学童クラブの支援員としての子どもとの遊び方
学童クラブで働き出したはいいものの、遊び方が分からないという話をよく聞きます。
「子どもと遊んで」・・と言われても何していいか分からず、見守りのつもりで子どもの様子を見てたら、
「もっと入って!」
と言われたことありませんか?
いい先輩は遊びのお膳立てを作って、"こう遊べば良い"と見本を見せてくれることもありますが、忙しい現場では稀な話。
かと言ってグーグルで検索しても「学童の遊びはドッヂボール」みたいな似たり寄ったりの記事しか出てこない。
東大出身 理系保育士ジャムです。
高校生のアルバイトは上手く遊びに入り込むけど、学童クラブ支援員としての遊び方が上手いとも言い切れません。
また「遊びやすい子」と「遊びにくい子」がいるのも事実、男性指導員から見たら特定の友だちといる時以外は無口な高学年女子とか、特にとっつきにくい・・
遊びは学童クラブの基礎なのに教えてくれる人いないから、遊び方が分からない、というのは仕方のないこと。
だから私が記事にすることにしました。
学童クラブ勤務20年以上の視点から分かりやすくお話していくので、方針がハッキリとし、あなたの悩みが解決に向かうと思います。
目次
- 1-1.遊びへの入り方
- 1-2.遊びの切り上げ方
- 1-3.約束の仕方
- 1-4.遊びの種類
- 2-1.公平性も考えた遊び方や関わり
- 2-2.あえて遊ばない
- 2-3.大人としての遊び方や立ち位置
- 2-4.引っ張る必要はない
1.遊び方 以前の遊びへの誘い方、入り方
1-1.遊びへの入り方
・「私もやる」と言って入る
・「入れて」と言って入る
・「これやろう」と誘う
・隣で同じことを始める
・適当に話しかける
・変なことをする
・「〜やりたい人!」と集める
遊びへの誘い方は子どもを見たり、他の支援員を見てれば分かりやすい。
遊びを見てたと思うといつの間にか入り込んで、中心人物になってる子はいませんか?
強引な感じでそうなると弾かれるので手助けが必要ですが、コミュニケーション能力が高くて自然に入っていける子は見習うものが多いですよ。
そのうちに、得意な入り方が自分なりにできて来ます。
変なことをする、というのは子どもが遊んでるそばで変な顔をしたり、寝転がるだけで
十分にコミュニケーションのきっかけになります。
【無口で一人ぼっち?】学童クラブで大人しい静かな子への関わり方
1-2.遊びの切り上げ方、約束の仕方
子どもと遊んでると他の子からの割り込み、
「これできないから手伝って〜」
「怪我したから手当」
「トラブルになった」
いくらでも来て、やってる遊びを切り上げる場面が頻繁にありませんか?
正規の常勤職員は「帰り時間」「事務連絡」「保護者対応」「電話」さらに多くの仕事があって、なかなか腰を据えて遊べないというのは経験を積んだ職員のよくある悩み。
何も考えず一緒に遊び込めたら信頼関係も築けるし、あの子も安定するのにな・・
分かってても切り上げ頻繁なのが正規の辛いところ。
または無限に同じことを繰り返す子どもの遊びに飽きて、「もう辞めたいわ」というのも精神衛生上で正当な切り上げる理由です。
遊びの辞め方は
理由を言って離れる
この一択。
つまらなくて辞めるのは子どもなら普通なので、言えば大人でも許されますよ。
いつの間にかいなくなると、「〜さん、どこ行った!?」
始めは気づかれなくても、忘れた頃に混乱をもたらすので、無言で去るのはNG。
子どもは一緒に遊んでるのを覚えてて、違う子の相手をしてるのを見つけると
僕と遊んでるのに!
だって放置されてたじゃん・・
👆こんないらないトラブルは信用も失いかねないので、抜ける時は言ってからやめるのが無難です。
一旦離れても、戻ってこれる見込みがあれば
・待ってて
・練習してて
複数でボードゲームとかしてる状況なら
・私は抜かして進めてて
・代わりにやっといて
問題なく進めてる様子があれば、他の子と関わるためにしばらくして「辞めるよ」と言って辞めるのもアリ。
また子ども同士で空気が悪いなら
遊びたくないわ!
と返答を待たずに離れるのもやり方。
その遊びはそれで終わりますが、せっかく遊んでるのにイライラしたり、つまらない高ストレス状態を切り上げる意味で有効です。
1-3.遊び方のうち大切な、約束の仕方
子どもから複数の誘いがあった時、約束下手だと自分が原因で子ども同士がいがみ合うこともあります。
☑ 私が先に約束した!
☑ 遊ぶって言ってたじゃん!
支援員がトラブル作ってどうする?というのは避けたい遊び方なので、上手く約束をしましょう。
約束は
・順番や条件が分かるように
・贔屓を感じさせないよう
・するのは次の約束まで
1人と30分遊んでもう一人と5分とかの不公平は、子どもでも分かります。
また何人も約束すると、時間がなくなって果たせないのが出てくるので、2人先の約束までしないのがコツ。
大人を独り占めしたい子はグイグイ来ますが課題もあることが多いので気にかけつつ、公平に見えるように。
私も昔、何人も列をなして遊びに誘ってくるので
同時にできるかな・・
テーブルに並べて同時にやったら、どっちの相手も中途半端になって反省したことあります。。
よくない遊び方でした。
【独占欲の強い子どもの心理】おもちゃ貸せない4つの原因/対応2つ
1-4.遊びの種類
一緒に遊ぶ場合、苦手なことにあえて付き合う必要はありません。
遊びには
・運動遊び
・頭を使う勉強っぽい遊び
・おもちゃを使う遊び
・ママゴトっぽい
・おしゃべり
・工作
・引っ張って進める遊び
・子どもの考えた遊びに付き合う
学童のあそびと言えばドッヂボール!とかよく言われ、実際に好きな子も多いけれど、大人にも好みや得意不得意があります。
●工作をユーチューブで調べて教えてくれるパート職員さんには、個人的にお世話になりました。
●高齢で腰痛があってロクに動けないけど、話をよく聞いてくれるお爺ちゃん支援員は人気がありました。
やりやすいのが暇そうな子におもちゃを持ってきて「これやろう」ですが、
鉛筆と紙があればお絵描き対決とか、座ってやれる遊び方はいくらでもあります。
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2.遊び方と、見守りと放置のバランス〜支援員の仕事は「支援」
2-1.公平性も考えた遊び方や関わり
毎日のように遊びに誘ってくる子や、話しかけないと一言も話さないで一日終わる子、色々ですよね。
アルバイトなら適当に遊びつつ周囲を少しだけ気にしてれば、寄ってくる子だけ相手にしても遊び方として問題ない👈とされる学童クラブは多いです。
ただもう少し進むと、学童クラブの職員としては多少なりとも「公平性」を考えなきゃいけません。
グイグイ寄って来る子だけ相手にしてちゃダメというわけ。
いつも反応なくて緘黙すら疑われる子に諦めず話しかけ続けてたら、慣れて自分だけにおしゃべりになったとか、よくあること。
また普段から遊んでると、注意する場面でも話が通りやすくなります。
【子どもとの信頼関係の築き方】 憧れさせるより楽な5つの超具体的方法
私が20年以上前のアルバイト時代、当時の館長に
いつも同じ子と遊んでるわね
暗に「色んな子と関わって」、という感じで言われたことあります。
職員サイドから見て不公平な関わり方は、子どもサイドも感じるもの。
相手をしてもらってない子は「〜ちゃんばかり、いつも遊んでもらって羨ましいな」と思ってるかも知れません。
2-2.あえて遊ばない
自分が暇だからと言って、平和に遊んでる子どもグループには敢えて入らず、様子を見て子どもを知るアプローチも大切です。
普段から課題のある子は仮説を立てて、どう接すればいいか戦略を立てますが、大人との関係と子ども関係両方見ることでその子の本質を知れます。
また遊びは子どもにとって学びでもあり、多少上手くいかないことも経験のうち。
大人が遊びに入ってると、トラブルを先に回避する声掛けや働きかけを先回りしてやってしまいがち。
そして大人がいるだけでも目の前で無茶な主張はしなくなったり、空気感が変わります。
子どもだけでコミュニケーションをして「じゃあこうすれば良いんじゃない?」という提案や主張。
言い方が悪くて喧嘩になって楽しかった遊びが中断した、みたいな経験。
すべてが子どもにとっては大切な実体験ですが、大人がコントロールすることで教えてあげることは増える反面、自発的な経験が減る側面もあります。
泣いてる子が放置されて他の子は知らんぷり、とかも普通に起きるのでそこは介入ですが、
軽微なものは敢えて介入しないで、そのまま帰すのもアリ。
一日放置して、学校で会ったら自発的に謝ったりウヤムヤになっていつの間にか仲直りできたとか、関わり方は様々。
大人が考えがちな「ごめん」→「いいよ」みたいな単純な世界じゃありません。
大人が一緒に遊んでたら学べないことも沢山あるので、「遊び方」以前に見守るのも大切ということです。
まあ子どもに任せてると良くない喧嘩も起きるし、細かく見てないと介入すべき喧嘩を見逃すので、
遊び方に気をつけてその場にいると、子どもの微妙な空気感を感じやすい。
見守ってるつもりが「見張られてる」と捉えられたり、居るだけでも色んな影響を与えるので、
見守る時は空気のようになるのも必要です。
それを「サボってる」と見られることもよくあるけど。。(笑)
【子どものケンカで教えるのは仲直りじゃない】ごめん→いいよは学童じゃ✕
2-3.大人としての遊び方や立ち位置
遊び方で注意するのは大人としての遊び方
- リーダー的
- ファシリテーター
- 盛り上げ役
- 単なるマンツーマン相手
立ち位置としてはいくつかあるけど、子どもと全くの同列になることだけは本当にオススメしません。
たまに子どもとの関わりを「友達みたいになりたい」と話す方が若い世代にいますが、
いざ注意するのが必要な場面で一切話が通らず、俗に言う「舐められた状態」になるからです。
これは信頼関係ではなく、都合良いように思われてるだけ。
言葉遣いから態度まで大人への姿勢は教えないとダメで、そのために大人の方から遊びの中でも同列に接するのは経験上、害が多い気がしています。
楽しくてつい大人を呼び捨てに 👈子どもならよくあるし、いちいち止めるのもさじ加減ですが、大人としての関わりを意識してないと全てスルーしがち。
そして同列になりたいと思い、遊びの中だと言ってスルーし続けていると・・
何か頼み事をしてくる時にも呼び捨てでお願いしてきて、呼び捨てしてるのに都合よく「大人だからやってくれて当然」という態度になる子はとても多いですよ。
高学年以降ならタメ口で話しても相手が大人というのは分かってて、楽しく会話しても困った時の相談には丁寧語にしたり使い分けられます(できない子も最近は多い)が、
低学年までは緩めればエスカレートするだけ。
まともな親なら、我が子が支援員を呼び捨てにするのを良しとはしませんよ。
【学童クラブ指導員の呼び名】呼び捨て/変なあだ名はNG、先生はOK
2-4.大人だからと引っ張る必要はない
学童クラブ職員の仕事は支援、あれこれ決めてあげるのは子どもの能力を超えてたら必要ですが、基本的に大人は手助けする立場。
自分が中心になって引っ張る必要はあません。
まあドッヂボールとかサッカーなどスポーツでは盛り上げ役がいると雰囲気か良くなるとか、
瞬間で起きるけど大人が介入すれば一瞬で解決するトラブルも多く、その都度止めてたら遊びがシラケるので、それを避ける意味での仕切りが必要な場面は多いです。
ルールは子どもが決める、というのは支援の視点では基本になるけど、遊ぶ時間は無制限じゃなく雰囲気もあるからバランスの問題。
作戦会議やルール決めばかり、ボールを数分投げてまた長い会議とか
「支援、支援、子どもの力を引き出す!」とやる気のある大人ほど、話し合いばかりで遊べてない状況を作り出すのでご注意を。
子どもは学ぶために遊んでる側面があるとは言え、楽しみたくて遊ぶわけだから。
👆こんなのは非常に良い取り組みですが、トラブルが増えて問題になってきたとか、何かを始める前など限定的だと私は思います。
3.チームワークを踏まえて遊ぶ、良い遊び方とは?
ここまで「遊び方」「誘い方」「入り方」などお話してきましたが、遊びは学童クラブの目的じゃありません。
遊びなどを通した子どもへの支援が目的・仕事で、関わる手段の1つに過ぎないのです。
まあ遊ぶと支援員の自分も楽しいから、つい遊びたくなっちゃうけど、ボランティアでも無い限り遊び自体を目的にするわけにもいきません。
個人的に「カワイイ子ども達と、もっと遊びたいなあ」って思いは大切ですが、そうならないのが仕事のつらい所。
だから遊び前提で考えちゃダメで、遊ぶことで状況が悪くなるのも多いのです。
●一番気をつけるのは、他の学童クラブ職員とのチームワーク。
●二番目は公平性や遊び方の内容。
例えば子ども40人に対して大人が3人いた場合、
「1人くらい遊びに集中してもいいかな・・」と思って眼の前の子どもとやってるオセロの盤面に集中して、周りを一切見ないとどうなるか?
1m後ろで、子ども同士の口論から手を出す喧嘩に発展。
遠くにいた支援員が気づいて急いでやってきたけど間に合わず、怪我をした子ども・・
怪我の手当、トラブルの聞き取り、親への連絡、場合によっては家庭同士のいさかいに発展👈とんでもない手間。
1mの位置にいたあなたが口論に気づいて、「どうした?」と声をかけたら済んだかもしれません。
後悔しても後の祭り。
または他の支援員も子どもと遊びたいと思いつつ、1人が遊んでるから自分は遊べない。
帰り時間を気にしたり管理的な仕事をずっとしてる。
つい忙しいタイミングで、
周りを見てください!
って言っちゃうとか、あるある。
遊んでるのが高校生アルバイトじゃなく、ある程度の正規職員なら言われてもしょうがないですね。
周りを気にしながら遊ぶのが良い遊び方、遊びに集中しきれないけど仕事なので仕方ないと私は思います。
周囲数メートル、できれば部屋全体を守備範囲としつつ眼の前の子どもと遊んで自分も楽しい
👆こんな境地は良い経験を積めれば3年くらいで到達できますよ。
4.学童クラブ支援員としての遊び方 まとめ
いかがでしたか?
遊び方のうち、遊びへの入り方、約束の仕方、切り上げ方など具体的なお話をしました(1章)
この辺は基本ですが、文章読んでもタイミングとか分かりにくいので、上手い子や支援員を見本にするといいと思います。
2章ではおもに大人としての遊び方について、見守りと放置のバランスや公平性、見守りについてお話しました。
また仕事としての支援員はチームワークを駆使して働くものなので、周りを見て遊ぶのも大切です(3章)
経験的に良くない遊び方をして他の職員へしわ寄せが行き、バラパラに動いてるかと思えば、
トラブルがあると関係ない職員まで様子を見に無意味に集まってくるとか、チームとして崩壊している学童クラブは良くあります。
子どもと遊びたい、と思って学童クラブにやってくる人はたくさんいます。
だけど働き出すと、遊びたいけど遊べなくて悩むパターンは非常に多い。
アルバイトは個別の遊びに集中していいパターンもありますが、正規職員はそうも行きませんね。
遊べないからつまらない、というなら仕事じゃなくてボランティアでも探したらいいでしょう。
遊びは関わりの手段に過ぎないので、その辺は遊ばなくても楽しい仕事を目指してほしいと考えつつ、
遊び方も学童クラブ支援員にとっては大切な技術なので、よい経験を積んで自分なりの遊び方・関わり方を見つけてほしいと思います。
ありがとうございました
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転職に関しては、私も登録してみた信頼できる転職サイトがあるのでこちらから。
【はじめての学童指導員】登録した感想はかなり好印象、相談のみでもOK
スキルアップに関しては、
子ども心理/一般知識/事例/管理ポイント・・
個別にいくらでも学ぶことがあるので、それらを網羅して私ジャムがたくさん記事を書いています。
でも実は個別知識ばかり増やしても、根本的なものが足りないんです。
人間そのものを毎日相手にする学童クラブの仕事には、別次元のスキルや知識が必要、
というのが20年以上の経験と理系的思考による結論です。
・・では何が根本的に足りず、どうすればいいのか?
根本的に足りないもの
➔経営的な視点での基礎的な考え方、真の人間理解などのビジネススキル。
どうすればいいのか?
➔人に物を売るマーケティングを学ぶことで可能。
と思いましたか?(^^)
分野が全く違うように思えますがマーケティングを学ぶとは、人へ物を売ったり価値提供のために
✔ 人間を真面目に理解して読み解き、
✔ 発生した問題へどう対処すればいいか、
✔ お金/時間/情報/人材資源をどう使えばよいか?👆こんなのを学ぶ事になるので、結果的にあらゆる仕事に通じるスキルが身につきます。
これらが保育現場でも必要と言うのは、賢明なあなたには理解していただけるでしょう。
つまりマーケティングを学ぶと、どんな仕事にもつぶしが効く知識やスキルが身につくので、
保育に活用できるのはもちろん、ついでに副収入を得る程度は容易になり、収入面の不安もなくなってきます。
保育業界は価値観が偏りがちで、経験を積めば積むほど一般常識から離れてしまうジレンマがあります。
(経験が浅いと実感がないと思いますが、真面目に保育現場だけで経験を積むと必ずぶち当たる壁です)
特に現場リーダーや管理職になった時、一般的なビジネス知識やスキル有り無しは非常に大きな差となります。
良い主任や施設長は長い経験によって、自覚なしに身に着けているのですが、
あなたはその正体がマーケティングにより得られる知識やスキルということを知ったため、
それを学ぶことで、真面目に取り組めば1年ちょっとで10年以上の時間をショートカットして身につけられるわけです。
と言ったところで、私の学んだオンラインビジネススクールを紹介しておきますね。
名前は「次世代起業家育成セミナー」
●友達追加するだけで、20万円分の教材が無料でもらえ、巷に溢れている単発のビジネス動画でなく体系的に学べる。
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