1.学童クラブ(放課後児童クラブ・学童保育・留守家庭子ども会)

1-1.学童クラブは厚生労働省管轄

このサイト全体で、「学童クラブ」というのは、厚生労働省管轄の公的な「放課後児童健全育成事業」

放課後児童クラブとも呼ばれいて、運営形態は

役所が設置して自治体が運営

役所の施設を民間事業者が運営

民間施設に役所が補助金を出してる

※③については幅広く一概に扱えない

一方で月額5万も6万もする塾や習い事の子ども預かりで、税金が一切使われていない施設は民間学童クラブと呼ぶことにします。

詳しくはこちらの記事の1章で分類を解説

学童クラブ(放課後児童クラブ)の管轄は厚生労働省です。

学童クラブとは、児童福祉法第6条の3第2項の規定に基づき行われる第二種社会福祉事業で、正式には放課後児童健全育成事業

放課後児童クラブ、学童保育所、地域によって留守家庭子ども会などともいいます。

通常の世間の方がイメージするような学童クラブは自治体が募集をかけて、

月当たり最高に高くても20000円程度の保育料で、夕方まで子どもを見てくれる、ごく簡単に言えば保育園の小学生版といったものだと思います。

放課後児童クラブとは・・

「保護者が労働や病気、介護などにより昼間家庭にいない小学校に就学している児童に対し、

授業の終了後や夏休みなどに児童館等を利用して適切な遊び及び生活の場を与えて、その健全な育成を図る事業」です。

東京都保健福祉局
ポイント

文部科学省管轄の放課後子ども教室とは別事業。

ですが放課後子ども教室と学童クラブが同じ施設で行われている一体型もあり、

そこでは放課後子ども教室はA登録・学童クラブはB登録と呼ばれることが多いです。

また「学童クラブ」というのは通称で、自治体などの公共施設でもその呼び名を使っています。

しかし名称独占ではない(公的な物にしか使っていけない名前ではない)ため、

民間の塾の延長で子どもを短期間預かるサービスをしているところも「学童クラブ」と名乗っているところが多いのが分かりにくいところ。

学童

1-2.厚生労働省の定める学童クラブの基準

厚生労働省の放課後児童クラブの施設基準は、

  • 支援の単位は概ね40名以内 (基準が後から定められたため、越えている施設もあります)
  • 40名以内にたいして指導員二人以上で一人は有資格者配置(必ず守るではなく、有資格者がいれば望ましい)
  • 一人あたりの広さや間取りの基準あり
  • 年間250日以上開所
  • 放課後は3時間、夏休みや土曜日は8時間以上

その他には自治体が独自に基準を定めて、

「国の基準+ここまでやれば民間の事業者にいくらか補助金を出します」といった自治体ごとの取り組みもあります。

職員の資格は「放課後児童支援員」、👇️の記事で詳しく書いています。

遊び

1-3.学童クラブの数や運営

学童クラブと一口に言っても、公設公営、公営民営、私立などの形態があります。

2017年度の厚生労働省データより

利用者など統計↓

利用者1,171,162人
【前年比 78,077人増】
構成割合1~3年生 82%
待機児童
小学1~3年9,465人
【前年比492人減】
小学4~6年7,705人
【前年比 459人増】

施設数などの統計↓

施設数 24,573 か所 
【前年比 954か所増】
※一体型4,554ヵ所
【前年比 755か所増】
18時30以降開所約55%
19時以降約7%
土曜夏休み55%の施設で実施
場所55%学校内、
残り児童館や公民館等

※一体型とは、放課後子ども教室と学童クラブ一体型

厚生労働省より

1-4.学童クラブ1ヶ月の利用料金

6000円未満が半数 1万円以内が9割です。

各自治体によりまちまちで、例えば

東京都は最高で月1万円

横浜市は月16000円程度

他に実費徴収を半数程度が行っているようです。

民間の「学童クラブという名の塾や習い事」ではとても高い月謝をとっている施設もあります。

代わりにサービス充実、プログラム多彩などメリットがあるためどちらが良いなどはありません。

詳しくはこちらの記事を参考に↓

1-5.放課後児童クラブ1日の流れ

  • 登所(送迎ありの施設も)
  • 自由時間やプログラム
  • おやつ
  • 自由時間やプログラム
  • 帰りの会
  • 帰宅

施設自体の広さの基準は保育園基準より狭いですが、児童館や学校内に設置などが多く、体育室や校庭で遊べます。

それがないところは近くの公園に日常的に行くなどして、体を動かせる時間と場所の確保をしています。

子どもは保護者が働いているなど預けられる事情があるため、福祉的な保育の側面があります。

学校内

学童クラブのデメリットとしては

・子ども目線での自由さが足りないところ。

・施設により環境面、人材面での質が様々なこと。

また途中で塾に出て学童クラブに戻れなかったり、管理面が強いため融通はききにくいです (公設の場合)

しかしこれも、最近は自治体の直営ではなく民間の社会福祉法人や株式会社などに業務を委託していく流れがあるため、

その施設を運営している法人によるところが大きくなります。

学童クラブの運営主体 2017年度

厚生労働省の放課後子ども総合プラン(PDF)より

民立民営とは自前の施設で基準をクリアして、自治体の補助金を少しでもうけているところ。

サービス充実というよりは、自治体基準を満たして保護者の就労支援をすることが目的です。

待機児童が多くの自治体で0じゃないので、顧客確保のための働きかけは無用な施設。

他方の塾や習い事が独自にやっている民間の学童は、税金が投入されず利用者から得た利益で運営されます。

顧客確保しないと潰れてしまうので、各種サービス充実、プログラム充実、保護者の求めで多い夕食が別料金で出たりします。

学童クラブについてはいくつか記事を書いていますので、知りたいことにあわせてどうぞ👇️

学童クラブと保護者の部屋のロゴ

2.放課後子ども教室/小学生の放課後居場所の選択肢

2-1.放課後子ども教室の管轄

放課後子ども教室は文部科学省管轄です。

学童クラブには職員や施設などの基準が一応ある(目安)けれど、こちらは決まった形はなくて基準もありません。

  • 「空き教室を利用する」
  • 「地域の人材を利用する」

⬆といったガイドラインのようなものがあるだけ。

プログラムがあったり無かったり、校庭開放と変わりなかったり、

あっちは専門職員がいるかと思えば、こっちはシルバーさんの見守りしかいないとか。

空き教室自体がない学校もあったり、人材確保も学校ごとに取り組み。

毎日開いてるところがあるかと思えば、隣の学校では週1しかやってないなど、同じ自治体内でも差があります。

待機児童対策に限らず、幅広い子の利用を想定しているため制限もなく、だいたいの施設が年間500円程度の保険料のみの登録。

また基本的には定員なし、その日来たら全員受け入れです。

全員受け入れる

方針を明確に打ち出して、社会福祉法人などの外部業者に委託してしっかり運営している自治体は多くありません。

また自由に来られる放課後子ども教室と、預かる側面のある学童クラブを一体的に運営しているところもあります。(放課後子ども総合プランによる運営)

その場合は

●放課後子ども教室の利用者をA登録、

●学童クラブはB登録と区別し、

出欠確認や利用時間の延長・おやつの有無などに差をつけているところが多いです。

ねこ

2-2.放課後子ども教室の数、時間、費用

放課後子ども教室は、全国1万か所程度で8割は学校内、残りは公民館などで実施されてます。(2019年)

近年はNPOなど民間に委託することが進んでいます。

また学童クラブ運営事業者が、一体的に運営しているところも増えてきています。

時間については放課後から17時くらいまでが一般的です。学校によっては土曜日に行っているところも増えています。

時間

費用は無料、メリットは学校の中のため、ある程度の安全が保障されている点です。

また誰でもその日の都合で利用できるため便利です。

保育的な側面は期待できませんが、保護者が働きに出ている時間が短い家庭では、学童クラブに行かなくても子どもの居場所があるので安心できますね。

そうなのか

放課後子ども教室のデメリットは、学童クラブと同じことを期待できない点。

おやつはほぼ出ないか持ち込みです。

この記事で放課後子ども教室について詳しく書いていますよ👇️

文部科学省の放課後子ども総合プランページ(PDF)

2-3.放課後子ども教室の問題点

放課後子ども教室は、出てきて10年程度のまだ整備途上の制度。

なので問題も少なくなくて、さっきお話した学校によっての大きな差もさることながら、

✔ 学童クラブのように、きめ細かく子どもを見てくれると思っている保護者が多く誤解がある

この点が大きな問題の一つ。

入ってしばらくすれば分かりますが、自治体が予算をつけ、外部の業者がしっかり運営しているか、自治体が直営で運営している所でなければ

放課後子ども教室は、「子どもがいていい」程度の場所です。

実際に一切の教育的な面も保育的な面もなく、素人が見守りとも呼べない、ただ見てるだけ程度のところがかなり多い。

もうすこし制度として落ち着けば、小学生が放課後を過ごせる場所の選択肢としてよいシステムになると思います。

働く保護者

3.児童館

3-1.児童館の管轄行政

児童館も管轄は厚生労働省で、第二種社会福祉事業に位置付けられた子どもの健全育成が目的。

18歳までの子どもが全て対象です。

地域の子どもの福祉拠点は児童相談所などですが、問題が起きたときに対応をする色合いが強いですね。

児童館は別の意味で、子どもが日常的に遊びに来て、そのなかで職員が関わりを持ち、関係を築いていくなかで必要なことを教えたり寄り添っていきます。

そうして、学校や家庭と違う子どもの居場所を保障していくことを目的としています。

子どもとの信頼関係の記事

ランドセル

3-2.児童館の数や利用の仕方など

2015年時点での統計では児童館は全国に4600ヵ所で、運営は公設公営または公設民営となっていました。

利用については自由来館が基本、 利用料についても無料で、必要になるのはプログラム参加の際の実費程度です。

遊びに来る

●時間帯や曜日で登録制の活動を行っているところもあります。

●遠足を企画して連れていってくれたりする施設も多くあります。

メリットは放課後子ども教室と同様です。

昨日今日始まった施設ではないので、想定されるトラブルなどにはだいたい対応が済んでいると思います。

また児童厚生員などの専門職員がいるため、指導や安全管理などを行ってくれるのが放課後子ども教室にはない大きなメリット。

読み聞かせ

児童館のデメリットは特にありません。

ただ保護者や子どもの抱えているニーズに児童館単体で対応できるかどうか?は問題の程度と施設の規模によります。

地域や運営主体により、単に場所貸しをしているにとどまる程度の館もあるから。

ポイント

近年児童館を廃止し、

  • 就学前は子ども家庭支援センター
  • 小学生は放課後子ども教室
  • 中高生は別事業

などと細分化する自治体も一部では出てきています。

予算の都合などもあるでしょうが、この流れでは赤ちゃんから中高生まて縦断的に、日常的に支援できる施設がなくなることになります。

そういった自治体では住民の反対が根強いのですが、役所は児童館の機能をあまり理解されていないようで、長く働いてきたジャム個人的には残念です。

ノー

4.小学生の放課後の過ごし方まとめ

小学生の放課後の過ごし方として、

  • 学童クラブ
  • 放課後子ども教室
  • 児童館

についてお話してきました。

地域にすべて揃っていて、利用する人が選べるのが一番いいと思います。

学校や家以外に過ごせる場所があるのは大切なこと。

もしあなたが子育てのために引っ越しなど検討している場合、

就学前の視点でなく小学生に上がってからの視点で、これら3つの施設の充実度も考えると良いでしょう。

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