学童クラブでできる、喘息持ちの子への対応
学童クラブには、喘息持ちの子が必ずと行っていいほど入会してきますが、支援員の喘息に対する知識は乏しい現実があります。
実際、発作が起きれば連絡して、親のお迎えを待つくらいしかできません。
それでも知識があれば発症しやすい環境を変えたり、他の子どもとは別な配慮ができるというもの。
私も小学校6年生くらいまで喘息があり、風邪はひかないのに水泳、マラソン、煙を吸った、気圧変化が激しい梅雨の時期、色んな刺激から年20回くらい発症し、苦しんでた経験があります。
たいした治療がなったので、度重なる発作の結果、私の肺活量は普通の6割程度しかないです。。
東大出身 理系保育士ジャムです。
昔は喘息と言えば、親の心配しすぎから本人が苦しいと思い込み、更に悪化するループが出てきそうなイメージから「母原病」と言われてた時代がありました。
確かにイメージで調子悪くなりやすいけれど、想像力での悪化は限定的です。
そして未だにその考えを持ってる学童クラブ職員、いないと思いたいですが、喘息に対して知識・経験豊かな支援員は少ないので記事にしようと思いました。
とるべき行動をキャリア20年以上の視点から理由付きでコツも書いているので、方針がハッキリとし、あなたの悩みが解決に向かうと思います。
1.喘息とは?一般的な基礎知識
一年も子ども現場で働いてれば目にすること多いと思いますが、喘息を知らない方のために、基本的な知識をお伝えします。
気管支喘息(喘息)とは、空気の通り道である気管支(気道)が慢性的に炎症を繰り返すことで気管支が狭くなり、
呼吸時にヒューヒュー、ゼーゼーといった音が聞こえる喘鳴ぜんめいや呼吸困難などの発作が生じる病気です。
メディカルノート
アレルギー反応を始めとして、ダニやホコリ、粉塵など呼吸器への刺激によって発作が起きます。
起きやすさはアレルギー体質など、元々の体質的な影響が大きいようです。
咳喘息、気管支喘息があります。
そして発作が長期的に繰り返していると過敏になり、気管自体が狭くなってしまいます。
治療に関しては薬により、長期的に発作を起きにくくする「コントローラー」と、発作が起きたときの対症療法としての「リリーバー」があります。
喘息発作の苦しさを簡単に体験するには、細いストローだけでずっと呼吸をするのを想像すると分かりやすいです。
努力呼吸と言われ、頑張らないと息が吸えないのがずっと続くんです。
2.発症しやすい状況や環境、学童クラブで出会った事例
喘息持ちの子が発症しやすい環境には傾向があるので、ある程度は備えておけます。
1章でお話した通り、喘息とは元をたどれば気管支の炎症なので、発作を起こすきっかけは気管へ刺激全般。
普段から薬飲んでれば抑えられるけど、そんな子ばかりではなく、自然治癒を待つ子もいます。
個人的な経験と学童クラブで何人も見てきた感じだと、発作が起きるのは
●運動により呼吸が乱れる
●水泳で水が気管に入る
●煙で気管が刺激される
●花粉、ダニやホコリの刺激
●アレルギー反応からの誘発
●咳き込んだ時の刺激
また気圧の変化が大きな時期にも発作が起きやすいです。
●台風の時期
●梅雨の時期
●冬のたまに降る雨の日
急な環境変化にも敏感です。
●冬など室内暖かくて、外に出たときに急に冷えて発作が・・
●冬場にお風呂に入った前後
ちなみに気をつけてても前触れなく発作が起きます。
私の小学生の頃の話、それまで元気だったのが
焚き火やってて、他の子が面白がって煙に突っ込んでいくのを真似したら、一発で調子悪くなったり
マラソンや水泳で気管に負荷をかけるだいたい発作起きるし、
銭湯でお湯と水風呂を繰り返してたら、気管が刺激されて苦しくなってきたり、
修学旅行で枕投げしてたのでホコリが立って発作が起き、3泊くらいの予定だったのが搬送されて一日目で帰ったり、
昨日まで元気だったのに急に入院することになったり・・・
そういうのが続くと、アレルギーじゃないけど「カニは喘息に危ない」と言われ続け、食べると調子悪くなったりします。
※アレルギー検査にも出ず、完全に気のせい
学童クラブで子どもを預かるとき、喘息持ちだと言われて過敏になる必要はないけど、分かっていれば体調不良になったとき
・風邪かな?
・インフルエンザかな?
・アレルギー反応かな?
・熱中症かな?
など疑うラインナップに「喘息発作かな?」が加わります。
また発作を引き起こすものを知ってれば、無理に走らせることもなくなるし、ホコリの立つ活動は控えるとか、環境の整え方など学童でできる対応が違ってきますよね。
3.喘息の発作が起きたときに学童クラブでできること
学童クラブで子どもに喘息発作が起きたら、できることはほとんどありません。
発作が起きてから運動を止めさせたり、汚い環境から遠ざけても、悪化することはなくても一時間やそこらの短時間で、薬無しで回復する見込みはほぼないから。
加湿器のそばで寝かせとくとか、しばらく様子を見ようとか無駄になることが多いです。
本当に初期なら収まることもあるけど、その日の後の時間は考えもの。
喘息ハンドブックにあるように、一旦収まったように見えても、気管が炎症を起こしている状態、皮膚ならヒリヒリ赤くなってるのと同じです。
なので保護者に連絡を取って迎えに来てもらい、その日は家で休むのが、最善の方法になります。
迎えにまでは安静にしておきますが、寝たら苦しいとか子どもによって違うので、楽な体制を取ってもらいましょう。
人がつけるなら、背中をさすってあげると良いかもしれません。
経験的に努力呼吸と言って、空気を吸おうとしないと吸えないので、呼吸に上半身の筋力をかなり使い、それだけでも疲れてきます。
早い話が肩がこるので、力が抜けるようにしてあげるのも効果的です。
一番いいのは吸入器を持っていれば、それを吸うとすぐ改善します。吸入器👇
子どもでも扱える簡単な機器ですが、保護者との取り決めが必要だと思います。
薬の持ち込みや預かりについて、学童クラブだと管理リスクからためらいがちですが、喘息に関しては苦しい時間が確実に短時間で済みます。
苦しんでる姿を見てるのは辛いけれど、吸入器あり・無しでは大きく違います。
私は小さい頃、吸入器は使わず苦しみ続けて肺に負担がかかったため、後遺症で呼吸器が弱り肺活量など常人の半分くらいになってますね。。
4.学童クラブの予防的環境や配慮
学童クラブで喘息持ちの子にできる配慮は環境面、ソフト面に分類されます。
よく「みんな平等に!」
と公平性を重んじるばかり特別扱いを不公平として嫌う方がいるけど、必要な子には必要な配慮が公正です。
特に喘息は病気なので、みんな頑張ってるからと、マラソン大会に最後まで頑張らせることはないんです。
もっと細かいのは日常に溢れています。
学童クラブでも「みんな待ってるからあなたも待ちなさい」とか、気質的に待てない子叱ってまで待たせるとか、管理面が強くなると平等を履き違えるのでご注意を。
喘息の子への配慮ーーー
・部屋をキレイにしておく
・特にホコリ、ダニ関係は注意
・ハムスターや猫など動物系は避ける
・ぬいぐるみも避けるのが無難
・寝かせるなら布団も清潔に
・できれば加湿や空気清浄
・外との寒暖差を少なくする
・吸入器を預かるか、持ち込み相談
環境面は基本的には清潔を保つこと。
学童クラブは施設の古さの話でなく、清潔さは働いてる人によって大きく変わります。
【感染症の衛生管理】学童クラブで必要な対策~職員教育や親へのお願い
また新聞プールみたいなホコリの立つプログラムや、掃除などの活動も避けるのが無難です。
・無理をさせない
・個別対応もやむなし
また無理をさせないに関して、甘えから「やりたくない」も子どもだから当然あります。
調子いいけどマラソン嫌だから「調子悪い」とか(^^)
こんなのは判断できないので、申告は通してあげるのがいいと思います。
普段から不利益を受けてる子どもの、ささやかな役得と思って許してあげたらいいんじゃないかと👈私見ですが。
5.親との連携と自立支援
親との連携については、長期的な治療には噛めないので、発作が起きたときにどうするか?の取り決め一点のみでしょう。
そこで喘息発作が起きたときの吸入器、使えば苦しむ時間は確実に減るので携帯してもらうとか、
ネブライザーみたいな形態なら学童クラブに置いておくのも視野に入れます。
薬や機材の預かりはリスクを伴いますが、子どもの苦しみを考えたら補って余りあります。
リスクは「説明書通りに使って壊れても弁償できません」みたいな同意書を取り交わせばある程度は軽減できるので、対応してあげましょう。
👆ネブライザー、電池式や電源式、自動的に少量ずつ薬を吸える機械。
ネブライザーわざわざを処方されている子は吸入器からうまく吸えないとか、扱えないと医者が判断して処方してるのだと思います。
ただ入学すれば行動範囲が広がるので、携帯型の吸入器が一番。
子どもも機器の扱いができるように成長するので、そちらへ移行するでしょう。
だから不慣れな機器を預かることを心配しても、実際に対応するのはせいぜい1年生の始めくらいなのです。
まあ落とした、無くしたとかのリスクもあるので、チームワークやモノの管理は普段からの姿勢次第ですが・・
それとは別に家では薬を飲んでることが多いので、それに関して学童クラブで対応することは無いでしょう。
6.学童クラブの喘息持ちの子への対応まとめ
いかがでしたか?
喘息持ちの子がいる場合、学童クラブでは
・発作を起きにくくする配慮と環境整備
・発作が起きたときの取り決めと保護者連携
どちらも大切になってきます。
特に学童クラブ職員の意識や余裕のなさから、汚い施設が多いので気をつけましょう。
発作が起きたときは保護者への連絡一択ですが、可能なら吸入器持ち込みや学童クラブに家から持ち込んだものを常備しておけると、
子どもの苦しみを軽減できるので、対応してほしいと思います。
ありがとうございました
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