1.学童クラブで扱う4つの個人情報
1-0.個人情報を扱うには同意をもらうこと
前提としての個人情報とは何かお話していきます。
「個人情報」とは、
「生存する個人に関する情報であって、
その情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により当該情報が誰の情報であるかを識別することができるもの
(他の情報と容易に照合することができ、それにより個人が誰であるかを識別することができることとなるものを含む。)」
をいいます。
個人情報保護法第2条
東京都ホームページ 個人情報保護法の概要より引用
個人情報とは、その名の通り個人が特定できる情報です。
名前だけでは個人の特定は難しいけれど、「ここの施設を利用している人の名前」だと分かれば特定はされます。
写真と一緒に名札が写っていたら、どこの誰か分かりますよね。
背景から場所を特定されたら、住んでいる地域が分かってしまうかも。
写真の瞳に写った風景から、その場所を特定できる時代です。
びっくりするような細かい点から特定される時代
情報の扱いの前提は、
その情報は何のために集めるのか?何に使うのかの同意をもらうこと
なんの用もないのに集めるのは、管理しなくちゃいけないのと無くしたときのことを考えると、超リスクと余計な手間ですね。
その情報を得て、いったい何をするつもりなのか??
学童クラブの入会申請など、保護者の仕事の状況や、病気、経済状態などシビアな情報もあるし、
「書いてください」となってるけど、よく考えてみるといらない情報もよくあります。
「これはこういった目的で、このような時に使用し、このように管理しますので、どうかお願いします」
など同意をとることが今の時代は必要。
利用する保護者の中にも深い知識を持ってる人がたくさんいるから、考えなしだと突っ込まれますよ。
例えば写真撮影一つでも、昔は売ったり配布したりアルバムにしたり施設ごとに緩くやってたけど、もはや時代は変わりました。
写真を保護者の同意をとらずにホームページ掲載なんてしたら、いまの時代は一発でクレームが来ます。
気にせずやっている、
時代に取り残されたような
施設も少なくありません。
とはいえ同意を取るのは手間なので、年度の始めに一度だけ、
●この情報はこう言った場合とこの場合、またこの場合にも使います。同意していただける場合はサインお願いします。
などと広い範囲に適用できる同意書を用意しておいて、チェックしてもらうのが事務的にも楽。
口約束ではダメなので、書面にしておきましょうね。
1-1.紙に書いた情報の扱い方
具体的に扱う個人情報として、紙に書いた情報が一番多いと思います。
紙ベースの情報は、物理的な持ち出しの制限をかけること、紛失しないような持ち出し方をマニュアル化しておくのが有効です。
よくあるトラブルはいつの間にかなくなった。
- 持っていた紙をある拍子にどこかに置いた
- 名簿を外遊びに持ち出し風で飛ばされた
・・・残念ながら、実際にあります。
名簿の上に石をおいて飛ばないようにしたり。。
そりゃなくなるわ。
また物理的にイタズラ含めて子どもが持ち出しちゃうこともあるので、
- 名簿などを触らせない
- その辺に置かない
など管理的なルールもいります。
●個人情報を扱っている時は席を離れない
●声をかけられても片付けをしてから対応をする
●物理的になくならないように
1-2.電子データ系の個人情報の扱い
電子データとは、USBメモリのデータやカメラのSDカード、パソコン自体に保存してあるデータなど。
個人情報を扱うパソコンは、外部ネットワークに繋がらない環境で扱うのが安心です。
セキュリティソフトが入っているからといって過信は禁物。
ウイルスに感染してデータが流出したなどたまに聞きます。
「メールに添付するファイルを間違えた」「送信先を間違えた」みたいな初歩的なミスもあって油断できない。
だから万全を期すに越したことはありません。
個人で家で使っているUSBを、職場に持ってくるみたいな使い方もやめた方がよいでしょう。
カメラについて。
よくある事例としては、「カメラ自体がいつの間にかなくなっていた」という紛失事故。
カメラは毎日使うものではないので、保管場所を決めておかないとそうなります。
またカメラそのものが子どもの興味をひくものなので、子どもがランドセルに隠して持って帰ってしまった、という事例も聞いたことがあります。
カメラデータは紛失すると非常に厄介、ネットに動画や画像が流れたら消せません。
プールの風景なんて、子どもの水着写真データが紛失流出したら大問題。
写真をデータとして、カメラに入れっぱなしにしている施設も多いと思いますが、そのカメラ自体が紛失したらとんでもない事故に・・
だからいざ無くなったときに、なんのデータがなくなったのかすぐわかるように、余計なデータはカメラ内に残さないことが大切です。
また施設として、行事や日常のなかで保護者が写真を撮ることもあるでしょう。
その場合に何も注意喚起せず、保護者がブログなどに他の子が写っている写真をアップしたらどうなるか?
注意喚起をしてちゃんと知らせておいたのかが、施設の責任となるかの焦点になるようです。
保護者でなくても、見学に来た他の施設の方でも同じこと。
電子データ、紙のデータは管理を厳重にしてもしすぎることはありません。
持ち出しに制限と、持ち出す際の記録をつけるなどのルールを定めることで職員の意識を高める必要があります。
1-3.知っていたり覚えている情報の扱い
個人情報に関して、一番のリスクは人です。
子どもの情報を話していたら関係ない人に聞かれた、なんて初歩的なミスですが、頻繁に起きてます。
パート職員同士の単なる噂話でした
、じゃ済まないです。
パートの職員はもとより、ボランティアの方にどの程度まで情報を出すのかは、よく考えた方がいいでしょう。
知ってしまったらその方にも守秘義務が発生するから。
また紙データや電子データの管理ルールをいくら定めても、人の意識がいい加減だと防げません。
危機管理の意識を日常的、定期的に喚起しよう!
職員が何人かいると思うので、お互いに監視でき、必要なことはすぐ言える関係作りも大切です。
守秘義務が発生しない例外は、虐待に関する通報に限られています。
他の保護者に、「我が子を叩いた、あの子ってどんな子?」と聞かれてホイホイ答えてしまうのも情報の漏洩にあたります。
1-4.配布する情報についても注意
配布する連絡網や、お便りにのせる写真のこと。
配布する場合には、受け取った中の一人でも悪意を持っていたり魔が差すかどうか分かりませんね。
「学校のクラスの連絡網や住所の情報を、保護者の一人が名簿業者に売った」なんて話もありますよ。
同意をとった上での配布なら分かりますが、敢えてリスクをおかすことはないでしょう。
便利だからっていう理由だけで、連絡網の配布をやり続けるそのリスクはとても大きいものなのです。
今の時代、相手のアドレスが直接分からないようなメーリングリストとか、クラウドサービスなど代わりの方法はあるので検討したらいかがでしょうか。
2.学童クラブで個人情報の紛失が分かった場合
万全のシステムを作っていても一番のリスクは人なので、完璧になくすのは難しいかもしれません。
ヒヤリハット程度ですめばいいけれど。
紛失がわかった場合はすぐに探すよう、全職員に協力を求めましょう。
と次の日に回すと、その日にいる人で探したら出てきたかもしれない可能性がなくなります。
時間がたつと対応の難易度がすぐに上がっちゃいますよ。
3.学童クラブでの個人情報の扱いについて気をつけるポイントまとめ
いかがでしょうか。
ここに記載した以外にも、情報の漏洩にはよほど気を付けた方がよいと思います。
単に盗難にあった場合でも、施設としての管理責任が問われるくらいだから。。
学童クラブや児童館では、残念ながら危機意識が足りない施設が令和になってもまだ多くあります。
私が目にした中では
●鍵もない棚に無造作に置いてあるファイル名簿を、簡単に持ち出せたり
●育成中に連絡先のリストが開きっぱなしで机の上にあるのを、子どもが勝手に見ているのを放置してたり
●外遊びのときに一枚の名簿をその辺に置きっぱなしにして、風に飛ばされないように石で押さえている
一般企業なら考えられない低レベルの次元でした。
管理職含め、意識の低さは改善の必要があります。
万全を期してなお起きるのが事故なので、基本的な個人情報の扱いに関して抑えておくべき、という話でした。
学童クラブ支援員や保育士など、保育者の方向けプレゼント配布中↓
このサイトでは子育て情報や子ども心理などのほか、学童クラブ~保育園や小学校の子ども向けのおすすめの遊び/オススメ本をそれぞれ100以上紹介しています
見やすい記事一覧です
👉️地域・自治体別の学童クラブなど👈️
学童クラブに関するよくある疑問はこちら👇👇👇