学童クラブ支援員の子どもについての悩みなど
学童クラブ職員が抱える悩み、困ってることのうち、対子どもについてよくある疑問についての回答記事です。
ヤフー知恵袋などに学童保育、その年齢の子どもに関係した質問がたくさんありますが、
✔普通の感覚の答え
✔非常に偏った返答
✔質問者への攻撃
入り混じっていて参考にならないのが実情です。
そのため学童クラブにより違うことは前提として、一般的・王道的な回答を理系思考+児童館・学童クラブ勤務20年以上の経験を元にお答えしていきます。
私の答えがベストな場合もあるし、それ以上の案や意見もありますが、
少なくとも学童クラブ年齢層の子どもや家庭ばかり20年以上関わってきた経験や業界知識は、あなたのお役に立てると思います。
質問の参照元はヤフー知恵袋、教えてgoo、発言小町、子育て相談ドットコム、私が学童クラブで過去に受けてきた質問など。
またジャムの回答方針や根拠は
などを元にしています。
学童クラブ勤務歴20年以上の知見が、
あなたのお役に立てれば嬉しいです。
学童クラブに関してのよくある質問の一覧はこちら
1.男だけど女の子への接し方、スキンシップはどうしたらいい?
学童クラブの男性職員へ
「女の子目的で仕事してないわよね・・」と怪しむ目は0じゃありません。
人柄を知れば大丈夫になるけど、自衛のためには女の子相手は油断せずに気をつけるべき事柄。
子どもとの距離が近すぎるとか、おんぶや抱っこで体が密着するような状態、
または話を聞くときに1対1で個室に入ったり、ケガを確認するのに服をめくるとか、クリームが入りかねない危険行為なのでやめましょう。
できれば職場として禁止行為をルール化したほうがいいくらいです。
スキンシップで手を持つのはOKとか、抱っこくらいはOKとか許容範囲は人によるので、少なくとも保護者の見えるところではいつもより気をつけましょう。
【男性指導員が学童で気を付ける事】女の子抱っこNG〜世間の目あり
2.膝の上に乗ってくるのはアリ?
膝の上に乗ってくる子どもをどうする問題は、学童クラブ職員へ問いかければ大きな議論が起こる10大問題の1つ。
正確には子どもを膝の上に大人が乗せるよりは、座ってる大人に子どもがグイグイ来て膝の間に潜り込むのが多く、拒否するのが難しいと思います。
それでも放置するのは危険。
注意されると「スキンシップで甘えさせてる」という反論をする人もいるけど、ダメな理由はいくつかあります。
・他の行為や相手をしても満たされるので、わざわざ注意される膝の上に乗せる必要はない
・学童の相手は小学生、年齢にそぐわない
・単純にヒイキしてるように見える
・男性と女の子では性的な意味でも✕
「甘えさせてるんだよ」「信頼関係だよ」みたいな主張に対してダメな理由が強く、「議論が起きる」とお話したけど実際には議論になりません。
膝の上に乗ってきた子に対して「あなたはもう小学生なんだから、ダメよ」と明確に突き放す方がいるくらいです。。
まあ個人的に、そこまで拒否する必要はないと考えていて、
入り込んできたら10秒くらい耐えたあと、
「重いなあ」と言いながら降ろし、降ろしたあとでも通常の相手はする。
👆この程度で上手くいなすのがオススメです。
3.学童で「構ってほしい」ベッタリな子に困ってます
学童クラブで働いてると、自分の取り合いになって困ることがあります。
指導員としては「みんなで遊ぼう」スタイルだけど、子どもは大人を独占したい。
他の子が「入れて〜」とやってくると
板ばさみになった気分・・
この場合の対処法は、
相手する時間を、分かりやすく区切ること。
来た子には「今これ二人でやりたいから、これが終わったらね。」と目の前で時間的な約束をする。
終わりのラインを明確にするのがコツです。
●区切りを明確にする
●約束は守る
この2つの姿勢を見せるのが、経験的に有効。
贔屓してるわけじゃないけど、本人は特別扱いされてる気分になってもらう関わり方や声掛け、
相手の性格や構ってほしい原因にもよるから、文章じゃ説明が難しいです。
ただ構ってちゃんになる原因が分かる、例えば愛着障害っぽい子には、小手先じゃなく日常的かつ職員チームワークで対応を考える必要があります。
4.子どもに「秘密ね」と言われた、際どい内容ってどうする?
子どもと仲良くなると、際どい秘密を打ち明けられることがあります。
家庭状況だったり、抱えてる悩みだったり、中高生だとかなり踏み込んだプライベートな内容も含みますね。
基本的には子どものプライバシーで、秘密にしてほしいと打ち明けてきたことを含めて、他の職員と共有することが必要です。
知っておけばストレートに言うわけじゃなくても、相応の配慮ができるから。
背景を知ってれば、かける言葉かけも変わってきます。
ただ信頼関係にヒビが入るのは、子どもがあなたにだけ打ち明けた秘密が他人に漏れた時。
だから職場の人は信用に足るか?によります。
職場が一枚岩じゃなく、バラバラでチームワークも発揮できてないなら、他の人経由で「あなたに聞いた」ことが本人に伝わりかねません。
そんな状況なら、信用に足る特定の人だけに相談するのもあり。
くれぐれも一人だけで悩まないよう。
一人で抱えるには辛いものがあるのと、何かあったときに全責任が自分一人に降りかかってくるからです。
5.子ども同士の喧嘩仲裁が難しく、悩みが多い
子どもの喧嘩にはいろんな状況がありますが、大きく分けて2種類あります。
①すぐ止めるべきケンカ
②見守りつつスタンバイしておくケンカ
すぐ止めるべきケンカは、ざっくり言えば不公平感があるものや、普段からの関係の延長で起こるもの。
具体的には人数差、学年差、力関係の違い、いつも折り合いが悪い子ども同士などなど。
身につければそう難しくないですが、場合分けでの対応になるので、ここじゃ書ききれません。
こちらの記事を参考にしてくださいね👇
【学童の子どもケンカの仲裁】介入から解決まで6段階テンプレート
6.言ってるそばからダメなことを繰り返して困る
子どもがいけないことをしたから止めて話す。
話し終わって解放したそばから繰り返す・・学童あるあるですね。
これは"子どもの性質"なので、仕方ありません。
小学生なら一度言えば分かるだろう、というのは過ぎた期待。
イメージで小学生を美化したり、習い事系の民間学童クラブなどでいい子しか見てこなかった場合、ダメを繰り返す子にギャップを感じて
怒ったり、落胆したり、諦めたり
これは大人側の捉え方の問題です。
子どもは行きつ戻りつして長期的に成長する存在、一桁の足し算を覚えたら明日以降は忘れないみたいに、一方通行じゃありません。
そして大人側の過度な期待は、子どもの成長を曲げます。
多くても家で兄弟2〜3人程度しか見ない状況じゃなく、学童クラブは子どもが何十人もやってくる施設、いろんな子がいて当然です。
たくさんいると人と比べたくなる人情ですが、子どもを見るプロとしてはダメ。
期待せずにありのままを受け入れたあと、どう関わるか考えるのが仕事になります。
【人に期待しないアドラー心理学】人間関係で悩まない重要マインド
7.とても静かな子が気になるけど、どう関わればいい?
学童クラブには目立つ子が多いので、いつも静かにしてる子に関わりたくても手が回らない現状がありますね。
また気づいてても、どう話しかけたらいいか分からない。
・・でも「何か話しかけよう!」と気負う必要はありません。
その子のペースがあり、静かにしてるのが苦痛じゃなく好きな場合も多いからです。
ただせっかく学童クラブに来てるので、友達や他の人とも遊んでほしく思うのは自然。
だからその子も一日中、ずっと読書してるわけじゃないと思うので、気まぐれでも他の遊びに入ってきたらその時に関わればOK。
またはおもちゃを仲介して、「これやろうよ〜」と誘ってもOK。
ずっと本を読んでるなら本を持って隣に行き、「何読んでるの?」
一言でも話しかけると、その子にとっても違います。
それで気が変われば話し出すかもしれないし、ペースのまま読書を続けるかもしれない。
静かにしてるのは別に悪いことじゃないので、本人がその状況で問題ないなら構わないのです。
みんなが楽しみにしてる遠足予定を出したら、
ディズニーへの遠足なんて、
行きたくないって言ってるんです。
対応できますか?
こんな子もいました。
運動会もみんなが楽しみなわけじゃない、学童クラブで働きたい人は元気で活発、体育会系が多いけれど、静かな子にはその子なりのペースがあります。
その辺の支援や、受け入れも学童クラブ職員の仕事だと私は思います。
8.子どもの悪口や攻撃が自分に向いてる時の対応は?
子どもは慣れてきたり、ストレスのはけ口が学校にも家庭にもないと、学童クラブで大いに発散します。
それが他の子へ向いたり、学童クラブ職員に向くと、自分がターゲットになる場合も少なくありません。
あなたが新人やパート職員で、対処できないなら他の大人を頼りましょう。
子どもと同じ感情の領域に入り、あなたが怒鳴ったり怒ったりして応じるのは得策じゃありません。
ただ同僚や先輩が頼りにならない場合、その学童クラブはダメかもしれません。
一人で耐えてもラチがあかないと、精神的に参ってしまい、人の世話を焼く学童クラブの仕事なんて無理になるからです。
子どもの暴力や暴言、助けもない環境に嫌気が差して辞めていく支援員も実際にいます。。
一方で正しい経験があれば一人でも対応の目処はつきます。
具体的には呼び止めて場を設定して複数職員による対話、それをきっかけに日常的な関わりを変えていく。
もしくはストレス源が家庭や学校などにあるなら、保護者面談の設定なども視野に入り、
発達障害を抱えてればストレスが高くなりやすいので、やはり家庭との連携が必要になってきます。
まあ経験があっても保護者面談するなら独断じゃなく、チームワークも必要・・
というところで、人を頼れない学童クラブは終わっているのです。
9.暴言・暴力が絶えない子どもへの接し方への悩み
暴言や暴力が絶えない子は、おそらく発達障害や過度なストレスを抱えています。
そこで"言っても表面的な行動が直らないから"と、上から圧をかけると、困り事が悪化するのでやめましょう。
圧が弱い人、優しい職員や下の子へ暴力の矛先が向かうからです。
Aさんがいない時に荒れるのよ
というのは、信頼関係ができてるのがAさんだけか、Aさんが押さえつけてるかのどちらか。
非常に難しい問題ですが、基本的には日常的な関わりによって信頼関係を築いて対話をし、
原因に当たりをつけて必要なら保護者と協力することでのみ、解決の糸口が見えてきます。
信頼関係を築くのはいろんな方法がありますが、遊べば良いわけじゃ無いのでご注意を。
すぐには改善しないので、あなたにも耐性が必要になってきます。
10.とっさの対応や言い方に迷い、悩みを持って、後悔することが多いです
子どもとのやりとりで、
☑こんな時はどう言えばいいんだろ??
☑あのとき、こう言えばよかったかも。。
学童クラブの仕事は、こんなことの連続です。
時間をかけて考えながら仕事をした経験でのみ、対処方法が身についてくるわけですが、残念ながら長く働けない施設ばかりな現状です。
だから私が、こんな時にどう言うの?を記事でまとめています。
言葉かけと声掛け【具体例】学童の子どもに伝わる言い方や切り返し
これ以外にもとっさの切り返しは無数にあるので、聞きたいことがあればコメント欄へ書き込んでくださいね(^^)
11.子どもとの遊び方が分かりません、の悩み解決
小学生との遊び方、距離感が分からずに近すぎたり、逆に遠すぎて見守ってるつもりが
こんなん言われるのは、よくある笑い話です。
はじめのうちは、寄ってくる子の相手をしてるだけでOKで、
慣れてきたら自分でも話しかけて、暇そうな子を誘っていきましょう。
子どもどうしで問題なく過ごしてるなら、問題の種が見えるまでは見守ってるだけでOKです。
まあ中はグイグイ入っていく人もいますが、子どもの世界を荒らさない限りそれも広い意味での人間関係なので、私は構わないと思いますよ。
職員が子どもと遊ぶの禁止、という訳のわからない学童クラブも世の中に存在します。
職員が特定の子ども相手すると管理的な仕事が疎かになる、という理由からです。
でもこれは職員を教育しきれない上、人手にも余裕がない、と言ってるようなもの。
運営側に問題が潜んでいます。
12.子どもが自分のせいで怪我したらどうする
学童クラブではいくら気をつけても、職員が子どもへ怪我をさせる場合があります。
●遊びで畳の上を引きずったら、服がめくれて背中に擦り傷とか。
●危険行為をやめず、子どもの腕をつかんで引っ張ったときに打ち身をさせるとか。
怪我をさせたことが分かったら本人へ謝るのと、保護者にも伝える必要があります。
親が傷を見て
自分のした悪事は言わず、やられたことだけ親に言う👈アルアル。
対応が遅れるほど収集つかなくなる可能性が高まりますが、子どもが帰るタイミングで先に電話連絡したり、連絡帳に書くなどワンクッション置けばほぼ大丈夫。
あなたがパート職員なら、親への謝罪は常勤職員の仕事。
なので、子どもがケガした可能性があるときは、その子が帰る前に必ず責任ある職員に伝えておきましょう。
言わずに他の職員は誰も知らない状態で帰し、親が家で聞き取り大クレーム、
全てが後出し対応になって退職に追い込まれた方を知っています。
人相手に働く身として自衛のための行動も必要で、学童クラブの仕事では包み隠さず共有するのが大切です。
13.学童の子どもとオンライン上でつながるのってアリ?
学童クラブでも2年生〜高学年になればネットゲームをよくやってるので、支援員と子どもが友達感覚になると
アカウント共有して一緒にやろ!
とか誘われたりします。
・・これ、応じたらダメなやつです。
ネット上のやり取りは保護者にはとても見えにくいので、イメージで判断されます。
関係が良いうちは大丈夫でも、些細なきっかけで不信感を抱かれたら、
何してくれてるの?
仕事じゃないでしょう。
けっこうな問題に発展しかねません。
同じくSNSやライン連絡先交換など個人的には慎むべきだと考えます。
相手が感じの良さげな保護者でも同じこと。
プライベートと仕事は分けるのが人相手の仕事、特に福祉系では常識です。
学童クラブのアルバイトが退勤後に道端で子どもと出会い、ゲームの話で盛り上がったとか、ゲームデータを交換する約束したとか、
私の勤めていた学童では発覚次第、厳重注意でしたよ。
取り決めのない学童クラブは、何かあった時には個人責任として切られ、守ってくれない姿勢の裏返しなので危ないと思います。
【プライベートな関係NG】職員と利用者の個人的な付き合いはダメ
14.卒会した子どもと、仕事を離れた施設外で遊ぶのはOK?
利用者とのプライベートな関係は慎むべき、というのは福祉職の常識です。
じゃあ学童クラブを卒会して利用者じゃなくなった子ならいいのか?
・・これもダメです。
相手が成人すれば許容範囲と思いますが、子どもは保護者の下に生活しています。
学童クラブ職員といえど、プライベートで身内でもない大人と過ごしてるのはいい気分しないでしょう。
一度でも些細な問題から不信感が生まれれば、
施設外は基本的に職場の管轄外なので罰を受けるのは個人、職場は守ってくれません。
なおかつ施設にも迷惑がかかります。
仮に公務員なら問題が起きる前から信用失墜行為の禁止に当たる行為、民営の学童クラブと言っても同じことです。
15.子どもの問題行動へ悩み。いい対応が知りたい
子どもはいろんな問題行動を起こします。
お話的には「問題行動は本人が困ってるSOS」と言われますが、実際に現場での対応は大変なので、綺麗事は言ってられませんよね。
問題行動への対応としては
行為そのものへの対応
原因への対応
両面からのアプローチが必要ですが、行為そのものの危険性が高い場合はまず止めること。
その上で発生原因を探って、
と当たりをつけて、数週間くらい関わってみる。
それで改善すればOK、ダメなら別の原因かやり方が悪かったか、試行錯誤していきます。
このとき保護者との連携が必須。
なぜなら施設内で職員がチームワークを駆使して頑張っても埒が明かなかったけど、
家で親の関わり方を変えてもらったらすぐ改善する、ということが多いから。
また問題行動として出てくる行為には暴力、緘黙、パニック、盗癖など色々ですが、それぞれで有効な対応はある程度決まってるので、
各記事を参考にしてくださいね。
ありがとうございました
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