0.民間資格の体験談~水彩画・カラーセラピー取ったらこうなった

私は若い頃いろんな資格を取りました。

「保育士」だけは仕事のためにとりましたが、その他ほとんどが趣味のため、知識のため。

しかしその中でも今思うと"無駄だったなあ"と感じるものが少なくありません。

どうしょうもない水彩画検定を受けた話

課題クリアしたら資格の「ホームページに自分の作品を掲載できて集客できる」という宣伝あり。

私が受けた目的は保育士試験の絵の勉強、だから絵の仕事はどうでも良かったけど、ホームページにはたくさんの作品が掲載してありました。

6ヶ月で4万円くらいの通信コース。

申し込んでみると・・

数ページしかないペラペラテキストと、課題がいくつか書いてあるだけ紙が送られてきました。

こんなペラペラテキストで何を学ぶん?という程度。

本屋に並んでる1000円のイラスト集のオマケ「絵はこうやって描くと上手くなる」コーナーにある程度の内容。

受講生募集のチラシには「仕事にもなる」ようなことを書いてあった記憶がありましたが、そっちの目的で来た人は"騙された"となるでしょう。

私の"絵の勉強をしたい"目的すら、一つくらい技法を学んだ覚えがありますが、

4万円もあれば本が10冊買えるので、それで勉強すれば良かったと思います

水彩画にかけたコスト10万円くらい
(材料費込み)
民間資格はお金がかかる

カラーセラピーの民間資格の話

また別の時、カラーセラピーの団体が発行する資格を趣味でとりました。

私はやると「のめり込む」質なので、結局講師資格まで取ってしまいました。

これもやっぱり「資格を取れば喜ばれて稼げる」みたいな宣伝つき。

周辺知識や技術も得てけっこう楽しく、実際にお客さんからお金も貰ったけど、講座や勉強に費やしたコストを回収できるギリギリのライン。

カラーセラピーは付き合っている彼女にデート中にやったり、その結果かどうか結婚できたので別方面で効果はありました(笑)

・・資格の話ですね。

こちらも集客して分かりましたが、セラピー受講生募集には「稼げる、喜ばれる」などの文句が大々的に書いてありました。

しかし集客は競合がすでに多くて難易度が高く、結局知り合いつてで集めるのが限界、

「稼げる」で釣られた人のほとんどは「無理だ」となったのではないでしょうか。

カラーセラピーにかけたコスト30万円くらい
民間資格をチェック

民間資格の王様「ファイナンシャルプランナー」を取った話

またある時、知識のためファイナンシャルプランナー2級も取りました。

しかし資格を取っても使うところが無かったです。

またこの資格は法律がコロコロ変わるので、数年前に取った時の知識が役に立たなくなるのが通例。

よほどの専業でないと知識の維持ができません。(というのが数年後に分かりました)

"ファイナンシャルプランナー試験対策"みたいな本を買ってきて勉強しただけで、世間にいくらでもある講座は受けなかったけど、試験料ももったいなかったと今は思います。

ファイナンシャルプランナーにかけたコスト(3万円くらい・・本代)
簡単なカラーセラピー資格 民間資格

こういった資格ですが、持っていないときは憧れたり、必要かもしれないと思いますが、取ってみたら

一般人
こんなもんか。

となるのが非常に多い。

資格をたくさん持っていて知識も豊富だけど、職場の人間関係やストレスにやられて病んで辞めていく方もたくさん見てきました。

同じ時間をかけるなら自己啓発や考え方・ストレス対処のしかたなど精神面の修練に費やした方がいい場合もあります。

私が仕事で直接役に立った資格は

  • 「保育士」
  • 「放課後児童支援員」

くらい。

その他20くらいの資格は「~持ってるの?へぇーすごいね」程度。

アピールできるのもあるけど、「そんなの取ったの?(苦笑、騙されたね)」というのも。

そんなことも含めて経験値や話のネタにはなりますが、時間は有限なので

  • 民間資格を取る目的
  • 資格自体の見極め

が必要。

ついでにカラーセラピーの記事を参考に。

稼げる稼げないの軸で考えると微妙なところですが、これ自体はけっこう有効で、やり方を覚えたら誰でもできるようなものです。

1.民間資格って、そもそも何?

国家資格でも公的資格でもない民間資格が世の中には数多くあります。

中には社会的信用を獲得し、国家資格並みのものもある一方、0章でお話した水彩画検定のようなゴミまでピンキリ。

社会的な価値の高い資格ほど、審査の基準や習得期間などの難易度が高く、

また研修なら受講資格自体が、「特定の国家資格をもっている人のみ」など対象を絞っている場合も、価値の高いものが多いです。

社会的に信用のある

✔簿記

 ➞難易度が高く、一級は税理士の受験資格になる

✔臨床心理士

 ➞取得には長期の専門教育が必要

などはその際たるものです。もちろんこのような資格は仕事にも直接結び付きます。

一方でカレー検定などは趣味のためとしか言いようはありません。

さすがに仕事で生かそうとする人は少ないでしょう。

その中間体がとてもたくさん、

「~事務」とか「~クラーク」とか、仕事にも役立つと言ってるだけで何にも役に立たないものが混ざってるのが民間資格。

人気があっても役に立たない資格はごまんとあります。

試験を受けて資格を得る 民間資格の取り方

2.その民間資格を取りたい目的が見分け方のポイントに関係する

さて、あなたがその資格を取りたい理由はなんでしょうか?

資格を取る目的は?
  • ①知識を得たい
  • ②独立のため肩書きがいる
  • ③就職に有利になりそう
  • ④完全に趣味
  • ⑤扇動されただけ

資格の価値を決めるのは自分 👈大きく関わってくるのが、「民間資格の見分け方」以前の取得目的です。

①知識を得たい

何かの勉強する時、本やネットでもOKたけど、どれを読めば良いのか分からないことが多いです。

その点、系統的にカリキュラムが設定された資格試験を目指して行うと、だいたいその分野の基本部分が押さえられます。

例えば経済学を学びたいと思っても、本が限りなく出ていて、何を読むのか全く分からない。

でも「〜大学 経済学部の〜学科」のカリキュラムで使っているテキストを入手して勉強すれば、大学に通わなくても一通りの学習が済みます。

その道の専門家が「これとこれを押さえたら、この分野の基本的なところがだいたい分かる」をまとめてくれたのが資格取得のカリキュラム。

闇雲に本を読み漁るよりも、時間を短縮できるのが大きなメリットのひとつです。

ついでに、あなたが受けようとしてる講座のテキスト、メルカリに出品されてますよ(^-^;。。

知識だけ得たいならそれで十分です。

試験に合格して民間資格を取得 

②独立のための肩書き・自分のブランドを高める目的

名前目的で資格取得もあり。

「ちゃんと勉強しました」をアピールするのは見せ方次第で世間的に有効、自分への投資にもなります。

・保育士を持っていて

・子育てアドバイザーを持っていて

・さらにチャイルドマインダーもあって

・よく分からないけど育児アドバイザーもある

と聞けば、普通の人なら

一般人
勉強家なのね。

いろんなこと知ってそうだから、この人になら子どもを預けても大丈夫そう

👆となりそうじゃないですか?

PRのために資格を取って、自分の価値を高めることで信頼を得る入り口となるでしょう。

注意が必要なのは、その資格を使ってブランドを高め、その資格発行団体に依存して独立を見込む場合。

これについては後程お話していきますね。

民間資格には注意が要ります

③民間資格で就職に有利!には要注意

これは一番注意がいるパターンで、「就職に役立つ」と自画自賛してる民間資格ほど、就職・転職には役に立ちません。

有名とか、大手なども関係なし。

後ほどお話する「資格ビジネス」が、こういった扇動を仕掛けてくるので要注意。

名前も公的に価値ありそうな名前を付けてるのが多いです。

たとえば学童クラブだと「学童保育指導士資格」ってそれっぽい資格が大手資格企業が出してたけど、そんなのはダメな代表です。

趣味知識や自己啓発的に自分だけの知識にするつもりなら問題ありません。

しかし「就職に有利になりそうと思わせる宣伝」には要注意ということです。

アジの開き検定

アジの開きの歴史から製法~料理法や専門家のこだわりなど、あらゆることを学ぶことで、

魚に対しての一般的な知識を得られるので、魚屋さんに就職するときにアピールできます

あなたの好きな芸能人がテレビCMで勉強して資格を取る様子がダイジェストで流れ、

「自信がつきました」とか言っていたらどうでしょう。

今でも大手資格会社がアイドルを起用してたまにCMやってますが、とんでもないゴミ資格でビックリします。

就職というのは結局のところは自分の売り込みと、会社が必要な人のマッチング。

民間資格でも採用担当の人が好意的にとらえてくれたのなら有利かもですが・・

就職に有利の民間資格は見分け方がある

④完全に趣味

これは個人の嗜好なので、生きる上での張りとなるならいいと思います。

個々の知識は点ですが、いろんなことを知っていくと繋がりを持って面になります。

思いもしなかった分野に応用できるかもしれませんよ。

⑤扇動されただけ

「芸能人がテレビの企画でとっていた」などのマスマーケティングに乗っているようなものは、

その人は単に広告塔として使われているだけ、冷静な判断をして下さいね。

芸能人の方にとっては本業は芸能関係なのでどんな資格も趣味、就職有利とか関係なし。

有名な人が言えば情報の信頼度が増し、CMやってる大手なら良さげに見えるけど、それこそ罠ですよ。

日本人は特に「人と同じことしたい、人の様子を見て判断する」人種みたいです。

時間や資財は有限、踊らされてしまう前に冷静になりましょう。

ネコ
扇動されないようにね

3.資格が意味ないか、価値あるかは目的次第

カレー検定でもとる目的が趣味のためなら、友達に「カレー検定合格したぜ」と話のネタになります。

自分のブランドを高める目的では微妙ですが、PRの仕方によります。

この二つの場合は世間的には価値がなくても、本人的には「価値あり」ですね。

しかしCoCo壱のバイトに受かるために取ってみたところで、バイトの面接に落ちたのなら

一般人
なんだよ、カレー検定ってなんの役にもたたないじゃん

その人にとっては「価値なし」。

また資格を取るためのテキストなど、いろんなことを学ぶつもりだったのに、

内容が既に知っているものばかり、薄っぺらなテキストで受講料も高いとなれば「価値なしの上に金と時間が無駄になった」

民間資格の見分け方のポイントは、自分が満足するか?判断するものです。

民間資格の見分け方

4.民間資格の見分け方

民間資格見分け方、ポイントはいくつかあります。

民間資格の見分け方ポイント6
  1. 資格団体の運営母体と歴史
  2. 業界について
  3. 資料請求した後の勧誘
  4. 講師系の資格を売りにしているか?
  5. カリキュラムと難易度
  6. 費用と受講料

運営母体の名前にはご注意、大手でも参考程度

その資格を発行したり講座が古いからよいと言うわけではなく、多少の判断材料になる程度。

でも新しく作られたものより、10年以上安定している方が安心できそうな気がします。

ちなみに団体を判断は名前からですが、個人でもそれっぽい団体は作れるのでまず肩書を見ます。

団体肩書の信用度

信用度大 株式会社や学校法人

信用度中 社団やNPOなどの法人格

信用度低 ~協会、~研究所

法的な手続きを踏まないと名乗れない名前がついていると、一応の信用があります。

片や〜協会は、個人や何人かで勝手に名前をつけているところは、深く調べたほうが良さそうです。

ただし、大手が出してる資格にもゴミがたくさんあるので過信しないよう。

全国展開していろんな資格を扱っている場合、多少信用が落ちても大丈夫なので、

一周回って役に立たない資格を売り出してるのも多いからです。

業界を調べましょう

大手が売り出す資格には、「仕事に有利になりそうな宣伝文句」で、結果的に人気が出ているものがあります。

医療事務などが有名ですが、早い話が病院の受付ですね。

診療報酬の点数計算などはパソコンがやってくれるのに、

初めて勉強する人は知らない知識、

初心者
役に立ちそう

となります。

こんな感じで情弱仲間に加わらないために、その業界を調べましょう。

✔狙っている仕事が募集されているのか?

✔募集されていても最低時給程度なのか?

業界の展望や現状をよく調べましょう。

個人的には就職に有利にするつもりで、訳分からない民間資格を目指すのはオススメしません。

よく調べること

資料請求した後の勧誘の頻度をチェック

自動メール程度ならいいですが、コールセンターの人が電話を掛けてくるようなところは、

そのコストを払っても、もしあなたが受講してくれたら団体が儲かるからやっています。

優良で定員が埋まるものは、勧誘してきません。

個人的にひどかったのは「アロマテラピー」系の資格の資料請求したとき。

ジャム
一年近く断っても毎月電話がきて、逆にやる気が失せた覚えがあります。

講師系の資格を売りにしている

「互いにWin-Winでお金も稼げる」

その資格を発行している団体の枠内で稼ごうとする場合、普通は講座の受講料すら稼げないのが通例です。

私が体験談のところで書いたカラーセラピーはそのいい例です。

よくあるのが

①一般講座を設けて、受講者に時間の最後に簡単な試験を課して○○アドバイザー資格を発行する。

②その講座を開ける△△インストラクター資格は、○○アドバイザー資格を持っている人がさらに上の講座を受けると出る。

③講座を開いてうまく集客できれば、○○アドバイザー資格を発行して儲かる、団体も会員が増えて嬉しい

これはアドバイザーになりたい人がいる限り続くビジネスモデルだけど、飽和すれば講師同士の客の取り合いになってオシマイ。

資格を発行して年会費などを取る××協会だけ残ります。

独立できる方はほんの一握りです。

時間

カリキュラムと難易度

受講する前にカリキュラムや使うテキストなどを確認できたらいいですね。

何万円も払ってワクワクしながら待っていたら、通信講座で厚み数mmのペラペラテキストが郵送されて来たら萎える。

口コミを調べるのも有効ですが、作られた口コミもあるので注意がいります。

低評価の口コミが何を書いているか注目したいところです。

また

難易度が低い ➞誰でも取れる ➞取っても無意味

通信のみ、自宅で試験受けられる、合格率70%などの資格は、受ける前から低価値分かりやすいです。

費用と受講料・維持費

民間資格の見分け方で多くの人が気にするけど、講座やセミナーに決まった相場はありません。

👆️やる側が利益が出るように自由に設定していて、数千円~30万円くらいの範囲となります。

費用を気にするパターンは

  • そのコストを払う価値があるのか迷う
  • 価値はありそうだけど高くて迷う

相場がない分、判断は難しいですね。

年会費をとられる場合も迷い、払うことで会報が送られてくるだけなら不要。

用途不明な年会費や更新料なしで存続できない団体は、資格団体がいずれ消滅します。

年会費を取る国家資格はありませんよね。

民間資格の見分け方で迷う

5.見分け方の判断材料~民間資格の作り方

ここで世間的に意味のある資格かどうかを見分け方の判断材料として、民間資格の作り方を紹介しておきます。

こんな流れで作られる資格を、あなたは時間や財源を投じて受けるのかどうか?

資格を作る方は、価値ある情報を届けようとした結果が大半と思いながらも、

実際問題として手軽に作れてしまうので、単に薄い情報から利益をあげることを重視して作ったものか区別はできません。

または思いとは裏腹に薄い資格になることもある、というのが民間資格がピンキリとなる理由。

これらを総称して、資格ビジネスとも呼ばれています。

見分け方 民間資格

民間資格の作り方

民間資格を作る方法

①資格の内容を決め、テキストやカリキュラムを作る

②受講資格や費用、取った人のメリットなどを決めて資格の名前、団体名を決める(一人でも~協会とか)

③認定証などをカッコよく作る

④広告やホームページ・SNSで集客

👆以上です。

あとはビジネスモデルの構築。

利益を上げて講師を雇って拡大していくとか、講師資格を発行して枝葉が増えていく仕組みを作るとか。

名前にブランドを持たせ、パクられないように商標登録までやれば完璧です。

このように作られた資格は、その人が死んだり逮捕されたり動けなくなった場合に、その資格は消滅します。

まあ今の時代、社団法人なども潰れたら同じことで、事業継承がされなければ同じく消滅します。

株式会社も倒産するので分かりませんね。

民間資格ってその程度なんです。

電話で確認

6.民間資格に似た「社内検定」とは・・

民間資格と似たところで、特定の会社や業界団体で実施してもよい「社内検定」というのがあります。

ニッチな検定かと思いきや、基準を満たせば厚生労働省の認可も受けられます。

その名の通り、社内で従業員の技能向上を目指すもので、系列店の中で実施される料理の腕を競う検定などがこれに当たります。

外部の受験を許す場合、非営利などの条件があるので、同業種で転職する場合にはそこらの民間資格よりコスパもよく有利かもしれません。

社内検定認定制度とは、個々の企業や団体が、そこで働く労働者を対象に自主的に行っている検定制度(社内検定)のうち、一定の基準を満たしており、技能振興上奨励すべきであると認めたものを厚生労働大臣が認定する制度です。

厚生労働省ホームページ
民間資格を見分ける

7.民間資格の見分け方まとめ

民間資格を取りたいとき、まず理由を明確にしましょう

  • ①知識を得たい
  • ②独立のため肩書きがいる
  • ③就職に有利になりそう
  • ④完全に趣味
  • ⑤扇動されただけ

また良い民間資格の見分け方は

民間資格を見分けるポイント
  • 資格団体の運営母体と歴史
  • 業界について
  • 資料請求した後の勧誘
  • 講師系の資格を売りにしているか?
  • カリキュラムと難易度
  • 費用と受講料

民間資格は資格ビジネスと言われ、乱立しています。

そんな民間資格を取るオススメは、

✔第1の目的は知識を得ること

✔第2は自信やブランド化の材料とする

✔第3には趣味資格と割りきって取る

ただし第一目的の知識を得る場合、テキストだけならメルカリにいっぱい出品されているので、資格の名前も添削も要らない場合はそれでも十分。

間違っても「就職に有利かもしれない・儲かるかもしれない」という目的で取らないように、民間資格を見分けましょう。

ジャム
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