話が通じない保護者への対応は、またとない成長機会です
「話が通じない保護者対応」なんてタイトルの記事を見つけて読もうとしてるあなたはきっと、
理不尽に思える欲求、横柄な態度、こちらに落ち度はあるけど大げさすぎるような意見、クレームに悩まされた経験があると思います。
先日私の公式ラインにも「保護者からのクレームで 一方的に怒られ、何を言ってもあげ足を取られる方の対処方法を教えてください。」
こんな問い合わせがリアルタイムで来るのが、学童クラブの育成現場。
私もいろんなよく分からない・・いや、色んな価値観を持った保護者の対応をしてきたのでよく分かります。
経験20年の東大出身
理系保育士ジャムです。
セラピストでもある私(プロフィール)(@jamgakudoツイッター)の視点から、
【話が通じない(ように思える)保護者へ学童クラブとしての対応】についてお話していきます。
この場合問題の本質は
話が通じない!と怒りやネガティブ感情が一時的に出たとしても、後からでも学びに変えるべきということ。
なぜなら結局は経験してみるしかない類の、「対応スキル」だと思うからです。
基本的な対応ノウハウも、もちろん知っておきましょう。
話が通じなさは人によりますが、基本的な対応は普通の人と変わらないからです。
私もあらゆるクレームや保護者からの意見に精通してるわけでも、全部の保護者タイプに出会ったことはありません。
しかし振り返って学びに変えようとした時に役立てるノウハウは持っているので、今回はそれをお伝えしていきます。
とるべき行動をキャリア20年以上の視点から理由付きでコツも書いているので、方針がハッキリとし、あなたの悩みが解決に向かうと思います。
目次
- 1-1.感謝をベースに伝える
- 1-2.まともな要求か理不尽か
- 1-3.本当は何を言いたいのか?
- 1-4.顔には出さない
- 1-5.メモを取って時間を稼ぐ
- 1-6.時間設定
- 1-7.その他の細かい留意点
- 2-1.クレームの場合
- 2-2.お願いが通じない場合
5.まとめ
1.話が通じないように思える保護者対応とは
学童クラブで子どもを預かっていると、「こんなこと言ってくるの?」という意見をたくさんもらいます。
ある時は、
傘置き場に置いた傘がなくなった、どうしたくれるんだ?
知らんよ、本当に置いたのかも分からない、「どこで無くしたの!?」なんて剣幕で言われた子どもは怒られないように嘘つくのよ。と内心思いつつ対応しました。
自信のない、人の意見に流されてしまう子の親からきたクレームです。
またある時は、
ほんの小さなかすり傷を、子どもが家で聞かれて「職員にやられた」なんて答えたものだから、いきなり凄い剣幕で電話がかかってきたりして。
いくら注意しても危険行為を辞めない子へ話をするため座らせたときについたらしいけど、子どもは自分のしたことなんて言わない。
ケガはケガ、被害届出されたら100%負けなので誠意をもって複数人で当たり、矛を収めてもらいました。
訴えは分からなくもないけれど、そんなことで言ってくるの?というものが多かった印象があります。
「分からなくもない」正論を振りかざしてくる保護者はたちが悪いんですよね、「私が正しい」と思いこんで話が通じないから。
この記事を書くとき、藤子不二雄の『ミノタウロスの皿』という漫画を思い出しました。
言葉は通じるのに話が通じない、価値観が全く違うブラックユーモアの効いた作品。(完全に余談)
一見話が通じない保護者に対応するにはマインドを整える必要があるけれどそれは後に回して、まずは通り一遍のクレーム対応のセオリーや対応方法をお話していきます。
1-1.感謝をベースに伝える
1-2.まともな要求か、理不尽な要求か
1-3.本当は何を言いたいのか?
1-4.顔には出さない
1-5.メモを取ることで間を稼ぐ
1-6.時間設定
1-7.その他の細かい留意点
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1-1.感謝をベースに伝えるのは、話の通じない保護者かどうか無関係に有効
意見を持ってくる保護者は、何かを期待してやってきます。
よくあるのが、「同じ思いを他の人にしてほしくないから敢えて言っている」体でやってくる保護者。
簡単に言えば保護者にとっては、
というスタンスで、冷静ならともかく怒気をはらみながら言ってくるのは大きなお世話なんですが、
そこを分かって感謝を表せば、保護者の期待通りなので一定の満足を得られます。
こちらとしても、新たな知見が得られます。
口癖のように「ご意見いただきありがとうございます」は後ほどお話する学びに変えるマインドが整えば出てくるようになるでしょう。
来た意見へ対抗するのではなく感謝、歓迎するスタイルは有効と知っておきましょう。
1-2.まともな要求か、話の通じない理不尽な要求か
話が通じないように見えて、実は正論を持って何かを要求してくるのがほとんど。
ですが実行にはコストがかかり過ぎ、人手がないなど実施不可能な要求は全て理不尽な要求に相当するため、無理は無理と突っぱねることは必要です。
しかし話の途中でそれをやると逆上する人も多いので、最後までは話を聞くのが必要。
話を聞きながら、結論でもないのにハッキリした返事をしないことが大切です。
1-3.本当は何を言いたいのか?話が通じない保護者でも最後まで聞く
話が二転三転する人もいますが極少数、本当に言いたいことは1つか2つです。
話をしてる中で同じことが何回も出て来る人たくさんいますが、要求は分かりやすい。
その中でも「話を聞いてほしい」は共通した要求。
話を聞いて承認してほしいだけの人もいるくらいなので、とりあえず全部聞いてあげる必要があります。
そして聞きながら、真の要求を探っていきます。
大切なのは話の腰を折らない、反論しない。
有名なNGワードにD言葉があります。
- でも
- だって
- だから
話の腰を折る代表的な言葉なので、意識して使わないように気をつけましょう。
また要約や言い換えで理解しようとする態度は役立ちます。
1-4.顔には出さない
保護者の話を聞いてるとよく分からない、同意しかねる価値観も出てきます。
客商売だと相手を否定することを思う自体ダメと考える方もいますが、顔に出さなければ心のなかで
みたいに何を思っても大丈夫です(^^)
私が関わった中で昔いたのが、養育態度がネグレクト認定されて施設に預けられることに決まった途端、気分一変ウキウキしている様子は理解できなかった。
けれど、その人の価値観。
と低学年の我が子に言う気持ちは全く分からないので、「分かります」なんて相槌でも言えないけど、うんうんと聞いていればOKです。
1-5.メモを取ることで間を稼いだり記録をする
メモを取りながら聞くのは、「聞いてもらっている」を感じるし、手ぶらだと相手の顔をずっと見てないといけないので疲れます。
メモがあれば書くときに一呼吸取れるので、手ぶらで臨むよりよほどオススメ。
また言った言わないを防止するため、記録者をつけるのも有効です。
隣では話に参加せず記録だけする人を配置、よほど大きな案件でないと難しいかもしれませんが圧になるため、逆上しやすい保護者の態度への抑止効果があります。
同じ目的からボイスレコーダーを入れるのもOK。
保護者からレコーダー持ち込まれて「録音していいですか?」なんて先に言われるとギクッとします。
相手主導、録音データも相手持ちなのは不都合もあるので、こちらから先手を取ったほうが良いでしょう。
こんなのを言い出すのは経験上、お父さんに多かった気がします。
1-6.時間設定
保育現場では時間が限られています。
はじめから設定するのは少ないですが、時間が迫ってきたら
あと10分で出ないといけないので、今後のことをお話したいです、
など区切りをつけると、相手の気持の切り替えにもなります。
言い方は何でもよく、「時間も遅くなってきたので」「話し合いで30分ほどたったので」
時間がいくらでもあれば必要ないけれど、そんな状況は少ないですよね。
1-7.その他の細かい留意点
電話がきた場合
電話でクレーム、結構来ます。
基本的には来所してもらうのですが、内容によっては出向くことも視野に入れます。
聞こえにくい、相手の状態がわからないので込み入った話は理解してもらえないなど、
かかってきた電話では下手に話すと言った言わないになるので、相手の言いたいことを聞くだけ。
対応を求められたら即答せず、相談して折返し、上の人に折り返してもらうなど、電話を切れれば時間ができます。
父と母で理解力の差
父と母で理解力に差がある場合も多いので、その場合は理解してくれる方に伝えます。
父親に伝えたら逆上するので母に伝える、よくあることです。
連絡帳の使い方
連絡帳で書いたら曲解されて炎上したりもあるので、気をつけましょう。
同僚を擁護しない
あの職員なんなの!?
と言ってくる保護者、対象の職員がどんなに立派で尊敬できるでも身内を擁護した途端炎上します。
社内の人を呼ぶのに「うちの川口が申し訳ありません」とか普通は呼び捨てにしますね。
そこを「川口さんは・・」と話したら保護者に「職員にさんをつけるのか?」と怒られたこともあります。
2.親のタイプから思いを知る
2-1.クレームなどの場合
親のタイプで私が関わったことある一部は
✔普段からのクレーマー気質(クレクレ)
✔子どもが心配すぎて行動エスカレートしがちタイプ
✔放置、放任だけど言ってくる時は深刻タイプ
✔過去の施設系トラブルを思い出すタイプ
✔精神疾患で学童以外に多分相手にされないのタイプ
いろいろいましたが、親の思いは変わらず基本的には2点、
我が子大切
親も気遣ってほしい
👆どちらが強いかはその人によります。
ネグレクトの親は自分をネグレクトと思ってなくて、普段は放置してるのに、意見をするときは頑張ってきます。
傍から見ると、普段の埋め合わせをする演技に見えたり歪んでますが、やはり「我が子大切」+「自分大切」
最低限そこを押さえてこちらの都合を優先しなければ、基本的な対応は間違わないと思います。
2-2.こちらからのお願いなどの話が通じない場合
理解力が低いのか、こちらからの全体へのお願いが通じない保護者もいます。
お便りで在籍家庭へ周知したつもりなのに
結局不利益を被るのは親ではなく、その家の子ども。
そんな家庭は付き合っていれば分かるので、個別対応が必要です。
公平性を問題にして「その家にだけ特別に連絡するのはいかがなものか?」という支援員もいますが、ズレた話。
外国籍の保護者、日本語が達者でないなら分かりやすく伝えるといった合理的配慮の範囲です。
自閉傾向があって一旦思い込むと譲らない保護者もいます。
通常のルールやお願いが理解できないのは学童クラブに限った話ではないので、広い意味で支援の必要な家庭、手間はかかりますが個別対応が必要になります。
100人在籍の学童でも2家庭とかその程度なので、やったらいい話です。
3.最終的な折り合いの付け方
保護者は何か要求があって話をしてくるので、ほとんどの場合は結論を出す必要があります。
その時は安易に受け答えをせず、謝罪すべきところと流す部分は分けておきます。
●怪我をさせたことについてはお詫びをします。
●連絡が遅れた点についても申し訳ありません。
もちろん施設として改善できる意見は受け入れるのがよいけれど、無理なこともあります。
人手がいれば可能だけど、職員が減ったらできなくなることもありますね。
全ては受け入れないで、範囲を限定させることで折り合いをつけましょう。
また確約するような約束は、しないほうが身のため。
「怪我をさせないようにちゃんと見ていきます。」
👆無理な約束の代表です。
相手の剣幕に押されているうちは、結論を出さないでおきましょう。
4.後からでも感謝して学びに変える、が一番重要
保護者からの意見、特に話がなかなか通じない場合は怒り感情やイライラ、
怒鳴り込んでくる大柄な熊みたいな父親、単純に怖いと思います。
その時点で感情に負けてしまうのは、場数を踏んでいなければ仕方ないので、うまく対応できなくても落ち込む必要はありません。
しかし感情が収まり、そのトラブルが収束したあと、極論一ヶ月後でもよいので振り返り、学びに変えるべきです。
・・あの親、変な親だったわ。
とおしまいにすれば、学びはなく無駄な時間を過ごしただけ。
価値観が全然違う人に関わる機会がある、これは保育現場でのメリットだと私は考えるようになりました。
人間的な成長は、子どものころから色んな人に関わることでのみ可能です。
本やテレビなど擬似的な経験も役立ちますが、体験には勝りません。
最良のOJTの機会を有効に、嫌な思いをしたのなら尚更タダでは起きないように(^^)
あとは
あの親は変だから・・などレッテル貼りをしないこと。
子どもには気をつけてると思うので、大人相手にも気をつけるだけです。
クレーム対応なんか本はいくらでも出ているので、一冊読んでみるのもよいでしょう。
学童クラブや保育現場は、毎日子どもばかり相手にしてて社会との価値観がズレがちなのだ、一般的なビジネスマナーの本も役立ちますよ。
ビジネスマナーと仕事の基本 ゆる図鑑 デジタル対応版 | ||||
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5.話の通じない保護者への対応まとめ
話が通じないように思える保護者対応について、まずは一般的な対応スキルやノウハウを知っておきます。(1章)
1-1.感謝をベースに伝える
1-2.まともな要求か、理不尽な要求か
1-3.本当は何を言いたいのか?
1-4.顔には出さない
1-5.メモを取ることで間を稼ぐ
1-6.時間設定
1-7.その他の細かい留意点
次にどんな親でも基本的な思いは2点。
✔子ども大切
✔親への気遣い
この2点を押さえて対応しましょう。
最終的な折り合いをつけ(3章)、落ち着いてからで良いので振り返って学びに変えるのが大切だと思います(4章)
子どもと関わりたいのに、なんでこんな訳わからない相手しなくちゃいけないんだ!?
なんて話の通じない親の受け答えしながら思ってしまうけれど、必要な仕事。
体験できれば確実にスキルアップできるので、できれば感謝ができるよう人間的に成長してほしいと思います。
ありがとうございました
よければコメントなどいただけると嬉しいです👇️
本の紹介👇️
レビュー ★5
ドラえもんの作者でお馴染みの藤子先生の短編集です。
とても哲学的で独自の価値観、倫理観を巧みに作品に反映されており、ミノタウロスの皿という作品も人と牛の価値感を180度回転させた展開で、ユーモア溢れる一面読者に対して恐ろしく見せ付けています。老若男女全ての方に読んでいただきたい1冊です
楽天レビューより
藤子・F・不二雄SF短編集<PERFECT版>1 ミノタウロスの皿 | ||||
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こういう本を一冊読むと違いますよ👇
クレーム対応の「超」基本エッセンス 新訂第2版 カスタマーハラスメントに負けない! エキスパートが実践する鉄壁の5ヶ条 | ||||
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文中で紹介したリンク👇️
学童クラブ職員の悩みはだいたい
● 職場の人間関係で悩む
● 子ども対応のノウハウを知りたい
● 収入面や将来性に不満や不安あり👆これらを解決するには転職かスキルアップ。
転職に関しては、私も登録してみた信頼できる転職サイトがあるのでこちらから。
【はじめての学童指導員】登録した感想はかなり好印象、相談のみでもOK
スキルアップに関しては、
子ども心理/一般知識/事例/管理ポイント・・
個別にいくらでも学ぶことがあるので、それらを網羅して私ジャムがたくさん記事を書いています。
でも実は個別知識ばかり増やしても、根本的なものが足りないんです。
人間そのものを毎日相手にする学童クラブの仕事には、別次元のスキルや知識が必要、
というのが20年以上の経験と理系的思考による結論です。
・・では何が根本的に足りず、どうすればいいのか?
根本的に足りないもの
➔経営的な視点での基礎的な考え方、真の人間理解などのビジネススキル。
どうすればいいのか?
➔人に物を売るマーケティングを学ぶことで可能。
と思いましたか?(^^)
分野が全く違うように思えますがマーケティングを学ぶとは、人へ物を売ったり価値提供のために
✔ 人間を真面目に理解して読み解き、
✔ 発生した問題へどう対処すればいいか、
✔ お金/時間/情報/人材資源をどう使えばよいか?👆こんなのを学ぶ事になるので、結果的にあらゆる仕事に通じるスキルが身につきます。
これらが保育現場でも必要と言うのは、賢明なあなたには理解していただけるでしょう。
つまりマーケティングを学ぶと、どんな仕事にもつぶしが効く知識やスキルが身につくので、
保育に活用できるのはもちろん、ついでに副収入を得る程度は容易になり、収入面の不安もなくなってきます。
保育業界は価値観が偏りがちで、経験を積めば積むほど一般常識から離れてしまうジレンマがあります。
(経験が浅いと実感がないと思いますが、真面目に保育現場だけで経験を積むと必ずぶち当たる壁です)
特に現場リーダーや管理職になった時、一般的なビジネス知識やスキル有り無しは非常に大きな差となります。
良い主任や施設長は長い経験によって、自覚なしに身に着けているのですが、
あなたはその正体がマーケティングにより得られる知識やスキルということを知ったため、
それを学ぶことで、真面目に取り組めば1年ちょっとで10年以上の時間をショートカットして身につけられるわけです。
と言ったところで、私の学んだオンラインビジネススクールを紹介しておきますね。
名前は「次世代起業家育成セミナー」
●友達追加するだけで、20万円分の教材が無料でもらえ、巷に溢れている単発のビジネス動画でなく体系的に学べる。
●また私のウェブサイト(「学童クラブ指導員と保護者の部屋」または、「保育士の3大お悩み解決所」)経由で登録すると、私からも「保護者対応虎の巻」などを差し上げています。
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