1.個性って言葉のもつイメージは?
保育士や学童クラブ支援員など、子どもを専門に見る保育者の持つべき「個性」という言葉の意味は
個性=人格そのもの
しかし保育者にも、以下にお話するような間違った感覚のまま働いている方がいます。
一般的な「個性」イメージ
さて「子どもの個性を伸ばす」の、世間のイメージはどんなものでしょうか。
あなたはNHKの「ウワサの保護者会」って番組見たことありますか?
幼児以上の子育てについて、尾木ママが分かりやすく正しく伝えてくれて私も好きなんですが、そこでやってたアンケート調査。
番組アンケートによると、なんと95%の保護者が「子どもの個性を伸ばしたい」と答えた。
ほとんどの保護者が「個性」を前向きに捕らえている一方で・・・
「個性的とは“変わり者”という意味では?あまり個性的だと学校では浮いてしまうかも?」
「うちの子には、これという個性がない…」
など、多くの人が個性について悩んでいることが分かった。
ウワサの保護者会
このように世間の感覚がおかしなことになっていて、中学生や高校生が
と悩んで奇抜なファッションや、人と違うことを無理に求める感覚のまま人の親になってしまった感じです。
一般的にはこれでも良いかもしれませんが、保育者ではいけません。
そもそも個性って人と比べなくても良い
上のアンケートから「個性」という言葉が持つ世間的なイメージは
- 人にはない独特なもの
- 強すぎると変わり者
こんな感じですね。
番組だと
- 小さい頃からキノコ好きとか、
- 趣味が独特で話が合わないとか、
👆こんなエピソードが挙げられてましたが・・・
同じクローン人間が世の中にはいないんだから、一人一人個性がありますね。
別に能力的なものや、趣味嗜好みたいな性格にフォーカスすることもないんです。
一般的に個性って言うと人と比べての優れてる、変わってるものってイメージ。
要は人との比較が入っている。
個性って出てこない
ものなんでしょうか?
違いますよね。
これが人と比較して子どもを見るべきでない保育の世界で、伸ばすイメージの個性がダメな理由です。
2.個性って独特なものって意味じゃない
「個性を伸ばす」と間違った使われ方をしがちな「個性」ですが、
個人の性質そのもの、良い悪いはない
辞書的にも同じような感じですよ。
個人または個体・個物に備わった、そのもの特有の性質。個人性。パーソナリティー
goo辞典
- できないこと、
- 他の人はできるけれどこの子はできない
などもすべて含んだもので、人と比べなくても関係ないものです。
だから定義を少しだけ言い換えると、
個性 = 子どもの人格そのもの
となります。
~ができないから、
理解力がないからダメじゃなく、
まずはそういう人と認める。
障害児療育の世界では正しく使われてますが、よいも悪いもない中立ですね。
思春期を過ぎたあたりで、
って悩む人が少なくないんだけど、
存在してるだけで個性なんですよね。
大人が「個性」に変なイメージ持ってて、それを元に子どもに接するから、子どもが無駄に悩む。
陳列された人形、違うのはロットナンバーだけみたいなのは人間だとあり得ない。
自分らしさを探している途中から、「私はこれでいいんだ」ってそのまま受け入れる状態への中間地点。
そんな状態にいる子どもに対し接する大人ができるのは、存在承認になります。
3.「個性を伸ばす」は単に人格的成長のこと
個性とは人と違った能力や性格ではない!ことをお話しました。
では個性を伸ばすという考え方は間違いなのか?
人とは違った能力を伸ばす、ってだけの意味だと間違いです。
さらに言えば危険かもしれません。
単にわがままなのを個性と思い、社会に適応できないマイナス方向に伸ばしてしまう感じの危険。
または本人がやりたくもないのに半ば洗脳的に頑張らされたのに、さらに上がいると知って挫折し、結局は何も残らないみたいな危険。
この危険は親が「能力系の個性を伸ばす」勘違いと
- 親が超学歴とか、
- 業界でトップとか、
- 周りに勝てって価値観で生きてる
と多くなります。
そして1章のデータから、世間の95%はそんな認識のようなので、20人のうち19人が間違ってることになります。
でも能力的な部分を大事にするのは、悪いことじゃありません。
大事なのは、世間の「個性」イメージよりも広い、その子の人格を認めた上で、能力や人と違う性格や嗜好にも注目してる状態。
もちろんなくて、
ちゃんと1人の人として
認めることが、
一番大事なこと
子どもの成長を願った働きかけとは、
本人が幸せに生けていけるように成長の手助けをすること。
ですよね。
私の子どもはすごいんだ!
って、親が自慢するためじゃないですよね。
周りの人からはちゃんと認められて自分でも「私はこれでいいんだ」と安心し、さらに人とは違う能力などを発揮できる。
👆こんな感じなら最高だと思います。
だから個性を伸ばすとは
- 回りとうまくやって行く
- 本人が幸せになるための能力を伸ばす
- そういう人なんだと認める
その子どもの人格的成長のこと
って話でした。
4.短所という言葉で否定してる時点で、個性を認めてない話
人格を認めるってのはどんなことか?
個性って言葉と併せて使われる言葉に長所、短所があります。
これも自分で言う分にはいいんだけど、親も含めて他人が
短所はこれね
みたいにいってること自体が"人格を認めてない"ことを意味します。
長所は褒めてる感じだからいいとしても、
すぐ怒るのが短所ね
嫌なことあっても
怒っちゃだめなの?
泣き崩れればいいの?
上から裁いて評価してるだけ。
認めてるとは違うし、言われた方も妙な気分になってくる。
短所とは人に言われるものでも、指摘されることでもありません。
祖母が私によく「あなたは弟と違って内向的なところが短所ね」と言ってたの思い出しました。
大嫌いでしたね・・
短所だと親を含めた本人ではない他人が思うのは、
●そこを何とかすれば、幸せに生きられるのになあ
●怒ったらすぐ人をぶつの、何とかしてくれたら安心なんだけどなあ
👆改善してほしいという願いの裏返し。
願いをもつのは悪くないけど、「短所だ!」って評価的に接してると、時にそれが本人の思いとは違って押し付けがましくなるのが問題。
また「短所だ!」って評価してると、どうしても「直す直さない」って考え方になるのも問題です。
今の状態は偽物で、直らない限りダメなやつって言ってるのと同じだから。
そうなると子どもも、認められてる感じがしないよね。
だいたい問題が起きたときに困るのは本人で、大人じゃない。
「直す直さない」いや、「変える、変えない」は成長する途中でいろんなことを経験し、本人が決めることで余計なお世話。
"こうなったらこうなる"を
- 予測ができてない子どもに教えるか
- 痛い目を経験するのを待つか
人生の先輩として物事の教え方は方法論だけど、大事なのはやはり人格を認めること。
評価的に接する感じになるから、長所・短所の軸で子どもを見るのはやめましょうって話でした。
長所と短所は実は表裏一体
長所と短所は単に社会的な捉え方の違いで、国や文化によって、同じ国でも地方や年代によっても違います。
- あるところでは「暴れん坊」
- 違う場所では「とても勇敢で元気」
- くよくよしてる「心配性」
- 場所が変われば「慎重」
こういった捉え方の違いはいくらでもありますね。
長所とは、その子が生きている場所で生きやすい、短所は逆に生きづらいものというだけ。
他人からは短所とされても本人が困っていない、長所って本人と親は思ってるけど回りが困っていることも多いですね。
- 「なにができる」
- 「何が得意」
- 「なにができない」
- 「これは不得意」
これらは能力の問題で、長所や短所とはまた別のもの。
人の部分だけを取り出して、「いい悪い」を判断しても意味ないってことです。
5.個性とは別に必要な周りとのバランス視点、保育で必要なら環境を変える
- 持ち物を人と違うものにする
- 髪の毛を染める
見た目が違うならすでに同じ見た目の人はいないのに、そんな感じで個性を出そうとするのは、
道に迷いながら自分を確立してる途中の大学生くらいまでの話。
時に個性と言うと、他の人とは違うことをするなどの勘違いがあって、制限されてる環境では反抗したくなるので出てきやすい。
社会ルールを守れないのも、個性に広く含まれてます。
狭い意味で大集団の騒がしいのが生理的にどうしても苦手で、学校に行けずに不登校など。
でもこれって、環境や組織の問題。
社会全体に不適応ってなら個性と言えど(社会の方が)対応しなくちゃいけないけど、一組織内で不適応ならそこから出たらいい。
校則違反して髪を染めたいなら、学校から出たらいい話で、個性じゃなくて単なる不適応です。
個性を大事にするのと、社会の中でうまくやっていくのはバランスの問題です。
小さい子が、個性で環境に適応できない場合は、どうしたらいいのか?
1つ目はそのままの状態を受け入れてくれる場所を探す。
よくある方法ですね。
ここでよかったわ。
2つ目は人格的成長をして、適応できる範囲を広げていく。時間はかかりますが。
3つ目は組織や社会を、関わってる大人が変えていく。
無駄な意味のない制限ルールがあったり、個性を伸ばそうって言ってるだけで、言うこと聞かない子に怒鳴ってるような学童クラブ。
そしてあなたが保育者で、意味のない制限ルールで苦しんでる子がいるのなら、環境を変えていくのが仕事です。
子どもではどうしようもない環境は大人が変えていくのと同時に、
できるだけ適応範囲を広げていく人格的成長を目指して保育・育成をするのが基本だと思います。
6.個性を伸ばす=人格的成長の要素 ①実体験をする
子どもは生まれてから、色々なことを経験して大きくなります。
しかし環境によって、隠れた才能があるけどやったことがないだけで埋もれてしまっていることも。
子ども自身の将来的な選択肢を増やすために、様々なことを体験する機会を増やす。
例えば保育園では水泳はないので才能は見えませんが、小学校でプールが始まったらそこでは生き生きとやっている、なんてことも。
小学生では学校の勉強が主になるため、逆にその他の機会は意図しないと増えません。
学童クラブだとその辺の機会や他者交流が多いけれど、施設によります。
- 動物と接するのがうまいかも
- 裁縫が得意かもしれない、
- 観察力が人並外れてるかも
分かりやすい例として能力的なものを書きましたが、人との関わりの中で育まれるものも、たくさんあります。
子どもの成長は、実際にした経験によるから、そのチャンスをできるだけ増やしていこうって話です。
まず体験です
7.個性を伸ばす要素②否定せずに認めること
これは人格を認めてないアプローチなので、反発されるし、大人もいい気分じゃありません。
子どもは結構単純です。
抱っこすれば安心するし、話を聞いてもらえればうれしい、褒められたらやる気になる。
認められれば、伸びる可能性はどんどん増えていきます。
反対に認められなければゼロになるか、マイナスになるかもしれません。
何でもいいけど、本人がやる気をもってやり始めた時期が大切。
できるできないではなく、「やろうとしていること」に目を向けられるといい感じです。
得意や苦手はあるけど、結局はやる気
認めることと大人の思いがぶつかりやすいのが、大人が子どもに期待しているとき。
大人の「よかれと思っての」関わりで悪影響が生まれるので気をつけましょ。
8.保育者から保護者への、子どもの個性を認めるための支援
学童クラブなど子ども施設では、他の子と比べてみると一目瞭然なことがたくさんあります。
でも学童では何人もいるから分かるけど、家庭では一人で比べる対象もいなくて分からない。
比べるのがよくないみたいな書き方してきたけど、
問題行動が出てるのか、個性なのか、傾向を比べて初めて分かることも沢山あります。
社会適応の視点で本人や、周りの子が苦しんでる場合も多くて、
- 保護者が大したことじゃないのに心配してたり、
- 逆に危ない状況でも「うちの子は大丈夫」と楽観視してたり
- 過剰に期待してるみたいな状態も
いろんな価値観の家庭のたくさんの子どもを見てると、いくらでもありますよね。
基本的に親は我が子しか見てないので、見方が偏るのは仕方のないこと。
子煩悩(こぼんのう)とは、育児や教育において、子供を非常に可愛がっている人。
また、その様子を指した言葉。通俗的には親バカ(または孫に対しては孫バカ)のような語でも表される。
weblioより引用
長所が隠れている場合は短所が見えやすくなり、一度短所と認識すると、そればかり気になるってループに陥ります。
子ども施設で働く専門家としては、こういった状態になってる保護者の「視点を変える」のも仕事。
いつもとっても小さい変化に
一番に気づくんですよ
親が我が子を「長所・短所」じゃなくて、存在として認められれば、いろんなことが好転してきますよね。
9.子どもの個性を伸ばすではなく、人格の成長を目指すのまとめ
個性を伸ばすと言うと、人とは違った能力や性質みたいなのを伸ばすイメージだけど、狭すぎて間違い。
子どもの個性とは、人格的な存在そのものということ。
を一貫してお話してきました。
個性を伸ばすとは、人格的成長を助けることです。
人格をとらえようとした時に、長所・短所で考えないほうが良い話もしました。
特に短所は評価をしてるだけ。
直す直さないの軸へ発展し、子どもをそのまま受け入れるのが難しくなる考え方だから、やめた方がいいですよ。
子どもが小さいうちは、環境の方を個性に合わせてあげる視点も大切ですが、
個性と社会適応は、なるべくうまくバランス取るのがいいって話もしました。
個性を伸ばすとは、子どもの存在そのものを認めて社会適応できるような成長を目指ことです。
評価じゃない認める言葉、「いいね」
これはオススメですよ。
いいね! /あすなろ書房/筒井ともみ | ||||
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転職に関しては、私も登録してみた信頼できる転職サイトがあるのでこちらから。
【はじめての学童指導員】登録した感想はかなり好印象、相談のみでもOK
スキルアップに関しては、
子ども心理/一般知識/事例/管理ポイント・・
個別にいくらでも学ぶことがあるので、それらを網羅して私ジャムがたくさん記事を書いています。
でも実は個別知識ばかり増やしても、根本的なものが足りないんです。
人間そのものを毎日相手にする学童クラブの仕事には、別次元のスキルや知識が必要、
というのが20年以上の経験と理系的思考による結論です。
・・では何が根本的に足りず、どうすればいいのか?
根本的に足りないもの
➔経営的な視点での基礎的な考え方、真の人間理解などのビジネススキル。
どうすればいいのか?
➔人に物を売るマーケティングを学ぶことで可能。
と思いましたか?(^^)
分野が全く違うように思えますがマーケティングを学ぶとは、人へ物を売ったり価値提供のために
✔ 人間を真面目に理解して読み解き、
✔ 発生した問題へどう対処すればいいか、
✔ お金/時間/情報/人材資源をどう使えばよいか?👆こんなのを学ぶ事になるので、結果的にあらゆる仕事に通じるスキルが身につきます。
これらが保育現場でも必要と言うのは、賢明なあなたには理解していただけるでしょう。
つまりマーケティングを学ぶと、どんな仕事にもつぶしが効く知識やスキルが身につくので、
保育に活用できるのはもちろん、ついでに副収入を得る程度は容易になり、収入面の不安もなくなってきます。
保育業界は価値観が偏りがちで、経験を積めば積むほど一般常識から離れてしまうジレンマがあります。
(経験が浅いと実感がないと思いますが、真面目に保育現場だけで経験を積むと必ずぶち当たる壁です)
特に現場リーダーや管理職になった時、一般的なビジネス知識やスキル有り無しは非常に大きな差となります。
良い主任や施設長は長い経験によって、自覚なしに身に着けているのですが、
あなたはその正体がマーケティングにより得られる知識やスキルということを知ったため、
それを学ぶことで、真面目に取り組めば1年ちょっとで10年以上の時間をショートカットして身につけられるわけです。
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