ピラミッドメソッド、名前は怪しいけど特別なことは無し
「ピラミーデ」とは保育理念や方法の1つ、30年くらい前にオランダで生まれて日本に来た「ピラミッドメソッド」の呼称が変わったもの。
集団保育が主体の日本と相性がよく、名前を使ってなくても要素としては多くの保育施設で取り入れられています。
学童クラブの育成にも同じく、ピラミーデの内容を要素として含みます。
4つの基礎的な考え方(基礎石)をベースにプレイ、プロジェクト、チュータープログラムとピラミッドを積むような概念として整理されている保育メソッドです。
経験20年の東大出身
理系保育士ジャムです。
世の中にはいくつかの保育メソッドがあるので、それらを概要でも知っておくと学童支援員として日々の育成の考え方が広がると思います。
かく言う私も、保育メソッドは名前知っててもイメージしてただけで10年以上過ごしてきたクチなので、この際知っておいてくださいね(^^)
1.ピラミッドメソッド(ピラミーデ)の概要
1-1.概要
「ピラミーデ」はオランダ政府による教育機構Cito(シト)が1994年に開発した幼児教育法です。
ピアジェやヴィゴツキーなど新旧の様々な教育理論をベースに整理されています。
日本に入ってきた当初は「ピラミッドメソッド」と呼ばれ、そのまま呼称を使っている園も多いですが、今はオランダ読みの「ピラミーデ教育法」と呼び名が変わったそうです。
1-2.ピラミーデの目的
この教育の基本的な考えは、「子どもが自分で選択し、決断できる力を養う」という考えです。
自主性を育て自分で決めて動ける子になれば、興味のあるものへ自分から調べるなど人生を自分で切り拓いていきます。
自主性が強すぎると
・学校教育に馴染めないのでは?
・主張が強いと周りから浮いてしまうのでは?
という懸念もありますが、公共のルールなど日本文化に合ったこともちゃんと教えていけば大丈夫でしょう。
「自立・自主性」を育てるというのはモンテソーリ、ヨコミネ式、ピグマリオンなど多くの保育メソッドが掲げる目的なので、別に特別なわけではありません。
2.ピラミーデの「ピラミッド」とは??
ピラミッドという呼び名の通り、考え方がピラミッドのような階層になっています。
最下層 4つの基礎石
1つ上 プレイプログラム 〜自由遊び
2段目 プロジェクトプログラム〜活動プログラム
3段目 チュータープログラム〜個別対応
この階層を個別に解説していきますが、知らずにこの形になってる施設は多そうです。
2-1.基礎石
一番ベースになるのは4つの基礎的な考え方、「4つの基礎石」と呼ばれています。
子どもの自主性
安心した環境でこそやる気が出る
保育者の自主性
子どもの欲求を理解したスキルに根ざした働きかけ
寄り添う
保育者とのアタッチメントによる愛情、信頼
距離を置く
つかず離れずの関係性
これらが実践できるには、例えば👇のような保育者の態度が理想的です。
●自分の好きな遊びを見つけられるよう声掛けや環境設定
●自主的に遊べているときは認めるような声掛け
●うまく遊べないときはヒント
●ネガティブな原因で諦めかけたら手助け
●遊びを言語化
●見守っているという安心感
●ルールと制限があることを教える
2-2.プレイプログラム
いわゆる「自由遊び」の時間ですが、
- 見守りつつ
- 子どものやりたいことに
- 周りの子と関わりつつも
- 集中できる環境作りをする
文字で書くと難しいですが、自由遊びの留意点を分かって、保育者は環境を作るというだけの話。
ピラミーデで取り組まれている例として、1つ挙げると
✔コーナーで遊び空間を物理的に区切る取り組み
✔プラニングボードで子どもが予定を立て、遊びを意識できる取り組み
部屋を広く取って、遊びごとに空間を区切るのは自由遊びの基本なので不思議はありませんが、
ピラミーデでは、プラニングボードを入れることで工夫されてます。
各遊びコーナーが何人まで入れるか決まっていて、子どもが何をするか決めて先に名前磁石を貼っておく。
区切りが曖昧な保育環境は部屋が狭くて区切れないケース含めてよくありますが、
学童クラブでは落ち着かない子があっちの遊び、こっちの遊び、入れてもらえないで弾かれるなんてよく見る光景。
そんな状況を避けて、落ち着いた環境を作る方法論の1つです。
2-3.プロジェクトプログラム
いわゆるテーマを持った保育で 普通の施設なら行事前はそれに関連した活動を通して学びや関わりのきっかけにするようなもの。
ピラミーデでは子どもの発達を
・個性
・情緒
・知覚
・言葉
・思考
・空間と時間の理解
・運動
・芸術
という八つの領域に分類しています。
またテーマとしては11が公式ですが、活動プログラムなので施設ごとに考え出されているものもあるよう。
テーマ
水・家・色と形・空間・数・大きさ・衣服・交通・春・秋・クリスマスほか
年間で領域を網羅していく感じで、テーマを定めてプログラムを組んでいきます。
- 導入
- 試しにやってみる
- テーマの世界を広げる
- 理解を深める
学校の授業のような座学ではなく、遊びや体験を通して学ぶ形。
分かりやすく「今月は〜の領域を〜というテーマで」のように保護者に分かりやすく可視化してくれている施設もありますね。
自由遊びではなく「サークルタイム」といってみんな輪になって、活動に関するお話する時間も活用されています。
2-4.チュータプログラム
いわゆる「個別対応」です。
全体への活動がある数日前に、個別で関わってその遊びをする。
当日は他のみんなと一緒に同じ活動ができる配慮的なプログラムで特に「予習チュータリング」と呼ばれています。
3.ピラミーデは普通の保育を理論的にまとめたもの
ここまでの話で、「ピラミッドメソッド」とたいそうな名前が付いてるけど、基本的には通常の保育施設とあまり変わらないという印象を持ったかもしれません。
実際その通りで、ちゃんとやろうとすれば8つの領域を網羅して、活動計画を立てて・・などですが、
考え方としては子どもに寄り添い、安心した環境で必要なことを教えつつ子どもの自主性に任せる。
保育施設でやられていることを、抜け漏れがないよう理論的に整理したものがピラミッドメソッド。
なのでピラミッドメソッドの要素が、日常的な保育環境に含まれているのは当たり前。
特に30年も前にできたメソッドなので、実践と研修を重ねた保育者が全国に散ることで、日本には根付いているのです。
英才教育的な能力開発は狙っていないので、年間通してきっちりメソッドをするのではなく、
クリスマス行事のときだけ特定の発達領域を狙って伸ばすような感じなど、多くの学童クラブ・保育園などで参考にできると思います。
基礎石に相当する考え方に至っては、全て子どもに関わる大人が実践できたら素晴らしいと思うくらいです。
4.まとめ
いかがでしたか?
ピラミーデ(ピラミッドメソッド)は、
- 4つの基礎となる考え方
- 自由遊び
- 活動プログラム
- 個別対応
普通の保育施設の流れと基本的には同じ内容を抜け・漏れのないよう理論的に整備した保育メソッドです。
活動プログラムで発達を意図して狙ってテーマに沿って一定期間展開する、というのは保育や学童クラブの育成にも取り入れられると思います。
ありがとうございました
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・・では何が根本的に足りず、どうすればいいのか?
根本的に足りないもの
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どうすればいいのか?
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と思いましたか?(^^)
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