宿題代行はやっぱりダメな話
この記事は「夏休みなどの小学生に関しての宿題代行」について完全に私見ですが、学童クラブで小学生の宿題指導など20年以上行ってきた経験と、元東大という勉強について人よりは詳しい私が論理的に
・宿題代行にはデメリットが大きすぎる
・メリットはほんの少ししかない
・だから金をかける価値はない
ことをお話していこうと思います。
経験20年の東大出身
理系保育士ジャムです。
そもそも
「この宿題は代行で済ませました」と学校に言えるのか?
👆こんな簡単な質問でも、答えは決まっています。
賛否両論ありますが「賛」の人でもきっと学校には言わないくらい、リスクと後ろめたさを知っています。
また特に低学年までのうちで、宿題代行を使う人が大勢いるとも思えませんが、デメリットが大きすぎるのです。
中高生〜大学生についても基本的には同じで、結論的に「宿題代行・課題代行」なんて使うのはろくな社会人になれないので、サービスそのものが無価値と考えます。
親から見て心配になる子どもへの対応はこちら👇
1.学童くらいの低学年までで、わざわざ宿題代行を使う理由とは?
宿題代行を頼むとしたら親、その理由は独自調査の結果というか普通に考えられるものとして
●子供が大変だから負担を減らす
●親が手伝う代わりに業者を使う
●子供が大変だから負担を減らす
私が学童クラブで働いていた頃、保護者の話から宿題を泣きながら夜中まで怒られてやってる子ども、やらせている家庭がたまにありました。
「学童クラブで宿題やってきな」と約束しても遊び優先にしたり、友達の誘いを断りきれなくてやらず、お迎え時に怒られる子もよくいました。
夏休みの宿題は分量も多いため、計画性がないとやりきれない子も多く、ラスト一週間で宿題が終わるように学童で手助けしたこともあります。
また親の立場から見ても無意味な宿題が学年が上がると多くなるため、好きなことに集中できるよう代行を使ったり、
特に受験勉強をしてる(親がさせてる)時に、意味ない(ように思える)宿題はやらせたくない。
👈気持ちは分からなくもありません。
●親が手伝う代わりに業者を使う
宿題が終わらない子どもに対して、放置したり怒っても終わらず、ずっと前から出ていた宿題をなぜか提出最終日に夜遅くまで頑張る。
最終日にやる気を出した我が子に、親としては手伝いたくもなります。
そこを先回りして考えると、「親が手伝うんなら、他の人に頼んでもいいだろう」という結論を出す方もいます。
別に不思議ではなく、
親が迎えに行けないから近所の人に頼んで、そのうちお礼に何かしてあげる。
これと同じ感覚で宿題代行を使う👈これも分からなくもありません。
知り合いの母親に、
夏休み自由研究の
最優秀賞で表彰されて
冷や汗をかいたわよ〜
なんて笑い話を聞いたことあります。
お金を払ってやってもらえた、目的達成だ!
先程の宿題代行を頼む理由から、考えられる目的は達成されます。
しかし次章からお話しする隠れたデメリットが、特に低学年のうちは大きいのでダメダメ。
2.宿題代行は完全に非公式、社会的にNG
あなたも薄々分かっていると思いますが、宿題代行業者は理由をつけて
・「違法ではない」
・「けれどバレたら単位取り消しなどのリスクはある」
正当性と身を守るための予防線を同時に張っていますが、非常にグレーです。
違法じゃなくても、やっちゃ駄目なことは世の中にいくらでもあります。
そもそも、
代行を使っても学校には言えませんよね。
業者も
「身バレしないようにします」
「人の課題と被らないようにします」
完全に学校を騙す方面のルールを設けていることからも明らかで、省庁もNGを出すのが当たり前な話です。
「宿題代行」への対応について
文部科学省
※1 子供たちに代わって宿題を行う役務を提供することや,読書感想文や自由研究といった宿題の完成品を売買することを指します。
メルカリなど個人が勝手に請け負ってやる形式の宿題代行は、禁止事項に指定されています。
また法人格持った宿題代行業者もあるようですが、それならは良いか?という話でもありません。
業者も業者で、
「下書きまで行います」
「あくまで見本です」
とか抜け道をついてやっているようで、家庭教師が教えるのに寄せて、なんとかすり抜けようとしているのです。
私が学童クラブで見てた子がヤンチャ系高校生になり、断れない子に自分の宿題をさせているのがバレて退学寸前まで問題にされたことがあります。
代行を使うのはこんなのと同じ、職業に貴賤はないとはいえ社会通念的にNGな話でした。
3.親との関わりが足りない
低学年までは勉強そのものというより、学習に対しての態度の基礎を作る段階です。
親とのコミュニケーションを取り、日常的に繰り返される経験の中で子どもは自分で考えて、健全に成長して行きます。
それは親が積極的に関わることで作られます。
別に高学年〜中高生になっても同じこと、勉強内容が分からないなりに手伝ってあげたらよく、それで間に合わなければ子どもは自立して自分でなんとかする方向へ成長します。
しかし始めから親のマインドとして「学校にまかせよう」「塾がやってくれる」といった人任せだと
親自身も「学校が悪い」「塾が悪い」など、自分の子どものことなのに他人に任せて何とかしようとする態度になってきます。
学童クラブによく分からない意見や要望を出す親はこんな人たち。
すると子どもは愛着不足に近い形、代行なんて頼もうものなら大きくなってから
何もしてくれなかった。
日々大変なのは分かりますが、計画的にやってもらうのが一番、間に合わなくても低学年までは親が代わりにやってあげるなら
になるのでいくらかマシ。
本人へ計画を持ってやるのを学んでもらうため、教えながら次はやれるように手伝えば自立の方向へ進むでしょう。
※どれくらいでそうなるかは個人差があります。
【音読は学童に任せず親が聞こう】保護者が見たほうが良い理由あり
4.勉強そのものの意味がなくなる
4-1.宿題の意味をメタ勉強的に解説
元東大生の私が教えている「メタ勉強」に沿ってお話すると、全てに共通する勉強の手順は
①学習内容を理解する
②練習内容を決める
③練習する
「①学習内容の理解」は学校の授業で、不足なら塾や家庭学習で行います。
そして出される宿題が「②練習内容を決める」と「③練習する」に相当するもの。
高校生くらいになれば②〜は広範囲すぎるため出される宿題では足りず、自分で考えてやらないと落ちこぼれていきます。
しかし小学生のうちは、出される宿題だけやっていれば良い話。
先生が勝手に練習内容を決めて、出してくれるのです。
そこを業者に任せるというのは、わが子に練習をさせないのと同じ意味なので危険です。
量が多くて大変に見える夏休みの宿題、自由研究なども興味あることを広げ、勉強する態度を作る上では必要なので出ています。
「自分でやって身につける」が前提、言うまでもありません。
【メタ勉強 元東大生の最高効率学習法 】ノートがキレイだと勉強できない
4-2.とはいえ公教育では足りない面もある
しかし公教育は私も良いとは思いません。
昔は出される宿題だけやっていたところ、私は中学生になったら300人くらいいる学年内で一番になってましたが、今やみんな同じ画一的に出される宿題は時代にそぐわない面もあります。
個別対応の塾が成果を上げているのは、学校の対応できない部分をカバーしているから。
受験のための助成金なんて出る時代、学校が不十分なのを役所が認めているようなものです。
親がそんな宿題の意味をわかっていて、他で補えるなら宿題代行を利用しても良いと思います。
授業についていけなくなり我が子にそぐわなくなった難しい宿題は業者にやってもらい、必要な学習を家で補完する。
「意味のない宿題は出さないでほしい」など必要な意見を言えれば尚よし。
5.道徳心や判断基準を培っている最中の子の発達的に良くない
- 人にやってもらう
- 責任を果たさない態度
- 頑張らない姿勢
- 自分で稼いだわけでもないお金を頼る
基礎的な社会スキルである道徳心や判断基準などを学んでいる真っ只中の子どもは、変な学びを得てしまうので、宿題代行なんて使うべきではありません。
大人になればお金を使って時間を得る、ビジネス的な思考は大切。
自分で終わらせようと我が身犠牲でサービス残業してる人はごまんといるので、時間のためにお金を使うのは悪くありません。
保育者こそ経営の勉強すべき【次世代起業家育成セミナー】の紹介
しかし子どもは別、自分で稼いだわけでもないお金を、本来は自力でなんとかなることに使わせて良い面はないでしょう。
部活などで「頑張る力を身につける」「やり遂げる喜びを感じる」などに賛同して、進行の甘い部活顧問に文句をつける親に宿題代行を使う人がいそうで怖い。。
一貫性のない保護者に育てられた子どもは歪みを抱えて成長するので、親はわきまえないとダメです。
【気分屋の親は子どもをワガママにする】悪影響を抑える2ポイント
6.個人的には好きではない、人間のレベルが下がる
低学年まではデメリットがいくつもあることをお話しましたが、年齢が上がっても同じこと。
宿題代行とは保護者や本人のニーズがある、グレーな領域を攻めたスキマビジネスです。
感謝されるし、迷惑もかけてない、おそらく代行している方々はやる気や使命感を持って行っているのでしょう。
ライターも一文字いくらで文章請け負ってるじゃん!読書感想文も同じだよ、とか自らの行為が与えるデメリットが分からずズレた論理を持って・・
受験勉強の最中の余計なタスクを消したいならまだ分かりますが、これまでお話してきたような小学生、特に低学年くらいまでの子どもには害悪しか与えません。
ニーズがあるからと言って、デメリットをちゃんと示さずにサービスし、感謝されて対価を貰えばいいだろうというのは浅はか。
実際は大学生のレポート代行が多いよう、志望書の代筆(下書き)とか、調査研究の代行とか、ニーズがあるからといって対応しても意味がない、クレクレマインドをお金で満たすだけの行為が目立ちます。
世の中からそんな人は居なくならないので、ビジネスモデルとしては正解かもしれません。
保育士資格試験、ほぼ無料で講座を開いて受験サポートしている方が知り合いにいますが、子どものために働きたいと思っているはずの保育士資格を目指している人にも
なんでやってくれない!
お願いも聞かずに勝手におかしな解釈をして文句を言う人が後を絶たない模様。お金すら払ってない無料なのに。
社会人になってからこそ勉強が必要なのに、入り口からズルをして入り込んでも学ぶ態度が身についておらず、人任せになるのが目に見えています。
早い話が、宿題代行なんて使う人は大した人間にはなれない、と個人的に思います。
大学の頃、紙のレポート提出がある教科で教官室の前の箱に裏返して無造作に置く方式でした。
私は学科で一番だったので提出した後、学科の同期に持ってかれて写されたらしく、教官に呼び出されて「コピペじゃないか!」
でも意味わからず写してある場所があったので、「きっと君のほうがオリジナルだろう」と難を逃れた事件がありました。
そして勝手に写した相手はその単位落として再履修。
代行なんて結局はその程度の人が使うもの、と私は認識しています。
7.宿題代行なんて価値がないまとめ
ここまで書いてきましたが、実際に宿題代行を使っている方に出会ったことはありません。
使っていても言わないから分からないのです。
業者のブログによれば、使っている人の多くは大学生のレポート代行という話。
仮に低学年の親が使おうと考えている場合、「夏休みの工作や読書感想文」など大々的にアピールしている業者は対応してくれるはず。
ですが、メリットとデメリットのバランスが悪すぎるので辞めたほうがよい、というお話です。
学校に代行を使って課題をやったと言えるのか?
賛否両論あると言っても、
・筆跡を真似して
・身バレしないよう
・他の人と内容が被らないよう
騙す行為を奨励している、詐欺を教えてお金をもらうような事業形態。
ニーズがある、保護者や子どもが喜ぶのは、後ろめたさを消すほどのメリットにはなりません。
公教育の宿題が無駄に思うなら「やらない」「親も納得できる必要な宿題を吟味して出してほしい」など要望を出したうえで「うちはやらせません」
騙してやり過ごす行為はどうでしょうか。
まあ公教育の問題は多すぎるので、イチイチ戦うのも面倒ですが。。別の話。
若いうちは全て経験になるので、人任せにしていたら
数学なんて、なぜ勉強するの?
みたいな疑問に、自分なりの答えすら出せない人になるだけ。
また大学生でそれっぽい理由をつけてまでレポート代行を使うような人も、きっとろくな社会人になりません。
グレーな隙間産業にお金を払って自分の魅力を下げる、宿題代行などにお金を出す価値はないと思います。
最後の方は完全な私見ですが、小学生についてはオススメできないのは確かです。
ありがとうございました
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