられないので、大人が見ておく必要あり、人手が1人割かれるので難しいかもしれません。
学校だと無理ですね。
もしかしたら「あの親じゃ子どもがかわいそうだ」みたいに学童職員が思ってたけど、
・実は保護者もある程度分かってて、それでも余裕がなくてつい言ってしまう、
・将来のために強く「ちゃんとしなければ」って頑張った結果空回りしてる
みたいな感じかもしれない。
実際にそういう家庭がいくつかありましたよ。
最後の"直接的に伝える"が一番効くんですが、かなり高度です。
それができなくても、親に寄り添う意味でも、状況を知るためにも保護者との対話は必須です。
【保護者との信頼関係】学童/保育で良好な関係を築く方法と考え方
自己肯定感が低いと、被害者意識だけでなく新しいことに挑戦できなかったり、失敗するとネガティブな思考にとらわれてしまうなど様々な事が起こります。
6.特定の相手との被害妄想は、一時的に離すことも有効
特定の相手に被害者意識を持っているときには、相手と離すのが一時的には有効です。
ただそもそも自己卑下になってる子どもは、相手をどんどん変えていくので堂々巡りになりますが。。
それでも相手の子が疲弊してる場合は、離すのも必要になります。
犬猿の仲になるまで引っ張ることもありません。
「無視」は多くの場合トラブルのもととなりますが、この場合に関してはとても有効。
- 見られたから何か害はあるのかな?
- 相手が何か話をしたら何か害はあるのかな?
- 相手が見てくるなら、自分も相手を見てるってことだよ。
それを見ることで嫌な気分になるのなら見ない。
自然に見えてくるというなら背中を向けるなどの方法を、具体的に示していきましょう。
ただ、あくまでも一時的です。
よくない感情を抱いている相手にはそもそも関わらない、見ない、一時的なものなら気分を変える、より深い原因に対応するなどが考えられる対応でしょう。
7.理解力が足りないことでの被害者意識への対応
これは他の二つの理由よりも対応は簡単です。
「この前ケンカになったから、入れたくないんだってさ」
直接理由を言ってくれる相手ばかりじゃないから、ちゃんと聞き出して本人に分かるように伝えてあげるだけ。
「今は友達だけでやりたいんだって」
経験値をためていける手助けをするだけです。
変に仲介して「入れてあげてよ」、みたいにすると本人の経験値がたまらない。
友達でもなくて同列なのに、「あなたには貸すけどあなたはダメ」みたいな理不尽な理由で外されてるなら仲介してあげる。
または毎回入れないんじゃなくて「たまには入れてあげてよ」みたいな、ある程度は人情に訴えた押し引きで仲介。
「勝手にするとまた入れてもらえなくなるよ」みたいに隙あれば教えていく感じ。
発達障害で何かのこだわりを元に、理解はできるけど感情が収まらない場合は違う対応になります。
だけど普通の子なら、初めは保育園ルールを引きずっていても、だいたい1年生の早い段階に徐々に理解してきます。
8.笑われてる気がするなど被害者意識の強い子への対応まとめ
被害者意識や被害妄想的な「笑われてる気がする」は、人の評価を気にするといっても、回りに合わせてしまう。
仲間外れを恐れる高学年以降と、学童クラブあたりの小学校低学年は別物。
そこに自意識みたいな理由はありません。
多くは環境から作られたもの
何らかの欲求不満からの被害妄想。(1章)
否定されたり、粗末に扱われないかビクビクしてるから相手に攻撃される前に「見てきた」って訴えてる。(2章と3章)
または単に理解力がないか。(4章)
笑われてる気がするは、周りからしたら「考えすぎだよ」ってなりがち。
だけど本人にとっては大問題。
度重なるとうんざりしてくるけど、自己卑下や普段の大人の関わりに隠れた大きな問題があることも多いから、ちゃんと対応してあげたいですよね。
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でも実は個別知識ばかり増やしても、根本的なものが足りないんです。
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というのが20年以上の経験と理系的思考による結論です。
・・では何が根本的に足りず、どうすればいいのか?
根本的に足りないもの
➔経営的な視点での基礎的な考え方、真の人間理解などのビジネススキル。
どうすればいいのか?
➔人に物を売るマーケティングを学ぶことで可能。
と思いましたか?(^^)
分野が全く違うように思えますがマーケティングを学ぶとは、人へ物を売ったり価値提供のために
✔ 人間を真面目に理解して読み解き、
✔ 発生した問題へどう対処すればいいか、
✔ お金/時間/情報/人材資源をどう使えばよいか?👆こんなのを学ぶ事になるので、結果的にあらゆる仕事に通じるスキルが身につきます。
これらが保育現場でも必要と言うのは、賢明なあなたには理解していただけるでしょう。
つまりマーケティングを学ぶと、どんな仕事にもつぶしが効く知識やスキルが身につくので、
保育に活用できるのはもちろん、ついでに副収入を得る程度は容易になり、収入面の不安もなくなってきます。
保育業界は価値観が偏りがちで、経験を積めば積むほど一般常識から離れてしまうジレンマがあります。
(経験が浅いと実感がないと思いますが、真面目に保育現場だけで経験を積むと必ずぶち当たる壁です)
特に現場リーダーや管理職になった時、一般的なビジネス知識やスキル有り無しは非常に大きな差となります。
良い主任や施設長は長い経験によって、自覚なしに身に着けているのですが、
あなたはその正体がマーケティングにより得られる知識やスキルということを知ったため、
それを学ぶことで、真面目に取り組めば1年ちょっとで10年以上の時間をショートカットして身につけられるわけです。
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