学童クラブにはメリットが多い、低学年で必要なら入れるべき、かも
学童クラブには"子どもを見てもらえる"だけじゃなく、様々なメリットがあります。
・・・とは言え、
・学童クラブ入れるべきか?
・入れないでも何とかできるけど、どうしよ。
・費用や負担などのデメリットが気になる
こんな感じで迷うのは、私も20年以上学童クラブで働いて保護者と関わってきた上、我が子2人を学童に入れたのでよく分かりますよ。
東大出身 理系保育士ジャムです。
学童クラブに【入れるべきか、入れないべきか】
結論はタイトル通り、「必要なら」の前提で
●低学年ならメリットが多いので、迷ってるくらいならいっそ入れるべき
●3年生以降はデメリットが増えるので、発達や個人差を含めて考えて欲しい
●人と関われる場は重要なので、学童クラブ以外にも開拓は必要
この記事で主にお話しているのは、公的な学童クラブのことです。
広い意味では民間学童クラブも含みますが、こちらは習い事中心なので「本人がやりたければ」と若干毛色が違ってきます。
それでは学童クラブ本来のメリットを、正しい運営がされていたら、の前提でお話していきます。
残念ながら施設によって差が大きいので、入れてみたら不適切指導に心配になった・・とかありますが、それはデメリットの記事でお話していきます。
とるべき行動をキャリア20年以上の視点から理由付きでコツも書いているので、方針がハッキリとし、あなたの悩みが解決に向かうでしょう。
目次
1.学童クラブは人と関われるのが最大のメリット、低学年で必要なら入れるべき
- 1-1.人との関わりが最大のメリット
- 1-2.正しい学びもしやすい
2.学童が必要なけれぱ、放課後子ども教室でも同じメリットがある
3.高学年には合わなくなるので、本当に入れるべきか吟味が必要
- 3-1.高学年になると学童のメリットよりデメリットが目立ってくる
- 3-2.民間学童なら人間関係を広げる意味でも問題なし
5.まとめ
学童クラブに関してのよくある質問の一覧はこちら
1.学童クラブは人と関われるのが最大のメリット、低学年で必要なら入れるべき
1-1.学童の最大のメリットは、人がたくさんいること
学童クラブ最大のメリットは、他の人がたくさんいる環境そのもの。
余計ストレス
かかるんじゃない!?
もっともな意見ですが、学童行ってない子どもは放課後どう過ごしてるか?を考えてみると
☑家族や決まった友達とだけ過ごし、習い事にたまに行く程度。
☑関わる相手が限られてるので、できる体験も限られている。
人と関わらないとストレスは少ないけれど、刺激がないとも言えます。
この「人との関わり」、無くても大人なら良いけれど、発達途上の子どもにとっては致命的です。
その点、学童クラブのメリットはなんと言っても、学校のクラス以外の子ども同士や大人との関わりができること。
学童に来てる子は周りに人がたくさんいるので、それだけでも受ける刺激や体験は桁違いに多くなります。
もちろん色んな人がいるので、思い通りにならないとか、友達じゃない子からストレスがかかったりするけど、生きてるってのはそういうこと。
箱入り娘みたいにノーストレスな環境で育てば、少しのストレスにも対処できない子になるかもしれません。
また小学生の低学年は、コミュニーケーション能力を得て数年、初期の初期。
自分の思いを伝えつつ人へも気遣い、やりたいことをある程度しつつ人とどう折り合いをつけていくか?
👆なんて一生物の社会スキルを学ぶ最初期です。
この社会スキルと言うやつは、実際に体験しないと学べず、学校で座ってお話を聞いてても学ぶのは無理な代物です。
そして体験が乏しいまま高学年になれば、自分の主張はするけど人の話を聞かない、いわゆる「KY〜空気読めない」と嫌われたり、
何となく外されたり、人とうまく行かない原因が分からずに悩む、なんて可能性が上がります。
何人も見てましたよ
学校で学べるのは学力などの認知能力が中心。
人の心や生きていく上での社会スキルは非認知能力に分類されますが、とても長い放課後をそれらの学びに充てられるのは、意味が大きいのです。
1-2.学童クラブ職員がいるため、正しい学びもしやすい
学童で働いている職員のうち半数は放課後児童支援員という資格持ち、小学生の発達や心理的な動きをよく知っています。
また無資格のアルバイトの高校生ですら毎日たくさんの子どもと接する中で、我が子しか見てない保護者より経験的に分かってるくらい。
そして職員は子ども同士の関わりの調整、単に話を聞いたり/教えたり/相手をするのが仕事です。
例えば子ども同士だとトラブルが起きても、不満を持った子が放置されて他の子は笑ってる
👆みたいな状況は頻繁に起きますよ。
子どもの放置プレーは泣いてる相手にどうしたら良いか分からない裏返しですが、職員はその辺にも介入して正しい行動を教えます。
子どもだけなら
・時間をかけて学ぶか
・結局学べないか
どちらかですが、大人が見てる意味は「健全で正しい体験」を保証すること。
こんな場は、学童クラブ以外では非常に限られています。
学校の先生も教えてくれるじゃん!
と思うかもしれませんが、学校の先生の力はこの辺の学びに関して、残念ながら正しい運営がされている学童クラブの足元にも及びません。
学校の先生は学業を教えるのが中心で、
しかも仕事が忙しすぎの激務、子どもへ細かく対応するなんてムリな話。
学校の先生にお話したい子はたくさんいるけど、対応できないんです。
だから大きなトラブルが起きたときだけ、呼んで上から指導するのが精一杯。
そもそも
・子どもの主張を細かく聞いて
・どうしたら良かった
・次はこうしてみよう
みたいな指導、教員免許をとるカリキュラムには一切無いので、全くの個人スキルで対応してるそうです。
👆何人か知り合いの学校教師に聞きました。
その他の学童クラブのメリットとしては・・
✓生活のメリハリがつく
✓約束しなくても遊べる
✓家にずっといる親ストレスが減る
✓大人の目があり安心できる
✓いざという時に頼れる
✓日常的な体験が多くなる
✓いろんな企画をしてくれる
他にも沢山ありそうです。
最近読んだニュース記事に「貧困によって、学校以外の体験が少ない子ども」が増えている、というのがありました。
学校以外での体験が何もない” 貧困が生む、子どもの「体験格差」への無理解…そして苦しみ
高くて習い事なんて無理!と諦めるのは仕方ないとしても、学校以外の体験の場は探せばけっこう出てきます。
その最たるものが「学童クラブ」
公的な学童クラブは比較的安く、低学年のうちならその他の体験を補完できると言ってもいいし、
次章にお話する放課後子ども教室や児童館なんて、ほぼ無料ですよ。
2.学童が必要なけれぱ、放課後子ども教室でも同じメリットがある
学童クラブのメリットは分かったけど、仕事してなくて申し込めないとか、
または学童クラブに申請しても、あろう事か待機児童になってしまう場合もあります。
そんな時、
日本終わってるな!
民間学童?
あのバカ高いとこ
使えないわよ!!
とネガティブ感情が起こりますね(^^;)
でもそれが一旦落ち着いて辺りを見回してみると、幼児ならほぼ保育園一択だったのに対し、小学生だと学童クラブ以外の選択肢が少なくないのに気づくはず。
中でも学童の厚生労働省じゃなく文部科学省管轄の「放課後子ども教室」という、
・学童みたいな入会条件なし
・放課後に大人の目がある場所で過ごせる
居場所事業があります。
「放課後子ども教室」は学校単位で作られてるので、
毎日やってて学童クラブと連携してるところもあれば、月に数回しかやってないところまで様々なことや、
見守りと言いつつ単なる道具貸し係がいるだけのところから、正規職員を配置してガッツリ子どもと関わってるところまで整備状況はマチマチなのが課題です。
とはいえ遊びで学校を使えるのは、放課後子ども教室ができる前は校庭開放くらいだったのを考えれば、大きな進歩。
学童クラブとは違う面もありますが、形式だけなら大人の目がある環境で放課後の時間を子どもが過ごす、という点に違いはありません。
・・と言うことは
学童クラブと同じメリットを享受できる、という話になります。
【学童保育と放課後子ども教室の違い】総合プラン一体型と連携型も解説
入会条件はないとお話したけど、放課後子ども教室はその小学校に行ってる子だけ(または近くに住んでる私立学校の子ども)
いる子がその学校の小学生だけというのは広がりがなく、学校の人間関係も引きずってしまいます。
その点、より良いのは児童館。
日常的な遊びの場はもちろん、交通費のみで遠足に連れて行ってくれるとか、神企画が目白押しですよ。
ですがここ最近、児童館は全国的に縮小傾向かつ無くす自治体もあるのは、20年以上働いてきた身としては寂しいものがあります。
3.高学年には合わなくなるので、本当に入れるべきか吟味が必要
3-1.高学年になると学童のメリットよりデメリットが目立ってくる
高学年に差し掛かって「学童に入れるべきか・・」と親が迷ってる上、本人が望まないなら入れなくても良いと思います。
迷ってるということは、入れなくても何とかなる算段があると思うので。
また学童クラブのメリットを十分受けられるのは、
・クラブ活動もなくて授業も短め
・周りに学童行ってる友達や同学年が多い
こんな低学年に限った話になります。
高学年になると、
・放課後の時間が短くなる
・来る友達は限定的で、ほとんどが下級生
学童クラブのメリットが発揮される条件の、多くが失われるからです。
高学年の割合
令和4年 放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)の実施状況(5月1日現在)
高学年になれば、学童クラブのメリットは別の場所でも本人が選択して享受できます。
だから学童にこだわる意味がなくなるし、練習すれば留守番したり、親が在宅じゃなくても鍵を持って家を空けた上で友達とも過ごせる。
高学年は発達的にも同学年の気の合う仲間を作る段階なので、学童クラブに囲い込まれるには無理が出てきます。
保護者目線では「安全、安心」に思えても、
✓学童に行ってる本人は不満を親に言えない
✓または1年生から行ってるから惰性で過ごしてる
👆こんな感じの子が増え、学童クラブで親が知らないけれど荒れに荒れ、指導員へ暴言、下級生に意地悪、悪い方向のストレス発散をする子までいる始末。
小学生の低学年と高学年では大きく発達的な質が違い、人間関係一つ見ても、
●低学年 →誰とでも遊んで広げる時期
●高学年 →特定の仲間と関係を深める時期
と言われています。
学童クラブに来ている子が、本人が一緒にいたい相手じゃなく、他にいないから仕方なく関わってるとか、
「高学年だから」という一点で下の子へ譲ったりリーダーシップを求められたり。
支援員も低学年の世話に忙しいので高学年の相手はあまりできず、本人との相性が良いとも限らない。
施設によっても本人の思いや性格によって大きく異なりますが、高学年になると学童から受けるメリットよりも、デメリットの割合が大きくなるのです。
親から見たらいつまでも子ども、
と思いがちですが、3年生くらいに明確な発達の節があります。
ずっと同年代の子ばかり何千人と関わってきたけど、2年生までと3年生後半じゃ全てが明らかに違いますよ。
だからこそ章題に書いた通り、3年生を目安に学童クラブを利用するかの吟味が必要になってきます。
👆幼児なら読む育児書、小学生以降で気にする人は少ないですが、発達的には年代ごとの特徴があります。
3-2.民間学童なら人間関係を広げる意味でも問題なし
今までお話してきたのは、低学年ばかりの公的な学童クラブの話。
習い事系の民間学童クラブなら費用は高いけど、5時間授業の週2回に行く程度なら許容範囲な家も多いでしょう。
公的な学童クラブを迷ってるなら、いっそ民間学童を検討するのが良いかもしれません。
別に宣伝じゃなく、スイミング、ダンス、ピアノ、プログラミング、学習系の塾、書写など色々あるので、本人が好きな活動に参加してもらうのは「アリ」だから。
好きなことを一緒にやる仲間は貴重かつ、習い事で友達を作るのは、学校のみだと狭くなりがちな人間関係を広げる意味も大きいのです。
友達関係でうまく行かずに悩んで不登校になるのは、学校だけしか人間関係が展開されてない子に少なくありません。
また習い事に行ってる子の割合は、学年が上がるほど高くなります。
公的な学童をやめて、そちらへ移行する家庭も多いですよ。
単純に高学年になると人気な公的学童は入りにくいとか、そもそも申し込めないなどの事情もありますが。。
小学生白書 習い事に行ってない子は2割以下
4.親の負担・責任は学童に入れても入れなくても変わらない
この章では、低学年のうちに学童クラブに行くのはメリットがたくさんありますが、あくまでも親としての責任を果たした上での話、ということをお伝えしておきます。
記事をここまで読んでくれたあなたは違うと思いますが、学童クラブに子どもを預ける保護者の中には、親の責任を人にやってもらうマインドの方が混ざっています。
・転んで怪我をすれば「ちゃんと見てて!」
・ケンカが解決しないと学童のせい
・夏休みなどは早すぎの時間外に来たり
・毎日のようにお迎えが開所時間を過ぎる
学童クラブは、お金を払うほどサービスが増える民間学童じゃなければ
✕あれこれやってくれる施設
◯助けてくれる施設
勘違いしてる方ほど、学童のメリット、サービス!と躍起になってる印象です。
そして5年生とかで入れないと大きな不満を持ち、さらに進むと「中学生には学童は無いのか?」と言い出すわけです。
預けっぱなしでは家庭の養育力が上がらない一方、学年が上がるほどいつ待機児童になるかも分からない。
学童ありきで生活するのは今の時代は危険です。
子どもがずっと家にいて、親のストレスも分かるけどね。
だからこそ学童クラブは、「困ったときに助けになる、福祉的な施設」なんです。
子どもは何歳になっても自立するまで親が育てていくので、学童クラブはいずれ卒会が必要です。
今学童クラブに入れるべきか迷ってるなら、来年はおそらく入らないでしょう。
親・本人含めた家族が過ごしやすい形を探し、必要な間に利用するのが学童クラブということになります。
5.まとめ〜低学年は必要なら入れるべき、と言っていいほどメリットが多いけど、高学年は考えもの
この記事では学童クラブ本来のメリットを「正しい運営がされていたら」の前提でお話してきました。
まとめると、
●低学年のうちは学童クラブに入れることでのメリットが多い(1章)
メリットは安全、安心は前提として
・人間関係の広がりを放課後にも期待できる
・人と関わることで体験が増える
・結果的に社会スキルが上がりやすい
・プログラムも多い
●学童じゃなくても放課後子ども教室や児童館でも同じメリットがある(2章)
●一方で高学年になるとデメリットが増えるので、民間学童の検討もあり(3章)
●親としての責任は変わらないので、過ごしやすい形を探していく途中に使うのが学童クラブ。(4章)
残念ながら施設によって差が大きいので、入れてみたら不適切指導に心配になった・・とかありますが、
それはデメリットの記事でお話していきます。
ありがとうございました
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本の紹介👇️
幼児なら読む育児書でも、子どもが小学生になれば読みませんね。
そんな時に、学童クラブに行く子どもを持つ保護者が読むことも想定して作られた「放課後児童クラブ運営指針」、その解説書が役立ちます
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