大規模 学童など環境の悪い学童クラブはたくさんあるし、数年スパンじゃ無くならない
始めに断っておきますが、大規模な学童・すし詰め状態のクラブをどう回すか?なんて記事、本当は書きたくありません。
学童クラブと言ったら全国どこに行っても、専門スキルのある職員が楽しく働き、
支援が必要な子は落ち着いて助けてもらえ、のびのび生活できる施設ばかりならいいけれど、
・・そんな状態は当分実現しそうにない。
そしてかなり迷った結果、困ってる方々の力になるなら・・と思い、仕方なく執筆した次第。
世の中にはすし詰め、芋洗い、ギューギューのギューな学童クラブが多すぎるのです。
放課後子ども教室一体型を中心に定員を取っ払い、待機児童を見た目だけ無くそうとする動きも盛んですからね(皮肉)
東大出身 理系保育士ジャムです。
部屋に対して子どもが多すぎ、狭いだけでも大変なのに、ベテランになるまで働きにくい環境、退職者も多く、職員も足りず、子どもを見きれてない施設も多い。
大変だ!というのは非常によく分かります。
私も7畳くらい(うろ覚え)のスペースで20人、テーブルもない床に座って足の踏み場がない学童にいたこともあるし、
120人を常勤4人、休み入ればなんと3人!+障害児付きの加配大学生だけで見てたこともあるから。
こんな状況を変えるべく声を上げる/発信していく、というのも大切です。
でも現に毎日来ている子どもたちは当分の間、今ある環境で見ていくしかありません。
「発信しても数年スパンでは何も変わらない」前提で、今あるリソースをフルに使って見ざるを得ないのです、いくら声を上げようとも。。。
そこで苦肉の策とも言えますが、ノウハウ何もない状態で見るより、少しでも管理的に見なくて済むような、「多少マシになるやり方」はあります。
それを今回はお話していきます。
"なぜ大規模 学童が存在するか?"なんて話はせず、
現に環境の悪い学童クラブでどう動けば良いのか、できるだけ具体的にお話していこうと思います。
とるべき行動をキャリア20年以上、定員超過の大規模な学童、文字通り足の踏み場がない「すし詰め学童」でも経験ある私が、
理系視点から理由付きでコツも書いているので、方針がハッキリとし、多少なりあなたの悩みが解決に向かうと思います。
1.大規模 学童など、環境の悪い学童クラブで起きること
1-1.大規模な学童クラブなど、大変さは世間的に認知されてない
・大規模な学童クラブ
・すし詰め、芋洗い状態のクラブ
・職員が足りてない学童
色々と環境の悪い施設はあるけれど、大規模な学童よりは、定員が少なかろうが狭い場所にギューギューな学童クラブのほうが問題が大きいです。
私は研修で出会った方が「定員300人の学童で仕事してる」と聞いて戦慄しました。
私が小学校〜中学までいた1学年が300人、9年間いたけど一言も話さないで終わった人がいるくらいの規模だったからです。
ただそこは施設が十分に広くて職員も何十人規模、役割は分担されて研修も豊富、そんなに問題が無さそうでした。
それより私が昔いた、定員20人をノウハウ無しの素人が5〜7畳で見てた学童のほうが大変だった自信あり( ー`дー´)キリッ。
例えば人口密度が増えると、一定の割合で存在するADHD系の子がまず問題。
意味なく奇声を上げるし、トラブルになれば泣き叫ぶ。
すると部屋が狭いので全体の雰囲気が一瞬で悪くなる👈支援員のほとんどが分かると思います。
こんな大変さや問題を挙げたらキリないけど、世間一般には知られていません。
こども家庭庁・異次元の子育て支援とか言ってる最中、2023年の書き込みを見つけました。
👆大変な学童じゃ真実だけど「話盛ってそう」という返信もあって、残念な気持ちでいっぱいですね。
いろんな調査がされてますが、現場としては変わってないどころか、折しもの人材不足で状況は悪くなっている感じもします。
そんな学童でも入れないよりマシ、と言いたげな行政の全数受け入れによる対応。
まあ上手くいってるところもあります。
東京都渋谷区は学童クラブ利用料がなんと無料!定員なし!
ただこれは渋谷区だから上手くいってるのであり、
低所得者層の多い地域(表現悪いですが、実際にある)で定員なしの学童、放課後子ども教室一体型の施設の惨状といったら。。
私はずっと昔、東大の院をやめてしばらく「明日のジョー」の玉姫公園付近の学童クラブでアルバイトしてたことあります。
酔っ払ったホームレスの方が昼間から道端に座り込んてでたり、チューハイ缶を持った高齢者が怒鳴り合ってたり、
子どもが「おじさんに帰り道で追いかけられたから怖くて帰れない」という訴えをしてくるくらい治安の悪さ。
似たような地区での全数受け入れ施設にした結果、荒れに荒れて休職者・退職者続出、というのを知ってます。
学童クラブの状況、報道も少しずつされてますが、まあ認知されてませんね。
こんなだから志高く、自ら学童クラブを作ろうとする人も出てきますが、なかなか厳しいようです。
1-2.大規模 学童クラブなどで起きる問題は決まってる
大規模学童、ギューギュー学童で起きる問題はだいたい決まってます。
・子どものトラブルが多いけど、見きれず把握しにくい
・職員と子どもの信頼関係が作りにくい
・高学年の歯止めが効かなくなりがち
・テーブルが足りず宿題順番/おやつ3ターンとか無駄時間が多い
・体調悪い子が休む場所なし
・うるさくて落ち着かない
・暑い、くさい
・一人で静かな子、職員が気づいても関わる余裕がない
・職員の余裕のなさからイライラしやすい
・テレビを見せる時間が増える
👆大規模や寿司詰めではデメリットばかり、メリットほぼ無し。(メリットあるけど大負け)
この中で一番厄介なのは、「職員の精神的な余裕のなさ」だと私は思います。
それは子どもに派生し、ただでさえ難しい環境の悪い学童運営をよけい難しくするから。
2.大規模学童クラブで起きる問題への対応
起きる問題が決まってると言うことは「あるある」
👆つまり対処方法が存在する、ということです。
大切な職員連携については3章で詳しくお話するので、まずこの章ではそれ以外のハード面などで、育成が多少マシになる工夫やポイントをお話していきます。
・死角を潰す
・おもちゃを増やしてグッズも活用
・一人用のテントの活用
・冷房を入れる
・子どもの分散化を図る
・待ち時間を減らす工夫
・制限のある中でも信頼関係を築くには
・感情を抑えるアンガーマネジメント
2-1.大規模では物理的に死角を潰す
職員が見きれないで起きるトラブル、そもそも視界が遮られてる環境設定がよくあります。
部屋を仕切るために棚を真ん中に置いたけど、棚の後ろが一方向からしか見えない、とか。
部屋の形がL字形で、覗き込まないと見えない、とか。
フラットにしすぎると子どもが走り回る、というのもあるけど、まず視界を遮らないことも大切です。
物理で潰せない死角は、3章でお話する職員の立ち位置でもカバーします。
2-2.おもちゃを増やしてグッズも活用
子どもは暇だと、分かりやすく荒れますね。
暇でやること無いから余計なちょっかいを出し、簡単にトラブル。
狭い学童クラブだと、それで走り回る子が関係ない子にぶつかって、二次災害。
この対策は要するに、おもちゃ・本を増やして暇にさせないこと。
学童職員はよく、
何人かでやれるオモチャを買おう
こんな思いから、大人数で遊べるボードゲーム・パーティーゲームなどを優先的に買いがち。
これ自体は悪くないし、むしろ良いことですが、職員サイドの勝手な思いとも言えます。
学童だから人と遊ばなきゃいけないわけじゃありませんよね。
むしろ一人遊びできる
・パズル系
・ソリティア
こんなのを沢山用意しておくと職員の手も取られず、自動で落ち着く子は少なくありません。
そして重要なのはマンガ。
何人かで遊べるオモチャを種類多く用意しておき、さらにマンガも増やす。
学童クラブだと、他称下品だけどコロコロ系のギャグ漫画が超人気ですね。
おもちゃが多すぎると部屋が散らかる👈というのは、やはり職員の動きでカバーしたり、置き場がないなら週の中で入れ替えとかやりようはあります。
環境が悪いなら金を使う。
金がなければオモチャなんて工夫次第でいくらでも作れるし、プリントなどダウンロードすればOK。
利用者に寄付を募ってもOK、やりようはあるのでアイデアを出しましょう。
またグッズとして有効なのが一人用のテント。
着替え、パニック児童のクールダウンなどに、必要な時だけ取り出して、最小スペースで活用できます。
2-3.冷房を入れる
暑い、くさい、職員の精神衛生的にも良くないです(^^;)
暑いと子どものストレスも上がります。
クーラーを効かせましょう。
まあ単純な話です。
2-4.大規模だからこそ、子どもの分散化を図る
子どもの分散化、難しい施設もありますが可能な範囲でやるしかありません。
部屋が複数あるなら分けて使いましょう。
職員分散リスクはあるけれど、子ども密集リスクのほうが経験上、遥かに大きいからです。
狭くて気づかずぶつかって、無言でやり返しとばかりに急に背中を叩き、取っ組み合いのケンカ。
対応するのもバカバカしいと思いませんか?
部屋を仕切るのも有効ですが、棚を置くと後ろが見えないし、低いテーブルだと飛び越えるので、
シースルーな家具や、高さのちょうどいいのを探しましょう。
2-5.子どもの待ち時間を減らす工夫は大規模な学童クラブで大切
どうしても管理的な育成になりがちな大規模な学童クラブ、子どもの待ち時間は多いです。
いや、とっても多い。
大人なら耐え難いレベルです。
おやつ前に全員座るのを待つのに10分、職員が話をするのに10分、おやつの分配に10分、いただきます。
おやつを気分で食べない子も付き合わされ、ロクに中身のない話を聞かされる。
👆これをテーブルが足りなくて2ターン、待ってる子はスペースないから本読みだけとか、とにかく耐え難い。
だからおしゃべりをすると怒られる。
帰りの会なんかも、真面目で早く集まって来る子が何分も待ってるから、
「早く集まった子が不利益にならないよう、楽しい遊びを展開しましょう」とか。
分別のついてきた高学年がいる学童だと、高学年に集める係をやってもらうとか。
得をする人が誰もいないのに、時間になればそれが始まる。
・・苦痛でしか無い!
私に言わせれば集めることに囚われてしまい、目的意識がズレています。
●伝達事項は子どもがきっちり座るまで待つ必要はなく、30秒で伝えきり、あとはその日のホワイトボードを見てもらうたけでOK。
●帰りの会も、その時間にまとまって帰る子だけ集まればOK。
●おやつも来た順に食べて遅い子は待ち、誰が来て誰がまだ来てないかチェックすればOK。
漫然と繰り返してるけど実はムダ、ということは沢山あるので、システムの見直しが必要です。
とにかく子どもの待ち時間を減らすことを考えないと、子どもが可哀想。。
メリハリをつける!なんてのも、環境の悪い学童だと制限がムダに増えるだけ、意識しすぎるのはNG。
何やっても子どもへの制限は多いんだし、脳で考えるより体が動く低学年
毎日繰り返してもできるようにはならず、習慣化するより慣れによってダレるケースばかりです。
じゃあそんなのやめましょ。
私が働いてたところでは、
・何十年かやってた(らしい)5時一斉の帰りの会を廃止。
・おやつもテーブルを2個だけ用意して空いたら次、先にくれば良いのを選べる。
・伝達事項がある日だけ、座るのをある程度まとめて、10人単位くらいで伝える
・授業が全体的に早い水曜だけ一斉に食べて一体感を得る
こんな事をしてました。
うちも大規模だったけど、自由度はかなり上がりましたね。
【帰りの会】 学童クラブでの意味を踏まえての進め方、廃止も問題なし
【帰りの会ゲーム ネタ30】小学校や学童で子どもと短時間の座ってできる
2-6.制限のある中でも信頼関係を築くには
子ども多すぎ+職員が少ないと、子どもとの信頼関係が築きにくいのは確か。
特に「一緒に遊んで」信頼関係を作る、というのは不可能、やることが多い常勤職員は特に・・
座って遊べればいい方、
という学童で
働いたことありますか?
ただし、遊ばなくても信頼関係は作れます。
遊びは信頼関係を築く手段の1つに過ぎないからです。
大雑把に言えば、良好な関係を築くコツは、
話を聞いてくれてる、と子どもが思ってくれたらOK。
そんなに難しくはないですよ。
管理的になって、怒ってばかりだといつまでも信頼関係は築けず、言うことも聞かない。
メチャクチャ怒ったときだけ言う事聞く、って状態になります。
【子どもとの信頼関係の築き方】 憧れさせるより楽な5つの超具体的方法
また大規模学童だと管理的な指導ややり取りが増え、従わない子どもにイライラしてきますが、
こんなにも環境の悪い子どもには、本来不要な我慢をしてもらってるわけ。
申し訳ない。。と思って然るべきなのです。
そこを分かってれば高圧的な態度になることは少なくなり、
瞬間でイラついて強い言い方になっても、「言いすぎてゴメン」ってフォローも自然に出てくる、
何かを頼むにしても言い方一つ「ごめんね、〜してね」お願いベース、
協力してくれたら「ありがとう」、感謝の気持ちが生まれるもの。
お願いベースで歩み寄ると、3年生以上の子には案外遊ばなくても信頼関係構築は上手くいきます。
【極意 子どもとの遊び方〜学童職員として】支援員 20年選手が伝授
2-7.感情を抑えるアンガーマネジメント
余裕がない学童クラブでは、いろんなキッカケでイライラしやすい。
✔子どもが言うこと聞かない
✔何度言っても繰り返す
✔ADHDで仕方ないと分かっててもイラッとする
✔動かない職員にもイラつくし
✔保護者の通常相談にも敵意や嫌味を感じたり
こんなときはアンガーマネジメントを学びましょう。
支援者の言葉も高圧的、乱暴に「〜しろよ!」みたいになりがちです。
だから努めて丁寧な言葉「〜してください」「〜しましょうか」などを、自分を落ち着かせる意味でも使っていきましょう。
子ども含め、まず荒れるのは言葉遣いから。
荒れた言葉を普段から使っていると慣れて更に荒れ、いつしか
「あの職員さんの言葉遣い、どうなの?」
「雰囲気よくない」
保護者からも物言いがついたり、心理的虐待じゃないかと追及されるかもしれません。
3.大切な大切な、職員の動き方と連携
通常の学童クラブでも職員連携は必須ですが、大規模や寿司詰めは職員が潜在的に足りないので輪をかけて大切。
足りてない職員同士で反目し合い、足の引っ張り合い、腹に不満をためながら働いてたんじゃ、誰がいつリタイアしても不思議じゃありませんね。
●共有ノートや的を絞ったミーティング
●役割を分けつつ各々が全部やるチームを目指す。担当制もあり
●状況に見合った、無理のないプログラムや活動を行う
●キーとなる大変な子どもは持ち回りで見る
●連携して分散し、死角を無くす
●マニュアル化を進める
3-1.共有ノートや的を絞ったミーティング
大規模学童クラブは各職員が持っている情報がバラバラなので、合わせるシステムが必要です。
育成が始まれば話してる暇はなく、仮にあっても集まれた2〜3人で共有するにとどまってしまう。
聞いてない職員は、「私だけそれ知らない!」
これが何度か続けば、連携もチームワークのへったくれも無し。
基本的には
・起きた事実と時系列
・行った対応
・結果的にどうなったか?
こんなことを、読めば居なかった人もすぐ分かる共有ノートが必要です。
このシステムが無いのに「報連相をしっかり!」と言っても、経験の積めない職員には無意味。
✔とりあえずノートに書いて
✔対応に迷ったら経験者に相談
✔その結果どうなったか?
こんなのを集めることで、読むだけでも個々の経験値が上がり、良いチームに一歩近づけます。
システム的にしておくことで、
せっかくの休みに、「昨日の対応、何したの?」なんてくだらない電話が来なくて済みます。
3-2.役割を分けつつ各々が全部やるチーム、担当制もあり
職員が足りてないなら、全員が全力でやってるんだろう・・と思いきや、動きを共有しないと、少ない人数でも働かない人が出てきます。
👆残念ながら事実。
それが「あの人は動いてくれない、私ばっか大変!」という不満に繋がり、足りないのに職員の中でいさかいが生まれ、
陰口や口を聞かない、高圧的な言動などが起きて園長が苦労、というのは女性ばかりの保育園でよくあるパターンですが、
環境の悪い学童でも同じ事が起きます。
働かない人が出るのは、ミーティングをロクにせず、しても明確な議題もなく話した気になってるから。
動きが悪い!と見ていて思う人も、本人なりにやってるつもり、今やるべきことの空気読めないだけ、というのも多いです。
役割が明確なら動ける人はたくさんいます。
真面目な意識高い人だけが率先して動き、動きの悪い人を見て不満を持つとか、バカバカしいですよね。
こんな記事を読んでるあなたの状態に近いかも知れませんが。
こんなわけで、一日ごとに役割を明確にすることが第一歩。
全職員が新人だと、振られた役割以外な目が向きません。
でも経験のある職員が振られた役割以外もやる姿勢を示していくと、チームとしてレベルがあがってきます。
3-3.状況に見合った無理のないプログラムや活動を行う
学童クラブで働こうとする人は福祉マインドが旺盛で、多少無理してでも頑張ろうという方が多いです。
でも大規模学童などでは、多人数・狭いという一点が最大のリスクなので、それに振り回されないように職員が無理しないことが一番大事。
また「頑張りたい」というのにも、職員間には温度差があります。
子どもが喜ぶことを期待し、頑張りが必要な活動をしたい人もいれば、無理せず日常を安定させたい人もいます。
そこでは私の経験上、職員の精神衛生的に「無理しない」方面の考えの職員に合わせた方が良いです。
無理が続けば余裕がなくなるし、力のあるリーダーが強行すれば「付いてけないわ」につながったりと、チーム崩壊に繫がるリスクが大きいから。
ーーー
私の経験をお伝えすると、
そこそこ大変な学童でしたが、外あそびに10分でも出れば子どもは喜ぶからと、
かなり無理して「じゃあいこう!私一人で連れてくから大丈夫」と場当たり的に強行してた頃があります。(私はリーダー職)
事実子どもは喜ぶし、発達障害系の子も気分転換になって安定します。
ただ外に行く子は限定的なので、残った室内は手薄になりトラブルも増える。
だけど当時の私は「それくらい見ててよ」とか、他の職員に対して内心思ってましたね。
でも私がいない日は外に行けない反動も大きいこと、私の思ってる以上に急に部屋を任される他の職員は負担を感じていること、
独断専行をする私に反感すら抱いている、というのを後から知りました。
結果的に、
・外遊びは曜日固定にする
・急な変更はなるべくしない
・状況を見て予定を変えるのは、30分以上の先の予定を立てる相談をし、子どもに落ち着いて周知できる場合だけ。
などをミーティングで決めて私も守るようにしたことで、以前より安定した運営になったし、
正直外遊びに引き連れてくのは私も大変だったけど頑張ってたのを、私だけが頑張らずに持ち回りで外に行くことで負担も減りました。
日常が安定しない環境の悪い学童では、"上に合わせて下が頑張るべき"、という考えは捨てたほうが無難です。
謙虚さ・感謝の気持ち・余裕、いろんなものが失われてチームが崩壊するからです。
3-4.キーとなる子どもは持ち回りで見る
どの学童でも発達障害の有無に関わらず、トラブルメーカーはいます。
その子を起点としていつもトラブル、対応が増えるのは全職員知ってるから、その子から遠ざかろうとします。
でもトラブル前兆で対応すると、高確率で炎上しない。
これを知ってる意識高い職員は、他の子へ対応してても目の端に入れておいたり、耳だけは聞いて介入準備を怠らず、放置しません。
トラブルメーカーが複数いて見きれない場合、遊ぶ場所を指定し、近くに数人集めて見ることすらします。
トラブルが起きてから後手に回るほうが大変だから。
これを意識高い系の職員だけがやってちゃダメ。
さっきお話した具体的な共有やミーティングで、日や時間帯によって持ち回りでやるわけです。
そうしないと頑張ってる職員の不満が募ります。
優秀な職員ほど燃え尽きて、病んでリタイアするのは、こんなのが一因です。
【学童クラブの会議やミーティング】時間をかけずに最適解を出す方法
3-5.連携して分散し、死角を無くす
職員が十分多い学童で、人数はいるけど死角ばかり、
誰も見てない場所が何か所もあり、いつもトラブル対応が後手に回ってる、
「人数いるのになんで見れない!?」という学童クラブはたくさんあります。
他の職員が、いまどこを見てるか?を意識的に見る習慣がないと、簡単にこうなります。
自然に動くでも、声をかけあうでも、連携して死角を無くすのは訓練しないと難しいので、放っておいてできるようにはなりません。
よくあるのが、何かトラブルがあると野次馬的に、対応もしない職員が集まってくるクラブ。
誰か対応してるなら信頼して、他の人は対応中の職員か抜けてることで手薄になる他の子達を見る、というのが正しい連携。
無駄に集まってくる、というのはヘルプで知らない学童クラブに入ってみるとすぐ分かります。
この人、何しに来たんだろ?あそこ誰も見てないじゃん。ほら顔が険しいし、口論になってる雰囲気よ。
案の定、手出しをして大声で泣いて初めて「どうしたの?」
・・どうしたの?じゃねえよ。あんたが野次馬しにこなきゃ、防げたかもしれないトラブルだよ。
※私がヘルプのとき、本当に手が足りなければ助けるけど、こんなのは現場のためにならないので静観することにしてました(^^)後で施設長へ助言・報告案件です
職員数は足りてそうなのに、なぜかヘルプ要請される施設ってそんなもん。
職員同士が信頼してないか、変に馴れ合ってるかどちらかです。
仕事のパートナーとして信頼できるよう、実のある具体的なミーティングを心がけましょう。
3-6.マニュアル化を進める
職員連携として、新人やヘルプ職員に仕事を説明することも多いですが、
イチイチ1〜10まで口で説明したんじゃ、時間がいくらあっても足りない。
マニュアル化できる部分は作り、読めば分かる状態にしておくのが大切。
作るまでは大変だけど、作っちゃえば楽になります。
4.大規模学童クラブの潜在的なリスクを親に隠さず、協力してもらう
ここまで職員側でする努力をお話してきましたが、それだけじゃ不十分。
大規模な学童など環境が悪い施設では、保護者の協力が必須です。
大規模、寿司詰め、芋洗いなど環境が悪い学童では、いくら頑張ってもマシになる程度、根本的な解決はできないので、
・トラブルは起きるし
・対応にも失敗するし
・トラブルがあったことにすら気づけない
子どもを預けてる保護者から、意見をもらうことが多いです。
いくら頑張ろうが、決して0にはなりません。
でも環境の悪さや大変さを隠さずに、保護者に先に知らせておくと
✔あの子と接触させないようマンツーマンで見てくれ
✔転んで怪我したのを、なんで見てくれない!
こんな無茶な意見は、状況を知ってれば引っ込めてくれ、相談の形にしてくれる方が多くなります。
「これくらいなら仕方ないか・・」と思ってくれる方が増えるんです。
万全とは言えないし、子どもや職員のストレスも多いことに変わりないけれど、それでもマシに・・
それなのに、大変さや職員努力を隠す施設って少なくありません。
誠意を持って対応する、自己開示する、習ってるはずなのに隠す。
知らせると不安にさせ、安心して預けてもらえないから
という理由で。
ハッキリ言えば、
嘘ついて、大事なことを隠して、子どもを預かってるのと同じ
👆こう思いませんか??
我が子心配は親の役割と言え、預けてるんだから見てくれる、という期待を外すとズレた要求がワンサカきます。
大変さをアピールして期待感を下げてもらわにゃ、育成すら大変なのに、
育成中に親が怒鳴り込んでくるみたいな、余計な労力を割く羽目になります。
まあ言い方や知らせ方の工夫は必要です。
①最大で3年目、素人ばかりの職場だからゴメンナサイ
②若い集団なので、お気づきの点あれば教えてください
何かお願いするときは、理由と併せて伝えるのが誠意ある対応だと思います。
私はこの記事を書くにあたり、大規模学童について色々と調べた中に、
「信頼関係を築くために、子どもをなるべく休ませないでほしいとお願いした」という一節を見つけ、かなり驚きました。
おそらく古い方が書かれたのだろうと思います。
信頼関係を築きたいのは大人側の勝手な事情、混雑した学童クラブになんて子どもは来たくない。
むしろ「うちの学童クラブはこんな状況です。必要なくて、家に居れるなら休ませてください」と言うべき、と私は考えます。
仮に来てもらったところで遊び相手をする余裕は職員に無く、話を聞いてくれる時間も超少ない。
そんなものと引き換えに高ストレス環境数時間を耐えろ!、と言ってるようなもの。
学童クラブの目的は保護者支援というのもあるけど、今の福祉の大前提である「その人、その子、その家庭」に応じた自立支援、
エンパワメント(ある力を伸びることを助ける)やストレングス(持っている力)の活用がベースにあります。
学童クラブなんて、本来は必要なければ来なくて良い施設、というのは知っておかないといけません。
・・まあ「休ませてください」は学童に子どもが喜んで通うのを目指す、育成指針にも書いてある内容とはかけ離れているのでジレンマがあります。
ただ大規模学童クラブ自体が異常、行政が悪いので現場は悪くありません。
大変な環境でなんとか必要な家庭の子どもを預かるための、苦肉の策と言えます。
だから
と本心で思いながら、今の学童の現状を伝えつつ申し上げるわけです。
まあ申し上げなくても見学に来て惨状をみてもらえば、自ら引き下がる方も多いと思います。
コロナ禍では相次ぐ休室、自粛要請により大幅に利用者が減っていたでしょう。
それでも来る子は要支援の家の子が多くて、しかも感染予防対策をしながら見るのは大変だったと思いますが、
要請すれば応えてくれる人は、沢山いるのです。
嘘はつかず、誠意を持ってあたるのが大切で、
誠意を示す=隠さない・嘘付かない
ということです。
職員連携かうまく、大規模でもクレームが来ずに素晴らしい育成をしていたけど、実態は大変さを外に出さず歯を食いしばった耐えていた。しかし大丈夫だろうと更に定員が増えたことで崩壊した
有名なガッテン学童さんの記事にこんな一節。真実を多く含んでいます。
ガッテン学童
5.大規模学童やすし詰め状態で子どもをどう見るか?まとめ
いかがでしたか?
まとめると、
大規模学童などで起きる問題は決まってるので、それぞれに対応する
2-1.物理的に死角を潰す
2-2.おもちゃを増やしてグッズも活用する
2-3.冷房を入れる
2-4.子どもの分散化を図る
2-5.待ち時間を減らす工夫
2-6.制限のある中でも信頼関係を築くには
2-7.感情を抑えるアンガーマネジメント
(2章)
大切な職員連携は
・共有ノートや的を絞ったミーティング
・役割を分けつつ各々が全部やるチーム
・状況に見合った無理のないプログラムや活動
・キーとなる子どもは持ち回りで見る
・連携して分散し、死角を無くす
・マニュアル化を進める
(3章)
また大切なのは、「保護者には状況を隠さず、伝え方を工夫しつつも正しく伝える。」(4章)
・・・と、ここまで散々お話してきましたが、あなたが働ける学童、大規模でも寿司詰めでもないクラブは世の中にたくさん存在します。
私の信念は、
「ろくでもない施設で頑張っても身にならず、病んで再起不能になるリスクがあるので、よい施設で働くべき」
初任で働いたブラック学童で鬱になりかけ、再就職先の施設で大きく成長できた私が、身にしみて感じたことです。
ここまでお話したのは、あくまでも劣悪環境の学童クラブで、多少マシになる方法に過ぎません。
まあこれらを実践できれば、普通の学童クラブでは相当に良い、余裕を持った育成ができる、という高レベルの内容でもありますが。。
今関わっている子どもたちは気になりつつ、あなたが働ける限り支援される子どもは救われ続けるので、
我慢ならないなら病む前に辞め、別のクラブに行くのが最適解、という場合も少なくありません。
一番大切なのは、あなたが支援者として生き残ることなので、くれぐれも無理ないよう。
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