1.食育についての基礎知識
1-1.食育について世間の関心は?
こちらからのデータをちょっと載せておきます。
👆️食育に関心があると答えた人は7割以上。
またその理由を見てもらうと、さまざまな思いを持っているのが分かります。
中でも多いのは、食生活の乱れ、栄養のバランス、子どもの育ちに必要などが上位に挙げられています。👇️
1-2.法律があります~食育基本法
食育基本法(食育基本法PDF 農林水産省)とは、2005年に制定された食育(食事をめぐる教育)についての基本的な理念を提示した法律。
教育となると対象が子どもと思われがちだけど大人も対象で、生活習慣病予防・母子保健なども含まれます。
そして国・地方公共団体・国民などを対象に、食育の推進を「責務」として定めています。
✔国民の心身の健康の増進と豊かな人間形成
✔食に関する感謝の念と理解
✔食育推進運動の展開
✔子どもの食育における保護者、教育関係者等の役割
✔食に関する体験活動と食育推進活動の実践
✔伝統的な食文化、環境と調和した生産等への配意及び農山漁村の活性化と食料自給率の向上への貢献
✔食品の安全性の確保等における食育の役割
子ども関係の施設に関係のある条項は
- 第20条:学校、保育所等における食育の推進
それに対応して保育所保育指針では
「望ましい食に関する習慣」を子どもに定着させ、食を通じた人間形成をはかるため、創意工夫を行いながらの食育推進が求められると。
楽しく食べる子どもに~保育所における食育に関する指針(PDF)
これに関係して細かい項目が書いてあるわけです。
一方で学童クラブの放課後児童クラブ運営指針(PDF)には、食べることに関してはおやつの記載が少しあるだけ。
だけど学童クラブも子どもに日常の関わりを通して様々なことを教えていく第一線なので、食育について考える必要があります。
ちなみに食育に関連した民間資格がいくつもあります。
資格自体に意味はないけれど、系統的に食育について学んでみたい方はいずれかの資格取得を目標・目安にするといいかもしれません。
食育の資格にはどんな種類が?食育資格パーフェクトガイド(外部リンク)
2.学童クラブの食育で教えられること/伝えられること
学童クラブや家庭でも、食育でできそうな取り組みとして、
・食べることの楽しみを伝える
・食文化を知る
・食材に触れる機会を作る
・収穫・調理などの体験を地域の人などと分かち合う
・自然や生命に対する畏敬を教える
このようなものが項目として挙げられると思います(参考:学校給食法、保育所保育指針)
これを元に、もう少し具体化してみると
- 食べることが好きになるアプローチ
- 食べ物が目の前に来るまで
- お店で食べ物を作る、売る
- 食べ物の働きを教える
- 消化吸収や栄養
- 好き嫌いや偏食
- 姿勢やマナー・箸
こんなところでしょうか。
実体験として教えられることは、別にクッキングだけじゃありません。
小学生になれば、知っていることも増えてきます。
パンが小麦粉からできていることや、お米は農家の人が育てていることも知るようになりますね。
お肉は動物の肉ということも知っているし、お魚は泳いでいたのを食べてることも知ってます。
卵からヒヨコが生まれることも知っているでしょう。
でもそれは知っているだけ、テレビの向こう側や本の中など、現実と隔たりのある知識です。
食べ物について極論、今の日本では「遊んでいれば、時間になると勝手に出てくる」と思っている子どもばかりに思えます。
これら食べ物についての知識を現実のものとして伝えていかないと、
食べ物に対しての態度は、本当に食べ物で苦労する経験が来るまでは、変わることはないでしょう。
生き物を食べていると言うこと。
昔話題になったのは、小学校のクラスで小さい豚を教室で飼って、大きくなったらどうするのか?
食べるのか、殺すのかそこの子どもたちの葛藤。
子どもにとっては家で飼っている犬を、自分が生きていくために殺す殺さないと同じような感覚だったことでしょう。
映画にもなったこの取り組みは賛否両論ありましたが、それくらい強烈な経験でなくても実体験がないと残りにくいと思います。
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3.学童クラブでできる食育活動
家庭でも食育についてできる取り組みはたくさんあります。
そして学童クラブは子どもがたくさん集まるので、できる取り組みは家庭とは比べ物にならないくらいあります。
特に家庭ではできないことは
- 他の子の感性に触れたり
- 友達と同じ経験をする
近い年代の子との関わりによって、得られる体験です。
学童クラブで働いていれば、「あらゆる経験の機会が乏しい家庭環境の子もたくさんいる」、を知っていると思います。
そのための機会補償をしてあげるのも、学童クラブの役割といえます。
これを踏まえて学童クラブで取り組める食育活動をいくつか挙げていきますね。
学童クラブの食事情👇️
3-1.クッキング・作ったものを食べるのは食育の王道
作ったものを食べる体験は、食育としては王道です。
料理の段階がいくつかあって
- 栽培~食材そのものから作る
- 近くの店で必要なものを買ってくる
- 料理をする
- 食べる
- 片付け・皿洗いな
どの段階からでも取り組めます。
世の中にはいろいろなレシピ本が出ているので、子どものレベルや環境に合わせて作るものなどを選定していきましょう。
個人的なおすすめはズバリ"粉もの"
練って、こねて、丸めるといった、手で作れるのが感触遊びの要素もあって子どもは喜んでやります。
他の子の作ったものを見たり食べたりできて、食べることが楽しい、という経験になります。
クッキーにしてもパンにしても粉ものは最後に完全に加熱する工程があるため、食中毒の心配がないのもメリット。
調理といってもヨーグルトに缶詰の果物を混ぜるだけなら、三歳くらいの子は喜んでやりますが、学童クラブくらいの年齢の子には少しもの足りない気がします。
学童クラブではなく、ちゃんとしたものを作りたいクッキングクラブなどで、年齢や人数を限定して募集するような場合だと選択肢が広がります。
昔からやられている味噌作り、ウメジュース作りなどは、調理環境がなくてもできる定番です。
3-2.栽培、飼育、採取
クッキングよりも上位の取り組みが、食材の調達。
学童クラブでは調理が難しい場合でも、栽培したのを持ち帰ると、子どもたちはとても喜びます。
土地がない場合はプランターと黒土を買ってきたら、少しのスペースでもできるしね。
だいたい数ヵ月で種(苗木)から収穫までいけるものが多いです。
プランター 野菜で検索するとたくさん出てきます👇️
植物系は比較的楽に取り組めます。
一方で飼育したものを食べまでもっていくのは難しいですが、できる環境にあるならチャレンジする価値はあると思います。
そこまでいかなくてもキャンプなどで魚のつかみ取りをして、すぐに焼いて食べるなどもいい経験になると思います。
個人的なオススメはキノコ栽培キット。たくさん採れて風味も良いです。
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3-3.食べ物クイズなどの遊び・本
室内で取り組める活動の代表。
原料とメニューをカルタのようにしてゲーム形式にしたり、レシピの材料カードを宝探しのように集めたり工夫次第です。
私が考えてやったこともあるカレーゲーム👇
カレーラリー
①5枚の具材カード(ご飯・にんじん・玉ねぎ・カレールー・肉)をあらかじめ隠しておく
②時間内に探して、五種類揃ったら1セット完成。
③できたセット数の多い人(チーム)が勝ち
①チームを作る
②チームごとに5種類(ご飯・にんじん・玉ねぎ・カレールー・肉)×3セットを分ける
③チーム内でカードを分配する
④ランダムに散って、他のチームの人とじゃんけんをし、勝った人は5種類のうちの何かを言う
⑤相手がそれを持っていたらもらえる
⑥持っていなかったらもらえない
⑦時間が終わったときに、チーム内で何セットのカレーができたか
動物集めのアナロジーです。
カレーリレー
この名前で面白そうなゲームを考えてください
カレー鬼
この名前でいいゲーム思い付きますか?
👆ネーミングからゲームを考え出せる能力、必要ですよ(^^)
子どもに振ってみてもいいかも。
目隠しして、なんの味か当てるゲーム
✔ブドウジュースとリンゴジュース
✔100%ジュースと30%ジュースを当てるなど
3-4.食育プログラム
単発の遊びではなく、期間や時間を決めたプログラムもいくつか考えられます。
食育としては地域との交流も大事な要素なので、近隣の店舗や生産業者などに掛け合って、一緒にできることがないか考えられるとよいでしょう。
食育をきっかけでも、地域理解が進むと日常的な子どもの安全にも繋がってきますよ。
- 作っているところを見たものを食べる
- 販売体験
- 買い物体験
- 配送体験
- 農地を借りての年間プログラム
- 地域にある景観用のプランターを借りて、学童クラブとの取り組みとしてPR栽培
地域ならではのアイディアが、子どもと関わりのない方々をうまく巻き込めれば、どんどん膨らんでいきそうです。
私が児童館で勤めていたとき、職員がアポ無しで近くの飲食店に行き、
カレー屋のインド人が、子ども向けのインド家庭料理を出張ボランティアで教えに来てくれたり。
また地域でつながった和菓子店の主人が、「見学に来させてもいいよ」と言ってくて、実際にお願いしたこともありました。
行動力とアイデア次第ということで、食育は、施設内で完結する必要はありません。
3-5.外部活動を利用する
主に食が関係している企業には、食育を全面に押し出して、子ども向けの専用のプログラムを無償で行ってくれるところもあります。
味噌の食べ比べや味噌作り教室などを行っています
※2022年コロナの影響で出張型は終了し、教材の貸出などへ変更されてます。
時期や企業の経営によって「できる」「できない」があるので、問い合わせだけでもしてみたらいいでしょう。
3-6.家でもできそうなこと~家庭への発信
世間の食育への関心具合を見ると、各家庭でも取り組まれています。
特に意識せずに子どもと料理をしてみたり、皿洗いをお手伝いの一環としてやってもらったり、食事マナーに厳しかったりと各家庭様々。
そこで学童クラブとして、家庭でも使える情報を発信していくのもできる取り組みです。
保育園ではよく、給食メニューや人気のレシピを紹介してくれています。
例えばこんなの👇️
同じように子どもと簡単にできるメニューを紹介してもいいですね。
また食育の一環として
「こんな遊びをしたら盛り上がりました」などの報告、
「近所の○○商店のコロッケがおやつで人気です」など、いろいろ発信のネタはありそう。
おうちでのお手伝いやって良かった1位が料理👇️
4.食育で使える本・マンガ
学童だと読み聞かせだけでも食育に繋がるので、使えそうな本を紹介してみます。
4-1.お菓子になりたいピーマン(絵本)
アニメっぽい絵柄の絵本で、子どもが手に取りやすい。
お弁当の時間、自分の弁当箱を開けたゆずるくん。「うわっ、ピーマンが入ってる。
ピーマン嫌いなんだ」それを聞いたピーマンはショックを受けます。ゆずるくんはお菓子が好きと知って、お菓子になろうとするピーマンは・・
おかしになりたいピーマン 岩神 愛 岩崎書店 2018年06月21日 売り上げランキング :
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4-2.焼き魚ののろい(絵本)
呪い、怖いと聞くと、学童クラブの子は喜んで読みます(^^)
残されてしまった焼き魚。食べてくれー、嫌わないでくれー、朝も寝るときも迫ってきます・・
やきざかなののろい ポプラ社の絵本30/塚本やすし(著者) 【中古】afb | ||||
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4-3.食べてあげる(絵本)
絵は明るめだけど、内容が結構怖め・・
りょうたくんはご飯の時に嫌いなものがでてきたら、食べてくれないかなあ。
そこにひょっこり小さなりょうたくんが現れて、何でも食べてくれます。どんどん大きくなって・・
たべてあげる ふくべあきひろ/おおのこうへい 教育画劇 2011年11月 売り上げランキング :
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4-4.こまったさんシリーズ(読み物)
不思議な世界に毎回入り込んでしまうこまったさん。料理を作りながら解決していきます。
物語を進めながら、料理の作り方までわかってしまう、昔からある定番シリーズ
こまったさんのカレーライス 寺村輝夫/岡本颯子 あかね書房 1982年10月 売り上げランキング :
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4-5.ドキドキ! はじめてのたのしいお料理レシピ(レシピ)
子どもの料理のレシピ本
子供の初めてのお料理にしてはかなり本格的で、材料集めから大変です。
アレンジを教えながらならなんとか活用できるか・・といったところです。
ドキドキ!はじめてのたのしいお料理レシピ 平井一代 成美堂出版 2012年09月 売り上げランキング :
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本が見開きで置けず使いづらいため、ブックスタンドが要ります。
可変式 ブックスタンド 本立て レシピスタンド おしゃれ パソコン データホルダー ページホルダー ブックスタンダー スタンドタイプ | ||||
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4-6.平野レミのおりょうりブック(レシピ)
本当に簡単な一番はじめの料理のレシピ本。
目玉焼きトーストなど、興味をもつきっかけの本です。
貸出OKにすると、家でやってみた報告が聞けますよ(^^)
平野レミのおりょうりブック ひもほうちょうもつかわない かがくのとも傑作集 わくわくにんげん / 平野レミ 【絵本】 | ||||
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4-7.中華一番(コミック)
中華料理の定番となったコミック。
「裏料理会」など悪者集団が出てきたり、伝説の包丁などアイテムが出てきたりします。
派手なパフォーマンスで料理をするキャラクターもたくさん出てきて、これぞ少年マンガといった感じです。
【中古】真・中華一番! <全12巻セット> / 小川悦司(コミックセット) | ||||
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4-8.ミスター味っ子(コミック)
バトル系の料理コミックの金字塔、
「うまいぞー」といいながら宇宙に飛んでいったり、背景で火山が爆発するようなのは、子どもが楽しむのにピッタリのノリ。
【中古】ミスター味っ子 [文庫版] (1-10巻 全巻) 全巻セット コンディション(良い) | ||||
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5.学童クラブでの食育まとめ
いかがでしたか?
学童クラブで食育は取り組むべきことですが、クッキングをしなくちゃ的な勘違いも多いので記事にしてみました。
日常の遊びや、地域のお店などと協働できればベスト。
ぜひやってみて下さいね。
ありがとうございました
コメントいただけると
嬉しいです
学童クラブ職員の悩みはだいたい
● 職場の人間関係で悩む
● 子ども対応のノウハウを知りたい
● 収入面や将来性に不満や不安あり👆これらを解決するには転職かスキルアップ。
転職に関しては、私も登録してみた信頼できる転職サイトがあるのでこちらから。
【はじめての学童指導員】登録した感想はかなり好印象、相談のみでもOK
スキルアップに関しては、
子ども心理/一般知識/事例/管理ポイント・・
個別にいくらでも学ぶことがあるので、それらを網羅して私ジャムがたくさん記事を書いています。
でも実は個別知識ばかり増やしても、根本的なものが足りないんです。
人間そのものを毎日相手にする学童クラブの仕事には、別次元のスキルや知識が必要、
というのが20年以上の経験と理系的思考による結論です。
・・では何が根本的に足りず、どうすればいいのか?
根本的に足りないもの
➔経営的な視点での基礎的な考え方、真の人間理解などのビジネススキル。
どうすればいいのか?
➔人に物を売るマーケティングを学ぶことで可能。
と思いましたか?(^^)
分野が全く違うように思えますがマーケティングを学ぶとは、人へ物を売ったり価値提供のために
✔ 人間を真面目に理解して読み解き、
✔ 発生した問題へどう対処すればいいか、
✔ お金/時間/情報/人材資源をどう使えばよいか?👆こんなのを学ぶ事になるので、結果的にあらゆる仕事に通じるスキルが身につきます。
これらが保育現場でも必要と言うのは、賢明なあなたには理解していただけるでしょう。
つまりマーケティングを学ぶと、どんな仕事にもつぶしが効く知識やスキルが身につくので、
保育に活用できるのはもちろん、ついでに副収入を得る程度は容易になり、収入面の不安もなくなってきます。
保育業界は価値観が偏りがちで、経験を積めば積むほど一般常識から離れてしまうジレンマがあります。
(経験が浅いと実感がないと思いますが、真面目に保育現場だけで経験を積むと必ずぶち当たる壁です)
特に現場リーダーや管理職になった時、一般的なビジネス知識やスキル有り無しは非常に大きな差となります。
良い主任や施設長は長い経験によって、自覚なしに身に着けているのですが、
あなたはその正体がマーケティングにより得られる知識やスキルということを知ったため、
それを学ぶことで、真面目に取り組めば1年ちょっとで10年以上の時間をショートカットして身につけられるわけです。
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