学童クラブのデメリットとは
学童クラブのデメリットについてお話しますが、よくある「開所時間が短い」とか「お弁当が必要」など表面的なことだけじゃなく、
公的な学童クラブで20年以上働きかつ、我が子二人も学童クラブに入れた視点からお伝えできたらと思います。
東大出身 理系保育士ジャムです。
正直な話、公的学童クラブの最大のデメリットは施設による差が大きいため、入るまで合う・合わないが分からない一点に尽きます。
そして低学年の特に2年生まではデメリットが多少あってもメリットの方が遥かに大きいので、そんなに心配することはありません。
一方民間学童クラブは費用面が最大のネックですが、外部サービスを使いすぎることで育ちが曲がる可能性が出てくるのもデメリットになります。
キャリア20年以上の視点から理由付きでコツも書いているので、方針がハッキリとし、あなたの悩みが解決に向かうと思います。
目次
- 2-1.サービス目的じゃなく健全育成が目的なので、期待できる範囲は決まっている
- 2-2.父母会運営だと保護者負担もデメリットになる
- 2-3.待機児童の状況、費用負担が自治体によって違うのもデメリットかも
- 2-4.支援員が安定して働ける学童クラブは多くないので、トラブル対応など安心できるかマチマチ
3.民間学童クラブは費用が一番のネック+デメリット、学童クラブというよりは習い事
1.公的学童、民間学童それぞれのデメリット比較
学童クラブに関して、税金の使われている公的な学童クラブと、習い事プログラム充実系の民間学童クラブ、メリットは語らずそれぞれのデメリットのみ抽出してみると
・運営の安定感は施設により大きな差がある
・開所時間8時くらい〜19時では短いと思う人もいる
・夏休みなど弁当が負担かも
・父母会があると役割が来て負担になるかも
・学校の人間関係を引きずりがち
・一般的に古い施設が多いこと
・自治体によっては安くない費用負担
・管理面でのルールが多い
・高学年に合わない施設が多い
・最長22時まで、長く預け過ぎは発達的なデメリットあり
・費用がとても高額
・お金でサービスが行き届き過ぎ、家の力が弱くなる
・裕福な家が多いので価値観が偏る
デメリットだけ比較すると、民間学童クラブは高額な費用が最大のネックです。
言い換えると"主に費用面だけ"とも言えますが、ほとんどの家庭にとって、それが大問題ですね。
また「家の力が弱くなる」という点は、保護者の方が思ってるよりかなり大問題ということをお伝えしておきます。
【親の影響は低学年で最大】子どもの成長へ身内下げなど言動注意
一方で公的な学童クラブは「施設によって大きな差がある」ことから、入るまで合う・合わないが分からないところが大きなデメリット。
公的学童の方がこのままだと悪く見えるのでフォローしておくと、
入ったら大満足という方は大多数なので、そこまで不安になることはありません。
施設によって大きな差があるので、入ってから不満を持つ方もいるけれど、それはどんな施設・どんなサービスでも同じという話です。
例としてのアンケート結果東京都目黒区
また特に低学年のうちに公的でも民間でも学童クラブに入れるメリットは、長い目で人の成長を考えればデメリットが問題にならないくらい大きいので、
必要なのにイメージだけで二の足を踏むこともありませんよ。
簡単にまとめると、
●公的な学童クラブのデメリット
合う合わないが大きく、入るまで実際のところ分からない
●民間学童のデメリットは
合う合わないは事前に分かるけど、費用面が最大のデメリット
【公立学童クラブVS民間学童】違い徹底比較→料金/送迎/時間/他
2.公的な学童クラブは施設により大きく違うのが最大のデメリット
この章では、厚生労働省の関係する放課後児童クラブのデメリットについてもう少し詳しくお話していきます。
2-1.サービス目的じゃなく健全育成が目的なので、期待できる範囲は決まっている
税金の使われている学童クラブは、
・保護者の就労支援
・子どもの健全育成
大きく分けてこの2つが目的です。
そのため
✓学童で汚れた服は洗濯してほしい
✓開所時間を21時までにしてほしい
こんな目的外のサービスや対象が少ない特殊な要望は、出しても対応されません。
あくまでも公平性を重んじた、たくさんいる家庭の平均的な満足を目指しているので、細かいニーズには対応できません。
しかしそこが、
5分くらい遅れても
しょうがないじゃない!
融通が利かない!!
みたいな不満に繋がり、デメリットと捉えられます。
でも、大多数の家庭のニーズは満たされているのは事実。
例えば私は1000家庭を超える家から子どもを預かってきましたが、19時開所でお迎えが間に合わない家庭は1%未満。
100人預かっても、18時に全員帰宅する日があったくらいです。
最長19時が短いという要望はマイノリティかつ、それ以上の預かりは健全育成の視点で良くないため敢えて預からない、というのもあるかもしれません。
開所時間のデータ
2-2.父母会運営だと保護者負担もデメリットになる
学童クラブは親が忙しくて預けてるのに、預けたらかえって役割が増える場合もあります。
これは父母会運営の学童クラブに多く、入会前から
何らかの役割は担ってもらいます
と明言してればいい方、入ってから初めて分かる施設もあります。
夏休みとか平日に有給を取って遠足の引率に駆り出されるとか、好きな人は良いけれど嫌な人にとったらいい迷惑ですね。
地域によっては、行ける範囲に父母会運営の学童クラブしかない、保護者負担の少ない学童があっても人気すぎて入れないとか・・
施設を選びにくい、
という点も
デメリットと言えます。
2-3.待機児童の状況、費用負担が自治体によって違うのもデメリットかも
公的な学童クラブでも、自治体によって利用料金が大きく違うのも、他の地区と比べたらデメリットに見えます。
そこに住んでたら皆同じだから、気にしても仕方ないとも言えますが・・
例えば東京23区だと、渋谷区は無料かつ条件満たせば全員入れる、一番高い区でも月額1万円で入会金など無し
一方横浜市とか、月額5000円で使える公立の学童は少なすぎて、ほとんどが父母会など民営団体が税金から補助金もらって運営してる施設で、
- 入会金1万円
- 月額16000円
- おやつ代別
文面で見ると、結構な違いがありますね。
倍額出せば、習い事が充実してる民間学童クラブに入れる勢いです。
まあ全国的には入会金やおやつ代、延長料金など込みで月額平均にしたら、1〜2万円程度が相場のよう。
自治体の考え方に、色んな点が左右されるのも公的な学童クラブのデメリットと言えます。
令和3年(2021 年) 放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)の実施状況 (令和3年(2021 年)5 月 1 日現在)
2-4.支援員が安定して働ける学童クラブは多くないので、トラブル対応など安心できるかマチマチ
公的な学童クラブに限らずですが、支援員の仕事内容が
・子ども支援
・家庭支援
とざっくり全般的なので、経験を積まないと満足できる仕事をするのが難しい職種です。
反面、支援員の待遇は悪いので安定して働けず、素人ばかりで対応に不備が目立つ学童クラブも少なくありません。
特に公的な学童クラブへの行政予算は減る一方。
公立の学童なのに正規はマネージャーみたいな一人だけ、あとは年度契約の非常勤職員しかいない現場もあります。
これも自治体によってマチマチ、入るまで状況が分かりにくいという読みにくさが大きなデメリットです。
3.民間学童クラブは費用が一番のネック+デメリット、学童クラブというよりは習い事
この章では税金が使われている公的な学童でなく、塾や習い事系のプログラム充実の民間学童クラブについてお話していきます。
民間学童の最大のネックは週5フルで預けたら月額10万円が見えるくらい高額な費用ですが、
それ以外にはサービスに頼りすぎると発達が曲がる可能性が出てくる、というデメリットもあります。
分かりやすい例で言うと、
民間学童は22時まで預けられる施設が多いけど、そんなに預けて子どもが健全に育つと思えるでしょうか。
習い事は適度なら良いけれど、好きなことも過度にやれば負担になります。
何かを為す時間ばかりでなく余暇が大切だし、何より勉強はできるけどロクな人間じゃない奴ら、私の周りにも何人かいましたよ。
小学生の特に低学年のうちは、親との関係が非常に大切です。
どれくらい世話を焼いて、構って、コミュニーケーションを取ってきたかが一生効いてくるのです。
預けたり人任せでも子どもは育ちますが、年齢が低いほど子どもは親を求めているので、
それが満たされないまま大きくなった子は、やはりどこか問題を抱えやすい傾向にあります。
また外部のサービスに頼りきりだと、子どもは
☑物を与えられてウヤムヤにされてる
☑親は何にもしてくれない
☑いつもお金で解決する
実際には親が頑張って働き、馬鹿にならない費用を負担し、何とかやりくりして預けてるのに、子どもの感じる思いとのギャップが出てきます。
民間学童クラブはお金さえ払えれば確かに便利。
しかし長い目で子育てを考えると、短期的な便利さと引き換えに、長期的に見て大切なものを失いかねないのです。
4.デメリットが気になるなら併用や、いっそ預けないのも選択肢
学童クラブには公的・民間関わらずそれぞれにデメリットがあります。
そして低学年のうちはメリットが勝ちますが、学年が上がるほどデメリットの占める割合が上がってきます。
そこでデメリットを含んだ学童クラブをうまく利用するには、
●公的学童と民間学童の併用
●家で何とかする姿勢をベースに、助けてもらうつもりで利用する
●年齢に応じて必要性を吟味し、預けないのも選択肢
これらの視点が大切です。
特に併用は、民間学童の費用問題をかなり軽減してくれます。
また学童クラブは本来、行っても行かなくても良い施設なので、今迷って今回は入っても次年度は入らないと思います。
そこで周りを見てみると、校庭開放や放課後子ども教室に児童館、公文や書写などの安い習い事もあるし、
学年が上がれば授業も6時間ベース、クラブ活動などにより放課後は短くなる。
週一で短い時間割があっても友達と約束し、鍵かけて遊びに行くとか、みんなやってますよ。
そんなこんなで、学童クラブにこだわる必要すら無くなってきます。
だから学童クラブのデメリットがどうしても気になるようなら、いっそ預けない前提で考えると答えが見つかったりします。
併用はオススメ【公立学童と民間学童クラブ】やってる人多いですよ
5.学童クラブのデメリットまとめ
当たり障りなく平均的に満足されるのを目指した結果、細かいニーズを汲めないのが公的な学童クラブ
合う合わないが大きく、入るまで実際のところ分からないのが最大のデメリット。
その要因は、お金の無さからくる不安定感です。
一方でお金を対価として、サービスが期待できるのが民間学童クラブ、
こちらは税金の助けがなく、運営に失敗すれば潰れる可能性が高い営利団体なので、高額な費用が一番のネック。
また仮にお金持ちで費用が気にならなくても、外部に頼りきりになるのは育ちに問題が出るという違うデメリットがあります。
そこで取るべき選択肢は
●低学年ならメリットが強いのでデメリットには目をつぶって公的な学童クラブに預ける
●放課後子ども教室など学童クラブ以外で何とかならないか探してみる。
●高学年になれば公的な学童クラブはよく吟味する。
●民間学童クラブをたまに利用するか、そもそも利用しない。
こんなところになってきます。
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