1.学童保育で日誌を書く目的~単なる保管文書なので作文でOK
学童の日誌は意味ある形で書くのがそもそも難しい
学童クラブ日誌の書き方の前に、なぜ書くのか?目的からお話していきます。
目的を知らないと論点がブレるから。
学童クラブでは子どもに関わるなかで、
"この子は思いをうまく言葉にできないからそこを助けてあげよう"
"この子は家庭が大変だから甘えは満たしてあげて、お母さんとも密にやり取りしていこう"
"手を出しちゃうトラブル多いから、援助しつつ手出しは防いでいこう"
いろんなことを、子ども一人一人について考えてると思います。
保育園だと年齢別の月のねらいがあり、週のねらいがあり、一日のねらいがあります。
プログラムも一日を適当に過ごす訳じゃなくて、ある程度の流れを決めてますね。
一方で学童クラブは、学年が違うのに三学年まとめて一括で育成。
「外で体を動かして発散する」個別には意味がない狙いしか設定しにくい。
放課後に学校終わりで学年で授業終わりの時間も違って、バラバラに帰ってきて、おやつを食べて、遊んだり宿題して帰る。
子どもによっては、来ておやつ食べてすぐ帰るし、過ごし方もずっと本読んでたり、外遊びしたり、バラバラ。
しかも平日の多くは2~3時間で完結。
そんな状況で学童クラブの日誌が出てくる。
・・・書くことない、書きにくい、よくある当然の悩みです。
日誌を書く目的は「役所的な決まりごとだから書く」だけ・・
目的がわかりにくい上に書きにくい日誌ですが、税金が使われてる学童クラブだと役所の定めた規則で「日誌を書くこと」がだいたい決まってます。
しかも「この様式で」みたいに、書くこと以外に振り返りにも使えない様式を指定されることが多い。
だいたいどの様式でも、書くだけで「使えない」のに変わりなし。
使うことを想定して作る努力はしてくれても、自治体内の施設全てが使える形式なんて無理な話だから。
大規模施設も10人学童でも、市内一律の手書きA4形式とか。。
まあ役所としても「日誌を書く」テンプレートでも用意しとかないと、施設によって差が大きすぎる学童業界では
「日誌なし、運営実態不明」の施設すら出てくるので決めてるだけ、仕方ない面もあります。
早い話が"学童日誌"に限れば
「活用できる」目的じゃなく
「書くこと」だけが目的ということで、
「役所の決めた運営基準を満たすため」
だから内容も一日の流れの単なる備忘録と、追加で大きなトラブルとか、怪我したなどの事実のみ。
早い話が日誌を書くのは現場の職員にとって無駄仕事に見えるけど、役所にとっても"存在だけしてればいい"代物なので当たり前。
だからぱっぱと書いちゃいましょう。
無駄とか、存在だけってのは極論過ぎるかもしれないけど、結局役所が知りたいのは
- 学童クラブの雰囲気や
- 問い合わせ対応
- どういう運営や日々の育成
など
だから役所指定の日誌には、役所が欲しい情報だけ書いとけばOK。
↑役所の指定してる日報と現場の意識にはずれがあるって研究があるくらいです。
一応役所が指定してる学童日誌とは、"公文書"なので、それなりの書き方があります。
2章で書き方を解説するので、ポイント押さえて10分で書いてしまおう。
学童クラブ職員としては、職員の意見統一や一人の子どもへの方向性の確認をしたいけど、役所指定の日誌にはそんなのは書けない。
だから職員の役に立つ、日誌とは別に内部で使う記録が必要になります。
✔この子のこんな言動が気になった
✔育成の方向性と見通し
こんな実用的なものは、別で用意が必要(3章)
2.学童日誌の書き方~業務文書としての作り方(作文)
学童クラブの日誌の書き方ポイントは、客観的に書くことだけ。
どの程度の分量が書けばいいか、先輩方の成果を見て考えましょう。
時系列であったことを書いてけば、必要な量は埋まります。
また個々の子どものトラブルなどは、3章でお話する「職員側の記録」がある前提で、それをかいつまんで記入する感じです。
14:00子どもたちが来所、雨だったのでランドセルが濡れてる子が多く、傘の扱いに注意することもあった。
15:00おやつ
おやつのあとは宿題をする子が多かった。
16:00雨で外にいけなかったから、体育館を借りて遊ぶ。
7割くらいが鬼ごっこやドッジボールをし、部屋に残る子は引き続き宿題や、友達とボードゲームなどをして過ごした。
特記事項
16:30 ◯◯くん体育館のドッジボール中に突指。5分冷やして改善せず保護者に連絡を入れた。17:00母迎えで通院するとお話があった。
19:00様子伺いの電話をしたら、骨折していたとのこと。事故報告書を別途作成し、保険対応など行う予定。
客観性がポイントとは・・
起きた時間
あったことの事実
行った対応や、子どもの言動。
考察はいらず。
(職員全員の見解が一致してるなら書いてもいい)
同じ内容でも主観が入った途端、公文書らしからぬ日誌になるのでご注意を。
14:00子どもたちが来所。いつも傘をささないで帰ってくる◯◯くんが問題と思うので、保護者にも連絡するのが必要に思う。
あれじゃダメだと思うので。次はちゃんとして欲しい。
✔~と思う
✔~に感じる
こんな言い回しは職員側の記録としては使えることもあるけど、公的な日誌になると途端にそぐわない文書になります。
だから客観的な文章を書けるよう、自己研鑽も必要になります。
知らない役所の人が急にやって来て読んでも、起きたことが分かるの役所の想定している理想的な育成日誌です。
※学童運営は自治体によって大きく違うので、確認しましょう(^-^;
公的な日誌の書き方ポイント
個人の業務日誌じゃなくて、公式な文書なので、書いた人が"こう思いました"みたいなのは書いちゃダメ。
"学童クラブとしてこういった対応をとっていく予定"みたいな個人の主観じゃなければ書いてOKです。
なぜなら公的な日誌なので、相談せずに個人的な思いを書くと、それが「学童クラブとしての一致した見解」と公文書として記録されます。
主任でも勝手に学童クラブの方針を、一切メンバーに相談なく決めるのは横暴ですよね。
まあ文書の目的が「役所が使えるもの」だから、職員が見返して使うこともほとんどないし、書きっぱなしでもほぼ問題ないけれど、
こんな「方針を決める前の職員個々の思い」みたいなのは、日誌に書くこともなく、3章の職員ノートに書けばいいわけです。
「存在していればOK」としても監査の時に細かく読まれた挙句、「日誌は日記じゃない」と怒られる危険があるから。
以上、育成日誌のルールを解説しました。
3.学童職員が育成上活用できる記録は別に必要
日誌とは別に、学童クラブの必要書類をいくつか挙げてみると
- おやつの提供記録
- 出席簿
- 怪我の記録
- そうじ
- 鍵の管理
- 情報管理
- 勤務記録
- 月の出勤シフト
- 一日の職員の動きローテーション
- 予算消化記録
- 出納帳
- その他の管理用記録
👆️こんなのは管理の記録。
もちろん大事で必要だけど、あって当たり前のもの。
勤務記録がなければ給料も出ないし、出席簿がなきゃ誰がいつ来たのかも分からないので、当然のように備えてなければ「管理がなってない!」と信用を失う代物です。
ここまでお話した学童クラブ育成日誌は、この仲間ということ。
それにたいして
- 行事記録や振り返り
- 個別児童の面談・事例記録
- 職員の振り返り
- 情報共有用の記録
- 育成の見通しや会議録
これらは管理的にはぶっちゃけ、無くても構わない。
子どもが来てるのを眺めて、時間になったら帰す。
何がその子に足りなくて、どこを伸ばしたいとか一切なく、ケガをしたら絆創膏貼るだけ。
👆こんな学童クラブなら要らないでしょうが、まともな育成をするにはこれら管理的な書類以外の記録や書類が必要不可欠になります。
放課後児童クラブ運営指針にも、3章5に記録についての記載があります。
5.育成支援に含まれる職務内容と運営に関わる業務
(1)育成支援に含まれる職務内容
放課後児童クラブにおける育成支援に係る職務内容には、次の事項が含まれる。○ 子どもが放課後児童クラブでの生活に見通しを持てるように、育成支援の目標や 計画を作成し、保護者と共通の理解を得られるようにする。
○ 日々の子どもの状況や育成支援の内容を記録する。
○ 職場内で情報を共有し事例検討を行って、育成支援の内容の充実、改善に努める。
放課後児童クラブ運営指針
学童日誌は単なる事務書類なので、育成に関して現場の役には立たない。
だから職員の役に立つものは、別で作らないといけない。
指針に書いてある目的達成には、「役所が書け」って言ってきてる育成日誌じゃ不足な訳です。
3-1.必要な日々の記録は「共有ノート」にする
何月何日の何時に、
◯◯くんと△ちゃんが、
どういう状況でトラブって、
職員はどんな対応をして、
最終的にどうなった。
こんなのを累積しておくと、○○くんの性質や傾向、トラブル頻度などが分かります。
対応を振り返ることで、職員のスキルアップすら図れます。
また「◯◯くん」が頻繁に登場するなら、◯◯くんについての記録や、職員が話し合ったこと、保護者とやりとりしたことの記録も必要になってきます。(3-2へ)
トラブルなんていくらでも起きるから、これは一日を振り返っても忘れてしまう。
その事が起きて、対処したらすぐに育成時間のなかで記録していきます。
"後で"と思ってると忘れちゃうし、正確な情報がどんどん失われる。
おすすめは一枚ずつの紙切れじゃなくて、一冊のノート。
トラブルが起きたらその場でそのノートを持ち出して、書きながら対応するくらいでも良いくらい。
職員が何人も仕事してるから、育成の最中に他の人が対応したけど、自分は知らないことも当然起こります。
ノートがあればそれを簡単に共有できますが、無ければイチイチ話を聞かないとダメな、効率も悪くチーム連携も悪い学童クラブに成り下がります。
勤務時間で先に帰る人が、残る人へ引き継ぎもできません。
税金が使われてる学童クラブなら、もしかしたら「市民に開示しなさい」と言われるかもしれないけど、だいたい日誌まで。
だから、記録ノートは職員が見て分かれば字が多少汚くてもOK。
文章で様子が分かればいいから、文末が「です」「ます」で揃ってないとか、細かいことを気にする必要もなし。
ただ今年いる職員は分かるけど、来年入ってきた新人が読んでもわかる程度には整えておく必要はあります。
役に立つものを内部でちゃんと作ろうよって話でした。
3-2.子ども個人の記録は個々で厚みが違ってくるので、バインダー形式がオススメ
日々の記録とは別に、大事な子どもの記録も個別に必要になります。
ただ子どもによって情報が多い・少ないがあるので、必要に応じて追加できる形式が良いと思います。
支援が必要な子どもの記録は、自然に多くなってくるし、障害のある子には保護者対応も累積するのでノート程度が必要かもしれません。
そうかと思えば中には問題なく、書くこともない子がいますね。
発達の考察・方針などを日々の記録ノートに書くと埋もれてしまうので、個人フォルダに貯めていくとやり易いです。
保護者とのやり取りなんかも書いていきましょう。
日々の記録に書いてあるヤツを律儀に全部もう一回書くこともなく、新聞の切り抜きみたいなコピー&ペーストで十分です。
4.学童クラブの日誌と記録の書き方のまとめ
いかがでしょうか。
日誌はさておき、記録の取り方は参考にしていただけたら幸いです。
一応の日誌の書き方のポイントを再記載
●客観性を重視
●時系列
●あったことの事実
●行った対応、子どもの言動そのまま。
✔考察はいらず。(職員全員の見解が一致してるなら書いてもいい)
記録はあくまでも、これを使って職員が情報共有したり育成方針を決めて日々の育成に反映させ、子どもの成長の一端を担うことが目的。
子どもの事実
→その分析
→指導方針作成
→実践
→子どもの事実
月並みにPDCAサイクルと言われますが、その入り口の記録がないと始まりません。
日誌は事務仕事なのでどうでもいいけれど、記録の方はちゃんと取り、活用して欲しいと思います。
ありがとうございました
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【はじめての学童指導員】登録した感想はかなり好印象、相談のみでもOK
スキルアップに関しては、
子ども心理/一般知識/事例/管理ポイント・・
個別にいくらでも学ぶことがあるので、それらを網羅して私ジャムがたくさん記事を書いています。
でも実は個別知識ばかり増やしても、根本的なものが足りないんです。
人間そのものを毎日相手にする学童クラブの仕事には、別次元のスキルや知識が必要、
というのが20年以上の経験と理系的思考による結論です。
・・では何が根本的に足りず、どうすればいいのか?
根本的に足りないもの
➔経営的な視点での基礎的な考え方、真の人間理解などのビジネススキル。
どうすればいいのか?
➔人に物を売るマーケティングを学ぶことで可能。
と思いましたか?(^^)
分野が全く違うように思えますがマーケティングを学ぶとは、人へ物を売ったり価値提供のために
✔ 人間を真面目に理解して読み解き、
✔ 発生した問題へどう対処すればいいか、
✔ お金/時間/情報/人材資源をどう使えばよいか?👆こんなのを学ぶ事になるので、結果的にあらゆる仕事に通じるスキルが身につきます。
これらが保育現場でも必要と言うのは、賢明なあなたには理解していただけるでしょう。
つまりマーケティングを学ぶと、どんな仕事にもつぶしが効く知識やスキルが身につくので、
保育に活用できるのはもちろん、ついでに副収入を得る程度は容易になり、収入面の不安もなくなってきます。
保育業界は価値観が偏りがちで、経験を積めば積むほど一般常識から離れてしまうジレンマがあります。
(経験が浅いと実感がないと思いますが、真面目に保育現場だけで経験を積むと必ずぶち当たる壁です)
特に現場リーダーや管理職になった時、一般的なビジネス知識やスキル有り無しは非常に大きな差となります。
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