1.基本的な公設(公立)と民間学童の区別
学童クラブには国や自治体が関わっている厚生労働省管轄の「放課後児童クラブ」(公設民営・公設公営・民設民営他)と、
全く関係ないけど子どもを預かるサービスだから「学童」と呼んでいる「民間学童クラブ」があります。
学童クラブは通称で、名乗る時の決まりはありません。
公設公営 | ・税金投入 ・自治体の直営 |
公設民営 | ・税金投入 ・自治体が作った施設を会社や社会福祉法人などに委託して運営 |
民設民営 (私立学童) | ・税金投入 ・父母会などが開いた学童クラブが助成を受けられる基準を満たした施設 |
民間学童 クラブ | ・自費運営 ・塾などが子ども預かりを 「学童クラブ」と呼んでいるもの。内容・形態は千差万別 |
公設(公営・民営)学童クラブ
厚生労働省の放課後児童健全育成事業としての"放課後児童クラブ"、通称「学童クラブ」
保護者が放課後に仕事や病気で子どもを見られない家庭の子を預かり、日常生活や遊びを通して育成していく施設。
自治体が直接運営したり、社会福祉法人や株式会社などに委託して運営したりといろいろありますが、税金が投入されているところが大きな特徴です。
民設民営(私立学童とも呼ばれます)
父母会・NPO・株式会社などが施設を作り、開所日数や職員確保などの公費助成を受ける基準を満たし運営しているもの。
厚生労働省のデータによると、厚生労働省管轄の学童クラブのうち民設民営は全体の2割。
基本的には公設学童クラブに準じて子どもを預かった上での遊びや、日常生活を通しての育成で、
独自に送迎やプログラムを行っているところも少なくありません。
税金が投入されていますが、運営母体やその学童クラブができた経緯などから、施設によって差が大きく、児童募集や選考も独自で行われています。
自治体のパンフレットに、
と紹介されてるのが、だいたい民設民営の学童クラブです。
民間学童クラブ
水泳教室や学習塾が子どもを預かる機能を分かりやすくアピールするのに、「学童クラブ」と名乗っています。
主体の習い事に追加で子どもを預かるスタンスが多いけれど、日常生活を保障する公設寄りの施設もあります。
特徴としては税金が使われてないので、公設の学童クラブより料金が数倍かかるのが大きい特徴です。
最近増えているのが、私立小学校が在籍している子を放課後に内部で預かる形。
利用料が学校の料金に含まれていたり、追加で費用徴収があったり、内部での追加授業など完全な独自サービスで、これも民間学童クラブに含まれます。
2.学童クラブの利用料と相場
2-1.公的な学童クラブの費用・父母会について
税金が使われている学童クラブを「公的な学童クラブ」と呼ぶことにします。
費用
✔公設公営、公設民営学童クラブは月額数千円〜1万円くらい。
月額無料や、おやつ代のみ徴収の自治体もあります。
✔民設民営は税金の補助が出るけど自治体により差が大きく、
例えば東京23区だと月額数千円と公立施設と変わらず
さいたま市などは月額+入会金で、月換算2万円程度
父母会など保護者負担
父母会など保護者負担も、運営者によって違いあり。
公設学童クラブでも父母会が存在する施設はありますが、一部行事運営など負担は軽め。
一方で保護者が立ち上げた学童クラブが役所から補助を受けてる施設だと、保護者役員が職員募集や行事全て仕切り、会計、負担が大きくなります。
東京都23区では公設の施設がたくさんな一方、横浜市内の学童クラブはほぼ保護者立ち上げ施設だったりして、地域によっても大きな差があります。
2-2.民間学童クラブ/塾の料金
民間学童クラブは全て自前で運営されてるので、料金は本来かかる人件費や施設維持費など全て含んでいます。
また1年生が高め、学年が上がると若干安くなります。
入会金や維持費があったり、夏休みは料金上乗せの施設も多いところです。
だいたいの相場は、私がいくつか調べたところでは
- 入会金2万円
- 1年生が週5で月6万円~
- 週3で3万円くらい
その他オプションとして
- 送迎一回500円
- 夕食一回700円
- 夜間の延長で1時間1000円
- 英語や造形など、特定の習い事プログラム1コマ2000円など
英語が母体とか、スポーツ主体とか、各施設で売りにしている科目があります。
2-3.放課後子ども教室
学童クラブとは別に、学校の放課後に子どもがそのまま過ごせる国の取組みがあります。
放課後子ども教室と言って、学童クラブと一体的に運営されてる施設も増えてます。
放課後子ども教室自体は無料ですが、学校ごとにあったり無かったり、あっても週一。
そうかと思ったら、隣の自治体では全ての小学校で週5でやってたり、自治体によって大きく事情が違うので一概に言えません。
3.学童クラブの土曜日、休みや開所時間/朝や夜の延長
学童クラブと書いたら、これ以降は特に断りがない限り"税金が使われている公的な学童クラブ"のことについてお話していきます。
3-1.土曜日と日曜日はどうなってる?
土曜日が開所している施設は全体9割ですが、時間は平日に比べて短めが多いです。
日曜日開所している学童クラブは、公立施設ではほとんどありません。(東京23区では新宿区のみ、片手で収まる程度の数)
一方で民設学童クラブは柔軟に対応してくれるところもあり、
公設民設合わせて26000ヵ所程度の厚生労働省管轄の学童クラブのうち4%ほどが行っているようです。(2021年度)
3-2.学童クラブの夏休み/冬休み/学校が休みの日は?一年生は?災害時は?
夏休み・冬休みなど
夏休みや春・冬休みや、創立記念日などで学校がない日は朝から学童クラブが開いています。
一年生の通い始め
一年生は3月まで保育園に行っていますが、ほとんどの学童クラブは4月1日から利用できます。
昨日まで保育園で、今日になったら朝から学童クラブに行くことので、環境の変化は大きいですね。
私が長く勤めていた中では始めこそ泣いている子もよくいましたが、すぐに大丈夫になります。
どうしても心配なら見学できないか事前に相談してみるのも手です。
学童クラブが学校外の場合、GW明けくらいまで引率付きで学童まで通う施設が多いです。
学校職員が引率したり、学童職員が依頼されて迎えに行ったり。
学級閉鎖
学級閉鎖のときは利用自粛のお願いされるか利用禁止か、スルーで利用はできません。
学級閉鎖の意味は、「潜伏期間も含めての感染症の拡大を防ぐため、人との接触を避ける」のが目的。
たとえ本人は発症していなくても、学級閉鎖のクラスの子は自宅待機。
親が仕事とか関係なく、家族以外他人と触れる場所に行っちゃダメなわけです。
厳しいところでは「兄弟クラスが閉鎖した場合も同様」とする施設もあるくらいです。
部屋がたくさんあって職員も余裕があれば、マスクをして隔離して別室で過ごせるかも・・
実はこの規定のない学童クラブは、
✕利用できるから便利
じゃなく、危険なのです。
自分の子は預かってもらえて助かるけれど、他の子が潜伏期間か怪しいのに、特に決まりなく普通に集団に紛れている。
👆どう思いますか?
災害時
災害時はほぼ全施設で規定があり、「預かれない」とする施設がほとんど。
育成時間中に災害・近場での犯罪などが起こった場合は、一人で帰さずに迎えが来るまで待たせるのが通常です。
台風の時に開所した学童クラブもありましたが、
預ける親も親だ!
相当叩かれていました。
子どものことはもちろんですが、職員の安全確保の観点からも災害時の開所は今後なくなると思います。
3-3.何時から何時まで?朝に合わない、迎えに間に合わない場合は?
朝は8:30くらいからが一般的、どんなに早くても延長扱いで7:30くらいからです。
延長扱いではだいたい追加の利用料(月に1000円など)がかかります。
夜は19時〜遅くても19:30程度まで。
また遅い時間になる場合は、一人では帰れずに保護者の迎えが必要で、多くの施設で18時が1人で帰せるライン。
民設学童クラブや民間学童クラブは、「最長で22:00まで預かれます」などよく見かけますが、利用している子は限られているでしょう。
朝開くまでに時間が余る/延長の迎えに間に合わない
仕事の関係で、子どもより親が先に家を出ることも。
迎えも間に合わないのは悩ましい。
迎えはファミリーサポートを頼んだり、近所の人に頼むなど。
間に合わないと言ってウヤムヤに預かってくれる施設はほぼ無いと思います、職員も大変なので。
夜は朝よりは手段が多く、短めの塾に通ってそちらに迎えといった方法もあります。
朝早いのは手段が少ないけど、友達の家に寄ってから一緒に行くとか、学童クラブ前で待ってるとか。
鍵を持たせられないから学童クラブに預けていると思うけど、「鍵を持たせる」という選択肢もあり練習すれば大丈夫です。
なんとかするのは土日も。
土曜日は開いている施設が増えてるけど統計上の話、地域によっては無い・あっても入れないも珍しくない。
- 児童館に行かせる
- 知り合いに頼む
- 必要な日だけ民間学童(塾)を利用
取れる方法は増えてるので、考える必要があります。
【学童はいつまで通う?4年生~高学年は必要ない】卒業準備は早めに
4.その他の学童クラブ利用についてよくある疑問
4-1.学童クラブ送り迎えはどうしたらいい?
保育園では送り迎えが必須ですが学童クラブは学校に行くのが前提、基本的に一人で来て一人で帰ります。
学校のある日は放課後から、学校のなかにクラブがあれば移動は楽です。
学校の外にある学童クラブには授業が終わったあと友達と一緒に来るのが一般的で、どちらが良い悪いもありません。
👆実際に下校時のトラブルもあるし、寄り道もあるけど経験のうち。
いずれ退会して自立していくことを考えると、学校の中の学童クラブに通っている3年生より、外にある学童クラブに通っている1年生の方が地域を知っていて顔見知りも多い。
👆どちらがいいと思いますか?
帰りは保護者の迎えか、一人で家に帰ることになります。
特に18:00を過ぎると、ほぼ全てのクラブでは迎えを必須としています。
民間学童クラブだと送迎サービスは。普通にあるけど、公的な施設にはありません。
4-2.仕事が休みでも学童クラブに預けていい?
学童クラブにより考え方が違うけど、多くの施設では
仕事休みなの?
いちいち確認していられません。
保護者のレスパイト(羽を伸ばす)のために利用しても構わないと個人的には思います。
表立ってOKか本当はダメだけどウヤムヤか?は、規定を読んでみましょう。
親が仕事でも
👆こんな子もいるし、子どもとの時間は大切だけど保護者も休みはほしいので、さじ加減。
4-3.学童クラブを休む理由は必要?
学童を休むときに「理由がなければ休めないの?」といった疑問がたま〜に出ます。
学童は義務で行く場所じゃないので、特に言いたくなければ「私用で休みます」で大丈夫ですよ。
待機が多いクラブだと、入所基準が「週4以上利用の子のみ受け入れ」厳しい地区もあるります。
休みが増えて対象外になりそうなら、それはそれで仕方ない。
まあ、とにかく休むのに理由は不要と言うこと。
学童休みでいい?
👆OKで、子どもの自主性や退会後を考えると、むしろ歓迎されます。
学童クラブが理由を確認したいのは、
✔何かか嫌なことがあって、子どもが家で訴えているんじゃないか?
✔周りに感染症にかかってる人がいないか?
こんなのを知りたいために、一応聞いているだけ。
細かい理由をつけて休みますと言っても、連絡簿には「私用で休み」としか書かれませんよ。
施設側としては"前日とか子どもの来る時間前、とにかく早めに連絡が欲しい"、それだけです。
4-4.塾に行ける?
多くの学童クラブで、一度学校から学童クラブに来て、塾へ行って、また学童クラブに戻ってくる(中抜けと言います)は禁止が多い。
塾と連絡を取り合うのも手間だし、いつ戻ってくるかもわからない、安全を考えた上でそうなっています。
学童クラブから塾へ行って、もう戻ってこないなら問題なし。
また学校から家に一度帰宅してから改めて学童クラブに来る、というのもだいたい禁止です。
自立支援が主な役割である学童クラブとしては、"家に帰れるなら、そのまま留守番できるでしょう"という考え。
民設学童クラブは柔軟に対応してくれるかも。
4-5.土曜日だけ使える?
土曜日はオプション扱いなので、それだけを利用できない施設がほとんどです。
平日の利用があまりに少ないと待機の子がいる施設では退会を勧められます。
土曜日含めての日曜祝日だけ預け先が必要な場合、
- 民間学童クラブや塾
- ファミリーサポート
- 託児サービス
- 知り合いや近くの親戚に頼む
- 留守番
が一般的で、要は学童には頼れないので自力で障害なんとかする訳です。
4-6.夏休みについて詳しく教えて
夏休みだけ休むのはあり?
夏休みはお盆に帰省したり、旅行にいったりと予定が多いですね。
家庭によっては保護者の仕事が忙しくて、夏休みといえども毎日通ってくる子も少なくありません。
そんな中で、学童クラブが必要ない家庭は休んでも問題ありません。
家の事情は千差万別なので、施設側が口出しをする筋合いはない。
ただ夏休み休んでたのに慣れて、学童行きたがらなくなる子もいます。
次の月も全て休みだと退会を勧められるかもしれません。
夏のプール
プール設備のある学校では、夏休みにプール指導が入りますが、塾とは違って学校の授業に相当します。
中抜けと本質的には同じですが、ほぼ全ての子が行くことを考えて、集団で出発させて参加する形態が普通。
帰りはバラバラと帰ってきます。
夏休みだけ使える?
この時期だけ使いたいというニーズがありますが、待機児童がいなければ問題なく使えます。
待機が出るような学童クラブでは難しいです。
一年生の夏休みを見越して申請しておき、4~6月を少し利用して夏休み過ぎたら退会という使い方をするリピーター(兄弟で利用してきた)もいます。
自治体によっては「夏休みだけ利用申請」制度がある場合も。
夏休みの朝や夜は?
夏休みは朝からの受け入れです。
保護者が仕事に行くのが遅い場合は午後から学童クラブに来る、というのも概ね大丈夫です。(施設によります)
夜は通常の学校のある日と変わりません。
ご飯は?
公設学童クラブでは給食はなくお弁当が主です。こちらの記事を参考にして下さい。
4-7.職員さんはどんな人?資格はあるの?
学童クラブの職員は、正規職員が3割程度であとは非正規、また全体の3割程度は無資格の補助員などです。
資格は保育士や教員免許を持っていて、「放課後児童支援員」という学童クラブ専門研修を受けた人を1人は配置。
人数はだいたい40人までに対して資格持ちの人を含めて二人は配置。(人数少なくても同じ)
これらが一応の基準として2015年に決まって、全国の施設がだいたい守るようになりましたが、
人手がいないなどで基準は義務から外れたので、施設によります。(守る基準 → 参考にする基準、裏を返せば守らなくてもいいものへ)
早い話が職員基準は何もなし、昔に戻っています。
無資格の人が何十人も見ていることも制度上は可能です!
また資格と言っても一般的には研修を受ければ取れる、たいした資格じゃないので
この人何なん?
って人も残念ながら少なくありません。
職員の質は地域・施設・運営者によってとても差がある所で、施設そのものを決めるといってもいい要素。
入所したい学童クラブのサービスの種類などよりも、まず職員についてリサーチするのがよいかもしれません。
👆現場的には補助がいても有資格者1人だとカツカツ、ワントラブル起きれば残り39人は無資格者に見てもらう感じになるから。
2人は最低必要だけど、最低を上回っている施設は75%しかない・・
期待し過ぎは良くありません。
5.学童クラブの利用時間や料金についてまとめ
公的な学童クラブの場合は、運営者や地域差があるとはいえ、概ね
✔時間は8:30~19:00くらいが一般的で朝と
✔土曜日開所が増えている
✔日曜日はほとんどの施設がやってない
✔夏休みや学校が休みの日は朝から受け入れ
✔値段は月に1万円(直営か委託)〜2万(補助金形式)
✔民設民営は多少値段が上がるけれどサービスが柔軟に対応してくれるところか多い。
✔民間学童は全く別物で、名前は学童クラブけれどほぼ塾
学童の様子は本を参考にしたり、クラブごとのホームページを見たり。
👇の本は良い学童クラブの参考例になります。
だいたい図書館でもこんな感じ。
学級で見せる姿とも違う、そして家で見せる姿とも違う、いわば半分OFFみたいな子供たちの姿。
ほんとあるある。小学校が懐かしい。
ブクログのレビューより引用
いや、中学生もまあ似たようなところあるけどね。
でもやっぱり距離感は小学生の方が近いな。
それでも距離を取らねばならないマスク姿です。
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ありがとうございました
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嬉しいです
下の記事も参考に、少しでも不安や分からないことが少なくなればいいなと思います。
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