人のせいにして謝れない子ども心理と対応

人のせいにする子どもについて、興味本位でもこの記事を見つけて読もうとしているあなたの知りたいことは

・子どもが人のせいにして全然認めない
・自分が悪いのに謝れなくて困る
・頑固すぎて友達から嫌われはじめている

こんな感じでしょうか?

私は学童クラブでそんな子に、何十人と関わってきたのでよく分かりますよ。

ジャム
こんにちは、
経験20年の東大出身
理系保育士ジャムです。

セラピストでもある私(プロフィール)(@jamgakudoツイッター)の視点から、

【人のせいにする学童期くらいの子どもへの対応】についてお話していきます。

この場合問題の本質は、人のせいにする理由が子どもにより全く違うので、理由ごとに対応を考える必要があることです。

子どもが人のせいにする理由は大きく3つ

・幼いゆえの経験不足
・行動がパターン化してるだけ
・不快から逃れ自分を守るため

それを踏まえた具体的方法は本文でお話していきます。

とるべき行動をキャリア20年以上の視点から理由付きでコツも書いているので、方針がハッキリとし、あなたの悩みが解決に向かうと思います。

この記事の目次

目次

1.子どもが人のせいにする理由は3つ

  •  1-1.自分の責任を理解できない
  •  1-2.経験からのパターン化
  •  1-3.不快から逃れたくて


2.「人のせい」と自分を責めると表裏一体

3.理由を考えて対応する

  •  3-1.自分の責任を理解できない場合
  •  3-2.パターン化している場合
  •  3-3.不快から逃れたい場合


4.改善するには時間がかかる

5.まとめ

人のせいにする 謝れない学童期〜小学校低学年の子ども

1.子どもが人のせいにする理由は3つ

人のせいにして謝れない、逃げようとしてるように見える行動には3つの理由があります。

対応は理由別に考えないと的外れになり状況を悪くするため、先にお話してきますね。

1-1.学童クラブ低学年までに多い、幼くて理解できずに「人のせいにする」

学童クラブくらいの低学年だと一番多いのが、自分にも責任があるのを理解できず人だけを責める。

例えば人に当たったのを気づいてればまだしも、注意が向かず気づかずに人にぶつかっていて相手に文句を言われた場合、

子ども
俺はぶつかってない!!

と不毛な言い合いは学童あるある。

ADHDやASDなど発達障害があると特性にある衝動性や思い込みなどにより主観が強くなるため、分かるように説明を頑張っても理解が難しい場合が少なくありません。

人のせいにする子ども

1-2.怒られなかった経験などで「人のせいにする」がパターン化した

学童期までによくある理由もう一つは、考えなしのパターン化している場合。

人のせいにしてみたら、

・自分は怒られなかった
・難を逃れた

こんな利益を得た経験をすると、特に理由なく「とりあえず人のせいにしてみる」態度が定着します。

根底にあるのが1つ目の「自分の責任を理解できない」または3つ目の「自分を守るため不快から逃げたい」

👆どちらが元々の原因でも、行動パターンとして定着してしまった後には理由は関係なくなります。

子どもは社会経験も少なくコミュニーケーション能力も低いので、有効なパターンを知ればそればかりになりがち。

・嫌なことがあったら怒るだけパターン
・怒ったら「死ね」しか言わないパターン
・嫌なことがあったら泣くだけパターン

こんなのと同列のパターン化です。

小学生の低学年などは、意識して行動パターンを自分で増やすとか、高度すぎて無理なので仕方ないところ。

幼児がママのせいにするのは、完全にパターン化してますね。

それしか行動の選択肢がないので道理を説いても無駄で、違う行動を教えたほうが早いです。

例えば、、、 自分の座り方が悪くイスから落ちた時に「このイスが悪い!イス嫌いっ!」とイスを蹴る。

お絵かきをしていて、思うように描けなくて「このクレヨンが悪いの!クレヨン嫌いっ!」と クレヨンを放り投げたり。

靴を履こうとして上手に履けず「こんな靴買ってきたママが悪いよ!靴キライっっ!」とポーイ。

ヤフー知恵袋
怒る子ども 人のせいにする
怒ったら当たるはパターン化しやすい

1-3.不快から逃れたい、自分を守るため

「自己肯定感の低さから、人のせいにして自分の非を認められない」ような子は、言うほど多くありません。

私の経験上、100人に1人以外程度の出現率で低学年だと更に低い割合です。

親の期待が強すぎて失敗を過度に恐れていると、自分が失敗したのは人のせいにして自分への負担を無意識に軽くしようとする、なんてほぼ高学年以降の話。

しかし自己肯定感が低いを含む、それよりも広い意味で自分を守るために「人のせいにする」子ならたくさんいて、総じて

不快から逃れたい目的

を持っています。

根底にあるのは

✔「怒られたくない」
✔「認めてもらえない辛さから逃げたい」

などの「不快を避けたい欲求」です。

この欲求は強烈なので、人のせいにするために「やったことをやってないと思い込み、それが真実となる」ような記憶の改ざんすらあります。

思春期に近づくと「人に責任をなすりつけ、自分の立場を守るため」などの理由が増えてきますが、この記事では学童期までの話なので扱いません。

欲求についてマズロー

2.不快から逃れるための「人のせい」は、自分を責めると表裏一体

✔怒られたくなくて人のせい

✔怒られたくなくて自分を責める。

どちらも「怒られたくない、不快から逃れたい」が根底にあるため、人のせいにするのと自分を責めるは根本的に同じ場合があります。

不快感は怒られるだけでなく、責められたと思うことでも感じます。

例えば

●なんで片付けないの?

●なんで悪いことしたの?

これら「ナゼ系の質問」は言い訳を探させる質問なので、「ナゼ〜」と聞かれたら子どもは怒られないような答えを捻り出すことになります。

考えなしのその場限りの行動や、言葉にならないモヤモヤから出た行動を、意味や理由なんて自分じゃ説明できない。

・・・そこで「なぜ?」と言われたらどうでしょうか。

無理やりそれっぽい理由を言わざるを得ません。

そして出てくるのが「だって〜」

それに対して

言い訳しないで!

いや理由を不用意に聞いて言い訳を言わせたのはあんたでしょ、って話になります。

そんな感じで人のせいにして怒られた経験が重なると、今度は自分のせいにして「私がいけないの」「僕が悪いんでしょ」

自分を責めると収束するのを学びます。

人のせいと自分を責める👈同じ話ですよね。

自分を責める場合には他の理由もありますが、このように理由が被る場合も少なくないという話です。

自分を責める子ども 人のせいにするのと表裏一体

3.「人のせいにする」理由を考えて対応する

人のせいにする理由は3つでした。

人のせいにする理由3つ

・幼いゆえの経験不足から自分の責任を理解できない

・行動がパターン化してるだけ

・不快から逃れたい

これらが子どもによっては複合していて見極めが難しいけれど、理由を探って当たりがついたとして理由ごとの対応について話を進めます。

3-1.「自分にも責任がある」を理解できない場合

理解度が追いついてない場合や、他者理解の力が弱く主観が強い場合は、基本的に成長を待つことになります。

ただトラブルには相手がいて、人のせいにされる相手もいるので放置は無理、必要なことを教えつつ成長を待つ感じです。

また取れる行動を広げていくため、謝れるときには謝って許してもらう経験を積んでもらう。

客観的に状況を説明して、「今は謝るべきだと思う」とハッキリ伝え謝れたら褒める。

反対に謝れなかった時の経験も生きます。

「人のせいにする」がパターン化してると、変なプライドで謝れない場合も多いけれど、謝らないで済ませた結果どうなるかの実体験も大切

気まずい思いをしたり、次の遊びに入れて貰えなかったり👈小学校低学年だと嫌な子とは遊ばなくなってくるから。

「謝りなさい!」と強制する必要は、重大なトラブル以外ではありません。

謝らないで困るのは大人ではなく本人、日頃の軽微なトラブルについて「謝る・謝らない」を決めて結果をかぶるのも本人だから。

似たような軽微なトラブルは、成長するまでの間に何度も何度も起きるので、その都度分かるように説明するを繰り返すしかありません。

・その子が理解できる例え話
・自分に置き換えたらどう思うか?
・毎回人のせいにして責めるから嫌がられてること

また「怒られたくない」というのも少なからず入っているので、怒るのではなく分かってもらうスタンスで伝えるのがコツです。

成長を待つには数ヶ月単位どころの話じゃないので、その都度怒って大人がイライラしてたら身が持ちませんよ(^^)

【子どものケンカで教えるのは仲直りじゃない】ごめん→いいよは学童じゃ✕

人のせいにすると・・
人のせいにすると自分に帰ってくる経験も生きます

3-2.人のせいがパターン化してる場合

理由は分からないけれど、とにかく「人のせいにする」がパターン化している場合は、

✔人のせいにして不利益になる経験
✔自分の非を認めて得をした経験

両方を積んでパターンを崩していきます。

ただ自分の非を認めて得というのは、「自分を責めて、自分のせいにすれば逃れられる」と紙一重なので注意が必要です。

人のせいにしなくなったけど、今度は自分を責めて卑屈になった👈意味が分かりませんよね。

だから「客観的に考えて、普通はこうしたほうが良い」をその都度教えていくこと。

より良いのは子どもの視野が狭くて気づけない客観的な事実を教えて、何が良いのか考えてもらうこと。

●悪いことは認めて謝れたら褒める

●悪くないのに無理に謝っていたら、それに関しては話をする。

●おかしな結論を出したら「普通はそうは考えない」と道理を教える

どちらにしても善悪判断や道徳心が育つまで、待つ必要があります。

待ちつつ教えるのです。

花瓶と花 人のせいにする改善には時間が必要

3-3.不快から逃れたくて人のせいにしている場合

不快から逃れたくて人のせいにしている場合は、その不快を取り除くのが必要です。

不快の多くは嫌な感じで怒られること。

👉嫌な感じとは、

・単純に怖い
・精神的に追い詰められる
・一方的
・頻繁過ぎる
・謝れなくて親が不機嫌になる等

これらを取り除くのは反対の安心感を与えることなので、大人が言葉掛けを見直し、言動や態度を見直すことになります。

✔ナゼ系の質問をしない
✔責めない
✔感情で怒らない

〜ない〜ないばかりですが、怒る・責めるなどは「この子ならわかるはず」という親の変な期待が期待外れになったから出てくる行動です。

ジャム
だから期待しないところから始めましょう。

4.人のせいにするが改善するには時間がかかる

3章でお話しましたが、どの理由で人のせいにしている場合でも、低学年くらいの子の行動改善には成長を待つ必要があります。

焦るあまり叱責したり頻繁に介入しすぎると、「人のせいにしている」から「自分を責める状態」になるだけ、待つ姿勢が大切なのです。

方向が合っていても時間が必要、ということは日常の積み重ねが効いてきます。

だから「人のせいにしている」問題一点だけ何とかしたいと思いがちですが、日常全般の親の態度や言動を気をつける必要がある、ということ。

人の親になったのなら自制心が必要になります。

余裕がないのは分かりますが、それは親の課題であって子どもには関係がありません。

課題の分離と期待しない

低学年までは親の影響最大

また学童職員の場合など、他人の子どもの面倒を見ている場合、親の影響が最大なので施設内での対応の方向が合っていても卒会までに功を奏しない場合も。

何とかしてあげたい!と頑張るのは良いですが、あくまでも手助けの立場。

燃え尽きないためには入れ込みすぎないのも大切です。

寝るのも大切 人のせいにする子どもの対応

5.「人のせいにする、低学年までの子ども心理」まとめ

人のせいにする理由は3つ

・自分の責任を理解できない
・行動がパターン化してるだけ
・不快から逃れたい
(1章)

これらの理由から「人のせいにする」は、「自分を責める」と表裏一体な場合もあるとお話しました。(2章)

いずれの場合も教えつつ成長を待つのが基本、時間がかかるので日常の積み重ねが効いてきます。(4章)

特に3つ目の理由「不快から逃げたい」欲求がある場合は親の態度や言動を見直すのも必要で、

・単純に怖い
・精神的に追い詰められる
・一方的
・頻繁過ぎる
・謝れなくて親が不機嫌になる等

👆こんな接し方にならないよう

✔ナゼ系の質問をしない
✔責めない
✔感情で怒らない(3章)

ここでは低学年までの話をしましたが、よく言われる「期待が高すぎる親を持つ子ども」は、評価を気にしすぎて自分の責任を認めない理由から「人へ責任を押し付ける」系の高学年以降の子もいます。

その場合も親の態度や言動1つと、期待しないなどのマインドの影響が大きいものです。

「人のせいにする」一点のみの改善を考えるのではなく全般的に考えていくと、子どもの問題ではなく自分自身の問題と向き合わないといけない辛い側面も出てきます。

はじめから問題ない子育てはなく、対応の連続になるため長いので焦らずにやっていきましょう。

ジャム
ここまで読んでいただき
ありがとうございました

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