子どもに教えたい交通ルール~入学や学童クラブ退所へ向けて
「気をつけて行ってらっしゃい」
今も昔も、その意味は"車に"気をつけての意味が大きいところです。
では何に気を付けるのか教えていますか?
道でふざけない、飛び出さない、曲がるときは一旦止まる、などを教えていなければなんの意味もありません。
この記事では子どもが交通事故に遭わないために、具体的に教えておく内容について書いていきます。

目次【本記事の内容】
- 1.子どもの一人歩きと交通事故の統計
- 2.子どもの交通事故に遭いやすい特性
- 3.具体的に子どもに教える交通ルール
- 3-1.歩行者・横断時
- 3-2.事故原因【飛び出し】
- 3-3.日常的に教えたい交通ルール
- 3-4.自転車でのルール
- 4.まとめ
1.子どもの一人歩きと交通事故統計
保育園のうちは保護者の送り迎えが基本で、子どもが1人で行動する機会はあまりないと思います。
しかし小学校に上がると事情が変わってきます。都市部では登校班などがありますが、それでも下校時は1人や少数の友達、また1人で外出することも増えてきます。
統計上も、小学校に上がってしばらくは下校時も先生が付き添うなどの取り組みがあります。
しかしそれがなくなった五月、事故が増えています。分かりやすいことです。
いくつか統計を紹介します。
警視庁ホームページ「平成29年中の交通事故の発生状況」
保育園の五歳~小三あたりの事故のうち、自動車に乗っているときは別として、歩行時の事故が六割です。
夜ではなく昼間、信号のある横断歩道や交差点での事故が7割程度となっています。
警察庁交通局の小学生歩行中の月別・時間帯別死傷者数(平成25年から平成29年)
- 時間帯は7時台と15時あたりの登下校、4月から7月の間、それに10月、11月が多い。
- 登下校の事故が全体の3割強
- 横断歩道の横断中の事故が、横断中の事故の4割
小学生がその外を出歩く時間は、平日なら登下校時が一番多いので当然の結果と言えます。
特筆すべきは5月と9月が多いということでしょう。
1、2年生で全体の半数を占めるというのも注目したいところです。
この統計データの対策でも書かれている通り、横断歩道での横断中の事故が多く、正しい渡りかたを教える必要が分かります。
2.子どもの交通事故に遭いやすい特性
私が学童クラブに勤めていた間でも、残念ながら交通事故で亡くなった子が何人かいます。
昨日まで元気だったのに、今日はもういない。こんなに悲しいことはありません。毎日のように関わりを持ちながら、安全について教えてあげられなかったことを、後から悔やんでも悔やみきれません。
なぜこの結果なのでしょうか?
子どもの特性として、
- 視野が狭く、注意も外に向かない
- 一つの事に集中してしまう
- 背が低く視認されにくい
といったものが事故に遭いやすい要因です。

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3.具体的に子どもに教える交通ルール
3-1.歩行・横断時の交通ルール
横断歩道や交差点での事故は、当然押さえておく点です。統計からも明らかで、信号があるからと言って油断はできません。
教えたいことをリストにしてみると↓
- 手を挙げて渡る
- 運転手を見る
- 車や自転車が通りすぎた後から来ることが多い
- 左折する車の内輪差へ巻き込まれること
- 赤はとまれは守れる。青も安全ではないこと
- 車道から離れて待つ
- 右側通行
- 標識を覚える
手を挙げて渡る
子どもの背は低く、運転手から見えずらいです。
また運転手からしたら子どもの動きは予測がつきにくいため、道を渡るのか、渡らないのかを知りたいところです。
アピールのためにも横断歩道を渡るときは手を挙げることを、幼児~低学年のうちは習慣つけておきたいですね。

運転手を見る
子どもからしたら「車は車そのもの」であって、"運転手によって大きく違う"ことを知りません。
運転している人にはおじいさんおばあさんもいたり、よそ見をして事故を起こす人が多いことをと伝えていきましょう。
また上で書いた「手を挙げて渡るときは」に、止まってくれたら"車ではなく運転手さんにお礼を言う"、"頭を下げる"などを教えれば運転手を見る癖がつきます。

赤はとまれは守れるが、青も安全ではないこと
運転手を見ると同じです。
赤は止まれは教えてもらっているので大体の子は守ります。
しかし青になったからと言ってすぐに行く子もまた多いです。青になったらよく見てから渡るを教えておきましょう。
車や自転車が通りすぎた後から来ることが多い
1台通りすぎると物陰からもう1台、"危ない!"という経験は大人ならあるかと思います。
子どもは経験がないためそれがわからず、手を挙げていたら車が止まってくれた、喜んで走って渡ろうとしたら物陰から自転車が来た、など十分考えられます。
「よく見て」「慌てずに」渡ることですね。
左折する車の内輪差へ巻き込まれること
交差点でよくある事故です。
トラックなど大型車の、右側の運転席にいる左折車の運転手からしたら、子どもは見えません。ミラーで確認できる程度です。
交差点では特に、「後ろもよく見てから」渡ることを教えていきましょう。

車道から離れて待つ
道で子どもを見ていると、しっかり止まっているけれど車道ギリギリで待っていたり、ガードレールに登ったりとヒヤヒヤする場面がたくさんあります。
運転手の手か少しぶれただけで、そんなところにいる子どもに接触してしまうでしょう。併せて教えておきたいところです。
右側通行
十分に注意して歩いていても、左側通行では、それ自体が危険です。
歩道があっても、歩道が広くても、基本的には右に寄ることを繰り返し伝えていきたいですね。
標識を覚える
止まれ、一時停止 、進入禁止、 一方通行 、通行止め
この辺りをクイズ形式など楽しみながら教えていくと違います。
子どもは興味の幅が広いので、こういったものは教えればすぐに覚えるといった子どもの特性を活用しましょう。

3-2.事故原因【飛び出し】
飛び出しで交通事故にあっている割合は6歳以下の幼児では56.9%、7~12歳の小学生では51.3%を占めています。
子どもは飛び出しが多いって本当?HONDAHより

3-1では横断歩道や交差点での注意を書きましたが、実はこのようになっています。
横断するときの飛び出しとともに、見通しの悪い曲がり角での飛び出しや、渡らないのに車道にはみ出す飛び出しもあります。
道や駐車場で遊ばない
子どもは友達とふざけていると、もともと狭い視野が余計狭くなります。
また駐車場は子どもにとっては格好の遊び場に見えますが、とても危ない場所です。遊んでよい場所といけない場所をしっかりと教えておきましょう。
曲がり角の曲がり方
塀や建物で曲がった先がよく見えない道がいくらでもありますね。
ミラーが設置されているところも多いとはいえ、曲がる先の左右どちらかしかカバーしていなかったり、そもそも子どもはミラーを交通のためにはまず見ません。
正面に立って映っている自分を眺めるくらいです。
そのため、"曲がり角では止まる"ことを教えるのが単純で一番効果が高いことです。

通りへ急に出るとぶつかる
見通しの悪いところでは、塀の影から急に出たりするのは当然危ないことです。
家の玄関から飛び出して、玄関前を通った自転車にぶつかることも、簡単に予測できます。
自動車の免許をとるときには「かもしれない運転」を必ず習いますが、それと同じです。
子どもはいちいち「かもしれない」とは考えないので、画一的に"見えない所からは自転車や車が出てくるから、一旦ストップ"を教えるのが単純です。

3-3.その他日常的に教えたい交通ルール
ここは危ないと日常使う道の確認
日常的に使う道はある程度決まっていますね。
子どもと歩きながらここは危ない、ここから車が急に出てきそうなどを繰り返し教えていきましょう。
学童クラブなどの施設では防犯、交通マップを子どもと地域に出て作るなどの取り組みもできそうです。
はじめてのところは基本ルール
初めていくところでは特に3-1や3-2で書いた基本ルールを守ることが大切です。お出掛け先では子どものテンションも上がり、その分事故のリスクが高まると言えます。
その中でも特に"道でふざけない"などを重点的に守らせましょう。
線路
地域によっては生活圏内に踏切がある場合も多いです。地方では線路がむき出しになっているところもあり、そういったところに住んでる方はよく教えていると思います。
安全教育として必要なことですね。

3-4.自転車での交通ルール
学童クラブなど、年齢が上がると自転車に乗ることも増えてきます。交通事故のうち6割が歩行中ですが、年齢が上がるにつれて自転車での事故の割合が上がります。
平成26年に発生した自転車事故で、事故を起こした未成年者の71.4%は、何らかの違反(安全不確認など)をしていました。全体の三割は未成年です。
警視庁交通局のデータ

自転車で教えたい交通ルールは↓
- 歩道を走るよう(13才以下)
- 歩行者との距離、特に高齢者に注意
- 止まること、飛び出してくること
- 左側通行
歩道を走るよう(13才以下)
自転車は軽車両扱いなので本来は車道の端を走らないと行けません(普通に走ってますが)が、13才以下は自転車でも歩道を走ってよいことになっています。
法的にも歩道を走るように教えても違反ではないので、子どもの安全のために積極的に教えていきましょう。
歩行者との距離、特に高齢者に注意
歩行者のギリギリのところを走らないように教えましょう。ぶつかっていなくても相手がビックリして転んだら責任を問われることもあります。
特に高齢者や小さい子には注意がいりますね。
止まること、飛び出してくること
歩行者としては飛び出さないを教え、自転車でもそれは同じです。しかし自転車は軽車両なので、相手が歩行者なら自転車側が悪くなります。
急に影から飛び出してくることを教えることと、自転車の方が悪くなるということをしっかりと指導していきましょう。
左側通行
歩行者は右側、車両は左側です。日本の交通ルールの基本なので守るように。

4.交通事故に遭わないために子どもに教える事まとめ
小学校に上がる前にも、子どもと外出する機会はたくさんあるでしょうから、その都度交通ルールについては繰り返し教えていくことが大切です。
一度教えたからと言っても、足し算を覚えるように簡単にはいきません。
事故は一度でも起きたら一発でおしまいとなる可能性も高く、油断しないことが何より大事だと思います。
また教える際には記事で何度も書いたように「具体的に」「繰り返し」教えることが大切です。
子どもを守るためには交通ルールだけでなく、人からも守る必要があります。
大人が守ることと、自衛の手段を教えることは車の両輪です。こちらの記事を読めば教えるポイントが分かります。↓↓

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