1.今の子どものいる環境は?

1-1.子どもはKKU

子どもはKKUです。

✔K 汚い

✔K 危険

✔U うるさい

危険・うるさいについてはその通りですが、この記事の主題ではないので省きます。

「汚い」については、行動による個人差も大きいけど、特に男の子を持つ親の多くは実感があるでしょう。

  • 鼻水が垂れていてもそのまま
  • 部屋中に散らかっていてもそのまま
  • 外に遊びに行ったら泥だらけ
  • 鼻水はそのまま

子どもらしいと言えますが、汚いことに変わりなし。

鼻水 清潔

1-2.家庭状況によって清潔環境は大きく違う

私が学童クラブで長年働いて感じたのは、

現代は様々な考えの保護者や、単に知識や配慮が足りない保護者がいること。

特に初めての子には過剰に接してしまったり、放置に近い対応を取ったりマチマチ。

そして後者の家庭の子は、身辺自立が学童の3年生なのにままならず、トイレの始末さえ不十分な場合もあるんです。

●お尻を十分に拭けず、乾いたうんちがズボンの裾から落ちてくる

●便器を頻繁に汚す

●男の子でおしっこをする時、お尻丸出しでズボンを膝まで下ろす

●小さいくつを履いている

●靴は洗ったことがない

●風呂も何日も入らず臭いがひどい。

ジャム
👆いくつか同時に当てはまる子が、新1年生では体感の1%~10%。

3年生ではさすがに減りますが、清潔習慣完璧の子は少なく、トイレ始末不十分な子すら0じゃない。

・親はちゃんとしてるのに子どもは放置のネグレクト気味庭

・単に分からなくて「小学生なら自分でできるでしょ」と期待が高い家庭

・親が病気もしくはシングルの家庭で手が回らない。

色んな事情があるので否定するつもりはありません。

そういういろんな家庭がある世の中ということが、この記事を書いている理由です。

聞かせる

1-3.清潔習慣は、大人が教える必要あり

これまで話した子どもの特性や、家庭の状況を踏まえれば、

「汚い」という感覚は積極的に教えないと、子どもはいつまでも分からないという事。

ある程度学年が上がれば自分で気づきもするし、友達から指摘されれば恥ずかくて改めもする。

でもそれを待つのはあまりに遅すぎ。

小さい頃の基本的な感覚は、大人になっても残ってしまうから。

なにが汚いのかは文化によるけど、ここは日本だから日本の文化にあう価値観を教える必要あり。

保育園に入所しているのなら保育所保育指針(PDF)には基本的生活習慣についても書かれています。

健康、安全など生活に必要な基本的な習慣や態度を養い、心身の健康の基礎を培うこと。

保育所保育指針

保育園により取り組まれているのは👇

・保健師さんを招いて手洗いの指導

・歯科衛生士に歯磨きの話

・日常的な「きれいになったね」の声かけ

・ご飯の前は手洗いなどの指導

こんなことの積み重ねが子どもの清潔習慣を作ります。

家庭で全てやるには難しいけど、施設に任せきりはダメだと思います。

ダメだと思いつつ、学童クラブで働いていると不十分な家庭も多くて支援が必要。

家では、高学年になって見た目だけは落ち着く前に、完璧じゃなくていいから教えて欲しいと思います。

清潔習慣は家庭で教えて
清潔習慣は家庭で教えるのが基本

1-4.免疫的には、逆に清潔すぎる環境も良くない

ここまでは「汚い!」をベースにお話してきたけど、逆に「綺麗すぎ!」という家庭で育ってる子もいます。(圧倒的に少数派ですが)

清潔習慣にこだわり過ぎだと、それはそれで子どもに悪影響。

ある種の強迫観念や、他の子が普通にしてることで叱られるため自己肯定感も下がりがち。

またはできてない他人を馬鹿にして自分を保つ、👈みたいな性格にもなりかねません。

【子どもの自己肯定感と自己効力感】違いを知って両方とも高めよう

また免疫的にも、「きれいすぎる環境はよくない」と言われています。

天然痘が流行したとき、「牛の乳絞りを仕事にしていた女性には発症が少なかったこと」がワクチン発見のきっかけになった

という話をご存知の方も多いと思います。

昔のそんなにきれいではない環境で育っていた方が、現在よりもアレルギー体質や感染症などが少なかったような気がします。

菌

生物学的に、「外部の脅威にある程度はさらされないと免疫はつかない」らしく、

キレイな環境にいた方が花粉症などが発症しやすいアレルギー体質になる、という研究も多くあります。

必要以上な抗菌・除菌は体に必要な菌まで除去してしまうでしょう。

赤ちゃん~幼児はその後の体の一番の基礎を作っている段階なので特に「必要以上にきれいにしすぎない」こと。

ほどほどを見極めることが大切。

日本人に花粉症が多いのは「きれい好き」が影響? - ウェザーニュース

清潔習慣も、行き過ぎはだめ

2.子どもの清潔習慣には、何を教えたらいい?

子どもに物事を教える前提として、

可能な限りその子が分かるように説明を繰り返し繰り返し練習すること

一度教えたといってできるものじゃなく、習慣化には時間がかかります。

途中で大人が

何度言っても
分からないからやめた

では、今までの取り組みが無駄になる。

また清潔について教えるには、

✔ 汚いものは汚い

と教えておくことが大切です。

単に「汚い」だけじゃなくて、そのままにしていたらどうなるか?

  • 病気になる
  • 遊べなくなる
  • 嫌なこと言われる、

年齢が上がったら話して聞かせましょう。

◯◯に怒られるから、鬼が来るからなど変な教え方はしないこと。

【学童の子どもの叱り方】ベテラン指導員が教える外せない10要素

清潔習慣のために
習慣化に「怒って教える」はだめ

3.歯磨きなど、口の中の清潔習慣

子どもの歯磨きは本人が真面目にやっていたとしても不十分で、親の仕上げ磨きが必要です。

いくつかの歯科関連情報を調べたところ、仕上げ磨きは9~10才まで必要と共通してました。

小さいうちからうまく気分をのせて、少しずつ正しいやりかたを教え、

磨いているつもりでも磨けていないところがある意識付けをする(・・のは施設の取組かも)

👆保育園や学校で歯に関する取組をやると、資料をくれるので活用したい。

歯磨きは子どもの清潔習慣で優先度が高い
歯磨きは子どもの清潔習慣で優先度が高い

子どもの気質や嗜好・生活習慣・ネグレクト気味の家庭でも、子どもが虫歯だらけというのも珍しくありません。

反面学童クラブなどで、できることは情報発信くらい。

工夫出来るとしたら、おやつ後の歯磨きを任意から始めた上で、個別に虫歯の多い子の親に声をかけるとか。

ちょうど仕上げ磨きが要らなくなるのも学童クラブを卒会する小学3年生あたり。

支援員
歯磨き始めませんか?

👆こじつけでも何でもいい。

実は放課後児童クラブ運営指針にも、そこまでやるべきとは書かれてません。

(必要な家庭の育成支援に含まれるかも)

ですが歯は一生物、個人的に取り組めることがあればやるべきと思います。

具体的な磨き方は、私は歯科の専門家でもないので例えばこのサイトを参考にしてください。↓

ベネッセ教育サイト 仕上げ磨きのポイント👇

子どもの清潔習慣 歯磨き

4.しらみの予防、髪の毛の清潔習慣

学童クラブや小学校では毎年一定数、しらみに罹患する子が出てきます。

シラミの原因は、頭をくっつけて遊ぶとか、清潔かどうか関係ないようですが、

治りが早いか遅いかは、ネグレクト気味の家庭の子では明らかに遅く、放置されやすいもの。

罹患しても普通では治るまでに1ヶ月かかるそう。

流行する時期は特に決まっておらず、帽子の共用や寝転がって遊ぶ機会が多いと自然と移る機会が増えるし、

人の髪の毛を結んだりして遊ぶ女の子には、流行しやすい。

早い家庭では保育園のうちから自分でシャンプーさせて親はノータッチ、になりがちなヘアケアですが、

それでも定期的に大人の力でシャンプーしてあげる必要があります。

髪の毛の洗いかたは家庭でしか教えることができないので、子どもの施設においてできることはありません。

家庭で教えていたとしても子どもの指の力は弱いため、十分に洗えません。

👆大人の補助がいるという情報発信が有効だと思います。

その他にできることは、日常的にしらみのチェックくらい。

シャンプーで清潔習慣

5.てあらいは清潔習慣の基本

手洗いの指導は手軽にできるけれど大切な基本なので、家庭でも積極的に教えていきましょう。

手洗いタイミング

手洗いタイミングを固定させるのが習慣化には効果的。

  • トイレのあと
  • ご飯やおやつの前後
  • 外から中に入って来たとき

など手洗いのタイミングを教えていきます。

水で流すことが大切

手洗いで大切なのは水でよく流すこと。

せっけんには殺菌作用は普通ないので、油分を落とす場面以外では使っても使わなくてもいいです。

でもせっけんのヌルヌルがとれるまではみんな水でよく流しますね。

また石鹸を使うメリットは、泡が見えるのでどこが洗えてないか分かりやすいこと。

ってのを、以前研修で聞いたことがあります。

洗いかた

手洗いのしかたは良い歌があるので、活用するのもオススメ。

保育園児のわが子が歌を覚えて帰ってきて、手洗いを熱心に やってました。

手洗い習慣を続けていくと、トイレのあとなどの決まったタイミングで手洗いをしないと気持ちが悪くなってきます。

そうなったら勝ち(^^)

花王ホームページ

サラヤより

6.つめの手入れの教え方

つめの手入れは衛生的にも必要で、手入れが不十分だと手洗い効果も半減。

手を洗っても爪の間が黒い子はたくさんいますよね。

また他の子を引っ掻かない、爪を引っ掻けて自分が怪我をしないためにも、適切な長さにするのが安全です。

ジャム
気づいたら切ってあげましょ。

年齢が低いうちに任せきりにすると、切りすぎて深爪になるので保護者チェックを。

学童クラブなどの施設だと爪切りくらいやってあげたくなりますが、体に変化を与える行為。

医療行為じゃないけど、勝手に支援員が切るわけにもいきません。

その場合は爪切りを本人に貸してあげて、切り方を手を添えたりして教えてあげるのが抜け道になります。

【学童や保育士の医療行為】爪切りに目薬や絆創膏 どこまでがダメ?

7.体・足の洗いかた

お風呂での体の洗いかたは保護者か家で教えるほかありません。

幼児のうちは力も弱いため補助が必要ですが、小学生くらいまでには自分で洗えるように教えておきたい。

基本的に家でやることだから、施設での対応は難しい。

だけど学童で働いてると、お風呂に何日かに1度しか入らない子がたまにいます。

✔親が忙しいけれど子どもを一人でお風呂に入れるのは危ないと思っていて、結果として数日おきになってしまう家庭

✔お風呂嫌いの子どもを放置する家庭

など。

またはお風呂に入れるけど洗いかたを教えなかったり、洗う場面で大人の手助けが不十分な家庭も似たようなもの。

そういったほとんどの家庭では、子どもが入浴していなくても親は毎日お風呂に入ってい身綺麗という・・

ジャム
少し残念な気持ちになりますが、まあ別の話。

夏場の臭いがキツイので他の子から避けられるし、

「誰かくさい」と言われて個人が特定されない場合でも、本人は分かっているので自尊心が傷つく。

そんな状況を家庭に伝えると共に、本人に話して分かるのなら事情を聴く。

本人にもできる洗いかたを教えてあげることや、タオルで拭いてあげる。

水道などで足の洗いかたを教えて練習する。

こんな感じで、できそうな取り組みはいくつか考えられます。

お風呂は清潔習慣に大切です

8.トイレの後始末教育は、小学生でも必要な子は多い

一人親で、「母親ー男の子」などの異性の組み合わせだと漏れてしまう事項ですが、大切です。

学童クラブに入ってきた一年生、うんちの後お尻が拭けない子。

パンツに残りがついていて匂ったり、ズボンの裾からお尻についていた残りの便か乾いて落ちてきていたのを

「学童室で消ゴムのカスかと思って拾ったら💩だった!」なんてこともありました。

保育園でどうしてきたんだろうと思いつつ、

「家でも園でも教えてもらえなかったのなら仕方ない、今からでも教えてあげましょう」

けっこうデリケートな問題なので、同性介助かつ、女性職員から親に伝えるのが無難です。

また男の子で、おしっこを小便器にするときにズボンとパンツを膝まで下げてお尻丸出しでする子がいます。

それも早めに違うやり方を教えてあげた方が、上の学年の子からバカにされることもなくなります。

うんちの後始末は身につけるべき必須の清潔習慣

9.土足でうろつくことへの指導も大切

土足で行ってはいけないところに靴で行ったり、逆に靴を履くべき所にちょっとだからと履かないで行く

👆子どもならよくあるけど、これも基本的に教えるべき清潔習慣

例えばバスや電車の座席シートに普通の保護者なら土足で上がらせはしません。

自分が気にしなくても、世間には気にする方がとても沢山いることを忘れないよう。

自分はよくても他の人が汚いと思うことを、正しく教えていくのが社会ルールを教えることに繋がります。

土足

10.学童期の子どもの清潔習慣のまとめ

汚いという感覚を知らないと、「自分だけはいいけど、知らないところで人に迷惑をかける」行為になりかねない。

しかし清潔か否か?の感覚は文化によるところが大きいもの。

人間なら誰でも持っているような、普遍的な感覚じゃないので、教えないと育たないわけです。

だからこそ、日本にいるなら日本的な感覚を小さいうちから、可能な限り学童くらいまでに習慣化しておく必要あり。

家でも保育園でも学校でも、誰からも教えてもらえなかったばかりに、

「怒られたり」、「バカにされたり」、「下に見られたり」するのは、果たしてその子のせいなのでしょうか?

この記事をここまで読んだあなたが人の親なら、忘れないでほしいと思います。

また今の日本にマッチしている、正しいとされる感覚を教えていくのは、その子に出会った大人が担うべき事柄。

子どもの施設で働いている方々は特に、「なんてこの子はできないんだ。だめな子、親の顔が見たい」で終わることがないように

出会った大人として、その子の助けになってほしいと思います。

ジャム
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生活習慣に関することを学ぶ中で、0~5歳児の発達が見通せて保育者の援助がわかる本です。食事・排せつ・睡眠・着脱・清潔・生活力アップのためにの6章で、生活習慣はバッチリ!

(「BOOK」データベースより)
0〜5歳児の発達と援助がわかる生活習慣百科

川原佐公/古橋紗人子 ひかりのくに 2014年04月
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