1.学童クラブとは

学童クラブ事業とは、児童福祉法第6条の3第2項の規定に基づき、保護者が労働等により昼間家庭にいない都内小学校に就学している児童に対し、授業の終了後等に児童館等を利用して適切な遊び及び生活の場を与えて、その健全な育成を図る事業です。

東京都保健福祉局ホームページより引用

学童クラブには公的な施設と、塾などが子どもを預かるという意味で「学童クラブ」と名乗っているものがあります。

後者は民間学童クラブと呼ばれます。

キッズコーチなど必要か?

学童で働くのにキッズコーチなどコーチング系資格は必要か?

塾などの民間学童では資格不要。

また公的な学童クラブで就職に関係するのは「保育士」「放課後児童支援員」などの公的資格のみです。

キッズコーチなど民間資格を持っていたら採用担当の目にとまるかもしれないけど、その程度の意味。

このため、「名前だけ」「就職に有利かも」と言う目的で取ろうとしているなら、時間の無駄なのでやめましょう。

【民間資格は意味がない?価値あるの?】☆見分け方・判断の材料はこちら

一方で、「質の高い知識や技術を目指すため自己投資」というつもりなら意味があります。

学童クラブの教科書とでも言うべき放課後児童クラブ運営指針でも、常に自己研鑽に励むことと明記されています。

仕事をする上での勉強する姿勢は、子どもに返っていくため必須。

その知識を得るために資格についての勉強をするのは、カリキュラムが整っているため効率がよいと言えます。

この記事では、学童職員向け資格として

  • 認定キッズコーチ
  • キッズコーチ検定
  • キッズコンサルタント
  • チャイルドコーチングアドバイザー

について紹介しています。

※名前が似ている資格

一般財団法人日本キッズコーチング協会
のキッズコーチ認定資格

こちらは、乳幼児(6歳まで)子育て対象のコーチング。学童期の子とは別物なので名前だけ。

2.放課後児童支援員資格とは

放課後児童支援員」資格は、放課後児童クラブ(厚生労働省の管轄している学童クラブ)で働ける公的資格です。

実務経験か、学歴等の要件で研修を受講して取得します。

こちらが無い場合は、受講資格を満たしていればコーチング系資格より優先して取得しましょう。

放課後児童支援員資格について詳しくはこちらへ

子ども施設で働ける万能資格、保育士についてはこちらへ

キッズコーチなどは勉強

3.キッズコーチ検定(一般社団法人キッズコーチ協会)

キッズコーチ検定はコーチング手法を取り入れた学童クラブを運営している、キッズベースキャンプが創設した民間資格。

放課後児童支援員資格ができる遥か以前から、独自の研修制度により人材育成をしてきた団体です。

キッズコーチ検定は、

  • 子どもとのコミュニケーション
  • リスクマネジメント
  • 発達心理学の基礎

を一回完結の講座で学ぶもので、1級~3級があります。

3級などは基礎の基礎なので、対象には単に子どもと接する機会が多い方、例えばスーパーの受付業務、ボランティアなどが挙げられています。

級が上がればロールプレイを取り入れた、実践でも使えるスキルの感覚を知れます。

対象はズバリ小学生1年生~6年生、完全に学童児対象の研修講座です。

取り方(キッズコーチ検定)

取り方

講座の受講(各級1日) eラーニングでも可

試験を受けて合格すること

上の級を受けるには、下位の級の取得が条件。

費用

・3級 5000円

・2級 8000円

・1級 15000円

キッズコーチ検定各級のカリキュラム

キッズコーチ3級

  • 3時間の講座
  • コーチング基礎知識
  • コミュニケーション
  • リスクマネジメント基礎
  • 初歩的な内容です

キッズコーチ2級

  • 4.5時間の講座を
  • コーチング応用知識
  • 子どものこころをつかむテクニック
  • リスクマネジメント
  • ちょっと応用して実践できる

キッズコーチ1級

  • 7時間の講座
  • コーチング応用知識
  • 子どもの問題行動への対処法
  • 子どもの発達心理
  • イベントファシリテーション
  • リスクマネジメント応用
  • 理論を実践に落とし込む内容です
  • ロールプレイやグループワーク

キッズコーチ協会

キッズコーチ検定について一言

認定キッズコーチと併せて、対象が小学生の学童クラブ職員に有効な講座です。

学童関係ではけっこう知名度もあるため、知っている方にしたら「お、勉強してるね」となるかも。

コーチングスキルを持って子どもと接する」とコンセプトがはっきりして、分かりやすい講座といえます。

ただ対象がスーパーの受付の受講生を想定してる3級から順に取らないとダメなので、その点は非効率かも。

まあ実施母体はキッズベースキャンプという民間学童クラブ、コーチングスキルを日々使って学童保育を行っている団体です。

そのノウハウを学ぶ意味は大きいと思います。

キッズコーチをとると自信

4.認定キッズコーチ(一般社団法人キッズコーチ協会)

学童クラブをコーチングの手法を早くから取り入れて事業展開している東急キッズベースキャンプのノウハウを取り入れた、学童保育の専門知識・技能を身に付けるための講座です。

コーチングの対象は小学生で、キッズコーチ検定より専門的な人を想定している高度な講座です。

取り方(認定キッズコーチ)

認定キッズコーチ

取り方

資格/経験の有無によってコースがいくつか。

提携する養成校も少しあります。

またキッズコーチ検定1級で一部免除となります。

費用や時間

一般コース

  • 座学19時間
  • 実技60時間
  • 236000円

資格保持者コース(保育士、幼稚園教諭、小学校教諭)

  • 座学19時間
  • 実技30時間
  • 149000円

放課後児童支援員コース

  • 座学14時間
  • 実技1時間
  • 48000円

経験者向けコース

  • 座学19時間
  • 実技1時間
  • 56000円

ここで言う実技は、学童クラブでの現場研修が主な内容です。

開講スケジュールは随時ホームページにアップされています。

※コロナの影響で、現場研修のある認定キッズコーチはかなり少ない模様。

認定キッズコーチのカリキュラム(協会ホームページより一部編集)

  • 子どもとのコミュニケーション
  • ティーチングとコーチングの違い
  • コーチング3原則とその他のスキル
  • 子どもの心をつかむ
  • 子どもの問題行動への対処
  • リスクの発見、予防策、対応

  • 学童保育の歴史、種類
  • 小1の壁と小4の壁
  • 保護者対応の基本
  • ホスピタリティ
  • 日々の報告とトラブルの伝え方
  • トラブルになる前に
  • クレーム対応

  • 各年代の子どもの発達様相
  • 近年の児童を取り巻く問題
  • 心の成長に大切な柱
  • 発達障がいへの理解と関わり
  • 遊びの重要性
  • イベント企画
  • ファシリテーション
キッズコーチなど

認定キッズコーチについて一言

本来学童保育は「保育士資格」を持っていても、経験を正しく積まないと適切な支援ができる仕事ではありません。

そのため「一般」と「資格保持者」に座学での同じ時間がとられているのは理にかなっています。

放課後児童支援員の研修を受けた場合、被っている部分が削られています。

しかしそれでも14時間分の講座があり、コーチングの要素や支援員研修では学べない実技も追加で学ぶことができる有効な講座といえます。

費用は高めなので、そこは迷うかもしれません。

なのでまずは「放課後児童支援員」資格を取得してからコース受講をすると良いでしょう。

キッズコーチ協会ホームページへ

キッズコーチ

5.認定キッズコンサルタント

民間学童クラブも運営しているキッズコンサルタント協会の認定する資格で、子どもの対象は学童保育です。

協会の提唱するシングルエイジエデュケーションという理論に基づいて講座が展開されているようです。

※シングルエイジとは0~9歳のこと。

取り方(キッズコンサルタント)

キッズコンサルタント

取り方

1日の講座を受け、最後の試験に合格する

費用

54000円+受験料

※初心者向けのアソシエイト講座は2時間程度で5400円

年会費3000円

カリキュラム

✔12時間後講座 

教育論

キッズコンサルタントが生まれた根本の教育論。

幼少教育論

シングルエイジにおける教育論。

学童論

学童保育における基礎知識。

キッズコンサルタント論

キッズコンサルタントに必要な力。

キッズコンサルタント協会

キッズコンサルタントについて一言

魅力的な売り文句が並んていますが、資格の名前には価値はありません。

また短時間講座で職員の質をあげ、学童保育の運営のノウハウまで学べるというのは無理があります。

受講すれば学びはありますが、受講対象が初心者なのか経験者なのかもよく分かりません。

用途不明の年会費があるのもマイナス。

ただ、初心者向けのアソシエイト講座は好評なようです。

「学童保育業界の人材育成をしたい」という理念は素晴らしいものなので、賛同するなら受講しても良いかもしれません。

キッズコンサルタント

6.チャイルドコーチングアドバイザー

大手資格サイトのキャリカレで募集されているコーチング系の資格ですが、残念ながら資格ビジネスの域を出ない講座です。

やれば勉強になる程度、既に子ども施設で勤務しているプロの受けるものではありません。

しかし価格も手頃なので、コーチングを学ぶ入門にはよいでしょう。

これ単体で、誰かに何かをアドバイスできるようなアドバイザーにはなれません。

本講座は、子どもに「自分で考える力」「周りと協働できる力」「自分の問題を自分で解決できる力」など 「自立する力」「生きる力」を身につけさせる「コーチングスキル」を習得できる講座です。

コーチングのプロとしてセミナー講師として活動をしたいという方はもちろん、学校、学習塾、スポーツスクールなど、子どもの教育・育成に携わる仕事に就いている方にもオススメできる講座です。

キャリカレ

取り方(チャイルドコーチングアドバイザー)

取り方

講座を受講して自宅受験

費用

講座の費用30100円(ネット申し込み)

カリキュラム

3か月目安

子育てに関する基礎知識
・聴くスキル
・承認スキル
・質問のスキル
・共感のスキル

チャイルドコーチングアドバイザーについて一言

子どもにコーチングスキルを持って接しようという資格が増えてきました。

コーチングはいろんな本も出ていて読めば勉強できます。

対象もぼやけているこの資格は、「いらない資格」の代表のようなもの。

講座のホームページに表彰状のような資格認定証書や認定カードが載っていて、「プロのコーチングアドバイザーとして仕事ができる」などの宣伝がありますが、残念ながらウソ。

誰でもとれる系の資格で起業できたら、世話がありません。

まあ講座を入り口として、自分の自信やスキルを磨きたい目的なら受講もアリだと思います。

こちらの講座はテキストとDVDによる自宅学習、3ヶ月目安とあるのでやる気があればすぐ終わると推測されます。

同じ費用をかけるなら本が何冊も買えますが、添削してもらったり人に見てもらって勉強したいのなら受講するのもよいでしょう。

ちなみにテキストだけなら、メルカリにいっぱい出ています・・

チャイルドコーチングアドバイザーのメルカリ
メルカリ

キャリカレ

7.学童保育のコーチング系講座のまとめ

いかがでしたか?

コーチングに関する講座は乱立していると言ってよい状況です。

記事執筆のために調べたなかでは「怪しい自己啓発」とか「宗教?」などいぶかしがる情報も数多くありました。

その中でもここで紹介したものは発展途上のものを含めて、まだ良い部類に入るものです。

コーチングのスキルはビジネスでも有効なコミュニケーションスキルとして最近話題になっています。

それを学ぶのは本でもできますが、人がちゃんとしゃべっている講義を聞くのは効率がよいです。

学童保育に関わる職員については講座の運営主体と内容を踏まえて、認定キッズコーチはおすすめできます。

放課後児童支援員資格を取ったあとに受講できたら、現場で役立つでしょう。

ジャム
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