1.子どもの自立って何か?
自立って、文字通り「自分で立つ」
広い意味だと自分の足で人生を作っていく力みたいなのが自立。
概念的すぎるから、ちょっぴり具体化すると
✔やるべきことをやる
✔やりたいことを自分でやる
✔人のせいにしないで自分で責任をとる
✔人に頼りすぎないけど必要なら力を借りる
自分で選んで行動できるようになるってことかな、狭い意味だと。
さらに狭い意味だと独り暮らしできるとかイメージ持つ人もいるけど、実はあんまり関係ない。
独り暮らししなくても、障害があって支援が必要でも自立心持って生活してる人いっぱいいるし。
まあ子どもが自立するって言っても、生活は親や大人がいなくちゃ成り立たないんだから、本当の意味での自立は無理。
だけどね、将来本当に自立した人間になるためには子どものうちにベースができてます。
しばらく離れて音沙汰なくて、一年ぶりに見たら「すごい成長してるなあ!」ってのは、外からみた感想。
イカツイにゃ。
学童の頃はあんなに悪態ついてたのに敬語まで使ってるにゃ
👆️みたいなの。
本人はあなたと会ってなかった一年間、1日をひたすら繰り返してただけ。
一発刺激を与えたら急に変わったんじゃない。
1日の連続があって少しずつできてくるのが、一年ぶりに会ったらとんでもない差がついて現れたってだけ。
だからこそ、子どもに一番影響を与える、毎日関わってる親のマインドが大事ってことです。
自立とは自分で人生を切り開く力
連続した1日を繰り返すなかでの親の関わるマインド
2.学童くらいの小学生の子どもの自立に、小4の壁は存在しない
子どもはいつか親元から飛び立って、いずれ自立していく。
心配だからって、親元に置いとくのは親のエゴ。
箱入り娘なんて、家にいてもネットを通して世界と繋がれること現代、時代遅れも甚だしい。
中国の地方の風習に纏足(てんそく)ってのがあるけど、それに似てるかもしれんね、極論。
何かあったら困るし、
心配だから
環境をちゃんと用意してるのよ
って反論はあるかもしれないけど、本質的にやってることは纏足(てんそく)と似たようなものかもしれない。
纏足(てんそく)は、幼児期より足に布を巻かせ、足が大きくならないようにするという、かつて中国で女性に対して行われていた風習をいう
纏足の女性はうまく歩けないことから、女性支配の手段にもなっていたと考えられる
ウィキペディア
親が安心できる環境を用意してるってだけで、子どもは望んでないかもしれない。
またはそれが当然みたいに刷り込まれてるか。
冒頭で書いたけど、学童クラブに限ったら4年生でほぼ全ての子が留守番なんかできてる。
データ的には学童クラブに在籍してる6年生なんて5%以下ですよ。
【学童はいつまで通う?4年生~高学年は必要ない】卒業準備は早めに
子どもが大切なのは知ってるし、大切にするやり方は様々。
その中でも過保護、その逆の期待のしすぎみたいな、度を過ぎたものは悪いとされています。
冷静に考えると「そんなの当たり前じゃん」
だけど子育て渦中の親は気づかないことも多い。
子どもの施設職員でもなく、普通の保護者でこんな記事をここまで読んでるとしたら、それだけで素晴らしいと思っちゃいますね、私は。
といったところで、
自立っていろんな感覚があるけど、"学童クラブをやめても留守番できる"系のことも、大きな意味では自立に入る。
守られている環境から、一歩外に出るって意味。
小4の壁の意味と留守番なんか心配無用な件
小4の壁って言葉には、"学童クラブが3年生までだからその後どうしよう。。"って意味も世間的には含まれる。
だけど本来の意味じゃない後付け。
はじめての子どもなら親も分からない。
小学生3年生って発達の個人差が大きくて、特に喧嘩やトラブルの絶えない小3男子の、それまでの素行を見てたら心配になるのもよく分かる。
だけど断言します。
小学生の高学年と3年生までの子どもは別物と言っていい。
"留守番できるか?"みたいな程度の低いところの心配は無用です。
小4の壁、10歳の壁ってのは、"境目がある"って意味もあります。発達上の質的な境界です。
もちろん個人差があるけど、5年生だと家庭環境にすごい問題があるとか、ごく一部を除いてほぼ全員向こう側へ到達しますよ。
単純に背丈も別人、見た目もそうだし、道徳心や羞恥心、自制心などが育つ時期とも重なっていることで境界ができる。
【道徳心を養う/心の教育】学童期の子ども善悪判断はいつから?
学校教育でも、具体的な概念から抽象的な概念を4年生以降は教えていくことが増えてきます。
質的に大きくかわるこの時期は、"留守番系"からでも自立を考える時期としては最適です。
うまくできてるって感じますね。
学童クラブが3年生までってのは経験的な感覚で誰かが決めたと思うんだけど、ちょうどいい。
4年生にかかる子も多少いるけど、許容範囲。
実際に留守番するくらいの壁は98%の家庭が乗り越えてきたの、私は20年以上見てきてます。
経験をするのは親も必要
だけどニーズがあるからって、6年生まで学童クラブで受け入れるようになっちゃった。
そんな逃げ道があるから心配のあまり、保護する方向に動く保護者もいる。
10歳に発達の境目があるなんて、何百人も小学3年生の子ども見た経験なんて普通はなくて知らないからね。
心配のあまり今まで通りダラダラ過ごして節目を設定しなきゃ、いつまでたっても自立面ではそのまま。
子どもも成長と共にいろんなことが分かってきても、知識だけ。
留守番に関しては、もちろんはじめは鍵をかけずに出掛けちゃったり、いつまでも帰ってこなかったりする失敗もあります。
経験したことないんだから、失敗して当たり前。
失敗じゃなくて学びなんだけどね。
それすら回避したいなら、学童クラブに在籍している間にでも留守番させてみる。
「何かあったら学童クラブに行きな」と練習させるだけでも、心配は減るんじゃないかな。
何か環境が変わるときには、急にその環境に放り出すのも手だけど、無理なく移行できるよう練習できるならした方がスムーズってこと。
ちなみに小4の壁の本来の意味👇️
9歳以降の小学校高学年の時期には、幼児期を離れ、物事をある程度対象化して認識することができるようになる。
対象との間に距離をおいた分析ができるようになり、知的な活動においてもより分化した追求が可能となる。
自分のことも客観的にとらえられるようになるが、一方、発達の個人差も顕著になる(いわゆる「9歳の壁」)。
身体も大きく成長し、自己肯定感を持ちはじめる時期であるが、反面、発達の個人差も大きく見られることから、自己に対する肯定的な意識を持てず、劣等感を持ちやすくなる時期でもある。
また、集団の規則を理解して、集団活動に主体的に関与したり、遊びなどでは自分たちで決まりを作り、ルールを守るようになる一方、ギャングエイジとも言われるこの時期は、閉鎖的な子どもの仲間集団が発生し、付和雷同的な行動が見られる。
こども学びラボより引用
3.自立へ向かわないってどうなる?甘く見ない方がいい理由は章の最後
学童クラブ卒業して留守番する
みたいな小さい経験もそうだけど、親の関わり次第で子どもの考え方や人格ってすごくすごーく左右される。
自立心が育たないと例えば次のような傾向になる。
✔人のせいにしちゃう
✔自分で何とかしようとしない
✔何をやるにしても、人の動向を気にする
✔二番煎じで流される
✔自分で決められない優柔不断
自分でなにもできないような、こんな人間にしたいですか?って話だけど、普通は望まないよね。
だけど望まないのにその方向へ進める関わりをしちゃってる保護者はけっこう、いやそんなに多くはないけどいる。
勉強ができるとか、運動神経がいいとかの次元の話じゃなくて、自立心ってのは心構えの話。
親が頑張って勉強させて弁護士になったとしても、失敗は人のせい、人の動向を気にして全然決められない。
なんて人が幸せな人生なのか?
言ってみたら弁護士とかって、単なる仕事。
人生の目的は仕事をすることじゃなくて、幸せに生きることだって私は思うんですよね。
幸せになれるかどうかって、勉強ができてもできなくても、あんまり関係ないし。
自分の望んだ方向に進めず、親の言いなりみたいになって、弁護士になれればまだいい。
弁護士になれなくて挫折したら、その後の人生って何が待ち構えているんでしょうかね。
- 自分でなんにも決められない
- ステータスすら手に入らなかった
- やりたいこともない。
個人的な話、大学受験に失敗して自殺しちゃった親戚がいるんだけど、双子のもう一人は期待されて医科大学に行ったね。
自殺しちゃったのは頑張ってたけど報われなかった方。双子で仲良かったのに。
私もたまに遊んでたけど、鼻につくんだこの兄弟。何でも人のせいで利己的っていうか。
ちなみに親は教育ママ傾向、金はあったけど子どもにあまり自由はなくて、何でも親が決めちゃう系でした。
その兄弟っていうか、その家のやつらが好きじゃなかった。
でも、いくらなんでも最後の自分で決めた選択が"自殺"ってあんまりだと思う。
「何も死ぬこたない、あいつはバカだ」って私は、自分の弟とそのとき話した記憶あるけど、かわいそうだよなとも話してた。
だって、環境が悪くてそうなったのは明らかだから。
極端な例だけど、自立心が育たないってのはそうなる可能性すらはらんでる問題。
甘く見ない方がいい。
4.子どもが自立へ向かうための親のマインド
我が子が最終的に死ぬかもしれないダメな親マインドと自立へ向かう親のマインド対比して書いてみます。
●親は期待せず信頼しているか?
●子どもの自由度が高いか?
●厳しすぎずに必要なことを教えているか?
●過保や干渉 VS 任せてみる のバランス
●親が子どもに依存してないか?
●子どもの経験値は失敗経験から
●人格を認めているか?
●自分のせいと親のせいの区別
4-1.親は期待せず信頼して応援するのが自立へ向かう
親が期待のしすぎてると、日常の言動に出てくる。
子どもはそれを察知して無意識にでも「期待に応えよう」として頑張る。
それは自分がやりたくてやってるんじゃなくて、親のためにやってる。
できないと親ががっかりしてその姿を見せる、良くない見本市。
我が子を東大に入れて、しかも人間的にも自立してる子の親マインドは
「子どもは子ども」
"やりたくてやるんなら、頑張れスタイル"
失敗しても親の私の人生じゃないし、好きにしたらいいって感じ。
期待して「勉強しろ、勉強しろ」って感じの親も、子どもを東大に入れるのは可能だけど、いかにもレールの上って感じ。
そして入れたらマシだけど、入らなかったら東大価値観オンリーだから死ぬかもしれないぜ。
4-2.子どもの自由度を上げるのが結果的に自立心を育てる
自分で決めさせる、っていうか決めてもらうマインド。
子どもの人生は親のものじゃあない。
これダメあれダメ、まあ経済的な事情とかもあるとは思う。
でも親がいろんな制限を作らないことですわ。
塾行くのも週一くらい、親として願いを持つのは悪いことじゃない。
頼んで納得したら行ってもらえばいいんだけど。
親が何でも決めないって話。
人に決めてもらう、流され人生が口を開けて待ってる。
4-3.厳しすぎずに必要なことを教える
叱らない子育てっていう言葉があるよね。
言葉そのままとらえると、かなり危険な言葉。
ダメなことしたら教えなきゃダメよ。
叱らないんじゃなくて、怒らないで教える。
怒らないってのは、感情をそのまま考えなしにぶつけない、上からの圧力で強制しないってことですよ。
叱らない子育てって言うとダメなことも放置みたいな勘違い多いから、怒らない子育てって誰か言い直してくれないかな。
この記事読んでるくらい熱心なあなたなら、きっと大丈夫ですね。
あと、ダメなこと放置はネグレクトだから。
【学童の子どもの叱り方】ベテラン指導員が教える外せない10要素
4-4.過保護や過干渉は自立の敵
過干渉の代表格は「早くしなさい」「宿題やりなさい」かな。
出掛けたいのにモタモタしてて、一回くらい言ってもいいけど、何回も言われたら誰でもうるさい。
こういうの👇
10:00になって置いてく。
返事もしたわよね。
困るのはその子だから。
ちゃんと予告してたし。
何回もやることもなくて、一発やれば強力ですよね。
置いてくわよ~
置いてかれたくない場所ならちゃんとやるでしょ。
逆に行きたくない場所なら「行かない」
親切で教えてるんだけど、やらなくても私は困らないし。
こんなスタンスでやればいいと思います。
突き放すとかじゃなくて、一定距離保つんですね。
4-5.親が子どもに依存してないか?
親が子どもに依存してるのに気づいてない人、とっても多い。
人に依存ってのは、「この人がいないと人生の目的を失う」みたいなレベルまで行っちゃってないかい?
相手が自分の半身みたいになって、傷ついてると身を切られる、その子が落ち込むと自分まで落ち込む。
👆これ共依存っていいます。
恋人や夫婦にも同じことが起きます。
人に頼りたい、裏返って思い通りに動いてほしい、いきすぎちゃダメですよね。
共依存になってると、どうしても過保護とか距離も保てないし、いろんな悪いことの元凶になっちゃいます。
共依存、共嗜癖とは、
自分と特定の相手がその関係性に過剰に依存しており、その人間関係に囚われている関係への嗜癖状態(アディクション)を指す
すなわち「人を世話・介護することへの愛情=依存」「愛情という名の支配=自己満足」である。
共依存者は、相手から依存されることに無意識のうちに自己の存在価値を見出し、そして相手をコントロールし自分の望む行動を取らせることで、自身の心の平穏を保とうとする
ウィキペディア
本人も相手も
けっこう辛い人生が
待ってますが、
原因は本人には分からず
4-6.子どもの経験値 失敗経験を奪わない
親は人生の先輩として、「こうしたらこうなる」をある程度子どもより分かってる。
でも先回りして子どもが快適に過ごせるように用意しちゃうと、子どもの経験値がたまらないですよね。
失敗しても経験とはいえ、それ絶対失敗するしダメージがとてつもない、または取り返しがつかないことは阻止して上げるのも必要なんだけど。
自分で考えてやってみたらこうなった、を繰り返して自立していくもの。
先回りしないこと
4-7.人格を認めると自立へ向かう
褒めることで達成できちゃあうから、そんなに難しくない。
やる気出なくなるよね。
あなたも職場なんかで言われたらどうか?
反骨心がある人なら「なにくそ」って頑張るかもしれないけど、立ち向かう態度を学童くらいの子どもに求めるにはまだ早い。
基本的には人格や存在の承認、それが全部のもとだから。
【子どもの褒め方】調子に乗るのは褒める内容が×~素直さを伸ばすコツ
4-8.自分のせいと親のせいを区別する
失敗すると
選ばせなくて強制的にやらせて失敗したら、お母さんのせいかも。
でも自分で納得してやったのに失敗しても、それはその子のせいだよね。
自立と対局にあるのが依存。依存ってのは自分で責任をとらないこと。
うまくいったら自分の手柄、失敗したら人のせい、そんな虫の良い話はなんかのドラマに出てくる悪役の態度じゃないかな。
5.小学生の子どもの自立についてのまとめ
自立ってのは自分で人生を切り開いていく力。(1章)
小学生の主に学童クラブ卒会と絡めて私の考えを書きました。(2章)
自立しないと最終的には死ぬかもしれないって書きました(3章)
- 親は期待せず信頼する
- 子どもの自由度を上げる
- 必要なことはちゃんと教える
- 心配でも任せてみる態度
- 親が子どもに依存してないか?
- 子どもの失敗経験を奪わない
- 人格を認める
- 人のせいにさせない
以前テレビで見た子育て番組で、不審者情報が頻繁に入ってる地域で、我が子を心配してた母親がいました。
そして6年生の男の子を、歩いても行けるような場所にある習い事に親が車で送り、終わる頃に迎えに行っている家庭が紹介されていました。
別に真っ暗な道ばっかりの田舎じゃない。
どう思いますか?
情けないですよね。
「こっちの明るい道を通りな」
「困ったら電話しな」
じゃないかな。
でもそのお母さんにとっては当然の行動となっていました。
数限りなく細かい似たようなことが日々起きるから、男の子もそれが当然。
「何で迎えに来てくれなかったんだ!」人がやってくれて当然、人のせい。
子どもを本当に大切に思うのなら、一年などの少し先ではなくて、もっと先のその子の将来を見据えてほしい。
褒め方や叱り方は別の記事で用意してるからそっちでどうぞ。
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