学童クラブの対象に関する「よくある疑問」についてお答えします
学童クラブの対象について、
・高学年とか対象だけどいつまで預けるのがいい?
・中学生は対象じゃないの?
・障害児やハンデのある子は預けて問題ない?
・違う学校内の学童クラブに申し込める?
などよくある疑問に、この記事でお答えしていきます。
ヤフー知恵袋などに学童保育、その年齢の子どもに関係した質問がたくさんありますが、
✔普通の感覚の答え
✔非常に偏った返答
✔質問者への攻撃
入り混じっていて参考にならないのが実情です。
そのため学童クラブにより違うことは前提として、一般的・王道的な回答を理系思考+児童館・学童クラブ勤務20年以上の経験を元にお答えしていきます。
私の答えがベストな場合もあるし、それ以上の案や意見もありますが、
少なくとも学童クラブ年齢層の子どもや家庭ばかり20年以上関わってきた経験や業界知識は、あなたのお役に立てると思います。
質問の参照元はヤフー知恵袋、教えてgoo、発言小町、子育て相談ドットコム、私が学童クラブで過去に受けてきた質問など。
またジャムの回答方針や根拠は
などを元にしています。
学童クラブ勤務歴20年以上の知見が、
あなたのお役に立てれば嬉しいです。
学童クラブに関してのよくある質問の一覧はこちら
1.学童クラブって対象は何年生まで?
学童クラブの対象は現在小学生1年生〜6年生で、中学生以上は対象じゃありません。
2015年に作られた放課後児童クラブ運営指針によって、今まで3年生までとされてきた目安を全学年に広げた形。
ですが都市部など地域によっては学童に入れない待機児童が出ていて、高学年より低学年の安定利用を図るために「基本的に3年生まで」となっているところも多いです。
また待機の出る地域だと、申し込めても4年生を超えて入れるかどうかは別問題、
入会審査の点数が低くなるため待機に回る確率が上がります。
令和3年 放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)の実施状況(5月1日現在)[PDF形式:1.1MB]
2.学童クラブに何年生まで預けるのがいい?対象は6年生までは知ってるけど・・
制度的に学童クラブは6年生まで預けられますが、20年の経験ある私の視点で、よほど特別な事情がない限り3年生以降に敢えて預けるのはオススメできません。
理由はいくつがありデメリットを挙げると・・
●学童クラブは基本低学年向け
●高学年に適切に支援できる指導員はかなり少ない
●高学年以降、学童クラブ在籍がかなり減る
●自由で過ごしたい思いが強くなる
●学童行ってたら地域で育つ力がつかない
●行きたくない子が多く、学童で荒れる
一方でメリットは安全確保くらい。
高学年が下の学年の面倒を見てリーダー的に引っ張る文化ができ、支援員との信頼関係も作れてるクラブなら、
高学年になっても学童に行きたがり、卒会するとき泣くくらいですが、本当にごく限られた施設に限った話。
多くの学童クラブを見てきた感じだと、高学年になって自由にしたいのに親の思いから「行かせられ」てる子は、
不満が溜まって暴言暴力、下の子への八つ当たり、何人か在籍してれは徒党を組んで悪さをする。
学童にとっても本人や家庭の将来的にも、預けることでのデメリットが遥かに高いケースが多いのです。
6年生まで預けられるじゃないの!
👆というのは残念ながら、現場や子どもの状態を知らない外野や、我が子可愛さから親の思いが強すぎて視野が狭くなってる方々のイメージからの意見に過ぎません。
本人の性格や思い、施設の雰囲気により左右されるので一概には言えませんが。。
オススメできないとお話しましたが、習い事中心の民間学童クラブの場合は、習い事が本人に合ってればその限りじゃありません。
塾と一緒です。
3.中学生ってなんで学童の対象外なの?
中学生の学童クラブはないので、ごくごく限られた親御さんから卒業後も継続して預けたい要望が出ます。
支援学校に行ってて今6年生、先行き不安などの理由なら検討の余地があり、実際に施設単位の独自事業として対応してる学童クラブもあります。
ですが通常発達の子や多少発達がグレーでも、普通は学童クラブには頼れません。
小学生の支援と、思春期の高学年〜中学生の支援はとても高度で別物です。
下手に関われば小学生なら修正できても、思春期になると大きな傷を負わせかねない。
それなのに学童クラブ職員になるには
・保育士資格
・教員免許
・4日くらい研修受けて取れる放課後児童支援員
の資格を持ってればOKな世界。
中高生支援の勉強をした人なんていないんです。
また公的な学童クラブだと法的にも「小学生対象」なので、中学生の利用は想定外、対象外です。
高学年以降に学童に預けるのは個人的にオススメしませんが、中学生で学童クラブなんて論外。
親自身が中学生だったとして、行きたくもない下の子しかいない学童クラブに「心配だから」という理由で行かせられるのを喜ぶか?
どうしても心配なら
✔自由に来ていい図書館や児童館
✔中高生対象施設
学童クラブ以外の選択肢を探しましょう。
進学塾では保育じゃなく自習してよい意味での居場所ですが、対象が高校生まで広げられてます。
習い事系の民間学童クラブはお金を払えば対応してくれる施設も多いため、相談してみるのも良いかもしれませんね。
4.幼稚園児も預かります、対象ですって学童、何なの?
民間施設には就学前の子を預かるのに「うちは学童やってます」みたいなところもあります。
これは学童クラブと名乗るのに決まりはないからで、子どもを預かるということを指して「学童」と言ってる施設、中身を見てみると多くの場合が習い事や幼児教育主体。
一般的な小学生が放課後にやってくる学童クラブとは、イメージが違うと思います。
また幼稚園が運営していて、「〜幼稚園学童クラブ」みたいな施設、中身は小学生対象だったり。
いずれにしても呼び名が中身を表してない施設が「学童クラブ」にはいくつがあるので注意が必要です。
5.学区外だけど学童クラブ対象?
公的な学童の特に公営・公設民営の学童クラブは対象が縛られてる場合が多く、
- 市内の学校に行ってる
- 市内に住んでる
橋を渡ればすぐ隣の市に行けるという地域でも、隣の市の学童クラブには入れない。
父母会運営など、民営の学童ならもう少し対応してくれる可能性は高いですが、
役所のホームページに載ってて「対象は市内在住または在学の子です」みたいに書かれてるのは、
運営者がどこであっても役所との取り決めで対象がはっきりしているので使えません。
役所のホームページに載っているけど対象が明記されてなく、「申込みは各学童クラブに問い合わせてください」という形なら可能性はあります。
一方で塾のような民間学童なら区域による決まりはなく、多少遠くの学校でも巡回バスや送迎があったりします。
当然「市内」「市外」とか決まりはありません。
6.私立小学校に行ってるけど、公的な学童クラブの対象?
私立小学校だと、自治体外に電車で通ってるとかよくありますね。
公的な学童クラブではほぼ「市内在住」も条件の1つなので、私立学校に行ってても問題なく対象に入ります。
ただ小学校内に作られた学童クラブだと、「その学校の子だけ」という決まりが設定されてる施設も多いので、それだと申し込めません。
地域を探すと学校外の学童クラブがだいたいあるので、そちらには申し込めます。
一軒家を借りてやってる学童クラブで、
通ってきてます!
みたいなのはよくあり、学校を超えた友達ができるのは素敵ですよね。
7.違う学校の中の学童に申し込める?
基本的には学校内の学童クラブには、その学校の子しかいません。
対象として申し込めるか?も施設の決まりによります。
対象を在校生に限定するのは、休校やその他の学校行事など、学校の運営によって学童クラブの運営も左右されるから。
例えばA小学校と、B小学校の子がA小学校内の学童にいるとして、
✔B小学校が創立記念日で休校の日
✔A小学校は授業してるのに、学校内の一室でB学校の子を預かるのか?
みたいなのに対応するのが面倒だから。
防犯的にも、他校在籍児の保護者を校内に入れるとか入れないとか色んな問題もあるため、一般的には在校生のみという決まりが多いようです。
一年生が学区内の小学校を選べたり、学区をまたいで入学できる制度があって抽選とかある場合、
「学童クラブ申込みが12月中、入学校が決まる2月より前に終わる」
ような状況も出てきます。
それはケースバイケースで対応されるので、相談してみましょう。
8.障害を抱えていたり、発達障害でも問題なく学童クラブの対象なの?
障害を抱えていても、ほとんどの公的な学童クラブでは利用の対象です。
中野区👇
しかし
●どゔ見てくれるか?
●施設環境が合っていて快適か?
は施設によります。
基本的にはマンツーマン対応でも正規常勤職員がつくことはなく、アルバイトの加配職員がつくか、
内部的には何人かに一人つくと言いつつも大丈夫そうなら集団に入れた集団保育が基本です。
また
・肢体不自由とか車椅子のトイレがないとか、階段に手すりがないとか施設的に難しい場合
・ADHDや自閉症スペクトラムなど、入会したものの本人の特性と施設環境がまるで合わず、パニックになったときに落ち着ける部屋もなくて現場職員がとても悩む
👆こんな学童クラブも少なくありません。
役所的には「現場で受け入れて」と言われるので受け入れざるを得ないけど、実際には障害児保育の専門家なんておらず、ろくに対応できてない現場もあるので要注意。
入会できたから安心・・とはならないかもしれません。
まあどの施設にも言えることですが。。
公的な学童クラブだとこんな感じですが、民間学童クラブには決まりはなく、
マンツーマンでつく必要のあり、コストがかかる障害児は受け入れ対象外なことが多いです。
または親が雇ったヘルパー付き添いなら入会OKとか、そうなると民間学童クラブに預ける意味が薄いけれど・・
9.アレルギーでも入会後は大丈夫?
学童クラブにはアレルギーを持っていても問題なく対象です。
食べ物は主におやつ、食育など関係してきますが、完全除去など簡単な対応ならやってくれます。
重いアレルギーを持ちエピペンを処方されてる子も、今は学童クラブの利用対象。
おやつにアレルギー物質は出さずとも、学校で食べた給食が元で学童クラブに来てから発症したケース👈私も何度か遭遇して対処しました。
研修も多くほとんどの施設でマニュアル化されている部分、問題ありません。
10.障害児は学童か放課後デイサービスどっちがいい?
障害児の放課後の預け先、一昔前は地域のNPOや学童クラブくらいで選択の余地がなかったけど、今は放課後等デイサービスが結構増えてます。
療育的な機能は学童クラブにはなく、あくまでも居場所としての機能。
一方で放課後等デイサービスは、施設の機能として療育・機能訓練が入っているので、それを望むなら放課後デイが妥当でしょう。
また学童クラブは障害のある子を受け入れてくれますが、専門的な支援は難しく他の子と合わせた集団保育が基本です。
それでも学童クラブにお願いしてくるのは
という願いを持っている親御さんが多く、集団保育に馴染めるなら学童クラブの選択で良いと思います。
ただ大丈夫そうに思って預けても問題が多く、結果的に放課後等デイサービス併用となり、そちらがメインになるケースが経験的に多かったです。
年齢が上がると障害を抱えていても思春期に入ってくるので、低学年向けの学童には合わなくなるのかもしれません。
11.車椅子でも学童クラブ利用できる?
車椅子の子は施設の設備に左右されますが、そこをクリアできれば預けてOK。
私も車椅子の子を預かり、数年スパンで関わったことがあります。
ただ成長して体が大きくなると、低学年のうちは後ろから抱えてボール遊びとかしてたのも次第に無理になり、トイレ介助も一苦労。
他の子は3年生まてで入れ替わっていくけどその子だけ6年生まで在籍してたので、最後の方は本人がだんだんつまらなくなってました。
12.不登校だけど学童クラブだけ行くのはあり?
不登校の場合は学童クラブと学校の連携が必須なので、保護者と学童クラブのやり取りのみで決められません。
通常の学童クラブは午後から、職員も午後からなので、よほど理念のある施設でなければ、その子のために午前中から開ける・・というのは難しいでしょう。
どんな対応を取るにしても個別ケースになってくるので、一概には言えませんね。
不登校の子どもは増えているようですが、学童クラブの機能的にはそこまで対応できない現状だと思います。
児童館併設で学童クラブの子が来てない午前中から来れる施設なら、なんとか受け入れ体制を取ってくれるかも。
13.弱視、ろうあ児は学童クラブに行って平気?
視力や聴力が弱い子も学童クラブの利用対象です。
程度によりますが施設の設備に左右され、安全確保にどこまで配慮が必要か?にかかってきます。
私は弱視程度の視覚障害、補聴器でコミュニーケーション取れる子は受け入れたことがあります。
しかし全盲や全く聞こえない子、受け入れている学童クラブがあるか、私も不勉強なので分かりません。
ヘルパー付きで受け入れとか、個別相談の領域になってくるでしょう。
14.ストマやたん吸引の医療的ケア児は学童クラブの対象?
医療的ケア児、看護的な対応ができないということでずっと断られて来ましたが、近年学童クラブでも受け入れる方向になりつつあります。
例えば東京都府中市では
いずれも治療目的の医療行為ではなく、また、その頻度が学童クラブの育成の妨げにならない程度のものであることとします。(注記1)
(1) 喀痰吸引
(2) 経管栄養
(3) 血糖値測定
(4) インスリン注射
(5) 導尿
(6) 人工肛門 (注記2)
(7) 酸素療法(流量調整のみ)学童クラブでの育成上、安全確保が困難であると判断された場合は、記載の医療的ケア内容であっても受入れができない場合があります。
いろんな注釈付き+
・相談の上どれくらい施設の設備で対応できるか?
・職員の負担が許容範囲か?
・人手を割けるか?
事前の打ち合わせにより決まります。
私の知り合いは人工肛門のストマ取替が必要な子を受け入れていますが、受け入れるまでは不安だったけれど思ったほど負担ではない、とのこと。
できる範囲の配慮によって受け入れる方針、私は良いと思います。
ありがとうございました
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