学童クラブ低学年までは、特に親の影響を受ける
私は学童クラブに来た子が小学校卒業して中・高校生〜成人になるまで仕事柄何人も関わってきましたが、学童期までの親の影響がとてつもなく大きいと実感しています。
高学年になれば低学年でトラブルが多い子も落ち着き「いい子になったな」と一瞬思いますが、中高生になって本人がとっても悩んだり、道を外れたり、引きこもってしまう子などは低学年までに親から悪影響を受けていた子。
本人の悩みは家庭で培われた価値観に原因が多く、その子の昔を思い出してみると、その芽は学童クラブにいた頃から思い当たる節があったな・・と。
経験20年の理系保育士
ジャムです。
子育て頑張っても報われないなあ、と思う瞬間ってありますか?
学童クラブや小学校から同じようなトラブル報告が頻繁にきたり、我が子の心配な性格がなかなか改善されなかったり。
子どもの成長は長い目が必要だけど、答えが出るのが随分先なので、頑張り方を間違えたと分かったら取り戻すのに苦労するか、取り返しがつかないことも多いです。
この記事では
✔親のよくない言葉遣い
✔身近な人への批判
✔謙遜の意味の身内下げを子どもの前でやる
こんな言動による悪影響を子どもの成長過程に与えること、親に必要な自制心についてお話していきます。
親自身が自分の言動に注意せず、テレビやユーチューブ制限して勉強や習い事させても、まっーたく意味がないのです。
普通の保護者は何人も子どもを比較研究して、我が子に適用するとか無理なので、
理系保育士ジャム(プロフィール)(@jamgakudoツイッター)が、保育現場20年以上の経験を元に、「こうすると〜こうなる」を分かりやすくお話していこうと思います。
1.学童期の低学年まではほぼ親の影響、保育園や学童、学校担任の影響は些細なもの
子どもは本当な色々な人と関わって大きくなります。
- 親兄弟
- 祖父母
- 保育園・幼稚園の先生
- 友達
- 学校に上がれば担任
- 学童クラブ支援員
- 上級生
- 近所の人
しかしこんないっぱいの中でも、特に低学年までの時期は家庭、それも親の影響が一番大きく群を抜いてます。
私は二十年以上児童館や保育現場にいて、ボランティア時代から合わせて数千人単位の子どもたちに接してきたけれど、
特に保育園の年中以上〜学童クラブに入っている低学年のうちは、親の影響が言葉通り「最大」。
👆こんな分かりやすい話じゃないけれど、状況を端的に表しています・・学童クラブあるある。
※"親が子どもの言いなり"といった関係の家庭も実はありますが、例外中の例外なので外しておきます。
低学年までの親の影響はこんなにも大きいのはなぜか?と私なりに考えた理由は
✔乳幼児期の分別が付かない時期から
✔ものごとの理解力が付いてきて
✔「これから学ぶぞ」という人生の初期に
✔乳児期から世話してる親は絶対的な存在
だから。
この時期にある種「刷り込まれた」感覚や価値観、家庭の雰囲気は親の影響として根底に残り、その子の今後の人生のベースとなってきます。
日本ならこんな感じ、アメリカならこんな感じ、といった文化的感覚もこの時期から芽生えてきます。
心理学的にはモデリングによって刷り込みの学習効果、と言えるかもしれません。
保育園や学童でも大人からの働きかけはするし、学校でも教育してくれる。
子どものために現場で働く大人たちはプロなので、専門知識を持ってカリキュラムなどもしっかり組んで育成に当たるわけですが、それでも家庭の影響を上回ることは、非常に困難です。
よほど信頼できる大人が家庭外にいても、その人が親以上に影響を及ぼすのは高学年を過ぎ、子ども本人が多少でも自立に踏み出した時期から。
という保護者はたくさんいますが、大間違いなのです。
小学校低学年の時期までは、家庭の影響が全てのベースにあって育っていくから、積み重なった上の部分だけしかいじれない学校担任や他の大人ができることは知れています。
分かりやすい「親の影響を上回れない」例は、例えば学校や保育施設での指導や関わりが、いくら社会的に正解とされるものでも、
道徳心や判断力を培っている途上の子どもたちは、家庭の価値観が「社会的に間違っていたとしても」そちらに従う。
といくら外で話しても、家で「やられたらやり返せ」と教える家庭がたまにありますよね。
学校と家庭で言ってることが違う「ダブルバインド状態」では、高学年に差し掛かってですら、
●迷いながら心の中では家庭に従う。
●外ではその場を収めるためにその場のルールに従う。
👆こんなことを繰り返します。
すると他の子は自分の価値観や判断基準を獲得していく中、その子だけ価値観がいつまでも定まらずに
●人に流される
●人の顔色を伺う
●都合のいい解釈をする
●自分勝手に振る舞う
●空気が読めない
様々な悪影響が子どもどうしの中で現れ、友達関係に悪影響となり、友達が親より大切になる高学年以降では、人格や価値観を作る上で大ダメージとなります。
家庭の影響とは別の、発達障害の特性にも同じものがあるので一概には言えませんが、そんな子を何人も見てきました。
それまでの積み重ね、つまり家庭での親の関わり方が、その後の人生にずっと効いてくる訳です。
さらに子どもが成長して高校生くらいになり、他の親と自分の親を客観的に比べることができ、さらに自立可能になると、自分の親を「毒親」とか言って離れていく子もいます。
はじめまして。今年二十歳になる女子大学生です。
私は親に高校3年生まで暴力・心の虐待を受けていました。
(中略)
親はいまだに食べ物の制限をしてきていて、外で何を食べたか証拠を提出させます。具体的にはレシートを見せないといけません。また私はもともと肌が弱く病院に1か月に一度通っています。
だから肌に悪いもの、揚げ物・チョコレートなどの食べるものを禁止されています。でも食べたい時があるので一週間に一度のペースで冷蔵庫から取り出して部屋で食べています。
盗癖の記事のコメント欄より
非常に残念なのは、こんな状況になってしまう親でも、その人なりに「良いと思って」子育てを頑張ってきた結果と言う事です。
2.子どもの人格を作る親の言動影響ランキング。テレビやユーチューブを気にしても無意味
親が子どもに伝える価値観が、子どもの成長に大きく影響してきます。
伝える価値観というのは、話して聞かせる「やられたらやり返せ」みたいなものだけではなく、雰囲気や態度や日常的に伝えられる考え方といった部分もありますが、親の言動が大きな影響を与えます。
ネガティブ寄りな、成長に悪影響を与えるものをいくつか並べてみると
●親の言葉遣いそのもの
●テレビに出てくる人、その場にいない人なども含めた他人への悪口や否定的な言葉
●謙遜の意味などで我が子を下げる(身内下げ)
保育施設で働いていると、子どもは保育中のふとした場面で
こんなこと言ってたよ
とか無邪気に言うんです。
それが迎えにくる良い感じの保護者の雰囲気からは、想像できないひどい内容だったりして、
だからこの子の状態が
コレなのか。。
何が言いたいのかというと、外面だけ保っても無意味で、子どもの成長を考えたら、家でも親はちゃんと自制しなくちゃいけないということ。
独り身の時代ならどう振る舞おうが良いのですが、人の親になったら自制が必要になります。
イライラするからと言って、「この野郎!」みたいなことは、子どもの前ではダメなわけ。
勝手気ままに
振る舞えないのか・・
というのは、自分ではない他人と一緒に住んでいるので仕方のないので諦めましょう。
世の中を見渡してみると外で丁寧でも、家でどうしようもない、という人は一見すると分からないだけで、実は結構います。
ネット上の書き込み、公的なツイッターと私的ツイッターアカウント間違えて懲戒される人はだいたい40〜50代。
外面は丁寧だけど、家でダメの代表格。
家で隠してネット上に吐露するだけならまだマシかもしれませんが。。
いや、やっぱりそう言うのは雰囲気として出てくるので、親も人格的な成長がいつまでも必要と思います。
四国放送、公式Twitterの「中の人」懲戒解雇 公明党批判のツイート“誤爆”、個人アカウントと取り違え(ニュース記事)
ほとんどの親は我が子は大切なので、食べ物に気を使ったり、テレビやネットの影響を気にしてます。
でも本当の足元は親の使う言葉や、醸し出す雰囲気。
そこを実践できないと、テレビやユーチューブを制限しても、どんな習い事をさせても全くの無意味です。
勉強させて仮に成績が上がっても人格が歪み、大きくなってから問題が現れてきます。
3.親の言葉遣いそのものが子どもに与える影響
子どもへの影響で一番分かりやすいのが、親の使う言葉そのものからの影響。
子どもが失敗したり言うこと聞かない時に、本当にたま〜に、
「てめえ、いい加減にしろよ」
5歳くらいの子に、それも母親が言ってるのを見かけると、とっても残念な気持ちになります。
余裕がないかもしれないな・・と同情的に思いつつも、やはりダメ。
なぜならその言葉遣いでは、
・その勢いで叱っていると慣れて、必ず効かなくなっり、親の言動もエスカレートしてくるのが簡単に予想できる
・親のその言葉で効かないなら、外で他人に多少注意されたところで効果なし。
・また心理的虐待の要素も入っていて、良いことが一つもないから。
【児童虐待で通報~勘違いかもってまだ悩んでる?】189で間違いなし
ほとんどの保護者は流石に外ではこんな言葉遣いはしないんですが、家で使ってたら同じこと。
とは言え余裕がないかもしれない、と私が同情的に思うのは
✔育てにくくて親との相性が良くない子も確かにいるから。
✔また多くの親は忙しくて余裕もなく、悩みも多いから。
✔学童期の子育てについて、教えてくれる人が少なすぎるから。
いろんな理由があります。
よく低学年期に頼られる小学校の担任は教育の専門家であって、子育ての専門家ではなく、なんの役にも立ちませんからね。
特に発達障害の子は成長がゆっくりで、短期ではまるで改善しないように思えるので、叱ることで生じる二次障害も出やすい。
身内に厳しい心理も働くので、つい言葉が荒くなってしまうのも分かります。
ただ言葉遣いはあらゆる言動の入り口なので、子どもに与える影響が一番大きいものです。
【イライラして怒りっぽい子ども】反抗挑戦性障害へ繋げないための対応
自分の所属している集団員に対しては、甘い評価を下しがちな心理効果。
黒い羊効果は集団内での低評価が、他の人よりもより低く見られ排斥や攻撃を強める心理効果。
他人の子が同じことをしても流し見する程度だけど、わが子には厳しく接するような心理👆
4.親の使う他人への否定的な言動が子どもに与える悪影響
言葉遣いの次に親が子どもに悪影響を与えるのは、悪口や否定する言葉。
別に子どもにかける言葉に限らず、面と向かって我が子を否定せずとも、
- テレビに出ている誰かだったり
- 親戚の人を名指しで批判したり
- 政治家を悪く言ったり
- 担任を家で批判したり
特定の誰かを蔑む行為全てが、ボディーブローのようにじわじわと子どもへ悪影響を及ぼします。
裕福な家庭が多い地域で、そのへんの井戸端会議で母親同士のマウンティングの取り合いしてるなんてよく聞く話。
そこから派生して
●自分や家族を上げるために人を下げる
●そんな話を家で子どもに聞かせる。
悪影響がないわけがありません。
裕福な家庭が多い地域の児童館勤務の知り合いの話では、明らかに子どもの歪んだ状態としての
- 他人を認められない
- 勝ち負けにこだわりすぎる
- 人への寛容さがない
- 自分に余裕がなく「自分が、自分が」
こんな様子があるそうです。
悪口を言われた子どもは、自分が悪口を言われたり否定される対象にならないよう必死になるから、次は自分から人を先制攻撃します。
いじめられないために、いじめる側に回る心理と同じ。
犯罪や不義理なことなど、一般的に良くないことは良くないで話していいけれど、ダメなことを教える目的で伝えるのと、レベルの低い悪口や批判は別物。
この記事を探してまで読んでいる賢明なあなたは大丈夫と思いますが、今一度気をつけて欲しいところです。
親戚の悪口とかもダメ、思ってるだけならまだしも、子どもに言う必要がありません。
ちなみに、気分によって言ってることを変えちゃだめですよ。
子どもは「条件付きOK」とか、大人が思っているより理解してません。
時間が立つと簡単に、「この前いいって言った!」条件のことなんて覚えてません。
価値観の元である親の言ってることが定まらないと、やっぱり子どもは大人の顔色を伺うようになります。
言ってることが定まらない親ほど
- いちいち聞くな!
- 顔色をうかがうな!
- 自分で考えなさい
それが十分できるようになるのは、やっぱり高学年くらいかつ、ちゃんと小さいうちから価値観を培えた子ども。
難しいですね。
5.身内下げ的な言動が与える影響
日本には「身内下げ」と言う謙遜の文化があります。身内下げとは、
うちの子なんて
全然駄目ですよ
謙遜したつもりで下げること。
大人だけならまだしも、悪くすると我が子を眼の前にして言ってしまう。
愚息と言っていても大切に思っているからこその発言ですが、大人でも意味が分からない人も増えているし、親も本当に我が子がダメだと思って言う人もいるのですが
言われた子どもは、そんな言葉の機微は分からず、単純に否定されたと感じます。
子どもが安心して過ごせるのは、存在を認められているのを実感してる状態で、否定されるというのはその逆の行為。
いくら家で褒めていても、他人の前でけなされたと思えば台無しなので、この身内下げの文化は、日本の悪習と言えます。
【子どもの褒め方】調子に乗るのは褒める内容が×~素直さを伸ばすコツ
6.子どもへ良い影響を与えるために親がすぐできること
ここまで親が子どもに悪影響を、意図せず与えてしまう要素についてお話してきました。
言葉遣いが悪い
他者を否定する言動や態度
身内下げ
他にも色々あるのでそれらを避けるだけでなく、プラス方面の努力も必要になります。
●ありのまま受け入れ、基本は褒める
●親が努めて言葉遣いを丁寧にする
●家だからと油断しないで自制する
●人をむやみに否定しない
●言ってることをコロコロ変えない
子育てには自分の時間が取られることに始まり様々な制限はかかりますが、それ以上に自制が必要ということ。
家庭で違和感を感じで育った子は、友達の影響が親を上回る中学高校生になって、「私の親ってなんかおかしいかも・・」と気づいて離れていきます。
また学童期の低学年のうちから親の悪影響で歪んだ子どもは、
- 友達の間でも流されたり、
- 意見を言えなかったり、
- 空気読めない
などで相当苦労します。
親は分からないなりに子育て頑張ってきたのに、結果それだと寂しいですよね。
一方でやれることとした上記4つは、親の余裕がないと難しい面もあります。
今の時代は、あらゆる親がいろんな問題で悩んでいるのを知ってます。
お金、人間関係、将来的な不安
福祉的な相談先は10年前とか中途半端な昔は少なかったですが、今は多少良くなって増えてます。
悩んだら「子育て支援総合センター」が現時点では身近。
相談は私も受けていますが、ネット上よりは対面で相談した方が良いでしょう。
また私は保育士向けに悩み解決系の記事を書いてますが、一般的にも通用する話もあるので参考にしていただけたらと思います。
お金については年間十万円単位で得をして、誰でもやれるのに多分2割程度しかやってないポイ活の記事なんかもあります(^^)
親にとっては色んな悩みの一要素として「子育て」があるけれど、子どもにとってはそこが唯一。
親が余裕を持ち、かなり自制しなくちゃいけないのが子育ての辛いところですね。
大変ですが長い子育て途中で親が倒れてはダメ、自分が生き残る必要があるので無理ないように。
ありがとうございました
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