学童保育などでよくある口出しのトラブル対応
学童クラブで働いていると、子どものトラブルは日常的にあります。
経験を積んでいけば自然と対応できるようになりますが、「このケースにはこう対応する」という決まった形があります。
この記事では「大人が介入をする」となった場合にどうしていくのかについて【主に言ったことについてのトラブル】について書いていきます。

目次【本記事の内容】
- 1.言った言ってない
- 2.悪口
- 3.謝っても許してくれない
- 4.入れてといったのに入れてくれない
- 5.余計な一言
- 6.許さない
一般的な子どものケンカやトラブル対応の記事たち👇️
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- 【友達や特定の子】とのトラブル解決
- 余計なことを言うなど【口出し系のトラブル】
- 【ルールや物が絡む】トラブルケース
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- 【学童保育での応急救護】応急手当とは
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どのケースにも言えることですが気を付けることは、大人が介入するのはよく見極めてからということです。
子ども同士で解決しようと頑張っているのに大人が口出しをしてしまうと貴重な、子どもの時にしかできない成功や失敗・試行錯誤の機会を奪ってしまいます。
大人と相手の子の関係も大切で、一番よいのは①「信頼関係がある大人」、次に②「普段関わりがないけれど経験豊かな大人」、その次に③「普段関わっているけれど信頼関係がまだない大人」の順となります。
対応の形が分かっている②の人が、子どもとお互いに先入観なく対応した方がすんなり解決する場合が多いです。
つまりは急に入ってきた人が華麗にトラブルを解決して、いつも関わっている人が自信をなくすのは、トラブル解決においては普段の関係よりも経験が勝ってしまうということです。
その経験を、この記事を読めば少しは補えることを期待しています。
1.「言ったいってない」への対応
言った、言ってないの言い合いにおいては、回りで見ていた子がいたとしても水掛け論になるだけです。
2パターンあります。
言った方が「(自分は)言った」、聞く側が「(相手は)言ってない」と主張している場合
- この場合は簡単で、言った方の「言った」は認めます。
- 聞いている側の「言ってない」には、「きっと聞こえなかったんだね」と返しましょう。
- そして「言った」方には、「返事あった?」と聞いてみましょう。
聞いている側が「(相手が)言った」、言ったとされる側が「(自分は)言ってない」と主張している場合
悪口を言われたなどと主張しているパターンですね。
ここでは具体的にどう言った言葉で言っていたのかを明らかにすることです。そんなことは言ってないけれど、(ほんの少しだけ言い回しが違う)それなら言ったとなる場合もあります。
悪口を言ったのに怒られたくなくて、言ったのを認めないケースもあります。
こちらは状況判断で、見ていた第三者に聞くとか、人がいっぱいいたなら違う人が言ったかもしれない、聞き間違いかもしれないなどは想像力を働かせましょう。

2.「悪口」への対応~学童保育で頻発
ケンカの途中から単なる悪口の言い合いになるケースはとても多くあります。屁理屈の言い合いも同じことです。
少し年齢が高ければどちらかが「もういい」と怒りながらも引く場合もあります。
しかしだいたいどちらかが我慢できなくなって手を出すパターンになるため、低学年では介入が必要です。
悪口合戦が始まったら、子どもの興奮の度合いによって二つの方法があります。
すぐにでも手が出そうな場合には話にならないので、お互いを離して落ち着かせることがいいでしょう。
なぜそうなったのか分からない場合は聞き取りが必要です。聞き取りは二人同時の方が分かりやすいのですが、悪口合戦中は一人ずつ聞く他はありません。
それぞれに聞き取りをしていると、徐々に落ち着いてきます。落ち着いた頃を見計らって、悪口を言わないように念押しをして引き合わせます。
それでも子どもによって落ち着きやすい子と、いつまでもこだわってしまう子がいるため、落ち着かない場合は時間をかけるしかありません。
もう一つは、ちょっときつめに叱って悪口をやめさせるという方法もあります。
状況や言い分を確認していくなかで、「じゃあ相手がこう言ったとしたらどうだった?」など相手が目の前にいるため即反応が返ってきます。
その上相手が納得している状況もつぶさに見えるため、子どもの興奮も冷めやすくなります。

3.「謝ったのに許してくれない」~一年生までに多いケース
ケンカやトラブルの最後に"謝っておしまい"のパターンが身に付いてしまっている子に多いです。
一年生になりたてとか、発達に課題のある2年生など、またはケンカの経験が少なく、謝れぱ許してもらえると思っているパターンです。
すぐには分からないのですが、「許してくれるかどうかは相手が決めること」というのを伝えていきましょう。
「許してくれない」と怒り出す子もいますが、その場合はあまり悪いと思っていないけれど口先だけ謝っているだけのことが多いです。
「許してくれない」と泣き出すパターンは、これ以上どうしていいか分からないパターンですね。
謝るのは「許してもらう」ためにするものではないのですが、どうしても許して欲しいなら謝り続ける、できることはやったからと一旦離れて後で謝ってみるなどの方法を教えてあげましょう。
低学年には「相手が怒っているからこうしよう」というのを教えるのはいいのですが、それを理解できるとは思わない方がよいでしょう。
他者理解は低学年には難しいため、相手の気持ちを考えてみるように誘導することはいいのですが、できると思わないことは大切な視点です。

4.「入れてと言ったのに入れてくれない」
これは一年生になりたてとか、やはり発達に課題のある2年生位までの子に多いパターンです。
友達や人間関係の幅を増やすため、いろいろな人と関わるために「いれて、いいよ」の方向で低学年くらいまでは進めるのが多いです。
誰がやっているか関係なく遊び自体にそのときの気分によって集まってくる子と遊び、そのなかで興味が似た子を見つけ、友達を作っていきます。
しかし同じ「いれてあげる」にしても学年が上がってくるにつれ、「相手の気持ちを考える」機会としての「いれてあげる」という方面に意味合いがシフトしてきます。
特に「遊び自体に集まってくる子と遊ぶ」段階から「特定の仲良しとなら興味があまりない遊びでもやってみる」段階へとシフトする発達段階です。
いつもケンカになるような子や、勝手ばかりする子は普通遊びには入れないですね。
そうでなくても、仲のよい友達同士で遊んでいるときに、訳も分からない子を入れることは少ないでしょう。
保育園での「いれて、いいよ」に慣れている子はそれが分からないので、入れてという子にも"相手の気持ちがある、いつも自分の思い通りにはならない"ことを時間をかけて教えてあげましょう。

また「入れない」という子にも、かわいそうだから次はいれてあげようなど、人の気持ちを考える機会を作れるといいですね。
学年が上がっても新しい友達は作っていくので、いつも同じ子とばかり遊んでいるのもいいことではありません。
また「何で入れないか?」の理由を言うことを掘り下げない方がよいこともあります。
"嫌いだから入れない"を気を遣ってそこまでは言わないけれど、「今はダメ」と言葉を濁している時もあるためです。
"いつもケンカになるから入れたくない"というのは正当な理由ですが、言い方ひとつで相手の印象も大きく変わりますね。
その辺りも、具体的にどう言ったらいいのか、また言われている方にも心当たりがないか問いかけるなど、人間関係について介入できる機会となります。
その子によって響きやすい言葉は違うので、これと言った答えはありません。いろいろな言い方を試しつつやっていくほかはありません。
保育園感覚の指導員は以上のような考えなしに、「いれてあげれば」といいます。
子どもの気持ちを考えれば、その時の状況によっても入れたくない場合もあります。放課後児童支援員の手引きにも載っていることなので、勉強が必要です。

5.「余計な一言が多い」でトラブル起こす子へ学童対応
一言居士のように、言わなくてもいい事を最後に言って相手の怒りを買う子がいます。
思ったことを言ってしまうのは子どもの特徴で、内言と外言や自分と他人の境界が曖昧なところから来るものです。
ある程度は仕方がないとしても、言っていいことと悪いこと、また相手の気持ちを考えてみるように誘導することが必要です。
それにしても、思ったことをすぐ口に出してしまうのは脳の機能にも関係するところなので、自覚したとしてもすぐにどうこうできるものでもありません。
できることとしては、相手の気持ちを考えて事後にでも謝ることを教えること位です。
改善には時間がかかります。
また余計な一言を言ってしまうのは「空気が読めない」に直結するので、学年が中学年~高学年になると友達関係でとても苦労するケースです。
それでも許してくれるような友達を作るとか、余計な一言で相手とこじれた経験を積むことで本人が気を付けようと思わないと大人になっても改善には至らないケースもあります。
学童クラブにいるような短いスパンでできることは、上で書いたような「相手の気持ちを考えてみるように誘導すること」「具体的にこの言葉は相手を怒らせる言葉だとひとつひとつ教えること」くらいです。

6.「許さない」という場合は
3でも書きましたが、許す許さないは本人が決めることです。
そのため「許さない」に対しての声かけは、「今は許せないんだね」です。
相手が繰り返しているような場合は、「許せなくても仕方ない、わかるよ」でもいいかもも思います。
相手が目の前にいれば、繰り返しているような時はおいそれと許してもらえないというのも教えられます。
特に理由はないけれど感情が収まらなくて許せないときも多いので、「今は許せないんだね、相手か謝ってきたのは分かったらそれで十分だよと。」
余裕がありそうな場合は、「どうしたら許す?」と聞くのもありです。
感情から理性への切り替えを自力でするのも、子どもと言えど必要なスキルです。それを促すために、そういった質問をしてみることです。
またちょっと離れて落ち着くのを手助けする、周りの環境から余計な刺激が来ないよう、囃し立てる人や、場合によっては心配して声をかけてくる子かこないようにあげる配慮もいります。

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