1.子どもの困った独占欲は、反応性の行動障害
独占欲は誰にでもあり、環境によって決まった反応として引き起こされ、「困る・困らないは程度の問題」という話をします。
大事なものを取られたら誰でも抵抗するので、通常の感情の範囲。
☑️おもちゃを貸せない
☑️ゴミみたいのしか貸せない
☑️友達と遊んで他の子がくると"あっち行け"
☑️保育士さん独占でずっと抱っこ
全て通常の延長です。
学術的に独占欲は、"反応性の行動障害"とも言われます。
反応性とは、回りの子や大人の行動にその子が反応してるということ。
"ダメでしょ"とか、"貸せよ"みたいな感じの環境へ"嫌だ"と反応を返す。
✔A子の行動によって・・
回りの子行動① 👉A子の独占発動
回りの子行動② 👉A子、違う反応
例えばA子の独り占め行動に対して周りが①の対応している限り同じ返しが延々と、悪循環のループが生まれます。
だから独占欲の強い子に対するアプローチは2つあって
- 環境から違う働きかけをする
- 反応の経路を変える
対応の方法はこの辺がごちゃ混ぜに解説されてるから、効果がないのはどの部分か、効果があったのはどこか、永遠に分からない。
3章で原因からの「独占欲」という反応が固定している場合、取れる違う対応についてスッキリ解説していきますね。
1つ言っておくと、即効で大幅に改善する方法はないので、焦らないよう。
独占欲とは「ひとりじめ」の欲求のことを言います。
自分だけが有しているという状況への強い執着心を意味し、失うことや他者の手に渡ることを強く恐れるもととなるものです。
ひとりじめの状況を脅かす相手には強い敵意や激しい嫉妬心が働き、失いたくないという恐怖や執着心から強引にでも自分の手元に置いておこうとする衝動的な行動の原因になります。
独占欲が強いと、実際にはひとりじめの状況を脅かすことの無い人間に対しても強い警戒心や嫉妬心が働き、人間関係に様々な悪い影響を与えます。
独占欲をもつ男女の心理より引用
2.独占欲は誰にでもあるが、本質的な欲求から出てくる二次的なもの
人の欲求はマズローの6段階が分かりやすいのでそれを使って考えると・・
- 生存欲求 → 食べて飲んで寝て生殖
- 安全欲求 → 快適に過ごす、危険回避
- 社会的欲求 → 愛されたい
- 社会的承認欲求 →人に勝ちたい
- 自己実現
- 貢献
人の欲求は、このうちのどれかに当てはまってますが、じゃあ独占欲って欲はどれなのか?
物でも人でも「独り占めしたい」のは、安全性や社会的承認、つまり安心したい、認めてほしいにフォーカスした行動です。
物や友達、相手してくれる大人を独占することで、
✔安心を得る
✔認められている感を感じる
👆これが目的なので、独占じゃなくてもその目的を満たせれば解決します。
裏を返せば問題になるくらいの独占欲は、
- 安心できてない
- 認められてない
ってことです。
だから一旦物を手に入れて安心できた状態を易々と手放してなるものか!と抵抗してくる。
抵抗は、物を取ろうとした子を
✔叩く・ぶつなどの攻撃性
✔排除して「あっち行け」という排他性
が発動されますが、特に困る場合は
- 高頻度で出てくる
- 攻撃性が強く出てくる
その子は自分の安心を守ろうとしてるだけですが、極端になると近づいてきただけでも
"うっー"うなり声。(例えですが、学童クラブではたまにいますよ。)
なんでそんな事になったのか?
・・・多くの場合その子に原因はなくて、そうなるような環境で育ってきただけ。
次にその辺りの、独占欲が極端になる原因をお話していきます。
3.独占欲の4つ原因心理と対応の解決策2つ
独占欲の原因心理は簡単で、満たされてない欲求があるから。
また困った行動が出る原因は、決まった行動しか取れない経験不足です。
独占欲の原因
- 安心したい
- 認められたい
困った行動が出る原因
- 経験不足
- 自動的に決まった反応
逆説的に、独占欲がエスカレートしてる原因としては、
●物を安心して使えない
●行動が保障されてなく安心できない
●(親から)認めてもらってないとか、構って欲しい欲求が満たされない
●シェアの経験がない
対応方法は見えてきますよ
3-1.物を安心して使えないへの対応〜「貸して」からの「いいよ」の強制は害悪
おもちゃで遊んでとっても楽しく過ごしてる時に、逆らえない力で「もうおしまいね」とか、「貸してあげなさい!」って取り上げられる経験。
毎日毎日そんなところにいたら、
①「貸して」→「嫌だ!」って毎回抵抗するようになるか
②諦めて「どうせいいんだ、」って全てに諦めるようになるか
👆どっちか。
他にも変化するかもしれないけど、いい方向には進まないでしょう。
諦めるようになると表面上は目立たなくて問題ないように見えて燻ぶらせ、経験上何年か後に大変な高学年の時期に発達の歪みが出てくるので、
低学年までのうちに分かりやすく、独占欲って形で本人の不満が見えるだけマシかもしれません。
これへの対応は安心して物を使える経験を積んでもらうだけ、原因考えたら当然ですね。
保育園や年齢が違う兄弟でよくある「貸して」→「いいよ」のやりとり。
"良くない"のに「いいよ」と無理に貸してあげるのも、強制的に貸させるのもダメ。
そのおもちゃはも使ってた子に権利があり、貸すか貸さないかはその子の決定権がある。
大人が強制的に取り上げちゃダメってことです。
ちなみに「入れて」→「いいよ」も同じ話です。
オススメは誘導的しつけによって、他者の心を知る機会を積極的に作ること。
「◯◯ちゃんも使いたいと思うな」みたいな
人の心に気づいてもらうしつけ。
時間はかかるけど次第に自発的に貸せるようになります。
誘導的しつけ
子どもが他者を傷つけるなど、他者の苦しみの原因であることが明白な場合、他者がいかに苦しんでいるのか、嫌な思いをしているのかといった他者の感じ方に注意を向けさせるしつけが重要となってくる。
このようなしつけは「誘導的しつけ」と呼ばれており、
1.他者が感情を持つこと
2.他者の感情に注意を払うことは重要であること
3.自分の行動が相手の感情に影響すること、を学習させる機会になると考えられている。
共感性の発達とその意義
心理学者アイゼンバーグの向社会性の研究より👇️子どもの道徳心の記事
思いやり心理(ナンシー・アイゼンバーグ)
1 向社会的行動の研究/2 心優しい赤ちゃんと思いやりのある子どもたち/3 向社会的行為の動機/4 向社会的な子どもの特徴/5 愛他性の生物学的基礎/6 文化的影響/7 家族による社会化/8 家庭以外の社会化-学校、仲間、マスコミ/9 まわりの状況の影響/10 結論
思いやり行動は、心理学者アイゼンバーグにより"向社会性"と名付けられています。
このスキルを身に付けることでの人間関係に及ぼす影響はいいものって想像できると思います。
3-2.行動が保障されてなくて安心できない〜禁止・制限が多すぎて安心できない
普段から親の決めたルールが絶対、反抗は許されない!
👆みたいな状況でストレスが日常的にかかっている子どもです。
分かりやすくすると、過干渉とか過保護とか、ダメな育児と言われるヤツです。
ちょっとの事で分不相応に怒られるとか、些細なことで釣り合わないくらい怒られるなども含まれます。
変なストレスが日常的に子どもにかかってると、独占欲だけじゃなくて、嘘をついたり盗癖を発動したり、おねしょが増えたり。
いろんな影響がでて、今は大丈夫でも将来によく爆発します。
子どもにとってはストレス源がいつもそばにいる環境な場合です。
子どもは親が家で育てますが、保護者は自分では子どもにストレスを与えているのが自分と気づかず、
学童クラブや学校で預かってる支援員・教師が対応にとても苦労するパターンです。
我が子なら保護者は自分の行動を見直すことが対策ですが、自分で気づくのはかなり難しいでしょう。
学童クラブや学校教師などの外部の大人が、
あらゆる戦略を用いて保護者へ気づいてもらい、保護者に行動を変えてもらうことが対策です。
- 一般論として伝えて気づいてもらう
- 信頼を築いて直接指摘する
- カウンセラーや医者に伝えてもらう
- 本やおたよりのコラムなどで教育
使える手段は子どものためにも、おそらく今後年齢が上がると、今より子育てに苦労するはずの保護者を助けるためにも、是非考えて欲しい!と思います。
3-3.(親から)認めてもらってないか、構って欲しい欲求をいつも持って生活してる
子どもにとって親は安心の基地と言われ、多くの価値観は小さいうちはほとんど親から学びます。
その親から日常的にかけられる言葉が
「いつもダメだな」
「お姉ちゃんはできるのに」
「あなた嫌い」
みたいな感じだったらどうでしょうか。
安心できるはずの保護者が安心できず、構って欲しいのに放っておかれる。
何も言わない物に固執しちゃう気持ち、分かる気がしませんか?
構って欲しい欲求は物じゃ満たせないから、いざ遊んでくれる友達や大人が現れたら、その人を手放したくないのは当たり前。
対策としては、原因ははっきりしてるからそこを何とかすればいい訳だけど。。。
対策は3-2と同じく"その子がダメな状態なのは、その子じゃなくて親の関わり"を気づいてもらう。
親がその子を認めてないのは感情のなせるわざなので、理論的に攻めても効果はなく、感情に訴えないと効きにくい。
具体的には保護者の余裕がない場合がとても多いので「大変ですね、わかりますよ」、共感してあげることからはじめましょう。
保護者のバリアを崩してから
- 保護者の働きかけ
- その子の反応
- イライラしてくる
こんなループに陥っていることや、"味方はここにいるから一緒にやっていきましょう"、みたいに
保護者がまず安心できる環境を作りつつ、必要なことを伝えるアプローチが必要になってきます。
拒否する保護者も多く、バリアを崩すのにとても時間がかかる場合もあります。
対応できないまま学童を卒業してしまって時間が過ぎ、中学で不登校になってる情報がくることもあります。
必ずなんとかできるわけじゃないけれど、自己肯定感の下がった子どもを放置した場合は未来が予想できるので、やれることはやってあげたい。
親元を離れて学童クラブにいる時は、思いっきり遊べて安心できる環境を作る。
通常の欲求を適度に満たしてあげることも有効な対策です。
3-4.シェアの経験がない
この独占欲の原因は他とは少し違い、単なる経験不足です。
一人っ子で家のおもちゃはいつも一人で、いつまでも使える環境で育ってきた子ども。
でも保育園に行ったらまるで違い、遊んでたオモチャもいつの間にか取られてる。
安心できない!
世の中では普通のことだけど、その子からしたら未経験の未知の世界、不安が増して当然です。
対策は簡単で、経験値を上げるだけ。
他の子どもがいるいろんなところに出掛けていって、「一緒に遊ぶと楽しいね」をたくさん経験してもらいましょう。
他に原因が思い付かない場合は、「おもちゃと友達とどっちが大事なの?友達要らないんだね」
みたいに本人へ言う言葉を工夫すると急に行動が変わることもありますよ。
時間は必要にゃ~
4.独占欲の原因と対策のまとめ
これら4つの原因のうち、我が子がどれにあてはまるのかは親なら分かるでしょう。
反対に学童クラブとか、親元から離れてる子を預かってる場だとなかなか分からない上、分かったとしても保護者が原因だと対応も難しい。
対策を考える場合は原因を考える訳ですが、どの原因でも取れる対策のポイントは以下の2つ。
突き詰めていくと
①安心できる環境を用意すること
②追加で人の心を知る機会を作ること
これらを詳しく各章でお話しただけです。
子どものために、できることを無理ないようにしていきましょう。
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・・では何が根本的に足りず、どうすればいいのか?
根本的に足りないもの
➔経営的な視点での基礎的な考え方、真の人間理解などのビジネススキル。
どうすればいいのか?
➔人に物を売るマーケティングを学ぶことで可能。
と思いましたか?(^^)
分野が全く違うように思えますがマーケティングを学ぶとは、人へ物を売ったり価値提供のために
✔ 人間を真面目に理解して読み解き、
✔ 発生した問題へどう対処すればいいか、
✔ お金/時間/情報/人材資源をどう使えばよいか?👆こんなのを学ぶ事になるので、結果的にあらゆる仕事に通じるスキルが身につきます。
これらが保育現場でも必要と言うのは、賢明なあなたには理解していただけるでしょう。
つまりマーケティングを学ぶと、どんな仕事にもつぶしが効く知識やスキルが身につくので、
保育に活用できるのはもちろん、ついでに副収入を得る程度は容易になり、収入面の不安もなくなってきます。
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(経験が浅いと実感がないと思いますが、真面目に保育現場だけで経験を積むと必ずぶち当たる壁です)
特に現場リーダーや管理職になった時、一般的なビジネス知識やスキル有り無しは非常に大きな差となります。
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