小学生の子どもに対してのイライラ
小学生の子どもに対して些細なことで毎日イライラ
・朝から子どもがモタモタ、嫌な気分になる
・片付けられてないレゴを踏むと怒りが湧いてくる
・子どもがイライラしてると自分まで気分が悪くなる
・仕事で疲れてるのに家でも疲れる
・調子が悪い中で料理してるに、子どもは部屋を散らかしてご飯が出てくるのをただ待ってる
この記事を見つけたあなたの状態は、こんな感じでしょうか。
東大出身 理系保育士ジャムです。
私は仕事柄、対処法は知った上で2人の子どもを育ててますが、妻は子どもとは無縁の仕事。
3歳とか小さいうちは「仕方ないわね」と流せていたことが、小学生くらいができることが増えて来るので、
いろいろやって欲しい期待と、実際には空返事で動かない子にイライラ・・距離感や接し方でよく悩んでました。
学童クラブで働いていて中でも、子どもが苦手な保護者は結構いたので、同じような悩みを持つ方も少なくありません。
子どもにきつく当たってしまう、イライラする~専門家に聞く関わり方~
NHKで特集が組まれるほど普通ですが、ここでは対象年齢を小学生に絞って、【小学生くらいの子どもにイライラしない付き合い方】
これについてお話していこうと思います。
とるべき行動をキャリア20年以上の視点から理由付きでコツも書いているので、方針がハッキリとし、あなたの悩みが解決に向かうと思います。
1.子どもへのイライラ発生源、原因は4つ
どんなに穏やかな保護者でも、どんなに穏やかな子どもでも、程度の違いはあっても大人のイライラが0というのはあり得ません。
子どもが乳幼児期に抱いてた、こんな淡い期待は見事に覆されましたね。
乳幼児の頃は睡眠不足・疲れからくる自分の余裕のなさ、見通しがたたないこと、助けになる人がおらずワンオペ状態だと文字通りヘロヘロ。
「子どもが大きくなれば・・」
でも、いざ小学生になったらなったで、質の違うイライラが湧いてきます。
なぜなら苛つく原因に「やれるはずなのに、自分からは全く動かない子どもの姿」が追加されるからです。
乳幼児だと「できないからしょうがない」、で流せてたことが流せなくなるのは、「できるはずだから、やってくれるはず」を期待するから。
これら小学生や学童くらいの子どもへイライラする原因は、まとめると4つ
・子どもへの期待
・一時的な感情を抑えられない
・自分の余裕のなさ
・自分が病気かもしれない
それぞれお話していきますね。
2.小学生くらいの子どもへの期待→期待外れへの対処法
2-1.自主的にやれる小学生は少ない〜「できる」と「やる」は違う
小学生になると、お手伝いとかできることは確かに増えてきます。
文字も読めるし計算もできる。
「できない」が圧倒的に多かった幼児に比べて、小学生は「できる」が多くなる。
だから親は「やってくれるだろう」を期待しますが、ここに落とし穴があります。
だいたい普通の2〜6年生小学生の姿は
・家事や片付けは言われなければしない
早い話が「指示待ち」ということ。
社会人だと自主的に動かない人を見てるとイライラしてきますが、それと同じ構図。
だから家事の手伝いなどやってほしいなら、やるタイミングなどを教えていく必要があります。
小学生2年くらいから数年かけて習慣化すれば、短ければ3年生で
・様子を見て動けるようになる
にようやく変わってくる程度。
しかし子どもなので眼の前の興味を優先したり、忘れたり、気分でやらないとか、ムラが大きいです。
だから教えた結果、できる日が増えたとしても、過度に期待しないほうが良いでしょう。
「言われなくてもやるだろう」は見事に覆されるので、期待外れからイライラが生まれます。
また家事や片付けが自主的にやれる子の中には
・強制され、怒られ続けてやる状態になった
↑こんな子がいます。
こうなると仮に家事はできるかもしれませんが、情緒的にひずみが出てきます。
怒りっぽさや、少しのことでビクビク怯える、大人の目を気にして動く、人へ気を遣いすぎる、自分の感情を出せない、感情を出したかと思えば爆発したように出す。
子どもをこの方向にしつける保護者は子どもへの期待が膨れ上がり、他の家の子どもと比べたら遥かに頑張ってるのに、小さなミスにもイライラする傾向があるのでご注意を。
こうなると子どもではなく親の方に問題が多く、時に大人の発達障害などが隠れている場合があります。
私はアダルトチルドレンと言える子どもを何人も見てきました。
最近ではヤングケアラーという言葉も有名ですね。
親が子どもだった頃、手伝いとしての掃除や洗濯、買い物や料理で遊びにも満足に行けず、家事を強制的にやらされた。
時代や地域によって、こんな記憶を持つ保護者もいます。
親の記憶も飛んでるし、嫌だった感情もあるはずなのに、我が子にそれを求め、できないとイライラ。
虐待の世代連鎖と同じ構図です。
時代も違うし、"こんなのはヤングケアラーだ!"とう情報も知られている。
小さい頃の自分を思い出して我が子に重ね、イライラが募るような場合は、再度になりますが親自身に問題が潜んでいます(4章 自分が病気かも)
2-2.期待しないまま約束してみる
小学生の子どもへのイライラは、この「できるからやってくれるだろう」という「子どもへの期待」が原因です。
そのため子どもへイライラしないためには、子どもの今の姿をそのままニュートラルに見て、期待しないことが有効になります。
期待しないというのはアドラー心理学由来で、相手が子どもだけでなく、配偶者や他人に対しても感情的にならないための、人付き合いする上で非常に効果の高い考え方です。
アドラー心理学の本
このくらいの子どもはこんな感じ、を知る
期待しないと言っても、子どもの成長を願ったり、希望を持ったりするのは親としては普通なので、そんな感情まで抑えて「諦めろ」という事じゃありません。
あくまでも子どもの行動に、イライラしたり感情を揺さぶられないための考え方です。
そこで役立つのは「一般的にこのくらいの年代の子は、これくらいできる」についての知識。
これがあると我が子に求めていたことが、一般的には難しいことを知り、我が子が優秀なのにそれ以上を求めてた・・なんてのが分かります。
一応、「時間になったら動く」は3年からチラホラできる子が出てくる程度で、学童クラブでたくさんの子どもを見てきた限り・・
1「自分から時間になったら声掛けなしで動ける」は2割
2「言われてできる」が2割
3「くり返し言われてやっと動く」が4割
4「言っても動かず、怒られたり乗せられてやっと動く」が残り
2年生くらいまではほぼ3か4で、性別でも男の子は高学年でも概ね3、4。
早い話、ほぼ女の子でよくできた子と言われるような子が、3年生とか高学年になると可能性がでてくる程度です。
子どもなので気分によっても大きく変わることも忘れないでくださいね。
まあ思春期の女の子は、家事や手伝い以外に別の問題がたくさん出てきますが(笑)
親の子どもへイライラ原因、時間に関しての約束してみる
子どもにイライラする原因に、もたもたする、言われないとできない!など時間に関するものが多いので、それについてお話します。
さっき1時間を見て動けると紹介したけれど、そうはいっても「決まった時間に学校に行く」とか、ごく限られたことに留まります。
そして多くの子は何度言っても時間ギリギリに動くので、見通しは持ててません。
状況を見て動く、というのが非常に難しいわけです。
これはいくら親がイライラしても子どもの特性と言えるので、怒り損です。
だから例えば学童クラブでは、「3時になったらおやつ」など1日の予定を時間で決めます。
毎日のルーティンを決めておけば、
✓言わなくても動ける →5割
✓声掛けして動ける →4割
に跳ね上がるからです。
ただ家で毎日同じ時間は無理なので・・
●「もうすぐご飯だよ」の言葉で「片付け・ご飯手伝い」
●「30分くらいでご飯」みたいに予告して、そらに10分、5分とか刻んで言ってみる
このあたりが妥当な線。
声をかけて「いつやるの!?言ったよね」
とイライラを毎日ぶつけてると思うので、こんな感じで約束してみましょう。↓
5時になったら
やりな
子どもが何かしてる時に言ったつもりでも、誰でも上の空、カラ返事が多いので、聞こえてるか(理解して聞いてるか?)の確認は必要です。
できない、遅れてると言っても、子どもの成長はそれぞれなので、特に問題はありません。
3.怒りの出し方に向き合ったり、距離を置く
親の期待外れからイライラを募らせると、時には怒りをぶつけてしまうでしょう。
子どもが言うことを聞かないのが日常茶飯事なので、
ふざけるな!
こんな言葉をかけて、あとから罪悪感に苛まれている親は少なくありません。
またはそれが日常化して、罪悪感も感じなくなっている方も多いです。
怒りの出し方を知らないことによって起りやすい状態ですが、これについてもあなたは悪くありません。
単なる性格の問題とされがちですがそうじゃなく、怒りの出し方なんて経験で積み重ねてるだけで、実際に習ったことない人が大半だからです。
怒りの出し方は習えば身につく技術。
とはいえ人相手の福祉職でもアンガーマネジメントは非常に大切なのに、研修がない施設が9割なことを考えれば、一般家庭の親御さんができなくても仕方ありません。
アンガーマネジメントについてはこちらでお話しています。
【アンガーマネジメント 学童保育編】子どもと大人の怒りコントロール
または本もたくさん出ているので、参考にしてください。
一つだけすぐ実践できる例を挙げると、怒りを感じたら言葉遣いを努めて冷静に出すこと。
自分の言葉で怒り感情がさらに増えて歯止めが効かなくなるので、自分の言葉をまず抑えて
ーします
ーですね
です、ます調で話してると冷静になってきます。
子どもに圧をかけてるように感じますが、怒鳴り散らすよりは遥かに良いと思いませんか?(笑)
それでも長期的に訓練しても怒りを抑えられない、イライラが募る場合は4章「大人の発達障害など、持病が子育てで明らかになる場合も」に該当する可能性が出てきます。
言葉かけが大切
↑子どもへ関わるとき頻繁に出てくる言葉ですが、実際にその通りです。
言葉遣いの悪い親を持つ子は、友達と遊んでいて思い通りにならないと、親と同じ言葉を使います。
・怒りで相手をコントロールしようとする子ども
・言葉ではなく怒ったらなんとかなる、を親から学ぶ子ども
・言葉遣いからトラブルが増える
・高学年になると、まともな友達から敬遠される
・あの家の子か、、と家庭ぐるみで避けられる
親の言葉遣いが悪いことで、良いことは何一つないどころか、害悪しかありません。
しかしながら言うことを聞かない、一回は聞いても繰り返す子ども、にイライラするのは仕方のないことです。
逆に言えば、イライラするタイミングは必ずやってくる、というのが既に分かっていると言えます。
そこで怒り感情はコントロールできないので、感情の出し方をコントロールする。
怒り感情がやってくることは分かっているので、対策も立てられる、というのがアンガーマネジメントです。
4.子どもにイライラしないために協力してもらう人、使える社会福祉を探す
子どもにイライラするのは、ワンオペで孤立無援、夫の仕事が毎日遅いとか育児に協力的じゃないなど、協力者がいないと増大します。
そこでいくらアンガーマネジメントを駆使しても、疲れや余裕のなさから限界が訪れる。
夫や妻と相談して、できるところだけ協力してもらうのが一番いいと思いますが、家庭の事情や性格もあるので一概には言えません。
親戚や自分や配偶者の親を頼るのも限度があるし。
今や地域ぐるみで子育てをし、隣近所が助けてくれる時代じゃないので、家族や親戚を頼れないと簡単に孤立しそうな世の中です。
しかし実際には代わりに、福祉が充実しつつあります。
地域や住んでる場所にも大きく左右されますが、話を聞いてくれたり、場合によっては一時的に子どもを預かってれるような所もあるので探してみましょう。
知らないだけで、調べたら案外出てきますよ。
- 児童館
- 学童クラブ
- 小学生の担任
- スクールカウンセラー
- 出身保育園
- 子育て支援センター
- 福祉事務所
- 市役所の相談窓口
- 民生委員、児童委員
- ファミリーサポートセンター
- 近隣の子育て支援関連のNPO団体
- ショートステイ事業者
近くにある福祉施設は例えば東京だと、東京都福祉保健局みたいにネット検索できますね。
「小学生なら学校!」は誰でも思いつきますが、はっきり言って小学校の担任は超多忙なので、トラブルのあったときに介入してくれる程度、日常的な助けは期待できません。
そして毎年担任は変わるので、相性でも当たり外れも多いですね。
そもそも学校担任は教育が仕事であって、育児や家庭支援は仕事じゃないので、仕方のないこと。
そこで私のオススメは児童館、小学生や学童なら学童クラブです。
机に座ってない自由に過ごしている子どもの姿を日常的に見ている大人は、親を除いて児童館や学童クラブの職員しかいません。
児童館は勝手に遊びに行く施設なので、親が出向かないと子どもの情報はもらえませんが、
最近の傾向としては児童館の相談機能が重視され、施設によっては相談担当の専門職員が配置されたりもあるので、けっこう話を聞いてもらえます。
学童クラブは言わずもがな、単に子どもを預かってもらう施設と思いきや、家庭支援が仕事の一部です。
職員の名前は正確には「放課後児童支援員」、育児や本人の発達など幅広い支援をするのが仕事。
子どもを毎日見ている分、その子の課題や見通しを教えてくれたり、学童クラブにいる間の指導や教育もしてくれるかもしれません。
↓画像は
放課後児童クラブ育成指針より
子どもも行く場所を知らずに家ばかりいると、親のイライラが募るので、行ける場所を教えて出かけてもらいましょう
【小学生の放課後の居場所】過ごし方の選択肢として学童クラブや児童館
5.大人の発達障害など、持病が子育てで明らかになる場合も
ここまで
- 子どもに期待しないでニュートラルに関わる
- 怒り感情のコントロールを学ぶ
- 社会福祉を使う
こんな話をしてきましたが、子どもの小さなミスを流せず、積み重なってイライラが募り、数時間〜数日それが続いて我慢できず、感情もコントロールできない。
こんな状態になる場合、あなたの精神面に問題があるかもしれません。
大人の発達障害に含まれる、自閉傾向、注意欠陥多動傾向に加え、うつ傾向、HSP傾向なども自身の特性によって子どもにイライラしている方も少なくありません。
こんな特性は、子どもを持って初めて知る方も多いです。
・学生時代に周りにいるのは先生や同級生
・社会人になってからは先輩上司や同僚
話せば通じる人相手に何とかなってた場合も、相手が話してもわからない、生の感情をぶつけてくる、何度言っても繰り返す子ども相手になって立ち行かなくなり、
辛く当たってしまった。涙が出てくる、しばらく一人になりたい。
一人になっても気が晴れない毎日、ついに不眠気味になって受診したら大人の発達障害が分かった・・←よくあります。
それでも「性格」で済ませている方も多いですけどね。
学童クラブで働いてたとき、自分ではまともだと思ってるけど、絶対に精神系の何かを抱えてるような保護者は何人も見てきました。
自覚して受診してくれたら、それなりの支援ができるのに・・とヤキモキしてた。
そんな人ほどクレーマー気質なので困る・・なんて本音は秘密(笑)
精神系の疾患はなかなか自分では分からないので、怪しければ受診するのがジャム的には○。
適切な薬を出してもらったり、お医者さんに話を聞いてもらうだけでも好転するかもしれません。
それで子どもにイライラをぶつけるのが減れば、子どもにとっても嬉しいこと。
昔は精神疾患なんて恥ずかしい、という風潮があったけれど、今は診断されて得をすることで「恥ずかしい」という感情を消してくれるようになってます。
補助金が出たり、福祉的な優遇を受けられたり、仕事で休暇をもらえたり、
仕事してなくても、疾患による申請での学童クラブ入会も可能です。
大人の発達障害の記事はこちらを参考に。
学童で働かなくても、一般的な特性や対処、周りへ協力してもらうことなどをお話しています。
【発達障害でも学童で働くには】ADHD/HSPなどハンデのある場合
6.小学生くらいの子どもにイライラしない付き合い方まとめ
いかがでしたか?
小学生や学童くらいの子どもにイライラするのは仕方ないのですが、その原因には子どもへの期待が潜んでいることを2章でお話しました。
家事手伝いなどできることが増えても、自主的にはやれません。
「様子を察して動け」、は発達的に一般的には無理な年齢です。
また言えばサッと動くわけでもなく、気分によって大きく動きが違います。
3年くらいだと一度言ってすぐ動ける子はごく少数なので、そこを期待してると、期待ハズレから怒り・イライラが出てくるので、
まずは期待を抑えてニュートラルに子どもを見てみましょう。
言ってもできない、片付けはできないがオフセットと思って「期待しない」のが子どもと関わるコツ。
期待してないと思いがけず早めに動くと嬉しくなる、褒めやすくなる副産物も出てきます。
イライラをぶつけすぎて後悔を繰り返す場合はアンガーマネジメントも学んでみると役立ちます。(3章)
また自分で頑張るには限界があるので、協力してくれる人を探すのも大切。
小学生なら学童クラブ職員や児童館がオススメ。
配偶者や学校担任など当てにならない人に期待して、期待ハズレにならないよう気をつけましょう。(4章)
どうしても子どもへのイライラが収まらず、生の感情をぶつけたあとに後悔し、自己嫌悪や「自分なんて居ない方が良いかも・・」なんて感情が浮かんでくる場合は精神疾患になりかけかもしれません。
または今まで見えなかった大人の発達障害・HSPなどの特性が、子育てをして子どもが小学生になって初めて分かるケースもよくあります。
怪しければ受診してみるとスッキリする場合も。(5章)
参考になれば幸いです
ありがとうございました
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