子どもが安心する肌の触れ合い~子どもの脳を育て絆を深める
子どもとの触れ合い、大切にしていますか?
赤ちゃんや幼児の頃は抱っこやおんぶをたくさんできますね。
でも年齢が上がってきたら、どの程度したらいいのか迷ったりしませんか?
結論から言えば、脈絡なくやるのではなく耳かきや髪の毛をとかすなど日常のさりげない場面で、子どもをケアしつつとっていくのがよいのです。
この記事ではどんな場面でそれができるのかについて書いていきます。

目次【本記事の内容】
- 1.スキンシップの効果
- 1-1.幸せホルモン-オキシトシン
- 1-2.外への関心と賢くなるループ
- 1-3.不足し過ぎると愛着障害に
- 1-4.抱き癖がつく?
- 2.父親と母親の違いは?
- 3.スキンシップのとれる場面
子どもがやる気になったり、能力を上げたり、安定して過ごせることに繋がる関わりかたの記事👇️👇️
- 【やる気の心理学】エンハンシング効果
- 効果絶大【スキンシップ】の効能
- 子どもの短所は「短所」じゃない
- 子どもの善悪の区別や道徳心の育ち
- 【自己肯定感を高める方法】自己効力感も
- 家庭での関わりで障害になる子も・・
1.スキンシップの効果
1-1.幸せホルモン-オキシトシンが分泌される
泣いている赤ちゃんも抱っこすれば落ち着きます。
動物の本能的なもので、オキシトシンという脳内ホルモンか分泌されることによります。
これは赤ちゃんが父親や母親など信頼して安心している人に触れられると分泌されることが分かっています。
本来はママの母乳を出すためのホルモンですが、嬉しい、楽しい、気持ちいいと感じた時などに、脳で作られます。
分泌されると、やさしい気持ちになったり幸せな気分になるため、愛情ホルモン、幸せホルモンとも呼ばれます。さらに繰り返し触れ合ったり、じっと見つめ合うことで、分泌量がアップします。
花王ホームページより引用
オキシトシンは脳内で働く神経伝達物質であり、人やグループとの絆・信頼・愛情といった感情や社会的行動に関わっています。
また全身に巡ることで内臓の働きを沈静化する働きもあります。
端的に言えばスキンシップにより、興奮している状態での警戒感など外に向けられたマイナス感情が薄れて、安心して人への「接近行動」がとりやすくなる働きをもつホルモンが出てくるといえます。

1-2.外への関心を広げ、賢くなるサイクルが生まれる
オキシトシンの分泌による闘争心が沈静化するなどの効果があります。
しかしその効果よりは愛情を感じて安心し、安心すると信頼関係を持った大人を"安全の基地"として外への関心を向けることができて探索行動をしたりいろいろな学びができる土台となる、といった効果が子どもが賢くなるメカニズムです。
安心や信頼がない状態でも外への関心は広がります。
しかし安心感や落ち着きなどの基礎的な部分がないとすぐにストレスを感じたり、感じたときに安心して逃げ込める場所がないという危機的状態と、常に隣り合わせの状態でいることになります。
せっかく外に関心が向いても少しのことで崩れ、叱られることも多くなる。自己肯定感が育つはずもありません。
1-3.不足しすぎると愛着(アタッチメント)障害になるかも
愛着障害とは、信頼できる人との愛着が不十分なために起こるさまざまな不具合です。
上で書いたように特定の人と幼少期に信頼関係を築けていればよいサイクルにはまりますが、逆の場合はその後の人生で困難が待っています。
愛着障害により出やすいパターンをいくつかあげてみます↓
- いつもイライラしてかんしゃくを起こしやすい
- 心から楽しんだり、喜んだりできない
- パニックを起こしやすい
- 人にたいして攻撃的、挑発的である
- 衝動や欲求不満に自制がきかない
- 人のせいにする
- 誰構わず愛情を振り撒く
- 人との距離が近い、距離感が分からない
- 新しいことに挑戦できない
- 忍耐力や集中力が低い
- 自虐的で残酷
- 因果関係がわからず常識が通用しない
- 痛みに対して辛抱強い
- 自分を悪い子だと思っている
いいことがありませんね。
もちろん個人差があり、多少足りなくてもたくましく育つ子もいますが、愛着を育むに越したことはありません。

1-4.抱き癖がつく?
抱っこをせがまれる度に応じていたら抱き癖がつくと昔は言われていました。
そのように教えられてきた若い人のなかにもそういった考えをしている人もいます。
保育園で抱っこばかりしていたら抱き癖がついて家庭で困るからと、保育園でさえそういった対応をしていたところもあると聞きます。
しかし今では放置しておくことの方の悪い面が明らかになっています。
子どもが求めてくるなら満足するまでやってあげたらいいでしょう。
それでも大人側にも状況や感情もあるため、いつでも抱っこというわけにもいきませんね。できるときだけで良いですよ。
子どもはいつまでも大人のそばにはおらず、巣立って行きます。
短期的にも、満足したら安心を充電して離れていきます。
出て行かないのは親の側が子離れできずに引き留めている可能性が高いのです。(引きこもりなどは全く別の問題をはらんでいるため、当てはまりません)

2.スキンシップの父親と母親の違いは?
母親とのスキンシップでは情緒が安定して自信があるため、人を信頼してやっていく能力が高いようです。
父親とのスキンシップでは社会性があり、人と協調する力が高いというデータもあるようです。
一概には言えないと思いますが、信頼関係がある人との関わりにより悪いことが起こるということは無さそうです。
違う問題として父親の場合は、特に思春期に差し掛かった女の子とのスキンシップは性差の問題から難しいこともあります。
父親からしたらスキンシップのつもりでも、子どもの方は嫌がっているなどのケースや、ひどい場合だと性的虐待にあてることもあります。
思春期に入れば生理も始まるため情緒的にも不安定になり、父親の思いが空回りすることもあるでしょう。
3節で書くのは一例として、無理のない形で大切にしていることを表していけば良いと思います。

3.スキンシップのとれる場面
子どもは小学生になっても、中学生になってもある程度のスキンシップが必要です。
それどころか生きている間は死ぬまで、スキンシップは心と体にたくさんのいい影響を及ぼします。
ホルモンが出るというのは生物としての本能的な働きによるもので、存在を認められている感じ(自己肯定感)を高めるのにはスキンシップが一番簡単で基礎的なところです。
しかし幼児や赤ちゃんの頃は抱っこなどで機会はたくさんありますが、年齢が上がってくると減ってきます。
この節では日常のどんな場面でどれくらいのスキンシップがよいのか書いていきます。

出掛けるときに手を繋ぐ
手のひらだけですが子どもは安心します。
外での危険からも守れるので一石二鳥ですね。危ないときにすぐに引き寄せたりもできるため、特にハードルは高くない普通の行動です。
たまにおいでと抱き締める
来なくてもいいです。
いつでも甘えさせてくれると思ってもらえたらいいですね。
ひとつ注意ですが、自分の気分次第でやっていたらだめです。
↓の「甘えてきたら受け入れる」をしないのに、都合のいい時だけ呼んでいたら、それが分かるくらいの年齢になっていると逆効果になることもあります。

甘えてきたら受け入れる
大人側の都合もあるでしょうからその場では断ることがあっても、数分後には「さっきは無理だったから」と受け入れてあげましょう。
繰り返していれば子どもの側も、大人側にも都合があることを理解し、"受け入れてくれなかったのは私が悪いわけじゃない"と分かります。
耳かき
子どものケアをしながらスキンシップをとれる良い場面です。耳そうじは気持ちが良いので、快の感覚をよけいに感じられるでしょう。

歯磨き
歯磨きについて、仕上げ磨きは9歳くらいまで必要なのでこちらもスキンシップにもなり一石二鳥です。
子どもの歯の状態も分かります。これをやるだけでも1日1度は触れ合える機会となるため、習慣にしてしまいましょう。
髪の毛
髪の毛や頭のマッサージは気持ちが良いですね。
子どもも同じです。女の子なら髪の毛を結わえてあげたり、ヘアピンを付けてあげるだけでもいいかもしれません。
背中をトントン
背中を大人の大きな手でトントンされるのは安心するようです。
大人でも、落ち込んでいるときに背中をヨシヨシとされれば元気が出てきますね。
寝るとき
寝るときに手を繋いだり、頭を撫でながらは子どもも安心します。求めてきたなら少しの時間でも応じてあげたら良いかなと思います。

本読み
ある程度の年齢になるまで、本を一緒に読む時には大人の膝の上に乗ってきます。
子どもにとって共通の動きなようです。特に拒否をする理由がなければそのままで良いでしょう。
小さいうちは本を仲介したやり取りなら、大人も「遊んでやろう」なと変な気を張らずに関われますね。

ハイタッチ
何かを達成したときや、片付けが終わったときなど何でも良いのでハイタッチ。
これだけでも子どもは認められている感じがします。
その途中のやり取りがあればなお良いですが、"終わりよければすべてよし"で気持ちよく次の行動に移れることになります。
大切な自己肯定感の記事についてはこちらをどうぞ👇️
子どもがやる気になったり、能力を上げたり、安定して過ごせることに繋がる関わりかたの記事👇️👇️
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