1.子どもの一人歩きと統計

保育園のうちは保護者の送り迎えが基本、子どもが1人で行動する機会は少ないでしょう。

しかし小学校に上がると事情が変わってきます。

都市部では登校班があったり、小学校に上がってしばらくは下校時も先生の付き添いもあります。

だけどそれも入学後の4月だけ、下校時は1人や少数の友達のみ、1人で外出することも増えてきます。

統計上そうなる5月に交通事故が増えているのは分かりやすい結果。

いくつか統計を紹介しますね。

警視庁ホームページ「平成29年中の交通事故の発生状況

保育園の5歳~小3あたりの事故のうち、車に乗っているときは別として、歩行時の事故が6割です👇

年齢による交通事故状況

夜ではなく昼間、信号のある横断歩道や交差点での事故が7割程度となっています。

警察庁交通局の小学生歩行中の月別・時間帯別死傷者数(平成26年から平成30年)より

●時間帯は7時台と15時あたりの登下校、4月から7月の間、それに10月、11月が多い。

●登下校の事故が全体の3割強

●横断歩道の横断中の事故が、横断中の事故の4割

小学一年生の交通事故
慣れてきた5月に増える

小学生の交通事故

小学生がその外を出歩く時間は、平日なら登下校時が一番多いので当然の結果と言えます。

特筆すべきは5月と9月が多いということ。

また1、2年生で全体の半数を占めるというのも注目したいところです。

この統計データの対策でも書かれている通り、横断歩道での横断中の事故が多く、正しい渡りかたを教える必要が分かります。

2.子どもの交通事故に遭いやすい特性

私が学童クラブに勤めていた間でも、残念ながら交通事故で亡くなった子が何人かいます。

昨日まで元気だったのに、今日はもういない、こんなに悲しいことはなく、

毎日関わりを持ちながら、安全について教えきれなかったことを、悔やんでも悔やみきれません。

子どもは交通事故に遭いやすい特性があります。

子どもが事故に遭いやすい

・視野が狭い

・一つの事に集中してしまう

・背が低く視認されにくい

交通事故に遭いやすい子どもの視界
子どもの視野は大人よりもかなり狭い

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これを踏まえて教えるべきことを、次章からお話していきます。

3.具体的に子どもに教えるルール

子どもが事故に遭いやすいのは、まず歩行時や横断歩道、次に自転車、あとは踏切など。

シーン別に教えるべきことについてお話していきますね。

3-1.歩行・横断時の交通ルール

横断歩道や交差点での事故は、信号があっても油断はできません。

教えたいことをリストにしてみると

子どもに教えたい歩行時の注意点

横断歩道で・・

  • 手を挙げて渡る
  • 運転手を見る
  • 車や自転車が通りすぎた後から来る
  • 左折する車の内輪差
  • 赤はとまれは守れる
  • 青も安全ではない
  • 車道から離れて待つ

その他歩くとき全般

  • 右側通行
  • 標識を覚える

手を挙げて渡る

子どもの背は低く、運転手から見えずらい。

また運転手から子どもの動きは予測がつきにくく、道を渡るのか、渡らないのかを知りたいところ。

だからアピールのためにも、「横断歩道を渡るときは手を挙げる」を、幼児~低学年のうちは習慣にしてもらいましょう。

手を挙げて横断歩道を渡るのは交通事故を防ぐ基本

横断歩道を渡るときは運転手を見る

子ども目線では「車は車そのもの」であって、"運転手によって大きく違う"ことを知りません。

運転している人にはおじいさん・おばあさん・よそ見・スマホ見てる人

事故を起こす人が多いと伝えていきましょう。

またさっきの「手を挙げて渡るときは」に、止まってくれたら"車ではなく運転手さんにお礼を言う"を教えれば、運転手を見る癖がつきます。

高齢者ドライバーの交通事故は油断ならない

赤は止まれは守れるが、青も安全ではない

運転手を見ると同じで、「赤は止まれ」は大体の子は守ります。

しかし青になって、すぐに行く子も多い。

青になったらよく見てから渡る、も教えておきましょう。

車や自転車が通りすぎた後、2台目が来る

1台通りすぎると物陰からもう1台

大人
危にゃい!

という経験ありませんか?

子どもは経験がないためそれが分からず、手を挙げていたら車が止まってくれた

👇

喜んで走って渡ろうとしたら、物陰から自転車が来た、はよくあること。

左折する車の内輪差へ巻き込まれ

交差点でよくある事故です。

トラックなど大型車の、右側の運転席にいる左折車の運転手から子どもは見えず、ミラーで辛うじて体の一部が確認できる程度。

交差点では特に、「後ろもよく見てから」渡ることを教えていきましょう。

巻き込まれの交通事故

車道から離れて待つ

道で子どもを見ていると、横断歩道でしっかり止まってはいるけど、

✔車道ギリギリで待っていたり

✔ガードレールに登ったり

ヒヤヒヤする場面がたくさんあります。

運転手の手か少しブレただけで、そんなところにいる子どもに接触しそう。

右側通行

十分に注意して歩いていても、左側通行ではそれ自体が危険。

歩道があっても、歩道が広くても、基本的には右に寄り、白線があれば中に入ると繰り返し伝えて下さいね。

標識を覚える

止まれ、一時停止 、進入禁止、 一方通行 、通行止

この辺りをクイズ形式など楽しみながら教えていくと違います。

子どもは興味の幅が広く、教えればすぐに覚える子どもの特性を活用しましょう。

道路標識は交通事故防止に一役買うかも

3-2.事故原因から逆算した教えること

飛び出さない

飛び出しで交通事故にあっている割合は6歳以下の幼児では56.9%、7~12歳の小学生では51.3%を占めています。

子どもは飛び出しが多いって本当?HONDAHより

飛び出しで交通事故

・横断するときの飛び出し

・見通しの悪い曲がり角での飛び出し

・渡らないのに車道にはみ出す飛び出し

どの形態でも急に道にはみ出すことに変わりなし。

子どもの行動を逐一見ておいて、繰り返し指導するのが習慣化には必要です。

道や駐車場で遊ばない

子どもは友達と遊んでると、狭い視野がさらに狭くなります。

駐車場は子どもにとっては格好の遊び場に見えますが、とても危ない場所。

遊んでよい場所といけない場所をしっかりと教えておきましょう。

曲がり角の曲がり方

塀や建物で曲がった先がよく見えない道👈いくらでもありますね。

ミラーが設置されているところでも、曲がる先の左右片方しかカバーしていなかったり。

まあそもそも、子どもはミラーを交通のためにはまず見ず、正面に立って映っている自分を眺めるくらいです。

そのため、"曲がり角では一旦止まる"を教えるのが単純で一番効果が高いと思います。

カーブミラーで防げる交通事故

通りへ急に出るとぶつかる

見通しの悪いところでは、塀の影から急に出たりするのは当然危ないこと。

家の玄関から飛び出して、玄関前を通った自転車にぶつかるのもよく聞きます。

自動車の免許をとるときには「かもしれない運転」を必ず習いますが、それと同じです。

子どもはいちいち「かもしれない」とは考えないので、

画一的に"見えない所からは自転車や車が出てくるから、一旦ストップ"を教えるのが単純です。

飛び出しによる交通事故は多い

3-3.その他日常的に教えたい交通ルール

ここは危ないという、日常使う道の確認

日常的に使う道は決まっていますね。

子どもと歩きながらここは危ない、ここから車が急に出てきそう、などを繰り返し教えていきましょう。

防犯、交通マップを子どもと作る取り組みも、やる気があればできそうです。

はじめてのところは基本ルール

初めていくところでは特に「飛び出さない」「右側通行」「角ではストップ」など基本ルールを守ることが大切。

お出掛け先では子どものテンションも上がり、事故のリスクが高まると言えます。

その中でも特に"道でふざけない"などを重点的に守らせましょう。

線路についても教えたい

地域によっては生活圏内に踏切があります。

地方では線路がむき出しになっている場所すらある場合、よく教えていると思います。

安全教育として必要なことです。

踏み切りでの交通事故もある

3-4.自転車での交通ルール

学童クラブなど、年齢が上がると自転車に乗ることも増えてきます。

交通事故のうち6割が歩行中ですが、年齢が上がると自転車での事故の割合が上がります。

平成26年に発生した自転車事故で、事故を起こした未成年者の71.4%は、何らかの違反(安全不確認など)をしていました。

また全体の3割は未成年です。

警視庁交通局のデータ

ReseMomHPより

自転車で教えたい交通ルールは

・歩道を走るよう(13才以下)

・歩行者との距離、特に高齢者に注意

・止まること、飛び出してくること

・左側通行

歩道を走るよう(13才以下)

自転車は軽車両扱いなので、本来は車道の端を走らないと行けません。

ただ13才以下は、自転車でも歩道を走ってよいことになっています。

法的にも歩道を走るように教えても違反ではないので、子どもの安全のために積極的に教えていきましょう。

歩行者との距離、特に高齢者に注意

歩行者のギリギリのところを走らないように教えましょう。

ぶつかっていなくても相手がビックリして転んだら、責任を問われることもあります。

特に高齢者や小さい子には注意がいりますね。

止まること、飛び出してくること

歩行者としては飛び出さないを教えますが、自転車でも同じ。

しかし自転車は軽車両なので、相手が歩行者なら自転車側が悪くなります。

「急に飛び出してきた人にぶつかっても、自転車の方が悪くなる」をしっかりと指導していきましょう。

左側通行

歩行者は右側、車両は左側です。日本の交通ルールの基本なので守るように。

危ない交通事故

4.交通事故に遭わないために子どもに教える事まとめ

小学校に上がる前にも、子どもと外出する機会はたくさんあるでしょう。

その都度交通ルールについては繰り返し教えていくことが大切です。

一度教えたからと言っても、足し算を覚えるように簡単にはいきません。

事故は一度でも起きたら一発でおしまいとなる可能性も高く、油断しないことが何より大事だと思います。

子どもを守るためには交通ルールだけでなく、人からも守る必要があります。

大人が守ることと、自衛の手段を教えることは車の両輪なのです。

ジャム
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