1.高学年の(放課後児童クラブ)学童クラブは必要か?
このサイト全体で、「学童クラブ」というのは、厚生労働省管轄の公的な「放課後児童健全育成事業」
放課後児童クラブとも呼ばれいて、運営形態は
①役所が設置して自治体が運営
②役所の施設を民間事業者が運営
③民間施設に役所が補助金を出してる
※③については幅広く一概に扱えない
一方で月額5万も6万もする塾や習い事の子ども預かりで、税金が一切使われていない施設は民間学童クラブと呼ぶことにします。
詳しくはこちらの記事の1章で分類を解説
1-1.4年生~6年生の高学年の子どもの学童クラブ利用状況と、低学年優遇の学童クラブ事情
厚生労働省によると、学童クラブは小学生全てが対象。
2015年の児童福祉法が改定で、「おおむね10歳未満」とされていた学童クラブ対象が「小学6年生まで」になったためです。
始めに厚生労働省の発表している学童クラブのデータから、学年別の利用状況を紹介。
低学年が全体の8割程度ですね。
4年生こそ11%と少し多目ですが、6年生に至っては学童在籍児のうちだいたい40人に一人と言った割合です。
画像出典:厚生労働省「2018年 放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)の実施状況(2018年5月1日現在)」
日本の小学生人数は、ざっくり言うと一学年当たり100万人です。
日本の一年生の40%近くが利用しているのに対し六年生は3%程度となり、割合の低さが分かります。
地域差はもちろんありますが、数だけ見れば30人クラスに1人です。
待機児童についてのデータもあります。
高学年については利用割合が低学年の2割程度にも関わらず、数としての待機児童は低学年と同じくらい。
データからわかるのは、申請しても使えない割合が低学年の5倍くらいになるという話です。
なぜなら待機児童の問題は小1の壁についてのほうが、小4の壁よりも重大。
なぜなら、ついさっきまで保育園行ってた、1年生になったからといって留守番させるにはあまりに心配な子の対策の方が、切羽詰まっていて大事だから。
また高学年も学童に入れたいニーズは、2015年までもあったけど、実際はなんとかなってたんです。
だから後回しにされても仕方がないところ。
こんな感じで各自治体により学童クラブの受け入れは一年生をとにかく手厚くし、
●基本的に小学生3年生まで
●支援学級などに行っている子に限って6年生まで
●それでも定員余ってたら高学年
なところが多くなります。
定員がなくて全数受け入れの施設もあるけど、そこは学童って言うよりは「自由に来ていい場所」
来ても来なくてもいいとなると、やっぱり高学年はあまり来こず、たまに気が向いてのぞきに来る程度。
高学年になれば学童に来なくても、行ける場所が増えるから、だいたいなんとかなるってことです。
1-2.内部的な話、高学年にとって学童はつまらない場所か面白い場所か?
結論から言うと、高学年を受け入れている学童クラブで、うまくいっているところは残念ながら多くありません。
学童指導員の方々からも、
●高学年までいると、年齢の幅が広すぎる
●遊びの質が大幅に違う子が、同じ空間で過ごせない
●高学年で学童に来る子は幼かったり支援が必要な子が多いため、力も強く暴れたときに指導員が怪我をするのが心配
など戸惑いの声もあります。
もちろん高学年の存在で運営が難しくなってる施設ばかりではありません。
学童クラブメンバーがあまり入れ替わらずに、その学童クラブに一年生からずっと在籍。
少しずつ成長して頼れるお兄さんお姉さんになりリーダーシップを発揮してくれるような高学年もたくさんいます。
(個人差がとても大きいとこと、また代々受け継がれていたようなその学童クラブの"風土"に大きく依存します。)
ネットで学童クラブをいろいろ見ていると、
楽しそうだなあ
なんて思うクラブもありますよ。
ただし、そんなにうまくいっているクラブばかりでないのが現場の支援員の声から分かります。
高学年の子にとっても、
- 一人で何かやりたいと思っても、小さい子に邪魔をされる
- 同じくらいの子と遊びたいと思っても、学童には下の子ばかり。
- 下の子に毎回合わせないといけない
- いつもまとめ役を期待される
- 学童クラブでは制限も多い
- 時間がいちいち決まっている
- 体を動かす遊びも限られる
- 下の子相手に加減しないといけない
- 低学年向けの行事にも付き合わなきゃいけない
👆️子どもからこんな声も挙がります。
行きたくない、他の子が行ってない場所に行かせられる。
かなり辛いと思いませんか?
はっきり言ってつまらないと思います。
活発な男の子だったり毎日来るのを強いられているような場合は本人の行動も荒れてしまって、残念ながら"問題児"として扱われることに・・
女の子が荒れるのは少ないですが、荒れた場合は職員への反発も激しく、周りの子は怯えるなど、男の子より大変。
高学年にとって学童クラブは来たくない場所。
だけど実は3年生の段階から、この兆候はあります。
早ければ2年生でも「学童クラブから出たい」って子どもが一定数いて、3年生になると明らかに限界と言った子は、
「狭くて制限の多い学童クラブにいることでのストレスが原因」で荒れる子は大いに荒れます。
- 下の子への意地悪
- 職員への暴言・暴力
- わざと指示に従わない
- 下の子を扇動して職員を困らせる
- やられたことに過剰に反応
これが3年生で学童クラブもう限界な子どもの様子。
高学年になったらどうなるか、想像するのは簡単だと思います
1-3.4年生以降の高学年が在籍しても学童クラブ運営がうまくいくケース
高学年の子が学童クラブに入所していても、うまくいっているケースは👇️
●その子が望む役割が明確にある
●その子自体がとてもいい子
●たまにしか来ないか、来ても短時間
●来る来ないがある程度本人の自由になる
●家庭が安定している
●兄弟の下の子も一緒に利用している
●同じクラブにずっと在籍できそのクラブのことを熟知し、下の子からの信頼が厚い
●学童クラブの雰囲気がよい
これらのうちいくつか当てはまってると、比較的安定して過ごせて、学童クラブ運営も安定しているようです。
特に大切なのは黄色につけた部分。
本人が来たくないって態度でも示してるのに、自由がない場合は9割がたダメ。
※あくまで私が20年以上現場にいて、さらにいろいろな学童クラブの話を対面で聞いたり、ネット上だったりでつかんできた傾向です
2.学童やめたあとに親が感じる不安ポイントから、高学年で卒室のため必要な準備
2-1.学童卒業後の悩みの種はやはり留守番
高学年に学童クラブが必要ないと言われても、親は心配になるのは当たり前。
保護者としては今まで学童クラブに在籍していたのを、急に留守番や一人で過ごさせるとなると不安に思うのは当然の事だから。
また、
✔自分から年度途中である程度は納得してやめた
✔4年生は定員オーバーで学童クラブに入れず
ではまた違ってきます。
2011年度と少し古いけれど、保護者の不安といった意味では急に変わるものでもなく有効と思うので、ベネッセ教育サイトが実施したアンケートデータを少し紹介しておきます👇
アンケート期間 2011/04/20~2011/04/26 回答者数:1,226人
アンケート対象:全国の本サイトメンバー 過去に学童保育を利用したことがある、現在小学5年生~中学生の子どもの保護者
※百分比(%)は小数点第2位を四捨五入して表示した。四捨五入の結果、各々の項目の数値の和が100%とならない場合がある
【図6 (横軸)お子さまが学童を終了したあと、放課後はどうしましたか?
(縦軸)学童保育の終了にあたり、どのように感じていましたか?】
今まで学童クラブだったのを、急に留守番をさせる家庭はやはり不安が大きい様子。
でもそれらの不安は初めだけ
子育てとはそういうものです。
どうしても不安で、地域的に(高学年でも入れるクラブかあるなど)許されるのなら、学童に在籍だけしておいて困ったときだけ頼るのもありです。
お守り的に在籍していても、夏休みをやり過ごして、一ヶ月くらい使わなかったとあればそこが卒業のタイミングでしょう。
2-2.学童クラブ卒業の準備は、4年生以降 高学年の放課後の過ごし方を知る
学童クラブをやめた後の子どもの過ごし方はいくつかあります。
①放課後子ども教室や児童館
②習い事を入れる
③留守番する
④友達と約束して遊ぶ
これらのいくつかを組み合わせて過ごせるようになれば、別に学童クラブにこだわる必要がなくなります。
①放課後子ども教室や児童館
主に学校のなかで、遊んだり勉強したりできる部屋を用意してくれて、ランドセルのまま自由にいていい場所が放課後子ども教室。
児童館は18歳までの子どもの地域の中の居場所。
放課後子ども教室も児童館も、大人の目があり安心できます。
ただ1つ問題は、地域や自治体によって大きく差があること。
特に放課後子ども教室は大人がいても見てるだけとか、放課後子ども教室やってますって期待してたら週に一回だけとか。
ちゃんと実施されていれば、開所持間は17時までが一般的なので、その時間までは居場所があります。
児童館も地域によって状況が大きく違いますが、ちゃんと整備されてる地域なら安心の居場所。
子どもが自分で行ける場所にあるなら、積極的に利用させたいところです。
放課後子ども教室の詳しい記事はこちら👇️
②習い事や民間学童クラブに行く
塾や他の習い事に行ってもらうのも、毎日のように留守番させるのが心配な保護者からしたら一般的な対策です。
習い事のサービス一環として、「子ども預かりますよ」って形の民間学童クラブはたくさんあります。
でも週5で行くのはキツイので、本人の意向をかなり重視して確認する必要があります。
あくまでも併用する選択肢の一つ。
何がキツイって、自由時間が全くなくて友達との交流が塾のみというのは、人生で一度しかないその年齢でしかできない経験の機会を潰してしまう。
塾の結果として勉強がいくらできるようになっても、"それだけ"。
また本人の思いを無視して塾に行かせても、学童クラブを卒業した意味がありませんね。
③留守番
親としては不安の大きい部分で、
多くの家庭が留守番できないから学童クラブを利用していると言っていいくらいです。
でもいずれは通らなければならない道、留守番をしてもらうにはとても準備が要るところです。
なぜなら年齢が上がったからと言って、親の期待した通りの留守番ができるわけじゃないから。
教えることは事前に教えておくことが必要です。
親が我が子への働きかけの意味で準備してなかったのに、それを子どもの責任にするのは筋違い。
学童クラブを卒業して家で毎日留守番をすることになったら宿題もしないで友達とも遊ばず、家でゲーム三昧となる子もいます。
当然、親としては
留守番の準備をしないで宿題やらせる、友達とのトラブル対応から、何でも学童クラブに任せきりにしたら、こうなるのは当たり前で、むしろ「やっぱりこうなったか」と順当な結果。
留守番できるようになるのは、成長とともに遅かれ早かれ必要なことです。
それには準備や練習が必要という話。
中学生で留守番できないなどは親の身勝手で、教えればできることをその年齢まで教えなかった結果ともなります。
学童クラブにいる間に、少しだけ早く帰して鍵で家に入って1時間でも留守番。
だんだんと1時間を2時間に延ばし、学童クラブを休みにする日を作ってみる。
学童クラブに在籍してる間にこんな取り組みをすると、無理なく卒会できます。
④友達と約束して遊ぶ
今まで学童クラブでしか過ごしていなかった子にとって、とても楽しみなのがこれ。
ただし他の家に上がり込んでばかりなのも、保護者としては先方の家に迷惑がかからないか心配なところですね。
公園や行ってもいい公共施設などを勧めると、その辺りは安心できます。
おこづかいも悩みどころですね。
学童クラブに行っていない友達は、低学年の頃からもおやつをおこづかいで買うことも普通です。
三年生まで学童クラブに行っていた子は出遅れ感がありますが、他の子との経験の差は親が教えてあげましょう。
おこづかいについてはこちらの記事へ
日常はこんなところで大丈夫ですが、夏休みだけは長いので、地域で過ごせる選択肢を探しておくのがよいでしょう。
ダラダラ過ごしてしまうのもいいですが、少しもったいない気もします。
2-3.実際に高学年に限らず、学童クラブを辞めた保護者の声
ここでもベネッセが実施したアンケート結果を紹介します。
【図9 学童終了後のお子さまの様子・放課後の過ごし方についてどのように感じましたか?】
一方、学童終了後のお子さまの様子や放課後の過ごし方については、8割近くの保護者が「満足である」と答えています(図9参照)。
理由としては、
「学童以外の友達と遊ぶ機会が増え、交友関係が広がっていると感じるから」
「一人でちゃんと留守番ができているため」といった声が寄せられています。
「学童終了後の子どもの様子に不満がある」という保護者からは、
「帰ってきてゲームばかりしていて外に遊びに行かなくなった」
「遊んでばかりいて、宿題さえ言われないと取り組まない」
「近所に同学年の友達が少ないため、学童がないと一人で遊ぶことになりがちだから」
といった声が聞かれました。
辞めたときは不安だったけれど、辞めてみればほぼ「満足」といった結果となっていますね。
不満があるのは保護者の声から察するに、準備が足りなかった家庭だと思います。
2-4.学童クラブをやめる前の準備
不安が大きかったり、留守番させてみたら「こんなはずしゃなかった」とならないよう、子どもと約束をしておきましょう。
学童クラブに行っている間に早く帰って1~2時間練習させてみるのもいいですよ。
- 火を使わない
- 家族以外でドアを開けない
- 宿題を済ませてから遊びに行く
- 友達は家にあげない
- 困ったら電話をする
- それでも困ったら学童クラブや近くの店にに行って助けを求める
- 鍵は人に見せない
はじめからいくつもあると難しいので少しずつ 、一度伝えても忘れてしまうため何度も伝えるのが必要です。
ゲームをしすぎない・テレビばかり見ないなどの約束も必要ですが、一人になると自制が効かない子もいます。
普段からの親子の関わりがものを言います。
子どもに教えたい防犯の記事はこちらへ👇️
2-5.学童クラブ卒業タイミングは?
学童クラブを辞めるタイミングは、それこそ「いつでもいい」です。
四月になって入所できないでやむなく退会もあり得ることです。
強制的に辞めさせられるのと、自分から時期を決めて辞めるのでは違います。
できれば強制退会でなく、自分から辞めたいところ。
さっきお話した準備が終わったら、心配事もなくなります。
学童クラブは必要がないなら行かなくてもいい施設なので、我慢してまでいかなくてまよいのです。
考えられる学童クラブ辞めるタイミング
- 2年生の夏休み後
- 3年生の5月
- 3年生の夏休み後
- 4年生以降は随時(これといったタイミングなし)
多いのはこれらです。
3年生は1月くらいから留守番の練習を開始して、学童クラブが必要なければ辞めてもいいし、安心のため最後まで在籍だけしておくのもいいでしょう。
3.【結論】心配は初めだけ、いつまで学童に通うかは3年生まで、4年生以降は不要
もちろん全てのケースには当てはまらないですが、考える材料としていただけたら幸いです。
3-1.理由①高学年にクラブの環境が合わない場合、職員がどう頑張っても解消は難しい
学童クラブ内の高学年について、現場の指導員は入所するしないについての裁量はありません。
入所してきたのならその中でできることはしてくれます。
なんとか楽しく
安心して過ごしてほしい
いろいろ考えてくれますが、環境が合っていない施設が多いのも事実。
環境とは、低学年向けの物的環境、指導員が潤沢ではないので高学年を相手にするよりは手のかかる低学年を指導員は相手にすることか多くなるとか。
そのなかで入所している高学年の子達に対して、指導員は"大きいから下の子の面倒を見てほしい""リーダーシップをとってほしい"などの思いを持ちます。
また役割があれば暇にならないだろうと、
例えば率先して片付けの声かけをするような、お片付け委員などをやってもらったりします。
全てはなんとか安定して過ごしてほしいなどの思いから指導員は考えますが、はたして学童クラブ自体が体も大きくなった高学年に合っているのでしょうか?
うまく馴染んでいる子もいるのは確かなので、本人がそれでいいならそのままでいいと思います。
でも下の子の面倒を見るなどの役割を本人が望んでもいないのに押し付けられている(と本人が思っている)場合はいうまでもなく悪い方の事例になります。
このように運営の仕方によってはリーダーシップを発揮してほしいなど高学年に様々なことを期待して受け入れているところもありますが、
本人の意向が、高学年ではとても大切になってきます。
✔ そもそも高学年だからといって、リーダーシップを発揮する必要があるのか?
✔ まだまだ自分のしたいことをしたい時期では?
大人の思いと必ずしも合致するわけではありません。
高学年は絶対数も少なく、指導員が経験を積みにくい職場なので、学童クラブの人的環境としても高学年の育成に慣れた職員はかなり少ないです。
3-2.理由②保護者の行かせたいと、子どもの行きたくない、3年生を境にズレが大きくなるから
多くの場合、高学年の子の学童クラブを必要としているのは保護者だけ。
不安は感じるのは仕方なく、はじめての子のはじめての年齢ですが、新しいことは不安がつき物です
「やってみたらどうってことない」になる、そのための準備がいるだけのことで、2-3で紹介したアンケート結果からも明らか。
学童に預けておくのは確かに安心。
だけど幼児や小1小2ならともかく、高学年では自立や友達との関わりなどを犠牲にして安心だけを買っているともいえます。
子どもはいつまでも小さいままではありません。3年生を過ぎるとどうしたいのか、どのくらいは約束してそれを守れるか、話し合いが必要な時期です。
中学生になったらどうしますか?
部活があって帰りが遅いからいいのですか?
下の子がいるならまだわかりますが、それでもいつかは自立していきます。
学童クラブの定員が一杯の地域は三年生になると学童クラブに入れないため、二年生のうちから鍵を持ち、学童クラブにいる間から週のうちに一日でも留守番をする練習をしています。
子どもは親が思っているより生きていく力はあり、その環境に置かれたら何とかするものです。
小4の壁と呼ばれていますが、それは学習面が急に難しくなったり発達の質的な変化からできた言葉。
小4になったら学童クラブに入れなくて困るといった意味は、一切ありません。
時に親の目を盗んで悪さをして怒られる、くらいは必要な経験ではないでしょうか。
親の心配はあるでしょうが、幼児を誰もいない家に放っておくわけじゃない。
高学年になったら自立させた方が、将来的にプラスになるでしょう。
それでも心配というなら、子育てとはそういうもの。 親が子どもを心配するのは当然のことなのですが、いずれ子離れもしていくことになります。
4年生以降は6時間授業やクラブ活動が増えます。
習い事の一つもすればいい時間です。
また学童クラブではなくても放課後子ども教室も整備が進んできていますし、自由来館できる児童館のある地域も多くあります。
学童クラブにこだわる必要はなく、学校や地域の活動で子どもを育てていく方がよいかも思います。
4.学童必要ない高学年を解放するため、学童クラブ側からできること
最後の章は学童クラブ職員向けの内容です。
しかし保護者の方々も、もし読んでいただければ判断材料となるかと思います。
4-1.高学年の保護者への働きかけ
学童クラブとしては人手も少ないなか、高学年よりも一年生などに手をかけたい現状ですね。
来たくもない学童クラブに来ているストレスを暴言などで支援員にぶつけてくる高学年より、
何も分からない小1の子やその保護者へ手をかけてあげないと、全体的な運営が回らないでしょう。
保育園では年長だったはずなのに、小1になったら何にもできないと言った子が本当にたくさんいます。
個人差や出身保育園でも差が大きいところですが、お漏らしが頻繁など、はっきり言ってそのレベル。
そんな中で頼りになる高学年の子はいてくれたら助かります。
しかし残念ながら、高学年の子自身に手がかかる方も多いことでしょう。
自由に過ごしている友達を横目に見ながら、来たくもない学童クラブきて、ストレスをそこで発散させる高学年は、自立へ向けて親に働きかける必要があります。
それは今の現状を、主観ではない客観的事実として伝えて保護者と本人と家で話をしてもらうなどから始められます。
また保護者は自分の子どもかせいぜい兄弟や友達、一人か二人の子しか分からない。
だけど学童クラブは、同じような年代の子どもばかりを何百人も見てきているはず。
そこから子どもの現在に対していちばんいい方法や、将来へ向けた視点を保護者に伝えていけると思います。
役割を与えたり、大人が相手をするとか、いるからには何とかしようとするでしょうが、
合わない環境にいる子を解放してあげる方向で動くのがよいと思います。
4-2.支援が必要な家庭
本人の意向を無視して「不安だから」「信用できない」と子どもを学童に預け、クラブから状況を聞いてもそのままといった保護者は、普段の関わりが見てとれますね。
そういった子はクラブで安定しているケースはあまりないため、現場ではさぞ苦労していることと思います。
この場合は保護者もクラブとしての支援対象ですが、できることは多くありません。
「何とかしてあげたい」と頑張るのはこの仕事をしていたら当然の思いですが、学童クラブの機能を越えることがとても多いです。
結果的に在籍中は繋がりがありますが、残念ながら在籍できる期間が過ぎて強制退会となった場合、
その子は不登校や引きこもってしまっているなどの話をその子のクラスの子に聞くのも少なくありません。
交遊関係も荒れ、女の子なら高校生くらいで「妊娠した」などの話を聞くこともあります。
この例は極端なケースですが、小学生のうちから"こういった関わりをしていると、こうなる可能性が高い"という関わりが
- 子どもの意向を無視する
- 親の思いだけ
- 学童に預けているという「放置」
保護者自身も大変と思います。子育てに限らず悩みながら忙しい日々を過ごしていると思いますが、普段から子どもとのコミュニケーションをとってほしいと思います。
学童クラブとしては、「学童期をこう過ごしたら将来こうなる」が分からない保護者へちゃんとした情報を伝え、
根気強く家庭に働きかける事は必要ですが、何より大切なのは関係機関との協力体制です。
横の繋がりがまだない場合は施設長レベルで動かないといけませんが、管理者のなかには消極的な人もいます。
しかし子どものことを考えたら、学童クラブ-保護者だけで完結することばかりではないのは経験で分かると思います。
職員レベルではそこ(施設長など)への働きかけも必要なことです。
5.高学年に学童クラブは不要のまとめ
いかがでしたか?
高学年まで学童クラブに通わせてれば安心という保護者の心配な思いは、子どもを持つ親として分かります。
ただしそれは親のエゴ。
高学年になった子は、親よりも友達が大切な時期に差し掛かっています。
その時期に低学年ばかりで高学年の子がほとんどいない学童クラブに行かせるのは、大切な経験の機会を捨てさせる行為。
親の安心のためだけに、子どもの時間と経験機会を捨てさせて良いはずがありません。
そもそも放課後の過ごし方を、学童クラブにこだわる必要は全くありませんよね。
留守番の練習を学童クラブ在籍中の2ヶ月くらいやれば、3年生くらいでも問題なく卒会準備が整います。
それでも「高学年だけど、うちの子を学童に・・」というのは、学童クラブ職員の視点では「支援の必要な家庭」となってきます。
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家庭と学校のはざま 学童保育室の子どもたち 24年間おしゃべりの記録 | ||||
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