自分を責める学童〜小学生くらいの子どもへの対応
何かあると「自分のせい」「僕が悪いんでしょ」みたいに自分を責める子がたまにいます。
まだ低学年なのに「僕なんて死ねばいいんだ!」なんて言う子すら、私は学童クラブで何人か出会ってきました。
この記事を開いたあなたは、我が子や身近な子どもが自分を責め過ぎているように思え、「なんでそう捉えるの?あなたのせいじゃないよ」と伝えても響かずに、心配しているのかもしれません。
よく「自分を責めるのは怒られすぎて卑屈になり、自信がなくなってる」と言われますが、
この記事を探してまで読もうとしてる、あなたのお子さんには当てはまらない気がします。
なんでうちの子が自分を責めるんだろう?
と疑問を持てる親は、必ず「自己肯定感を下げて認めてほしい子どもの欲求」みたいな情報に早い段階で必ず行き着くから。
経験20年の東大出身
理系保育士ジャムです。
セラピストでもある私(プロフィール)(@jamgakudoツイッター)の視点から、
【自分を責める子どもへの対応】
👆今回はこれについて、あなたにお話していこうと思います。
自分を責めるには4つの原因があります。
・不快から逃げて自分を守るため
・自分はダメと刷り込まれた
・自他の区別がつかず感受性が強い
・誤学習とパターン化
よく言われる「怒られすぎて自信を失う」のは上から2つまで、そればかりでなく優しい感受性の強い子も自分を責めがち。
小学生だと自他の区別がつかず、関係ないのに自分と同一視して取り込んでしまうことも原因にありますが、そのための対応は本文でお話していきます。
とるべき行動をキャリア20年以上の視点から理由付きでコツも書いているので、方針がハッキリとし、あなたの悩みが解決に向かうと思います。
1.自分を責める子ども。その理由とは
時に「死にたい」と低学年なのに発言するような自分を責める子になったのには、4つの理由があります。
1-1.不快から逃げたい
1-2.自分はダメと刷り込まれた
1-3.自他の区別がつかず感受性が強い
1-4.誤学習とパターン化
1-1.不快から逃げたい、人のせいにすると表裏一体
人のせいにする子どもの記事でもお話しましたが、嫌な怒られ方「激しい、人格否定など」を子どもは受けたくありません。
また「認めてほしいけれど見てくれない」などの不快から逃げたい欲求は普通の感覚です。
そこで不快から逃げるために
- 人のせいにして他人を攻撃するか
- 攻撃が自分に向かうか
表裏一体です。
不快感には
- 怒られすぎ
- うまくいかない劣等感
- 兄弟で比べられる
- プライドが高くできない自分
などのストレスも含まれ、子どもは逃れようと無意識に振る舞います。
振る舞いの1つが、その子が有効だと無意識に学んだ「自分を責める」という態度なわけです。
次でお話する刷り込まれた状態のベースにも、これら不快感があります。
1-2.生育環境の悪さなどで自分はダメと刷り込まれた
よく言われる自分を責める原因とされているもの、この記事を読むくらいのあなたは知っていると思います。
例えばアダルトチルドレンの話。
アルコール中毒の親を持つ子が、いつ豹変するかも分からない親の下でビクビクしながら自分を殺して過ごす。
すると子どもに思えないほど人の心を読もうとし過ぎ、親を攻撃したらひどい目に遭うので自分を守るために「私のせいだ」と思い込む。
これら類することは有名です。
✔他にも夫婦喧嘩や面前DVを見せられる
✔勢いで「あんたが居なければ!」なんて心理的虐待
ドラマで出てきそうなシーンですが、そんな環境の子はたしかにいて、自分を守るために自分を責める。
ちなみに人や兄弟が怒られてるのを見続けているのも、同じような結果になります。
アダルトチルドレン
アダルト・チルドレン(Adult Children:以下AC)とは、子どものころに、家庭内トラウマ(心的外傷)によって傷つき、そしておとなになった人たちを指します。
子どものころの家庭の経験をひきずり、現在生きる上で支障があると思われる人たちのことです。
それは、親の期待に添うような生き方に縛られ、自分自身の感情を感じられなくなってしまった人、誰かのために生きることが生きがいになってしまった人、よい子を続けられない罪悪感や、居場所のない孤独感に苦しんでいる人々です。
アダルトチルドレンって何?
1-3.自他の区別がつかず感受性が強い
感受性が強い子も、自分を責める方向に行きやすい。
虐待まがいの不適切さに心当たりないけど、性格的に自分を責める我が子が心配・・・というケースはこちらが多いと思います。
クラスで座っていて他の子が怒られてるのを見て、自分も叱られているような気になってくる。
子どもは自他境界がハッキリしないので、関係ないことなのに自分と結びつけてしまいます。
✔自閉傾向があると思い込みによって
✔HSCと呼ばれる子は、周りの刺激を人よりたくさん取り込んでしまうため、その傾向が強くなりがち。
人が傷ついているのを「私のせいだ」と思うのは、一般的には優しい子だと思われます。
1-4.誤学習パターン化
ここまでの理由ですが、元々の原因がどれであっても長期間同じだと普通になり、もはや理由は関係なくなります。
経験しすぎてパターン化してしまい、慣れてしまった状態なので、何かあれば「自分のせい」と考える癖がついてしまいます。
我が子を心配している親の立場だと、もうこの状態に近いかもしれません。
そうなると改善に時間がかかり、刷り込まれた元の理由も見えにくい。
ただ当たりはつくと思うので、対応をしながら原因への対処していくことになります。
2.自分を責める子への対応は大きく分けて2つ
自分を責める子への対応は大きく2つ
✔不適切な親の態度や言動があれば見直す
✔本人の視点を変えるアプローチ
2-1.親の態度や言動を見直す
親の言動や態度につおて、あなたは大丈夫な気もしますが一応お話しておきます。
早い話が「精神的に安心できる環境にすること」
面前DVなど分かりやすいダメ環境は改善しないといけませんが、他には日常的な関わり方としての叱る場面の比重が大きいもの。
責め立てるように叱る、逃げ場なく両親ともに叱る、少しのミスを長く叱るなど、
自分が同じ叱り方をされたら耐えられるか?の視点を持てば改善しやすいと思います。
また「ナゼ系の質問を控えること」でも効果があります。
●なんで片付けないの?
●なんで悪いことしたの?
👆これら「ナゼ系の質問」は言い訳を探させる質問なので、「ナゼ〜」と聞かれたら子どもは怒られないような答えを捻り出すことになります。
考えなしのその場限りの行動や、言葉にならないモヤモヤから出た行動を、意味や理由なんて自分じゃ説明できない。
そこで「なぜ?」と言われたらどうでしょうか。
無理やりそれっぽい理由を言わざるを得ません。
そして出てくるのが「だって〜」
それに対して
👆いや理由を不用意に聞いて言い訳を言わせたのはあんたでしょ、って話になります。
そんな感じで人のせいにして怒られた経験が重なると、今度は自分のせいにして「私がいけないの」「僕が悪いんでしょ」
それで収まれば自分を責める方を学びそうですよね。
または自己肯定感が低い子が「自分なんて死ねばいいんだ!」なんて言い出すので、自己肯定感を高める取り組みも大切です。
ここでは書ききれないのですが、要点は
●褒めていくこと、褒め方
●人と比較をしないこと
●スキンシップ
●ルールを守ることを教えていく
●好きなことや得意なことをする
●できないことは仕方ないと認める
詳しくはこちらの記事をご覧ください
【子どもの自己肯定感と自己効力感】違いを知って両方とも高めよう
2-2.視点変え
環境がそんなに問題でなく、本人の捉え方が課題に思える場合は「視点変え」を繰り返していくしかありません。
視点変え(リフレーミング)だけで何記事も書ける内容ですが、
✔ネガティブさを含む本人の思いは受け止めつつ、自分を責めていることは否定する。
✔自他分離がまだな子には、理屈で「関係ない」ことを伝える。
✔そして質問をしていくこと。
ナゼ系の質問はダメとお話しましたが、代わりに「もし〜だったら・・」系の質問が効果的です。
あなたがうまく振る舞ったとして、本当に問題は起きなかったと思う?
また「自分を責めるがパターン化している」のは一面のみに囚われています。
子どもの生きている世界は狭いので、連れ出して広げてあげるのも推奨。
お話だけじゃない実体験が、子どもにとっては何より大切なのです。
3.改善には時間がかかるので大人が引き込まれないよう
感受性が強くて自分を責める子どもは、何より自他分離が必要です。
心理学的には「自己同一性の獲得〜私はこんな人で人とは違う!」という感覚ですが、小学生のうちは無理で中学生以降に可能になります。
自分は、他の誰でもない、まぎれもなくユニークな自分自身であり、現在の自分が何者であるか、将来何でありたいかを自覚すること、つまり自分を発見することがアイデンティティの確立です。
心の発達より引用
また「自分を責める」は理性より感情の領域、理性が勝つくらい十分理解できるにも成長と時間が必要です。
低学年くらいの子が怒られ過ぎによって自己肯定感が下がっているわけでなく、感受性により自分を責めている場合には成長を待たないといけない。
焦るあまり叱責したり諦めた態度を見せると、自分を責める状態が悪化します。
大人として、待つ姿勢がなにより大切なのです。
時間がかかるので親の心配は募りますが、あくまでも子どもの課題なので親が精神的に子離れをしつつ対応する。
少しは客観的に見ないと大人が引き込まれてしまいますが、良い影響は1つもありません。
方向が合っていても時間が必要、ということは日常の積み重ねが効いてきます。
だから「自分を責める」問題一点だけ何とかしたいと思いがちですが、日常全般の親の態度や言動を気をつける必要がある、ということ。
人の親になったのなら自制心が必要になります。
余裕がないのは分かりますが、それは親の課題であって子どもには関係がありません。
また学童職員の場合など人のこの面倒を見ている場合、親の影響が最大なので施設内での対応の方向が合っていても卒会までに功を奏しない場合も。
何とかしてあげたい!と頑張るのは良いですが、あくまでも手助けの立場。
燃え尽きないためには入れ込みすぎないのも大切です。
4.「自分を責める子どもへの対応」まとめ
小学生くらいの子どもが自分を責める状態になっている理由は
・自己肯定感の低さ
・不快から逃げ自分を守るため
・感受性が強くて他人と自分を分けられない
自己肯定感が低い場合は環境に問題があるので、大人が態度や言動を見直すところから。
感受性が強い場合はリフレーミングによって、捉え方を変える方向で対応する。
また感受性が強くて自分を責めている場合は、自他分離や理性の育ち、経験を積むなど改善には時間がかかります。
なので親が引き込まれないよう我が子でも精神的に子離れし、ある程度の距離感が必要です。
死にたいという子どもの言葉、「死」をよく分かってないだろう発言でもドキッとしますね。
自傷行為を気分を紛らわす手段、言葉にならないを行動で示す場合もあって心配は募ります。
ですが時間がかかることを理解して、焦らずに関わってほしいと思います。
ありがとうございました
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本の紹介👇️
ACって?と思い購入。
楽天レビューより
字も大きく、一問一答形式ですので、読みやすい。編集はACの方、というのですか?ですが、医師の監修もありますので、内容も安心です。
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