0.この記事で障害児の範囲
一口に障害児といっても、
- 身体的な機能
- 知的な部分
- 情緒の安定
- 人格や精神的な部分
範囲が大きすぎます。
障害の有無で区別のように書くのは私も本意ではないし、一度でも関われば障害有無は関係なく「◯◯君」として関わることになるので、
単に表記上の分りやすさのため、と捉えて下さい。
障碍児とか書いたり、健常者を定型発達者と呼ぶことに対して障害者を非定型発達者と呼んだり、考え方によりいろいろな言い回しがあります。
しかしこの辺のこだわりを持って書いても分かりにくい記事になるだけ、敢えて法律的な"障害児"と表記していきます。
そしてこの記事では障害手帳を持っていたり、特別支援学級や特別支援学校に在籍しているような、ある意味「狭い範囲」の障害児についてお話していきます。
👆いわゆる福祉サービスの対象になっている子どもたち。
問題児はいわゆるグレーゾーンの子どもを指していることも多いですが、この記事で扱うと混同されてよく分からなくなるため扱いません。
1.学童クラブでの障害児受け入れの基本的な考え方
学童クラブで完璧なインクルージョン実践は無理がある
学童クラブはもともと、保育園卒園後に子どもの預け先がなくて困っている当事者の父兄が立ち上げたり、自治体が住民の声から独自に作ったことがルーツ。
困っている人を支援する福祉的考え方が基の人助け的活動。
だから人助けの一環として障害児についても、可能な限り昔からの流れで学童クラブで受け入れています。
今は障害があってもなくても同じようにしよう、必要な支援をしながらってインクルージョンの考えが主流になっています。
保護者の就労支援・育成支援が学童クラブの役割なので、障害の有無で区別しない思想は自然なことです。
インクルーシブ教育
人間の多様性の尊重等を強化し、障害者が精神的および身体的な能力等を可能な最大限度まで発達させ、自由な社会に効果的に参加することを可能にするという目的の下、障害のある者と障害のない者が共に学ぶ仕組み。
ウィキペディアより引用
でもインクルージョンはある意味理想的な概念。
頭で考えたり議論するだけなら自由だけど、学童クラブ現場ではとても実践しきれない思想と言えます。
なぜなら学童クラブは施設的にも人材的にも決してよい環境ではなく、
障害児は専門的な知識がいるのに、子育て経験に毛が生えた程度の知識で働いてる人ばかり。
単純にマンツー対応が必要な子につける人手が足りなかったり、
この車イスの子を受け入れるため、施設改修の予算もつかない環境など、いろんな無理があるからです。
インクルージョンなんて理想を言うのは自由だけど、やるのは夢物語という学童クラブはたくさんあります。
まだまだって感じにゃ
また学童クラブだと障害児の機能的な訓練は守備範囲外。
学童クラブに療育の機能はありません。
障害児の保護者は療育的な機能も望みますが、本来の育成支援すらあやしい学童クラブもたくさんあります。
※学童クラブの日常生活のなかで、ティーチの手法やSSTが部分的に使われることもありますが、それは現場努力によるもので、施設により差があります。
1-1.学童クラブでの障害児受け入れについて現在の方向性
学童クラブで障害児受け入れを行っているところは多くありますが、放課後等デイサービスが整備され年々増えている現在、
障害児の学童クラブでの受け入れに変化が見えています。
ほんの10年前は障害児の預け先は本当に限られていました(2020年度現在)。
それまでの障害児の預け先といえば
✔NPOが利益0やその自治体の特例的補助金をもらって零細でやってる「障害児の放課後支援サービス」
✔学童クラブ
✔児童館で預け枠1人しかないのに預ける
✔知り合いの家
✔支援学校の放課後教室
👆これくらい。
しかし2012年に放課後等デイサービスが法的に位置付けられてから、障害児の居場所となり得る施設が量的に増えています。
半ば人助け的に心意気だけで預かる時代から、
個別に見てくれる放課後デイの方がいいと思いますよ
って方向性に変わってきているわけです。
このように障害児の放課後を、学童クラブだけが担うものではなくなった点が大きな時代の変化です。
多くの学童クラブでの子どもの受け入れ事情⬇
小学生1~3年生 → 障害の有無に関わらず利用対象 |
小学生4~6年生 → 特別支援学校・特別支援教室・ 障害関連の手帳持ちのみ |
中学生以降 → 学童クラブとしてはほぼ対応なし |
「障害がある場合は必ず相談してください」と説明に書いてあります |
多くの自治体の公的学童クラブでは、このような対応がとられています。
また送迎についても、公的な学童クラブではほぼなし。
障害児が自力で学童クラブに来られないような必要な場合は、別で送迎ヘルパーを保護者が探す必要があります。
注意点は、多くの施設で「申請時に相談してください」とある点。
施設のハード面や人員などのソフト面の違いは各施設の個別対応となるためです。
私が10年くらいボランティアしてた障害児の放課後支援NPOで、いろんな保護者と話す機会もあったけど、
そこで印象に残っているのは
恵まれてるわね
隣の自治体だと、こんな障害児専門の放課後居場所事業なんて皆無だったからです。
ちなみに「今までの流れ」というお話だけど、学童クラブでは今でも障害のある子に対して十分な知識がある職員はとても少ない。
研修も限られてるからほぼ職員の個人努力。
療育の機能もない点は大昔から変わっていません。
1-2.放課後に障害児受け入れしてる施設はどこ?
このサイト全体で、「学童クラブ」というのは、厚生労働省管轄の公的な「放課後児童健全育成事業」
放課後児童クラブとも呼ばれいて、運営形態は
①役所が設置して自治体が運営
②役所の施設を民間事業者が運営
③民間施設に役所が補助金を出してる
※③については幅広く一概に扱えない
一方で月額5万も6万もする塾や習い事の子ども預かりで、税金が一切使われていない施設は民間学童クラブと呼ぶことにします。
詳しくはこちらの記事の1章で分類を解説
障害児の受け入れのある学童クラブは、上で書いた公的な学童クラブ。
または"障害児受け入れ"をうたっている民間施設のみ。
塾の延長みたいな民間学童クラブは、マンツーで見てないと過ごせないような、人件費だけがかさむ障害児の受け入れをするのか?
理念にもよるけど、経営者の立場で考えると無理がありますよね・・
また放課後子ども教室といった小学生の放課後対策として国が進めているものがありますが、こちらも障害児の受け入れは限定的。
"保護者やヘルパー・ファミリーサポートなどが一緒にいるなら"などの条件付き受け入れ。
この現状は、放課後子ども教室の機能や実施状況を踏まえても変わらないかと思います。
そもそも放課後子ども教室をやってない自治体もあるし、地域差が大きいので、障害児の居場所にはならないでしょう。
民間学童クラブが利用できない代わりに、障害児の利用できる施設として放課後等デイサービスがあります。
こちらは障害児の放課後対策のうち、居場所としてだけでなく療育の機能も期待できる施設になります。
近年放課後デイは実数としては増えてきています。ただ人気の施設は評判もいい反面入れなくて待ってる待機児童も多い。
一方ですぐに入れるような施設は評判も悪いなど、質的な問題も生じているようです。
1-3.放課後児童クラブ障害児の受け入れシステムや現状
障害児は入所審査あり
始めに書いておくと、学童クラブ入会についての障害児についての具体的な基準はありません。
- 施設で物理的、人的環境の違いが大きい
- 障害児といっても機能的に差が大きい
だから基準なんか作れません。
あるとすれば分かりやすく
- 「集団生活にある程度なじめる」
- 「医療的ケアがいらない」
などの文言で説明しているところもあるけど、具体的なところは何も基準がなくて、
申請に伴って審査や面談を行い、入りたい学童クラブ施設の状況と併せて判断されます。
保護者としても子どもを預けてから「こんなはずじゃなかった」も多いから、その意識の違いを埋めるにも面談必須。
申請のみスルーで学童クラブに入れない理由です。
例として東京都荒川区の調査書式を紹介しておきます。
障害児には学童クラブ利用期間の学年延長システムがある
公立学童クラブは小1の壁対策のため、1年生~3年生に利用者を限定している自治体も少なくありません。
高学年の保護者からも「預かってほしい」というニーズはありますが、低学年の待機を出さないことを行政はより重視しているためです。
しかし障害児については個々の発達のスピードがゆっくり目な子も多く、低学年のうちから留守番可能な意味での自立に向けて準備をしていたとしても、
高学年になったからといって期待通りに留守番できるとは限りません。
特に支援学校に通っているような子は難しい面があります。
そのための学年延長として、障害児のみ6年生まで預かるといった自治体は多くなっています。
中にはたまに、中学生になったからといって状況が変わらないことを見越して中3まで延長がある自治体もあります。
加配職員の予算がつくけど、人が来るとは限らない
厚生労働省の関わる学童クラブでは、障害児の入所に対して加配職員の予算が追加でつきます。
学童クラブ側はその予算をもとに人を雇うことができるので、結果的にマンツー対応が可能になります。
ただ現在多くの分野で人材難となっていて、学童クラブも例外ではありません。
むしろ時給をその地域の最低賃金程度しか出せない学童クラブも多く、募集をしても人が集まりにくい現状。
予算はついても、人が来るかは分からない運営的な危うさがあります。
人がいないけど障害児にマンツー対応が必要になると、その他10人を見ながらマンツー対応をせざるを得ない現場が出来上がる。
👆安定したきめ細かい育成支援なんて夢のまた夢ですよね。
そして現実として全国の多くの学童クラブで、似たような状態になっています。
学童クラブとしては支援の必要な子はいくらでもいるので、
障害児専門の放課後デイサービスがあるんだったら、そっちを勧めたくなる気持ちも分かる気がしませんか?
障害児についての巡回指導がある自治体も
学童クラブ職員は障害児については素人です。
そのため心理士や療育の専門家などを、障害児受け入れをしている施設に巡回に出している自治体もあります。
ただし、実施のある自治体でも多くても年2回程度で、役に立っているかどうかは現場次第です。
1-4.放課後児童クラブ運営指針では障害児についてどんな記載があるか?
学童クラブ運営の全国基準、「放課後児童クラブ運営指針」というものがあります。
その中ではインクルーシブの視点に立ち、可能な限り障害児の受け入れに努めることとあります。
学童クラブの障害児受け入れ状況についての調査データも公開されています。
全員で130万人の学童クラブ在籍児のうち約4万人(3%程度)が障害児枠とのことです。
学童期の子どもをもつ保護者が活用することも想定されて書かれてるので、学童職員だけが読む本じゃないですよ👇️
2.放課後児童クラブでの障害児の受け入れ基準
障害児を学童クラブで預かる基準は施設ごとの事情によって決まりますが、その基準や判断ポイントについてお話していきます。
2-1.集団生活が可能か?施設の環境で過ごせるか?
施設などの物理的な環境面
申請があった時の面談で子どもの特性をよく聞いて、施設の環境で対応できそうかを施設側が判断します。
例えば自閉傾向の子などは、人が多いところがそもそも落ち着かない。
しかしクラブ室は一部屋しかなくて一人になれる場所はない、など環境がどうにも合わない場合もあります。
障害児受け入れにあたり、ある程度の施設側の改修なども放課後児童クラブ運営指針では考慮されていますが、限度があるでしょう。
その子一人を受け入れるために部屋の一角に専用のスペースを作るのも、クラブの規模によっては大きな支障が出てきます。
より分かりやすい例だと、例えば車イスの子がエレベーターもない上の階にある学童クラブを利用するのは難しいですよね。
低学年のうちなら抱き抱えて上げられても、学年が上がってきたら対応ができなくなるケースもあるでしょう。
物理的に改善できない環境で、本人や他の子どもが過ごすのに無理はないか?
障害の程度で集団生活になじめるか?
"集団生活が可能"ということを受け入れ条件として明記している自治体も多くなっています。
この視点は、子ども同士での遊びや関わりがメインである学童クラブではとても大切なところ。
極端な話、その子のためだけに一人の職員と一部屋を別で用意するのは学童クラブじゃ無理。
それを望むなら家でヘルパーを雇って家で見てもらって下さいみたいな、機能的な限界です。
「受け入れられるかどうか」というと施設側の都合に聞こえますが、実際はその子が馴染め、他の子も困らないといった、
本人と周囲の子の"最善の利益"を考え、運営に支障が出ないことを判断基準としています。
=
その子も大変という
図式があります。
集団生活できるできないの判断で、破壊行動や他害の有無は重要な要素。
自分の主張を言葉で言えずつい手が出てしまう、欲求が通らないと暴れて主張するなど、理由はわかるし予想できていても、
施設職員では、その子が大きくなるほど対応不可能なことが増えてきます。
職員がすぐそばにいて予測ができていても力が強かったり、素早くて止められない。
そして他の子は安心できないでは運営が成り立ちません。
学童クラブ職員も女性が多いため単純に力で行動を止められず、暴力を振るわれ、人も少ない中でいちいち怪我をしていられません。
障害児に学童環境を合わせるのは限度あり
よくネット上の記事に
発達障害のある子が、いかにしてストレスなく学童クラブで過ごすか?
なんてのを見かけます。
こういった記事は主にティーチの手法を紹介しているだけ、要約すると"可能な範囲で環境面を整える"といった内容です。
可能な範囲を越えた施設の広さや建物など物理的なもの、募集かけても来ない人員はどうにもならない部分。
広さなど物理的な環境面で、「施設がその子に合っているか」見極めがすぐできること。
また学童クラブは1年生ばかりで騒がしいところ。
静かな環境で落ち着きたい子には、そもそも合わない環境です。
例えば自閉傾向の子には低刺激の環境、分かりやすい指示のだし方、耳栓などできる工夫がありますが、程度によりますよね。
環境それ自体が合わない場合は、いかに指導員が工夫をしても、ストレスなく過ごすのは無理な話となります。
このように学童クラブでは守った方がいい施設基準こそありますが、施設によって環境は大きく違います。
だから受け入れ可能かどうかは施設によるところが大きくなります。
一口に障害といっても、視覚・聴覚・肢体不自由・知的障害といろいろあるため、ひとくくりにはできません。
また子どもは成長し力も強くなるので、昨年受け入れていたからと言っても今年はどうか?改めて考える必要もあります。
私のいた学童クラブでは車イスの子も受け入れていましたし、ろう学校の子もいました。
特別支援学校の子でも、他害のない子は簡単な面談だけで定員内ならいくらでも受け入れていました。(昔のはなし)
反面、多少他害や飛び出しがあっても小学一年生の頃は受け入れていたけれど、力が強く素早くなってきたら受け入れられないとした子もいますよ。
※保護者への説明と理解を得るためには相当時間を要し、放課後デイを探す手伝いなどできることを尽くした上の話
2-2.安全に受け入れられる見込みがないと、学童クラブでは受け入れ困難
保護者としては、我が子を受け入れてほしいというのは切実な願いです。
学童クラブに入れるか入れないか分からないうちは、保護者としてはどんな形であれ受け入れてほしいの一択でしょう。
しかし隠れた当たり前の前提は"安心して預けたい"。
"安全に安心できるように受けれてほしい"ですが、入れる入れないの時点では当たり前すぎて、保護者はそこまで考えていません。
だから施設がトラブルや事故を起こした場合は、保護者としては「こんなはずじゃなかった」
受け入れる受け入れないに、施設側として慎重になる理由が管理上の安全が保てるか?
施設側は無理なのが分かっているのに保護者の願いや役所からの要請で受け入れをした結果、結局見きれずに事故を起こした施設もあります。
難しいと施設側が言っているのに、保護者が市の議員を動かして行政に働きかけてゴリ押しして入会し、現場職員が大変な思いをしたというケースもあります。
保護者の方には、施設とよく話し合いを持った上で調べたり、そのクラブが本当にその子の利益になるのか(子どもの最善の利益)、他に選択肢は本当にないのかを調べてほしいと思います。
3.障害児受け入れをしている学童クラブの現実
この章では受け入れ後の育成や職員の動きはどうなっているのかについて、裏事情とでも言うべきものをお話していきます。
子どもを預ける側の保護者が知り得ないことも、正しい情報として敢えて話すので、
何かの判断材料にしていただけたら幸いです。
3-1.職員の経験や資格/人員配置は?
学童クラブに知識や技術が豊富な、障害福祉や障害児療育の専門員はいません。
いたとしてもそのようなベテラン職員は、学童クラブ全般の運営に長けているため個別で障害児につくことはほぼありません(短時間のスポットや4月受け入れ直後ならあり得ますが・・)。
ベテラン職員は加配職員の指導に当たり、経験の少ないアルバイトやパート職員が障害児の見守りにつくといったケースがほとんどです。
資格は保育士などの子ども全般の資格や放課後児童支援員、たまに社会福祉士を持っている人もいますが、障害関連の資格を持っている方は本当に少ないです。
特に加配職員は大学生のアルバイトや普通の仕事を定年退職した人・近所の子育てを終えた主婦などをパート職員として雇うことがほとんど。
資格はたまたま持っているかもしれませんが、雇う時の要件にはありません。
時給もその地域の最低賃金レベルに安いため、福祉系の大学生でその道を勉強したいような人すら募集をかけても集まるのは少数です。
知り合いの人づて、今来てくれている大学生の友達紹介など、人材確保はかなり厳しいのが現状です。
受け入れてくれたのなら専門員がつくと保護者の思い込み、間違った情報や勘違いが良くあります。
実際は人手の予算が確保されるだけで、募集をかけても人が集まらずに欠員状態で運営している施設も少なくありません。
40人いる学童クラブで職員が2人、1人が障害児にとられてるけど、普通にケンカもするし怪我もする小学生残り全員をもう1人が見る。
実はここから1人増えても時間内におやつの準備や皿洗い、連絡帳のチェックまでやることはたくさんあるので実際はそれでも足りません。
ベテラン職員がいればまだいい方、常勤や正規職員はそれなりの研修がある程度で基本的に経験値は不足しています。
安定して長く働ける学童クラブは少ないから。
教える側ですら少ない知識や経験なのに、加配のパートやアルバイトを指導して障害児を見てもらう。
厳しい状況だと思いませんか?
断っておきますが、このような状態で障害児の受け入れをしているのが現在の多くの学童クラブの現実。
一応擁護しておくと、知識や技術がないことは必ずしも悪いことばかりではありません。
その子を現場での試行錯誤や保護者とやりとりで、"障害児"としてではなく、"◯◯君"としての関わりになりやすいから。
この辺りは施設による差がとても大きく、周りの子や保護者の理解を得てインクルーシブを体現しているような学童クラブもあります。
3-2.学童クラブ現場での障害のある子どもの育成方法は?
学童クラブでは障害児にはマンツーで1人つくのが名目ですが、距離が近い空間にいれば2人同時に見る状況もザラ。
他の子もたくさんいる中での、その場その時のクラブの状況によります。
よほど目を離せないような子だけは状況によらずマンツーでつく場合もあったりする一方、
特別支援学級に行っている子には障害が軽度で、加配対象だけど普段はマンツーマンでつく必要のない子もたくさんいます。
そのような子よりも、学童クラブには友達とのトラブルが絶えず、トラブルになれば高確率で暴力を振るう通常学級に行っている子がたくさんいるので、そちらに人員が回っているケースも多い。
※名目は障害児に加配職員がつくことになっているので、普段は特に人がついていないことを聞いても、濁されるか教えてはくれないと思います
支援の必要な子には、子どもの安定の視点から同じ人をつける場合もありますが限られています。
早い話が一人一人対応が違うけれど、予算的には障害児(手帳を持っていたり特別支援学級/学校にいる子)に1人職員がつける予算があることだけは決まっているということ。
障害児についての個別マニュアル(トイレはこうする、引き継ぎはどうするなどの細かい点)は放課後児童クラブ運営指針に記載があります。
現場により整備が進んでいると思いますが、取り組みがない現場もあって、
なんとなく他の子に混ぜて見ていたり、書面ではなく職員の口伝で後輩に伝えているだけとか。。
ひどいところでは特に指導なしにアルバイトに任せているクラブもあるようで、施設によって大きな差があるところです。
実際のところ、パートやアルバイトの募集をかけても人が集まらないのに、障害児一人に大人がいつも一人そばにいないといけない環境は用意できません。
体格も小さいうちはいいのですが、学童期は体が大人に近づいてくる時期で、また自分で考えての行動や自制を期待されての活動がとても多くなります。
一方で保育園は「大人のお世話」が必要なので、障害があるかないかでの差は学童クラブほどは大きくはありません。
これらが障害児を保育園では先生が一人ついて集団から外れても見てくれていたのに、学童クラブになっていろいろ注文が増えた、場合によっては受け入れてもらえないとなる理由です。
4.学童クラブで障害のある子はどうやって育成されてるかのまとめ
つい最近(2010年くらいでしょうか)までは障害児の行き場がほかにほとんどなく、保護者も仕事にいけないからと、
環境が合わなくても学童クラブしかないと言う理由で福祉的に受け入れをしていました。
しかし2012年の放課後等デイサービスの法的な位置付けにより、学童クラブ以外にも行き場が増えつつあります。
放課後等デイサービスにも質の問題で課題がありますが、他に行き場がなかった頃に比べたら相当の前進。
またパート職員がその日その日で見るのとは違い、はじめから障害児専門の受け入れ施設なので、こちらのほうが子どもにとっても学童クラブより放課後デイサービスはよほどいいと思います。
今はまだ放課後デイサービスの方にも待機児童がいるのですが、学童クラブに馴染めない子は無理に受け入れずこちらに流す風潮になってきています。
教育や世の中はインクルーシブが進められており、学童クラブの指針でも書いてありますが、実際のところ学童クラブの物理的・人的環境面では厳しいものがあります。
「障害があってもなくても一緒に」はここまでお話してきたように、決して無制限に受け入れられるという意味ではありません。
「障害があっても集団生活に支障のない子」は"子どもの最善の利益を考えた上で"一緒に過ごしてもらおうというのが、多くの学童クラブでの受け入れの基本的な考え方です。
学童クラブとして「うちでは見きれないから受け入れない」と言う選択は、家庭への支援を考えると心苦しいものがありますが、
できることをする、できないことは他に任せるが施設としての限界。
こんなところが、学童クラブでの障害児受け入れの実態です。
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