1.学童クラブでのトラブルにも保護者の責任は一定以上ある
責任って一言で言うんだけど、実はいろんな意味がある。
✔親としての育てていく責任
✔時間内にちゃんと見る、契約を果たす責任
✔施設が契約をできなかった時の後始末責任
学童クラブ育成時間内で大きなトラブルや事故が起きたとき、施設の職員としては子ども第一で考えるとは言え多少でも
- 刑事罰を受けるんじゃないだろうか?
- 賠償しなくちゃいけないんだろうか?
- 謝罪と説明はどうすべきだろう?
こんな感じの法律的な責任や、対応内容について頭をよぎりますよね。
一方保護者の立場からは、
- 我が子は大丈夫か?
- 相手の子は大丈夫か?
- トラブルそのものの情報
- 私は何をしたらいいの?
- 引き続き子どもを安心して預けられるか。
を第一に気にするので、法的な話は初めから出てきません。
なぜなら学童クラブは福祉サービスとはいえ人と人が対面で、信用に基づいて子どもを預ける、預かるの関係。
保護者の視点だと、信義に基づいて「お願いして預かってもらっている」という感覚が強いからです。
たまーに、我が子が相手の子どもに怪我をさせたような場合でも、自分じゃなくて施設の責任100%にしようとする人がいるけど、
子どもくらい見て、
👆こんな感じの依頼心の強い方で、割合としては極少数。
施設の危機管理的なミスがあったり、施設として不誠実な対応をすれば言ってくる人は増えますが、基本的にはあまり無い事です。
一般的な世間の親の感覚は、学童クラブ内で小学生の子どもが起こしたこと、
- 他の子に怪我をさせた
- 物を壊した
- 自分で転んで怪我した
世間的には小学生への期待値は保育園児より高く、これらトラブルは子どもの責任➔保護者の責任と見ます。
子ども同士のトラブルで加害者側の保護者が「これは施設が悪い!」と怒っても、親としての責任を全て放棄することはできないし、
学童クラブとしては、その責任を親に自ら放棄させてはいけないわけです。
ただ子どもを預かっている以上、施設の責任はゼロにはならないので2章からお話ししていきます。
学童クラブがわるい!
責任とれ!
しでかしたことでしょーが!
2.学童クラブの責任は、基本的に0にならない
学童クラブ内で起きたことなら、施設の責任がゼロになるのはほぼあり得ません。
- 賠償責任のような法的責任
- 子どもをちゃんと見る果たすべき責任
両方とも。
2-1.賠償責任的なものは代理監督者責任から出てくる
①免責事項
結論から言うと、保育時間内の事故の責任は、原則“幼稚園・保育園側”にあります。
小さな子どもは判断能力が著しく低いため、子どもを預かる幼稚園・保育園に監督義務責任があるためです(民法第714条)
👆️の続き
暮らしニスタ
もし園側が充分監督義務を果たしているうえで起きてしまった事故であれば、園側は損害賠償責任を免れることができる(民法714条1項但書)。
免責事項に「施設の責任を免れる場合」についてあるけど、
責任免れるんだな、
よしよし。
じゃあないですよ。後でお話します。
②代理監督者について
民法714条の「監督者、代理監督者」についてお話します。
民法第714条(責任無能力者の監督義務者等の責任)
3代理監督者
この監督義務者の責任は、「監督義務者に代わって責任無能力者を監督する者」(代理監督者)も負うことになります。代理監督者は、たとえば、託児所・幼稚園の保母、小学校の教員、精神病院の医師、少年院の職員などです。
この代理監督者と監督義務者の責任は併存することが可能で、不真正連帯債務となります。
宅建通信学院サイバー六法より引用
子どもは法的には責任無能力者だから、監督義務者(つまり保護者)が責任があります。
保育園や学校・学童などで保護者にかわって子どもを見る人は代理監督者と呼ばれ一定の責任はあるけど、保護者の責任はなくならないことが書いてあります。
学童が何かのトラブルで責任を取っても、親の責任はそれとは無関係に存在するということ。
施設の責任も0にならない
さっきの逆の話をすれば、保護者が何かトラブル責任をとっても、代理監督者として学童クラブの責任が無くなるわけではありません。
また実際問題として判例的にも、施設の賠償責任は0にはならないみたいです。
例えば子どもが勝手にスッ転んで怪我しても、
- 床をちゃんと滑りにくいようにしてたのか?
- 気を付けるように注意をちゃんとしてたのか?
みたいなところを突かれるのはもちろん、同じことが昔にもあったなら
- 再発防止に努めてたんか?
みたいなのも追及される。
①に書いた
もし園側が充分監督義務を果たしているうえで起きてしまった事故であれば、園側は損害賠償責任を免れることができる(民法714条1項但書)
この基準はかなり厳しいので、なかなか0にはならない理由です。
ジャムが昔、研修受けたときに弁護士の講師が言ってました。
まあ訴訟になって学童クラブと保護者が争うなんてのはレア中のレア。
誠心誠意対応してれば、訴訟されそうなケースだったとしても和解や示談になるくらいで済むと思います。
2-2.学童クラブが仕事として果たすべき責任
賠償責任や刑事罰を受けるとかと別の次元で、社会的に果たすべき責任が学童クラブにはあります。
学童保育とは子どもの時間内の安全を保つ契約がベースにあっての「学習支援」とか「遊びの保障」とかの枝葉がある。
だから「安全を保てなかった、保護者が安心して仕事に行っていられなかった」 = 「施設として責任を果たせなかった」
ってことになりますよね。
仮に賠償的な責任を負わなかったとしても、果たすべき責任が無くなりはしません。
子どもが自分で滑って転んだとしても、
「走らないように注意喚起する」
「この前こんな怪我をした人があるから気を付けて」
くらいの働きかけはできますよね。
施設内で起きたことに
「責任が無いわけない!」
って話。
よく人に手を出しちゃう子が、ちょっとした拍子に他の子を押して、転んで怪我させたような場合でも
分かってたのに
重点的に見るとか
しなかったの?
人を雇う努力したの?
本当に全部やってた?
いくら対策しても、「本当に全部やってた?」と突っ込まれたら、絶対なんか出てくる・・
ベストな状態はなく、いつまでも改善し続けるべきだと思います。
3.学童クラブ施設責任が問われるのが普通だけど、個人の責任が問われる場合もある
基本的には施設の責任
施設の責任を問われるような場合でも、最前線でミスするのは現場職員です。
でもほとんどの場合は個人の責任にはならなくて、外部的には使用者責任、つまり"ちゃんと指導してない施設の責任"に普通はなります。
内部で怒られるとか懲戒とかの話じゃなく、あくまでも外に向かっての話。
また公立施設の場合はさらに大きくなり、"国公立の施設が不法行為の主体である場合は、国家賠償請求の対象"になるので、自治体や国に責任が行きます。
保護者からしたら賠償責任を訴えたい場合には、現場職員でも学童クラブでもなく、自治体を訴えることになるので歯がゆい感じかもしれません。
ただ現場職員としては、過度に縮こまらず仕事ができる保証になっていますね。
職員がよほどの犯罪行為(園児へのわいせつとか)をしたような場合とかは別で個人の責任が問われて刑事罰が課されたり、
運営者が職員に対して「あなたの個人的な行動で、施設の信用を傷つけたので責任をとれ!」とかあり得るけど、レアだと思います。
施設としての責任のとり方として該当職員を異動とか、あり得るとしたらその程度で内規で決まっていると思います。
この辺は労働関係の法律もからんでくるから、詳しくは私は分かりませんが・・
学童クラブ職員が子どもや保護者に責任を果たす場面でも、一般的には施設としての責任となります。
何かミスをした場合は、最前線の職員のしてのお詫びや謝罪は「信用構築のために必要」です。
しかし運営者がイチ職員に対して、「このトラブルの責任はあなたにあります」みたいに全ての責任を押し付けてくることはあり得ない話。
労働法規的にも、労働者は厚く守られているからです。
職員がしたミスを職場として責めない
ミスをするのは現場職員だけど、ミスしようと思ってミスるわけじゃありません。
職員は自責の念にかられ心にダメージを負っているのが普通ですが、そこで
みたいに叱責されたり、同僚に追及されたらどうなるか?
無条件で不問にしてってことじゃなく、建設的に事例検討として「再発防止のためにやっていきましょう」って姿勢を見せるだけで救われるという話。
園児の怪我がきっかけで、退職する方もいるとかいないとか。
ミスをして責任を感じる、まともな感覚のある人材をみすみす失うこともないと思います。
その職員がルール違反をして、結果的にそうなったとか、繰り返すなら別の話ですが・・
保育園で園児が怪我をしてしまった場合、クラス担任の保育士が責められることがほとんどです。
怪我を負う事態が発生した理由や経緯に、保育士の落ち度がなくても関係ありません。
保育士が園児の監督を怠ったとして事後の対応が行われるため、多くの保育士が「園児の怪我」が原因で、仕事を辞めたいと考えてしまいます。
マイナビ保育士より引用
4.実際に学童クラブで起きた事例いくつか
事例をお話ししようと思いましたが、こじれたケースなどをすでに分類して別記事にしてあるのでこちらをどうぞ。
5.施設側が責任を果たすための予防的にできる対応や対策、リスクマネジメント
どんな対策をしていても、施設の責任はゼロにはならないという話をしましたが、だからといって日々改善しないという選択肢はありません。
この章では責任を取る取らないって話ではなく、どんな対策を事前に取れるのか?お話ししていきます。
リスクマネジメントってやつです。
対応に失敗しての大炎上は、「問題が起きたらそのときに考えましょう」みたいに場当たり的に対応してると増えます。
99%うまく対応できる超ベテランでも100回対応すれば1回炎上する計算、単なる数字のゲーム。
それをベテランじゃなくても99.9%にして、炎上確率を1000回に1回にできないか?って取り組みがリスクマネジメント。
超ベテランなんて
レアキャラ。
- 保険に入っておく
- 対応マニュアルを作る
- 規約を作って示しておく
この3つはとりあえず必須事項、基本的にはあると思うけど敢えて挙げてみました。
対応マニュアルに入れるといいのは、
✔ 対応の具体的手順、内容
✔ 誠意をもって対応して争わないようなこと
✔ ケースを事例として蓄積し検証するシステム
それぞれに
- ①マインド的な部分
- ②実務的な部分
が両方入ってきます。
6.責任の取り方と誠意の見せ方
施設としての責任の取り方
例えば施設がさせた怪我なら
- 治療費支払いの申し出
- 家まで出向いてお詫び
みたいな分かりやすい誠意を見せ方があります。
本当にすまないと思っていることが効果的に伝わる、誠意の見せ方のコツとしては、
個人の価値観で判断せず、できるだけ相手が考えてるより重いこととして受け止める
人はとらえかたが違い、こじれる場合の大きな大きな原因は空気感の違いです。
相手が100だと思ってるのにこっちが
それくらい
良いじゃないですか~
こんな対応をすれば、相手の怒りは200になります・・
逆ならどうでしょうか?
200のこと起こして
とんでもないことです。
誠心誠意
対応させていただきます。
申し訳ありませんでした。
はじめからこんな感じでこられたら、相手の100が80になるかもしれません。
被害者の心理は我が子心配なので、我が子が納得してたら「まあいいか」ってなるし、相手が重い事例だと捉えてくれてるなら、心も落ち着きます。
親の納得を直接引き出そうとすると信用されないので、子どもに全力で対応してから、保護者へ経緯を説明するってルートも推奨します。
これらを「できるだけ早く、すぐにやる」のがとても大事で、この時は残業もやむ無し。
トラブルが起こり責任の所在がハッキリせず大炎上したのは私の経験した中では3回。全て週末で「週明けでいいかな」と連絡が後手に回った結果。
とんでもなくこじれたケースを経験した、どこの誰に聞いても
大炎上した。
って言います。
「全て」のうち、「連絡が遅れた」って部分だけでも潰しておけば「全部悪いこと」にはなりません。
謝ることは責任を被ることじゃない
責任をとりたくなくて認めない人、よくいますね。
最後の最後で認めて、
もう遅いわ!
👆こんなんなってる人。
謝ることは責任を全てかぶって、いろんな賠償までしなくちゃならないってことじゃありません。
学童クラブに預けてる最中で起こったこと、明らかな管理ミスでなければ施設と保護者の両方に責任が出てきます。(割合はケースごとね)
仮に「誠意を金で払え」みたいになってはじめて、賠償を考えたら良いんです。
または治療費を支払います、程度の申し出をこちらからするとか。
どちらにしても、「責任を取りたくないから謝らない」という選択肢はありません。
7.仲介的な役割も果たすべき責任
施設内のことは施設に責任があるけど、保護者の感覚として小学校行ったら子どもの責任だと思うのが普通。
なぜかと言えば、小学校だと担任が張り付いて子どもの行動を見ててその都度注意するなんて状況、99%の親は期待してないから。
(1%未満の保護者は、似たようなのを期待してるけど・・)
学童クラブもその延長にあります。
子どもの中で「加害者」ー「被害者」みたいになったとき、
学童クラブとして「知ってたのに連絡しなかった」みたいな凡ミスしなきゃ、被害者の保護者は、ほぼ加害者の保護者へ怒りの矛先を向けるでしょう。
施設の責任があるのですが、施設よりは相手の子どもに責任があると見るのが普通の感覚。
一方で加害者側の保護者は、
- 施設に責任があると見るか
- 我が子が悪い=親の私の責任とするか
- 被害者側が騒ぎすぎだって思うか
状況や親の性格次第。
だからこそ、学童クラブの大事な取るべきポジションは仲介役で、子ども同士・家庭同士の連絡の仲介をする役回り。
小学生ならトラブル相手の名前を家で言えるから、
お詫びの1つもないの?
知り合いならなおさら、今まで良好だったのに疑心暗鬼になる場合すらあります。
それが学童クラブとして連絡を怠った場合、
必要なことをちゃんと
知らせてくれない!
見てるのか心配だわ~
経験浅い学童職員は被害者側の保護者にしか連絡しないんだけど、トラブルはちゃんと両者に知らせなきゃダメ。
被害者側の保護者が乗り込んでくることもあって、学童クラブとしては加害側の子➔勝手に相手方の大人に引き合わせちゃダメだけど、
乗り込んできてから、
とか遅い。
子どものケンカの対応⑤-保護者への説明、親としての対応の記事参照
初めから仲介役をやるつもりで双方に連絡をとり、保護者どうし連絡をとってもらえば概ね解決します。
どうなったかはこちらから聞かなくてもだいたい教えてくれるけど、教えてくれなきゃ場合は機を見てどうなったか聞いておきましょう。
まあその家庭どうしのことだから、あまり首を突っ込まない方がいいと思います。
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登下校や外で起きたトラブル
8.学童クラブで起きるトラブル責任や対応まとめ
いかがでしたか?
学童クラブ内で起こったトラブルの保護者としての責任は、基本的には預けてたとしてもゼロにはならない。
施設としての責任も
- 子どもを預かる契約責任
- 賠償責任
- 事後対応の責任
これらは学童クラブ内で起きたことなら、完璧に予防策をしたつもりでも穴があるから、基本的にはゼロにはならないという話をしました。
学童クラブに子どもを預けてる、または預かってる時にトラブルや事故がないに越したことはないんだけど、いっぱいいるから確率低くても集めればそれなりのことが起きる。
起きないことを前提にしないで、起きることを前提に事前に対策やリスクマネジメントしとくのが大事です。
大炎上するのは、責任逃れをしようとする素振りが見えたとき。
基本的には責任ゼロにならないんだから、認めるべきことは認めて解決へ向かった方がいいと思います。
ありがとうございました。
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個別にいくらでも学ぶことがあるので、それらを網羅して私ジャムがたくさん記事を書いています。
でも実は個別知識ばかり増やしても、根本的なものが足りないんです。
人間そのものを毎日相手にする学童クラブの仕事には、別次元のスキルや知識が必要、
というのが20年以上の経験と理系的思考による結論です。
・・では何が根本的に足りず、どうすればいいのか?
根本的に足りないもの
➔経営的な視点での基礎的な考え方、真の人間理解などのビジネススキル。
どうすればいいのか?
➔人に物を売るマーケティングを学ぶことで可能。
と思いましたか?(^^)
分野が全く違うように思えますがマーケティングを学ぶとは、人へ物を売ったり価値提供のために
✔ 人間を真面目に理解して読み解き、
✔ 発生した問題へどう対処すればいいか、
✔ お金/時間/情報/人材資源をどう使えばよいか?👆こんなのを学ぶ事になるので、結果的にあらゆる仕事に通じるスキルが身につきます。
これらが保育現場でも必要と言うのは、賢明なあなたには理解していただけるでしょう。
つまりマーケティングを学ぶと、どんな仕事にもつぶしが効く知識やスキルが身につくので、
保育に活用できるのはもちろん、ついでに副収入を得る程度は容易になり、収入面の不安もなくなってきます。
保育業界は価値観が偏りがちで、経験を積めば積むほど一般常識から離れてしまうジレンマがあります。
(経験が浅いと実感がないと思いますが、真面目に保育現場だけで経験を積むと必ずぶち当たる壁です)
特に現場リーダーや管理職になった時、一般的なビジネス知識やスキル有り無しは非常に大きな差となります。
良い主任や施設長は長い経験によって、自覚なしに身に着けているのですが、
あなたはその正体がマーケティングにより得られる知識やスキルということを知ったため、
それを学ぶことで、真面目に取り組めば1年ちょっとで10年以上の時間をショートカットして身につけられるわけです。
と言ったところで、私の学んだオンラインビジネススクールを紹介しておきますね。
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